翌日は普通に学校に行き普通に過ごした。
マオとは昨日までと変わらず接して周りに俺たちの関係を悟られない様にした。
「マオ、今日はカレーライスな。
構わないだろ?」
「うんっ!
カレーライスは大好きっ!」
だからお前はキ◯ンジャーかっ!
抱きつくマオを引き剥がしてから俺は調理に掛かった。
まずは玉ねぎをみじん切りにして深鍋で炒める。 そして、玉ねぎがよく炒まったら牛肉と豚肉の合い挽きミンチを入れて塩胡椒をして炒める。
牛肉や豚肉の角切りや薄切りを入れるバージョンもあるが、今日はシンプルなカレーにするから具材はこれだけだ。
水を適量の三分のニ入れ、残り三分の一にトマトジュースを使う。
こうするとコクと酸味が増して俺好みになる。
しばらく煮込みながら灰汁を取って待つ。
煮込みが終わったら火を止めてカレールーを入れる。 ルーは市販の物を使うが、二種類を半分づつ入れるんだ。 そうするとコクが増すような気がする。
再度火を入れかき混ぜながらルーが完全に溶けるのを確認して充分トロミが付いたら完成だ。
カレー皿に熱々炊きたてのご飯をよそいカレーをたっぷりと掛ける。
「さあ、出来たぞ」
テーブルで待ちきれなそうにソワソワするマオの前に大盛りのカレーライスを置いた。
ふんわり漂うカレーの湯気を嗅ぎながら幸せそうに、
「んんっ〜〜!
いい香りっ!
食べていいっ?」
「どうぞ」
「いっただきまぁ〜す」
言うが早いかスプーンをカレーライスに突き刺してガツガツ食べ始める。
あまりのガッつき具合に息をし忘れてるんじやないかと思うほどだ。
「ふぅ〜っ、おかわりっ!」
お前早すぎっ、俺はまだ三分の一も食べてないぞ。
まあ、いいか……マオが元気になってくれたから。
食事が終わり、俺は調理中に考えていた事をマオに提案した。
「マオ、イジメってのは根が深い。
多分、マオが前髪を下ろして目を隠すのも一因になってると思う。
だけど、決してマオのせいじゃ無い。
マオが卑屈になってるのを周りの奴らが更に面白がって調子に乗って増長してるだけだと思う。
だから、マオを目立たせて周りから邪魔されないようにしたらどうかと思うんだ」
「分かった。
でも、大丈夫かな?」
「大丈夫だ。
出る杭は打たれるってよく言われるけどね、出る杭が打たれ無いくらい高い杭だったら誰も打たないよね。
だから俺はマオを打たれないくらいに高い杭にするつもりだ」
そうだ、誰にも邪魔されないくらいにマオを高めればいいだけなのだ。
異世界で魔王だったマオにはその素養はある。あまりにも美し過ぎる容姿とプロポーションと綺麗な声。
俺はこれらを利用してプロデュースするつもりだ。
目立たない、目立ちたく無いマオを世界に売り込む。
そして、マオを誰からも手出し出来ない存在にしてやる。
敢えて守りを捨て攻撃に移る事により、結果的にマオを守る事になるのだ。
俺が直接物理的にマオを守ると必然的に暴力沙汰になってしまう。それも構わないが、暴力沙汰はなるべく隠したい。
そして黒幕をあぶり出してやる。
その前に不良供のリーダーって奴をジワジワと追い詰めて殺してやるけど……。
マオを直接イジメていた奴らは夏休み中に何とかするとして……。
「幸いな事にもうすぐ夏休みに入るだろ?
その間に下拵えするつもりだ。
マオは実家に帰るのか?」
「ううん……。
帰らない……」
マオが少し寂しそうに俯く。
マオの家族の事は知らないから他人が無理に立ち入らない方がいいが、時期を見て詳しく聞いた方がいいかもしれない。
「そうか、なら好都合だ。
夏休み中はずっと一緒にいられるな」
「……っ!
はいっ!」
マオが破顔し嬉しそうに頷き柔らかな感触が俺の胸に飛び込んできたので優しく抱きしめキスをして……。
「……はぁぁぁんっ♡……いっくぅぅぅんっ!」
マオが満足する迄抱いた。
****side魔王****
妾が魔王を継承してから暫くは魔族領の為に内政に尽力した。
魔王とは世襲制では無く魔族領の中で一番魔力が強大な者が魔王になる。
妾はそんな運命を背負い魔王になった。
そんな中、人族の国に旅行に行っていた両親が勇者に殺された。
人族の国王を暗殺しようと王城に忍び込んだところを勇者に見つかり殺されたと人族が通達してきた。 違うっ! 妾の両親は決してそのような事はしない温厚な両親だった。
怒り狂った妾は人族の国に殴り込みに行こうとしたが側近に止められた。
そしてその事件を発端にして人族の国に戦争を仕掛ける。
側近連中は嬉々として人族に攻め込み人的労働力を確保しながら勢力圏を広げていった。
そんな中、両親の仇である勇者とは直接的に殺し合うことが何度もあった。
共に首を落とされない限り完全復活する身体だったので勝負は全く付かなかった。
そんなやりとりをしている時に妾は真実を知ってしまった。 両親が殺された経緯を。
真実は戦争推進派が妾の両親を言葉巧みに人族の王城に誘い出し、その場に爆破用魔導具を用意して両親をテロリストに仕立て上げたのだった。
真実を知った妾は戦争を止めようとしたが既にその段階は過ぎていて両者一歩も引く事が出来ない状態になっていたのだ。
その後、勇者との殺し合いで妾は敢えて勇者に殺されようとした。 その様子を感じ取った勇者は妾を殺す事無く無言で立ち去った。
その時から勇者が変わった。妾にしか分からない微妙な変化だ。相変わらず苛烈な攻撃をしてくるが、決して必殺の攻撃では無く微妙に芯を外している。
決定的だったのが最終決戦で聖剣での攻撃だ。 結界に閉じ込められ弱った妾に対して大上段からのハリボテの光りの剣での切り下ろし。
妾はまだ勇者の真意を測りかねていたが、勇者が何かをしようてしているのを察して妾の全魔力を勇者に差し出した。
すると妾の魔力を吸収した聖剣で奥義エンゲージリングを発動した。 これは二つの世界をリングで繋げる次元転生魔法だ。 妾はやっと勇者を理解した……妾をこの世界から……魔王の呪縛から解放しようとしてくれている。だから素直に勇者の腕に抱かれた。
白い世界の中でも不安な妾を励ましてくれ抱いてくれた……本当にお人好しな勇者だ。
そして、人間に転生した妾を待っていたのは人間による手痛い歓迎。虐めと言うしっぺ返し。
毎日辛かった。悲しかった。でも、この世界のどこかにいる勇者に逢いたい一心で耐えた。
そして運命の日。
私の危機に勇者が颯爽と現れ私を抱き上げて助けてくれた。
夢にまで見た勇者。意外だったのは私の隣に住んでいた事を何ヶ月も知らなかった事。
まあ、私も目立たないように前髪で目元を隠して俯きながら生活していたから誰も気付かないよね。
それからは夢みたいだった。勇者が私のイジメを辞めさせようと頑張ってくれたり。 男達に乱暴され犯された時には顔を真っ赤にして私を助けてくれた。その時にアレがズボンを押し上げはち切れんばかりになっていたわ。私は勇者から抱きしめられながら触ったけどかなり大きかった……その夜アレが私の中に……。
あの逞しい腕に抱きしめられて……♡私の胸を揉しだき……♡優しくキスしながら……♡アンッ……♡痛いほど勃った乳首を優しく摘み……♡もう一方の手が下に這い湿った割れ目に指が沿って……♡指先がクリを撫でて……♡はぁん……♡ゆっくり濡れた穴に指が侵入して……♡あぁぁぁんっ♡!
キスしていた顔がいつの間にか……♡はぁんっ♡!
……勇者……♡ユウは私のモノになった……♡もう絶対に離さない。
ユウは私を目立たせてイジメを止めさせると言うがどうするんだろうか?
正直イジメなんてどうでもいい、ユウが側にいてくれるだけで……私のユウ……♡。