「はぁぁ……」
パワプロが未だに男根を露出したまま、ぼーっと血脈を活発に巡らせている時、千優は水道で手を洗いながら大きくため息を吐いた。
口の中には僅かに白い粘液がゼラチンのように残っており、さらに喉奥へと入り込んでいった白糊液も未だに噎せるような匂いを伴い彼女の口内は牡の香りでいっぱいであった。
蛇口から勢いよく放たれる水と同じく、亀頭から放水された白濁した液体をよくもまぁ自分の口で受け止められたものだと千優は自らを褒めた。
「ほんとはこれをココにいれるんだよね…」
弱酸性の石鹸をつけて綺麗に洗浄した指をタオルなどで拭かず濡れたまま、ジャージのズボン越しに自分の秘部へと当てる。
健康ヲタクと呼ばれるほどの知識がある千優にとって、義務教育過程で保健体育で習うことは当たり前のように理解しており、さらには精液の主成分はタンパク質で飲んでも性病に感染するリスクがある以外は問題ないという授業で扱わないことも知っている。
ネットで健康法について調べていた時の不可抗力とはいえ、男性が勃起時に性欲を放出しなければならないとか、それは女の子の手や口、あるいは女性器がもっとも効果的であるという"デマ"を見てしまった千優はパワプロがそういう状態に陥ってるのを見て少しでも役に立てればと一役買ったのだが。
(モザイクがなかったらあんな感じなんだ…)
教科書には内面図はあれど、外観の絵、それも勃起時のものはなく、ネットにあるものも法律などの関係で大体がモザイク処理をなされている。千優の父は健全で娘に欲情したことはない為、勃起形態を晒したことも無い。なので事実上、千優が男の象徴が硬くなった姿を見るのが今日が初めてであった。
(………パワプロくん、引いちゃったかな)
いくら性欲処理のためとは言え、女性に脱がされて勝手に手淫をされたパワプロは気持ちよさそうにはしていたが困惑していたはずだ。実際していた。
ハグはまだ良いにしても、急に手で摩ったり口で咥えたした自分を淫らな女だと思っていないだろうかという不安が千優の中に駆け巡る。
しかし、やってしまったことは仕方がない。いつも通りに過ごせるならそれでいいし、避けられたら避けられたで仕方の無いことだと割り切ればいい。
「………」
だが、もし本当に嫌われたりしたのならもう二度とハグや、その先の恋人がやるであろう手繋ぎやキスも出来ないということ。少なからず好意を抱いているパワプロと違い、いつ告白するかで悩むほどにパワプロの事が好きな千優にとって想い人に嫌われるというのはこれからの学校生活の暗黒を示していた。
あとは言いふらすとは思えないが、パワプロには好きだからハグやら手で扱いたりしたのを、誰にでもやると思われタレこまれたら一巻の終わりである。
そう思って俯いていると保健室の扉が開かれた。
「あら、まだいたの?そろそろ下校時間だけど」
「あ、ごめんなさい。すぐ出ます」
保健医の先生にそう言われ、千優は彼女の横を通って廊下へと逃げるように出ていく。その事に保健医は首を傾げるも気にすることではないだろうと、パワプロがいるベッドのカーテンを開けた。
そこにパワプロの姿はなく、保険医はすでに出ていったものだと解釈し、そのまま窓を閉めた。
その下にはベルトも閉めずにパンツの姿を覗かせるパワプロがドキドキと心臓を先程とは違う意味で高鳴らせていた。
「………危なかった」
今まで何をしていたのかと問いただされる可能性があったため、保健室の扉が開き保健医の声が聞こえるや否や窓を開けて飛び出したパワプロは潜めていた息を解放すると大きくため息を吐いた。
窓がなければ即死だったと額の汗を拭うと、適当に履いていたズボンのベルトを締め直して立ち上がる。危機的状況に陥り性欲どころではなくなったためか、屹立していたペニスはなりを潜めており、その事にもパワプロは安心する。
「にしてもチユちゃんなんであんなことを…」
心を落ち着かせるためのハグはまだ分かるとしても、自然な勃起からば収める手段は手淫や口淫、性交をせずとも時間経過という誰も損も得もしないものがあるのに、どうしてあんなことをしたのかと呟く。
考えられるのは自分に好意を持っているから、もしくはネットや雑誌で勃起を鎮めるには……的なことを見たかのどちらかなのだが。
「チユちゃんなら後者かな…」
もしかすると精液を身体につけると健康にいいみたいなデマを植え付けられたのかもしれない。そんなことはないかと鼻で笑い、部室へと足を進める。
保健医の言う通り、時間は既に下校時間を迎えており、大会期間中でない野球部もそれは守らなければならないためグラウンドでは片付けが終盤となっていた。
「む、先輩」
何か手伝えることは無いかと彷徨うパワプロにベンチに腰掛けてレガースなどを剥がしている聖が彼の存在に気付き声をかける。
「手を捻ったそうだな、大丈夫か?」
「うん、骨とかには異常はないだろうって」
「そうか。それならよかった」
淡白に答えた聖にパワプロは何かすることは無いかと尋ねるも「怪我人は怪我人らしく安静にしてるといい」と一蹴されてしまう。
「そういえば千優先輩と何かあったか?」
「えっ、なんで?」
「いや、つい先程戻ってきたが、用事があるからといそいそと帰ってしまってな」
「そうなんだ…」
「それで心当たりは?」
ハグされたり、手淫やら口内射精などをしたためない訳では無いが答えるに答えられないパワプロは頬を掻きながら「さぁ…」と本当に分からないという風な演技をする。それに聖は「そうか」とまた淡白に答えるとキャッチャー用具を外し終え立ち上がる。
「うろちょろされても迷惑だ。一緒に来てくれるか?」
聖の申し出に頷いたパワプロは彼女と横並びになって部室から少し離れた倉庫へと向かう。
「そういえば、明日の練習は休みらしいぞ」
「え、なんで?」
「ストライキするそうだ」
「ス、ストライキ?」
「あぁ、烏丸先輩を初めとした一軍がコーチのやり方に反対だと」
自分のいぬ間にそんなことになっていたとは露知らずパワプロはぽかんと口を開ける。明日は土曜日で練習するにはこのグラウンドに足を運ぶ必要がある。確かにコーチへの反発の意を表すためにストライキを起こすならもってこいであるが……。
倉庫に着き、扉を開けるとそこは広くもなければ狭くもない程に様々な野球道具が仕舞われていた。中には野球には関係の無いマットや跳び箱の最上段などがあるが、汚れ具合などから察するに不要になってこちらに来たのであろう。
「聖ちゃんはどうするの?」
倉庫を見渡しながら特にコーチへの不満などを漏らしてはいない彼女はどうするのかと気になったパワプロが訊くと聖は倉庫にプロテクターやレガースなどを規定の場所に置くと顎に手を添えた。
「まぁ、ここしばらく一軍の練習はハードだったからな。休むにはちょうどいいとは思っている」
流石の聖でも巖巳コーチの練習メニューをこなすのはキツかったようで身体を伸ばす。その際に上体を後ろに逸らしたために彼女のボディラインが浮き彫りになる。
アンダーシャツから覗かせる鎖骨や脇下から腰にかけるしなやかな身体つきが妙に先程の千優との情事のこともあって妙にいやらしく見えてパワプロはすぐさま目を逸らす。
「どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ」
苦笑しながら若干前屈みになりながら返したパワプロに聖は怪しいと目を細める。
まさか手首以外にもどこか痛めているのかと危惧した彼女は倉庫から出ようとするパワプロの左腕を掴んだ。
「待て」
「えっ!?」
唐突に腕を掴まれたパワプロは驚きの声を漏らしながらも、姿勢は変えずに聖の方を見た。
そうして依然と姿勢を変えようとしないパワプロに何かあるなと聖は睨み、倉庫の扉を閉めて退路を塞ぐと改めてパワプロの方へと向き直る。
「先輩、何か隠しているな?」
あからさまにビクゥッと身体を硬直させたパワプロに確信を持った聖はパワプロにさらに詰め寄る。すると、逃げ場のなくなった彼は踵を使われなくなったマットにぶつけバランスを崩し、その場に尻もちをつく。しかし下がマットということもあって怪我はなかったが、完全に聖に上を取られる形となってしまった。
「先輩……それは……」
そうして前屈みから尻もちをついたおかげで上半身が後方にいったせいで、ズボン越しあ彼の隆起した陰部が晒されることになってしまった。一日に2度も女子に勃起状態に陥ってるのを見られてパワプロは思わず赤面してしまう。
真面目な聖のことだ、おそらく変態と罵られてこれからは距離を置かれるだろうと目を瞑った。
「…それはどうしてそうなったんだ?」
しかし、実際はそうではなく、彼女は腰を下ろしてパワプロと目線を合わせて首を傾げる。勤勉な聖も義務教育過程の保険の授業内で男性の体の仕組みについては理解している。ただ教師が女性で、自分も女ということもあって勃起がどのような原因で起こされるかについては言及されていなかった。ただ、ズボン越しからでも分かるくらいには男性器が大きくなるという情報を知っている聖はそのメカニズムに興味を持った。
「えと、それは…」
「言えないことなのか?」
口を濁すパワプロに聖は圧をかけるように顔を寄せる。それは倉庫の暗闇でもお互いの顔がよく見える距離であり、聖の端正な顔立ちにぷるるんと色のいい唇が目に入ったパワプロは余計に目をそらす。
「……ひ、聖ちゃんが、可愛い……からだよ」
「な、なんだと?」
「だから、聖ちゃんが可愛いからだよ!」
もうこうなればやけだと強い口調で言い放ったパワプロに聖は近づけていた顔を離すと、曲げていた膝を伸ばして頬に手を当てた。
「そ、そんなこと言われても……こ、困る……」
いきなり可愛いと言われれば女の子なのだから多少恥ずかしがるのは当然で、それが自分が気にかけている先輩ならば尚更であった聖は熱くなる顔を感じながらパワプロの方をチラ見する。
「つ、つまり、それは私のセキニン……ということだな」
「え、あ……まぁ、そう、なるのかな?」
歯切れ歯切れに戸惑いながらそう答えたパワプロに聖は大きく息を吸い、吐き出して深呼吸をする。そして、その手で倉庫の鍵を内側からかけ、さらには外から開けられないように二重施錠を行う。
「え、えと、聖さん……?」
突然の行動に思わず敬語になったパワプロに聖はずんずんと近づくと彼を押し倒して、その上に覆い被さるようにして乗る。そんな聖にパワプロは唖然としつつも、何かデジャブを感じながら目をぱちくりと瞬きすると、上に乗る聖が重い口を開いた。
「…先祖代々、六道家では男に恥をかかせたらセキニンをとるのが一家の習わしだ……その、だから……」
モジモジと唇を尖らせながら言う聖にパワプロは動揺しつつも、その本能は抑えられずにいた。
モテモテ持ちにのみ許される勃起。うやましね。
エッチまでやっぱり長いのでパワプロ君にはそろそろ鬼畜になってもらわなきゃな……そのために少しずつ記憶を思い出してもらってます。
今回のパワプロくんはエッチして経験値が上がることを忘れてますが、思い出したらどうなるんですかね…ふふふ…鬼畜系主人公と王道系主人公どっちがモテるんですかね…ふふふ…
パワプロをよく知らない人のための解説
【ガンダー】
ここまで1度も登場してない犬。高校のグラウンドに不法侵入してはパワプロにアイテムを持ってきてくれる憎めないやつ。名付け親は矢部くん。プレステ版などではストーリーに関わってくることもあるが、アプリ版ではアイテムを咥えて持ってくる以外はない。
次の高校は?
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北雪高校
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ヴァンプ高校
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天空中央高校
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恵比留高校