まだエッチには入りませんがストーリーも楽しみたい方はお読みください。ナッチとえっちまでの道が長い。
お知らせ)水曜日から金曜日まで忙しいので予約投稿させていただきます。R18だから夜の方がいいかなと思うので日が変わるタイミングに予約してます。感想、評価はもちろん、誤字脱字などあれば報告お願い致します。
流石に5限を2人揃って欠席するというのは不味いという話になり、詳細はまたちゃんと話すことを約束して俺達は遅れて5限目の授業へと向かった。ただ、この場合も2人で職員室に行って入室許可書を貰いに行くと怪しまれる可能性があったので俺はトイレに行ってから夏野とは時間をずらして入室許可書を受け取る。
その後すぐさま美術室へと向かった。5限目は芸術選択で、書道、音楽、美術の3つの中からどれかなのだが、最初の2つは苦手で美術は好きでも嫌いでもないし、非常勤講師の先生があまり厳しくないしルーズな部類なので今回も美術を選択した。
なので、遅刻しても特に何も言われることなく教室に入り席に着く。すると自分と同じく美術を選択した矢部くんがこちらに顔を寄せた。
「珍しいでやんすね」
「あぁ、うん。ちょっとトイレにね」
言うと矢部くんはなるほどと頷く。人間はどう足掻いても自然の摂理と生理現象には勝てないといったトイレからなんだか壮大な話へと移行していた。
「それはそうと昨日のガンダーロボは凄かったでやんす。観たでやんすか?」
「うん、観たよ」
「そうでやんすか!いやー昨日のは自然の摂理に立ち向かうガンダーロボの強さが描かれていて……」
そこからはヲタク特有の早口というやつだ自然の摂理とやらも昨日のガンダーロボから導き出されたワードで、彼はずっとこの話がしたかったに違いない。
矢部くんは決して押しつけはしない。1度見て面白くないといえば、肩を落としてその場を去り、面白かったといえばさらにのめり込むように誘ってくる。だから、こうしてガンダーロボを観ていると言った俺に、よりガンダーロボが好きになれるように裏設定や小ネタを教えてくれるのだ。
高校生活を繰り返す中で、友達との付き合いは大事でその中で1番関わってきたのが矢部くんだったので彼の話を聞くのは苦ではない。けれどもこの話は俺は既に2回聞いているため、そういう話だったなレベルの感想しかないのだが。
「それはそうと夏野ちゃんが探していたでやんすが、会えたでやんすか?」
すると、あらかた話し終えたのか、不意に矢部くんがそう尋ねてくる。
「会ったけど…探してた?なんで?」
「それはおいらに聞かれても分からないでやんす」
首を傾げてみると矢部くんは首を横に振った。探していた…のはまぁ、わかるが、小筆ちゃんとの関係に勘づいたからそれの確認……にしては急すぎる気がする。他になにか目的があったのでは?だが、考えてみても答えはやはり出ない。
話が途切れ、俺が熟考する間に矢部くんは成績評価に関わる課題に取り組み始めた。俺も考えても仕方ない事だと割り切って彫刻刀を握った。
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授業も終わって、普段なら待ちわびた部活の一時。だったのだが、今日に限ってはとても気が重かった。集中力も散漫であったが、精神練習で身体と気を休めながら、周りとの接触を拒むようにして練習時間を終えることには成功した。しかも今日は華の金曜日。明日の練習は午後からなのでこれからゆっくりできるぞー!と気分が踊るはずなのだ。
けれども、問題があるのは練習後である。ダラダラと嫌な気分を引きずりながら着替えを終えて更衣室を出ると、待っていたのは恋人の小筆ちゃんではなく、俺と同じく今日は覇気のない夏野であった。俺が視界に入った彼女は口を開く。
「その、どこで話そっか」
「あぁ、うん…そうだね…」
っべー……考えてなかった。けど、今から行けるとこなんて限られてるし、話が話だからなぁ…。夏野の反応によっては長くなるかもだし、そうなると制服は親切な大人の皆様の注目の的になりかねないし。
「とりあえず、着替えに帰らない?制服だとまずいし」
「……逃げない?」
「逃げられたらもう逃げてるよ」
怪しむように目を細めた彼女に俺は苦笑するしかなかった。単純な足の速さでなら逃げられると思うが、それは話を先延ばしにしてるに過ぎない。いずれは捕まって、今よりも面倒なことになることは予想に容易い。
とりあえず、校門前で待っている小筆ちゃんに一声かける。彼女と俺の家は逆方向なので共に帰ることはできないため、いつも別れるのはこことなる。また明日と挨拶を交わすと彼女の姿が曲がり角で見えなくなるまで待つ。
そして、その姿が見えなくなったところで校門脇に隠れた夏野に合図を出す。現れた夏野は帰り道がほとんど一緒で着替えるならと互いに家の外で待って、そこから行く方が早いだろうという結論になり、まずは夏野の家に向かった。
「絶対逃げないでね」
「わかってるよ」
念を押すように言った夏野がマンションの中へと入っていく。夏野の家はどうやら8階建てのマンションの一室のようだ。上まで上がっても仕方が無いので下で待ってると言うと、先程の反応をされてしまった。
にしても、エントランスなんて高級マンションにしか無いものだと思っていたが、意外にも夏野のマンションには手狭ではあるが人を待つにはちょうどいいくらいのスペースにソファーとミニテーブルが置かれている。それにどかっと座り込むとこの世の終わりみたいなため息が出た。
やだなぁやだなぁ…これから小筆ちゃんとの関係と何してるかについて説明するとか逃げたいを通り越してもう死にたくなる。そもそもこうなる遠因を作ったのは誰だ。はい俺でしたと半ば投げやりにモノローグを綴っていると小走りでこちらに駆け寄ってくる足音が聞こえる。
「パワプロくん、お待たせ」
着替えてきた夏野の私服は白のトップスにホットパンツと彼女の健康的な白い肌を直視せざるを得ない服装で、恋人がいるというのに何故か目のやり場に困ってしまう。そんな俺を覗き込むように夏野は首をかしげる。
「変、かな?」
「いや、全然似合ってるよ」
けれども意外だったのは、彼女のことだから暖色系の色の私服が多そうなイメージだったのだが、黒と白と少し地味な気がする。これはこれで悪くないのだが。
「そうかな、えへへ…」
たった一言で今日初めて夏野の笑顔が見れたわけだが、なんだかいつもの笑顔とは種別が異なる気がするのは何故なのだろうか。笑顔っていうよりにやけ顔だし。可愛いけど。
次に数分歩いて俺の家に向かった。夏野の家からそこまで距離はなく、10分もかからずに見慣れた光景が目に映り込んでくる。
「へー、パワプロくんもマンションなんだ」
「うん」
確か築20年くらいと言っていたが、この前補修作業とかして築齢偽装をしていたのでそうは見えなくなっているが、化粧と同じくペンキが剥がれればその真実が垣間見えてしまう。
しかし、マンションの前とはいえ高校になってから初めてではないだろうか知り合いを招くというのは。実際には招いてはないし、上がりもしないのだが。
母親には友達と食べてくると話して手早く着替えて家を出た。母さんは俺の身辺調査など決して行ってこないので、大抵「あーまた矢部くんか」くらいにしか思っていない。
母さんが知っている俺の身の回りの人物と言うと矢部くんくらいしかいない。なので、多分小筆ちゃんと遊んでた時のことも今からの外食も全部矢部くんと過ごしてると思われている。けれども、実際に矢部くんと遊ぶのは月に1回くらいだから、実を言うとそこまで間違ってはいない。
「あ、ちゃんと来た」
エレベーターから降りると惜しげも無く健康的な太ももをさらけ出しながら壁にもたれかかっていた夏野が寄ってくる。なんだか犬みたいだなこの子。かまってちゃんだったりわんぱく元気ガールだし動物に例えると犬だな!
「で、どうするの?」
「アテはあるにはある」
時は夜。加えて週末の金曜日だ。俺と同じく明日は休みだし、ちょっと羽目外そうか、贅沢しようかなんて思う人間は多いはずだ。そういう人間は自然と外食へと赴く。しかし、1人ではない家族とである。友達は基本的に外れる。理由はわからないが、分からないものを考えて答えを出せるほど賢くないので放っておく。
とにかく、そういうわけで家族が行きやすい外食先として真っ先に上がるファミレスというのは内緒話をするのに向いている。なぜなら、家族との食事中に小声で話す男女の会話など興味の対象に映らないからだ。人間の脳が興味を奪われるのは猿のように騒ぐ集団と容姿端麗なのに1人窓際でコーヒー啜る人間くらいだろう。ソースはない。
「というわけで、パワレスだよ」
「まぁ、納得はしたけど…」
パワフルレストラン。通称パワレスは俺のマンションから徒歩15分圏内にあるファミリーレストランであり、安価ながらも幼稚園児や育ち盛りの男の子はもちろん、大人の皆様まで満足させるメニューが盛りだくさんの人気店である。
家を出る前に予約を入れておいたので入店はスムーズに行き、しかも端っこの目立たない席へと通される。隣の席とは通路で分けられ前の席はパーテーションに遮られているおり、オマケに周りは元気が有り余った幼稚園児や小学生連れの家族客のおかげでボリューム感満点。これなら多少淫語が飛び出しても店員さんにさえ気遣っていれば問題は無い。
初めはあまり乗り気でなかった夏野も道中で理由を説明し、店内に入ってしまえば納得するしかなく今では「久しぶりだなー」とミニテーブルの上にメニューを表を開いている。
「パワプロくんは何にするの?」
「ハンバーグと焼肉セット」
「わぁ、美味しそう。私は…うーん、パフェ食べたいしチーズハンバーグセットにしよっ!」
やっぱり食べるんだと思いながらも口には出さず、互いに注文が決まったのでボタンを押して店員さんを呼ぶ。そして、メニューを伝えると店員さんはかしこまりましたーと奥へと姿を消していく。
さてと、どうしたものか。料理が運ばれてくるまでの時間で話すか、それとも食べ終わってから話そうか。思案しているとこちらを覗き込むようにしている夏野と目が合った。
「小筆ちゃんとのデートってどんな感じなの?」
「映画見た後に感想言いながらご飯食べたり、海行ったり遊園地行ったりとか」
「それって全部小筆ちゃんが?」
「まぁ、基本的には」
誘うのはいつも俺からだったが、何をするかを決めていたのは小筆ちゃんだったと思う。俺はそれに「いいね」「そうしよう」とか言って金魚のフンが如く着いていっただけだ。
それは今も変わってないのだが。
「じゃあ、パワプロくんがここに誘ったのって私が初めてなわけだ」
「え?あぁ…うん」
まぁ、そうなるんじゃないかなと適当に曖昧に返すと、夏野はまた可愛らしくニヤけた顔を浮かべる。それが改めて見た私服姿とマッチングして超可愛く見える。
けれども、どうして俺にそんな顔を向けるのか分からず首を傾げるしかなかった。
「あ、ドリンクバー入れてくるよ、何がいい?」
「いや、俺が……まぁいいや、コーラで」
止める前にもう既に夏野は立ち上がっているため、お言葉に甘えて入れてきてもらうことにした。お願いすると夏野は「おっけー」と指で丸を作って右のポケットをまさぐりながらドリンクバーの設置されているところへ歩いていく。ポケットの中に何かあるのだろうか。
ふと、窓の外を見ると満月が夜の街を照らしていて、これを何も後ろめたくなく、なんでもない日の終わりに見れたらなと思いながら肩を竦めた。
女の子ってのは好きでもない人に褒められても、初めてを共有されてもにやけ顔にはならんぞよ。
それと評価軒並み高くて驚いております。皆様ありがとうございます。
パワプロをよく知らない人のための解説
【矢部明雄】
パワプロくんの親友(相棒)として知られるパワプロの顔その2とも呼んでいい男。作品によって能力値や性格に多少の差異はあるが今回は普通にアプリ版の設定を採用している。
なので、ヲタクでメガネで足が速く、チャンスに弱い……。
けれども、性格は非常に良く、パワプロの幸福を自分のことのように喜ぶ善人である。
気になったので
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パワプロアプリをやっている
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アプリはないが他媒体ではある
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パワプロ作品はやった事がない