※この作品はR-18です。

異世界から帰ってきた勇者とやって来た魔王!   作:EMO

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四話

「私……虐められてるの」

 魔王から衝撃の告白をされた。

 

 いやいや、お前仮にも異世界じゃ魔王だったろ? 

 何故虐められるんだ? 

 異世界じゃバリバリの武闘派だっただろ? 

 俺と何回殺し合ったと思ってるんだ? 

 

「私ね、この身体に記憶がインストールされる前から虐められてたようなのよ。

 それで、相手から何かされると身体が勝手に萎縮してしまって何も出来なくなるの。

 私って魔力が無くなったら普通の人間以下の体力しかないし何にも知らないから余計にね」

 

 魔王の話しによると、元々中学時代から虐めがあり、エスカレーター式に高校に上がってからもそれが継続しているそうだ。

 虐める相手は別のクラスの女子グループだそうで、定期的に呼び出されては無理難題を吹っかけられたり体罰に近い事をされるらしい。

 だから学校ではなるべく目立たない格好をして誰とも話さないようにしていたのだ。

 

 俺は魔王の話しを聞いてだんだんと腹が立ってきた。

 どんな理由があるにせよ虐めは……理由なんて関係ない。

 虐めなんてもってのほかだ。

 集団で一人を虐めてそれを見て楽しむ奴がいる。考えるだけでヘドがでる。

 

 俺はまず魔王に対する虐めを止めさせる事にしないとな。 その為には事実確認と実行犯の確認だ。

 

 明日からはしばらく魔王の行動と様子を観察しよう。

 

 家では今日みたいな感じでいいが、学校では今まで通りに接する事を魔王に説明してから魔王を家に帰した。

 まあ、お隣さんだから三秒で家に着く。

 

 

 

 翌日の朝、登校してから魔王を観察した。

 魔王の席は俺の三つ前の窓際だ。

 席には何もされていない。

 授業間の小休みも他のクラスからのアクションは無く一人静かに机に座って過ごしていた。

 昼休みは孝己に言って別行動にした。アイツも友達が多いからいつも俺とつるんでいる訳ではない。

 

 動きがあったのは昼休みだ。

 大食堂の入り口近くの観葉植物の影から見る。ついでに聴覚に集中した。

 俺は身体能力が向上したついでに聴覚なども上がっている。

 普段は意識しない限り一般人並だが、聴覚に意識すると対象物の周りの音をよく拾うようになるのだ。

 

 魔王が昼飯を食べる為に大食堂に行き食券を買う為に列に並んでいると、

「マァーオ、私達の分も買ってねっ! 

 何時ものやつっ!」

 六人掛けのテーブルを占拠している四人の女子グループの一人が魔王に声を掛けた。

「は、はい」

 消え入りそうな声で返事する魔王。

 腹が立ってここで介入しそうになるが我慢だ。

 

 魔王がトレーいっぱいの料理が乗った皿を運んできて女子グループのテーブルに並べてから別のテーブルに向かおうとすると、

「マオッ! 

 何逃げようとしてるのよ。

 ここで食べな」

「は……い……」

 消え入りそうな声で返事して女子グループのテーブルに座る。

 

 魔王は居心地悪そうにカレーライスを手早く平らげた。

「では……」

 魔王がテーブルから立ち去ろうとすると女子グループのリーダー格らしき女が、

「じゃあ、デザート買って来て。

 何時ものやつね」

「は……い」

 魔王が頷き食券販売機に並ぶ。

 

「ねえ、もうアイツをイジるのはやめない? 

 私達の事に気付いた奴らもいるし。

 そろそろ内申点も付きそうだしバレたらヤバいよ?」

 女子グループの一人がリーダーに言うが、

「何ビビってるのよ。

 私にはあの人が付いてるのよ。大丈夫だって」

 リーダーが笑う。

「それにアイツって孝己様と一緒のクラスでしょ。

 それだけでもムカつくのよ」

 リーダーの隣の女が何故か孝己の事を様付けしてるし。

「そうそう、悠様と孝己様と同じクラスってだけで万死に値するわ」

 えっ? 

 俺まで? 

 何故に? 

 

 疑問符が飛び交う中、魔王がトレーいっぱいのケーキを持って帰って来た。

 

 すると、リーダーの横を通過してテーブルにトレーを置こうとする魔王の足をリーダーが引っ掛ける。

 

 バタンッ! ガシャンッ! 

 

 派手に転けてトレーをひっくり返す魔王。

「あーあ、何やってんのよ魔王っ! 

 制服汚れちゃったじゃないっ! 

 弁償しなさいよっ!」

 リーダーがこれ見よがしに叫ぶ。

「ご、ごめんなさい……直ぐに洗うから……」

 ダメだ……我慢の限界だ……。

 

「どうした?」

 出て行こうとすると上級生らしき男子が現れた。

「い、いえ。

 この子がトレーをひっくり返したから……」

 リーダーが上級生に言う。

「ふーん、さっきから見てたけど、一人の女の子にあの量を運ばせるのは無理があるんじゃないかな? 

 もしかして虐め?」

「い、いえっ! 

 わ、私達は別に……」

 リーダーが言い淀む。

「弁償がどうのこうのって聞こえたけど? 

 僕は風紀委員会でね、こう言う事には敏感なんだ。

 さあ、君。

 虐めならハッキリ言ってくれ」

 上級生が魔王に向き直る。

 リーダーの目が魔王を殺しそうなほどキツイ目をする。

「い、いえ……別に……い、虐めじゃ……」

 リーダーの目を見た魔王が萎縮しながら呟く。

「ふーん、君がそう言うなら構わないけど……何かあったら僕に相談してくれ」

 そう言うと魔王に名刺を渡してその場を去った。

 

 

「マオ、バラしたらタダじゃ置かないからねっ! 

 行きなっ!」

 リーダーが凄み魔王を脅す。

「は……い」

 俯いた魔王が消え入りそうな声で頷きその場を後にする。

 

 

「ふふんっ! 

 まだまだこれからよ」

 魔王が去る姿を見てリーダーが呟く。

 風紀委員にバレそうになった奴の態度では無い。

 もう少し様子を見るか……。

 

 

 

 夕方に家に帰った俺は魔王を俺の部屋に呼んだ。

 

 軽く料理教室をやってから夕食を食べる為に。

 今日の献立はハンバーグだ。

 豚肉と牛肉の合い挽きを買い、手ゴネハンバーグを作る。

 俺の好みはタップリの粗挽き黒胡椒を入れる事だ。

 そして、ソースはトマトベースのピリ辛ソース所謂アラビアータを作った。

 

 魔王は美味しい美味しいと言っておかわりまでしてくれた。

 

 

 夕食後は本題の虐めについて聞いた。

 

 俺は今日見た事の確認と実行犯の名前の確認をしたかったから。

 まず、リーダーは楓山 楓(あきやま かえで)、生徒会の書記をしている。

 取り巻きは細川 美紅(ほそかわ みく)この子は魔王の虐めをやめようと言った子だ。

 あとは鷹尾 翔子(たかお しょうこ)と依知川 麻美(いちかわ あさみ)の四人だ。

 虐めの原因は分からないそうだ。 中学半ばから虐めが始まり取り巻きは変わるがメインメンバーは変わらず魔王を虐めているそう。

 

 それと、風紀委員会の男の名刺も見せて貰った。

 北條 貴晶(ほうじょう たかあき)、三年生で風紀委員会の会長だ。

 風紀委員会の会長の割に詰めの甘い奴だな? 

 しばらくは風紀委員会も含めて様子見だな。

 

 

 そして、魔王っ! 

 ソファで膝を抱えるクセを治せっ! 

 今日はスキニージーンズだから身体のラインがはっきり出る。しかも……魔王の奴はノーパンかもしれない……スキニージーンズの股間にはハッキリと陰茎が浮かび上がり割れ目も分かり下手したらクリか? も浮かび上がってるし。

 学校では地味な雰囲気を出すくせに家では開放的過ぎないか? 

 これでも俺は男なんだ。

 独り身には刺激が強すぎる……この光景を目に焼き付けて今晩のオカズ決定だが。

 




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