アンケートの結果、ベルくんをとことん追い詰めることになりました。
憧憬の相手に意識が無いときにレイプされ、それでも憧憬の相手を悲しませないようにと必死の少年をとことん。
孕ませていなければ前半までの追い詰めだったのに……
只今の二人の心境
アイズ「ベルに受け入れられた体も一つになっている。恥ずかしいし痛いけどデキタから今のうちに色々しようゴーゴー」
ベル「ナンデ!?どうしてこうなったの!?ストップアイズさんを落ち着かせてとにかく一度ストップ」
悲しいくらい擦れ違っています。
ようやくアイズの瞳から負の気配が消えたのを見届けたベルは問いを投げ掛けることにした。
まず聞くべきだ。まずはそこからだ。
鍛え上げられているのに女性的な丸みを失わず、弾力のある柔らかさをもっているアイズの裸体。ベルの腕が与える刺激によって筋肉が引きしまり、一瞬だけ鋼のようになり、すぐに例えようもない柔らかさになる。
そんな裸体に溺れそうになりながらベルは声を絞り出す。
「アイズさん」
「なに、ベル」
何故か蕩けそうな声のアイズに背筋が溶けるような感覚を覚えながら、ベルは何とか声を上げる。
何処か危うい気配を醸し出すアイズを、出来る限り刺激しないように。
「何をしてるんですか」
そう、まずこれだ。ひょっとしたら、アイズの中の常識では、これがそうでない可能性もある。あまりに低い可能性であっても、セックスとか子作りでない可能性が――
「子作り」
ベキリ
間髪入れず帰ってきた悪気の欠片もない返答に、心の中で勇気とか根気とか呼ぶべきものがへし折れる音がした。
(とりあえず、アイズさんは自分が何をしているのか認識している)
でも、すぐに再構築する。悲しいことにこれくらいならば慣れているから。
(ならどうしよう。結果じゃなくて、どうしてそうなったのかという過程を聞くしかないか)
「何でこんなことを」
もう一度平静さを装った声を絞り出す。
何でこんなことをしたのか聞かなければどうしようもない。何もできない。
アイズの裸体を引き離すことも、節操なく勃起してしまった逸物をアイズの膣から抜くことも、何もできない。
崖から一歩踏み出してしまっている理性とか自制とかいうものが消し飛ばないようにしなくてはどうしようもない。
そんなベルの心の裡に秘められた決意とか勇気とかを削りながら尋ねた問いに対する返答は残酷だった。
「ベルが浮気したから……」
はぁ!? 浮気って何ですか!? 僕誰とも付き合うどころか告白さえしてませんよっ!?
確信以外の色のない間髪入れないアイズの返答に、驚愕に満ちた表情はしても大声で絶叫しなかった自分をベルは褒めたかった。
「ふぅ……そう(あれだけの女の子
そんなベルを見てアイズは一度ため息をつくと一瞬だけ凄絶なモノを眼差しに浮かべる。
「――知ってたよ」
荒み切った声と裏腹にぷくーと頬をリスのように可愛らしく膨らませたアイズを見ながら心を落ち着かせる。
困った。聞けば聞くほど突っ込みどころが増えていく。何よりも一番困るのはアイズの中にいれている逸物が、アイズの膣で締めつけらるのが困る。慣れてきた肉が吸い付いてきて、細かな凹凸でぐにぐに締めつけながら絡みついて奥へと誘うのが困る。腰ごと蕩けるくらいに気持ちがよくて、出来る限り意識しないようにしているのに理性と自制心が持っていかれそうになる。
限界をとうに超えてしまったベルの理性と自制心。それを止まる理由などなく進むことしか頭にないアイズは更に追い詰めてくる。
「あのね、ベル」
「え?」
「何かね。ここが、ね」
んしょと、体を起こす。逸物を入れたまま体を動かした痛みで顔をしかめるアイズにベルは、背に置いていた手をしっとりとした括れに置いてしまった。両手で、両方の括れを。きゅうぅと逸物を膣で締め付けられながら。
「っ」
「ベル、ありがとう……でもね」
あまりの衝撃にゴクリと唾を飲み込んだベルを見て、自分の裸体に魅入られたと受け取り嬉し恥ずかしい笑みを浮かべたアイズが支えてくれた礼を言い、赤く染まった白く輝くような下腹部に手をやる。
「だきしめてくれたままでも良かったんだよ」
体を起こしたことで、抱擁をねだるアイズの裸身がベルの目に映る。
水浴び以来に見るアイズの裸身は言葉を忘れるほどに美しく、意図せずに声が漏れる。
「綺麗……だ」
しなやかで華奢な全体な印象に対して、くびれた腰とベルの腿で形をゆがめる張り出した尻、まろやかな乳房の膨らみ。
心奪われ一瞬自失する美の結晶がそこにあった。
「……ありがとう。でも、恥ずかしい」
思考する余裕さえ消え去り無言で凝視するベルの視線を受け、裸身をベルの前に晒していて自らの裸身を誉められたことに気付いたアイズ。今度は意識がちゃんとあるベルに褒められた。自分が綺麗な少女だとほめられた。
抱擁の要望を断られた嘆きを過去のものとして、喜びに頬をさらに赤く染める。
乳房を片手で隠して恥じらいながら喜びと緊張に体を震わせるその様が愛らしく、ベルの理性と自制をさらに追い詰めていく。
――それと同時にベルは確信した。アイズと自分とでは現状認識に恐ろしいほどの違いがあると。
だから、ベルは決意する。
絶対に、理性と自制を失って欲望のままアイズの体を貪るわけにはいかないと。
擦れ違ったままそんなことをすれば、誰よりもアイズにとって不幸なことになる。
何より、
育まれてきたベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタインの関係は
それだけは嫌だ耐えなければと覚悟を決めたベルを余所に、現状認識の違いなど気付きもしないアイズは次々と攻めてくる。
「ベル……」
弾むように呼び掛けると同時に、きゅとしめつけるアイズの秘所。
アイズさん嬉しいと締めてくるんだ。
僅かな時間で学習したベルは射精感を押し殺す。出すわけにはいかない。絶対にいかない。出してしまえば行き着くところへ行ってしまう。
(何とか説得しないと)
様子のおかしいアイズにそんなことをすれば不味いことになるだろう。だが、例え不味い事になってもこのまま終わりまで行き着くよりはと、悲愴な覚悟を決めてアイズに止めようと――
「見て、みる?」
「え?」
「ベルなら、良いよ」
良い? イイって何!? 何がイイの!?
悲愴な覚悟を抉られ、目を白黒させるベルの様相をアイズは了承と受け取ったらしい。
「っ~~~~」
ふるん。恥ずかしげに目元を伏せたアイズの手から解放された乳房が揺れる。
晒された膨らみはベルの目に焼き付けるのを恐れむずがるように微かにふるふると震えている
円やかな乳房だ。それほどのボリューム感はないが、アイズの体が華奢なので、意外と大きく見えるそれは言葉を失うくらい美しかった。
アイズの乳房は俗に釣り鐘型と呼ばれる形。女性らしい繊細な膨らみのそれは、自分が女だと主張する如く上を向いて仰け反りピンク色の先端からはなだらかな曲線を描いている。その乳房の上から下まで流れ落ちていく一筋の汗がその美しさを際立たせる。
目を逸らすことも閉じることも忘れ、息を止めて魅入られ凝視してしまう。真っ赤になることさえ忘却した一瞬の空白を置いて、アイズは羞恥に頬を赤く染めたまま問うてくる。
「どう、かな?」
「どう……って」
ベルの言葉を聞いたアイズは、はにかんだ。
「私のおっぱい、どうかな?」
「………………」
あまりの発言に意識が空白になり沈黙するベル。そんなベルを見てアイズは悲しそうに目を細める。
「やっぱり、ダメだよね……」
悲しげな声にベルは目を見開く
「……私みたいな、……戦ってばかりの子は傷ばかり、だから……」
「アイズさんは……」
自虐的なことを言おうとするアイズの手をそっとベルは握りしめた。不味いと理解している。こうしてしまえば、アイズに残る最後の遠慮とか加減とかそういうものが消えてなくなると理解している。でも、下手に傷つければ壊れてしまいそうな今のアイズを嘆かせるなんてベルには出来ない。
「アイズさんには、確かに傷がある、んです、けど……」
決して流暢ではない。されど、アイズの瞳から目を逸らさず、ベルは
「その……アイズさんの傷は、アイズさんが頑張ったからついた傷だから……アイズさんが生きてきた証だから……」
「ベル……」
剣を振り続けたために自分の手にできている分厚い手豆を、ベルに触れられないように逃がそうとするアイズの手。その手豆を含めた手をベルは優しく掴み慈しむように撫でながら想いを伝えた。
「この手の剣を振ってできた手豆もその傷を含めて、とても綺麗な女の子だって、僕は思ってます」
「ベル……」
自らの醜い箇所を含めて肯定された上、面と向かってベルに初めて綺麗だと言われ感極まったアイズは、最後の遠慮や戸惑いを捨て去り、きゅっとベルの握りしめた手を胸元へやり押し付けた。
自分の乳房に。
「うれしい……」
ふにょん。アイズの手越しに味わう何とも言えない弾力と柔らかさ。同時に、きゅうぅぅぅっと音が響くくらいに逸物を締め付ける秘所により腰が蕩ける。
「ぐっ……」
その感触にガリガリゴリゴリと音を立てて自らの理性と自制心が削られていき、思わずベルは喉奥で呻いた。
それでも獣欲のまま動けば必ず後悔すると必死で耐え、今ならば今のアイズに一度離れて落ち着こうと言えば聞いてもらえるのではないかと判断し言葉に出そうとする。
それを『幸運』が防いだ。
ベルの温もりを全身で感じられて、ベルがアイズを受け入れてくれている認識だからこそアイズは安定しているのだ。なのに、ベルが穏やかに『離れよう』なんて口にすれば大惨事である。
それを知らずにバッドエンドフラグを踏み抜こうとするベルに、アイズがきゅっと逸物をもう一度大きく秘所で締め付けることで言葉を封じ、ノータイムで追撃してくるという『幸運』が起こった。
「ベル」
「ハイ」
腰が蕩けそうになり激しい射精感を、歯を食いしばり頬を噛んで堪えているうちに口の中が血で一杯になったがゆえに片言になってしまったベルに、恋の色に頬を染めたアイズは圧をかける。
「触って」
「……何を、ですか」
触る? 触るって何を? ナニをサワルの!? 今僕の手はアイズさんに握りしめられてアイズさんのおっぱいの前で――
何を示していたのか気付いて目を見開くベルに、アイズは濡れた声でベルがギリギリ聞き取れる音量で囁く。
「ベルなら、良いよ」
「ぁ、アイズさ――」
「ベルになら……何をされても、いいよ」
「~~~~~」
アイズの裸体、アイズの潤みきった眼差しと至福の表情、アイズの柔らかさ、アイズの秘所に与えられる快楽。どれか一つでも、ベルの理性と自制心を殺すには充分だ。
それらが合わさった上に、アイズは言葉さえ蕩けるような言葉遣いになってしまった。
あまりのことに息を吸うことしかできないベルの手から手首へとアイズはゆっくりと持ち替えた。
ベルの手を自由にするために。
「好きにして」
ふにょり。そんな音を立てたかのように恥ずかしげな笑みを浮かべたアイズに誘われ、その乳房にベルの手が直接埋もれるように触れた。
初めて触れた裸の女性の乳房は手のひらちょうどの大きさ。ねっちりと張りがあるのに柔らかく暖かい、しっとりと汗で濡れたすべすべした肌が吸い付いてくる。
埋もれた手の指の間から幼児の小指の先ほどのほんのりと色づいた薄桃色の突起が飛び出すように顔をのぞかせている。
アイズの乳首だった。ベルの視線と肌の温もりを感じた乳首が、ゆっくりと、確実に、硬く伸びあがって色を濃くしていく。
アイズが自分に見られ温もりを感じて快楽を感じている。それを理解してしまい、理性と自制心が崩壊直前に追い込まれ湧き上がる本能を必死で押さえるベルの耳にアイズの熱を含んだ声が届いた。
「ベル……」
アイズには疑問だった。自分の乳房に触れるだけでそれ以上してこないベルが疑問だった。ベルの視線と温もりで、じんわりとした心地よい疼きが乳房全体に広がっているアイズには疑問だった。胎内の奥底までベルの逸物をずっと埋めていて痛みが薄くなり新たな刺激を求めるアイズには疑問だった。
さっき褒めてくれたから嫌がっているのではない。魅力が無いわけではない。なのに、何故なのか?
真っ赤になって視線をあちこちにやりながら何かを耐えているようなベルの顔を見る。
そして理解した
(ベルも恥ずかしいんだ)
だから動かないのだ。
ならば自分が動かなければならない。もっと直截的なことを言わなければならない。
何故なら自分の方が年上で、自分はベルの先生だからだ。
ベルが聞けば『ヤメテェ』と悲鳴を上げそうなことをアイズは決意した。
「べル……できれば、ね」
「ハイ」
「おっぱい、こんなことするの、初めてだから、ね」
「ハイ」
「痛いと、いやだからね。優しく揉んで欲しいな」
「………………」
「好きにしてって言ったのに、ごめんね」
「キニシナイデクダサイ」
悪意のない天然の恐ろしさをベルは魂で理解した。
本能が雄たけびを上げてひたすらアイズの柔らかな胸を揉みしだこうとするのを必死に抑えながら、ベルは心の裡に救いを求める。
(おじいちゃん、どうしよう)
こういうことで祖父に頼るべきではないのではないか。最近芽生えた祖父への疑いの芽はあるが、祖父以外に頼れる存在はいない。心の裡の祖父に救いを求めるも
『誰も責められんと思うんじゃ。いや、わしがケダモノになってカァちゃんが気絶するまでした畜生だとは認める。正直、やりすぎた……じゃがなあ、計算しとるならともかく百パー天然の善意であれじゃぞ。初夜でケダモノになった儂を誰も責められんじゃろ。
だからねーちゃん不滅の聖火で儂を燃やさんといてぇぇー!!??』
幸せそうに呆ける妹から初夜の内容を聞き、激怒する姉に吊るされながら燃やされていたトラウマを発症していて役には立たなかった
ベルの根幹を形作っている雷霆が役に立たない。
それは、ベルにとって衝撃以上だった。
もはや、ベルにはどうすれば良いのか分からなかった。
いや、本能は『ここまで来たらヤるしかない』と絶叫しているが、断じてそれに乗るわけにはいかない。
だって――
「ベル」
「ハイ」
未だ形作られていないこの状況を何とかしうる根幹。それを形作る暇をアイズは与えてくれない。百パー善意で与えてくれない。
「私のおっぱい、どうかな?」
「ヤワラカイデス」
ふわりと柔らかな笑みを浮かたアイズは、ベルの手を自分の乳房に埋める。
弾力に満ちた乳房の張りのある表面が歪み、指の隙間からプリッとした肉と色づいた乳首がはみ出る。
理性と自制心を押しやって揉みしだき舐めしゃぶろうとする本能を、口の中に溜まった血を飲み込み、その味で押さえる。
トクントクン早鐘のようになっているアイズの心臓は、ベルの手を己の乳房に埋めたアイズもいっぱいいっぱいだと示している。
それでもベルの手が自分の乳房に埋もれている。その事実がアイズの笑みを一層柔らかいものにした。
「ベルの手、あったかぁいねぇ」
アイズの幼い幸せそうな無垢な笑みにベルは頭を殴られたような衝撃を覚えた。こんな笑みをアイズに自分が浮かべさせたというだけで目が眩むような至福を感じる。
そして、アイズの喜びに応じてきゅぅぅっと吸い込んでくるアイズの秘所に、腰が蕩けそうな快楽を与えられ射精を耐えるために口内を血塗れにする。
何とか必死で本能を捕え抑え込むベルの理性と自制心をアイズは更に攻撃してきた。
「ベル」
「ハイ」
「触るだけじゃなくて、吸って欲しいな」
「ス……ウ?」
「さっきみたいに……私の、その、おっぱいの先の、乳首、を、ね」
口にした単語の恥ずかしさのあまりポッと頬を染めるアイズ。とても可愛らしいが、ベルにとってはそれどころではなかった。
吸う。スウ? どこを? 乳首を。誰が? 僕が。今みたいに吸いたくなったの? さっきみたいに? 前にも吸ったことが無いとこういう風には言わないよね。吸ったの? 僕? アイズさんの乳首を? そんなことがあれば覚えているはずなのに覚えてないよね? だからアイズさんの勘違いだよ。そうだよね。
……でも、ひょっとして、さっき気絶している時に吸ってたら、アイズさんの言っていることは正しいよね。
まさか、いや、でも、まさか、そんな、いい年して、赤ん坊のようなことを、する、わけが
…………
ありとあらゆる感情で滅茶苦茶になったベルは静かに口を開いた。
「アイズさん」
「何?」
『無』の表情になったベルにアイズは首をかしげる。
「さっきみたいにってどういうことですか」
「気絶している時に私の乳首をベルが吸ってくれたんだよ」
…………死にたくなった。
アイズの即答に頭が物理的にシェイクされたような衝撃を受けたベルは、義務感のようなもので口を動かす。
「僕がアイズさんの、ここを?」
衝撃に揺れる思考と震える舌では箇所を言葉に出せず、手の指で軽く圧迫して示したベル。
「んっ……そう、だよ」
ベルに乳首を刺激された快楽の声を上げたアイズは鼻にかかった声で嬉しそうに答える。
あまりの衝撃のため、その光景に情欲を刺激されることさえ忘れたベルは、矢継ぎ早に問うていく。
「何時?」
「さっき、気絶して苦しそうだった時に」
「どう……どう、やって」
「私がベルの顔におっぱいを近づけたら、ベルが吸い付いてくれたんだよ」
「……ぼ、僕が、じ、自分から……」
「うん」
逸物を握りしめてベルを苦しめ自分から乳首をベルの口元へ近づけしゃぶらせたことを、恥じらうアイズは心の中の別の棚にしまい込んで答えた。
「吸ってると、苦しそうだったベルの顔が安らいでいったんだ」
「……そう、だったん、ですか」
「うん……夢のような時間だったよ」
恍惚の吐息を漏らして幸せそうなアイズと違い。ベルは絶望した。
いい年して赤ん坊のようにアイズの乳首にしゃぶりついた自分に。憧憬の相手であるアイズにいい子いい子と乳首をしゃぶらせて貰いながら治癒されていた自分に。
あまりの絶望と羞恥に、自分は何なんだろう何をしているのだろうと己が信じられなくなった。
心がへし折れ無反応になったベル。それを恥ずかしさによるものだと判断したアイズは次の矢を放つ。
「だから、どうぞ……しばらくしたら、ベルが私のおっぱい吸えなくなるから、ね」
どうぞ、とばかりに胸を反らして乳房を強調するアイズにベルは静謐に満ちた思考で、このまま乳首を吸うのを回避するにはどうすればいいのかを考えた。このまま吸えば死んでしまう、羞恥のあまり死んでしまう。
どうするか。その方法は、アイズを誤魔化すというより夢中にして吸うのを忘れてくれれば解決するだろう。
余裕など一切なく回転さえ衰えた頭を血の味で無理やり動かしてベルは周りを見渡し、ふとアイズの腹に目が行った。そこに映る光景が信じられず目を擦る。何度も擦る。アイズに駄目だよと止められるまで擦り、限界以上に目を見開き硬直する。そして、霞んだ思考の中で理解した。
しばらくしたら吸えなくなるの意味を。
――やっと。
「…………」
「これ?」
驚愕に目を限界以上に見開いて固まったベルの視線を追って自分の下腹部に行き着いたアイズは結合部に手をやり、赤く染まった白濁液をその手に宿した。
ベルはそれを口を呆けたように開いたまま見つめ、徐々に目のピントを合わせながら思考していく。
自分の精液。
アイズに出した精液。
アイズの膣に出した精液。
ついさっきまで頭の中で処理するにはキャパシティが足りず、認識していなかった事象にピントがあう。合ってしまった。
アイズさん初めてだったんだ、と呆けた意識のまま憧憬の相手の腹を染める赤混じりの白濁液を見据え、それがどういう意味を示すかを認識した瞬間、全身から血の気が音を立てて引いていくのを感じながら絶叫した。
「す、すすすみませぇぇんっ、な、なか、なかに、なかに」
余りのことにパニック状態になったベルを不思議そうにアイズが見る
「どうしたの?」
え、アイズさん知らないの気付いてないの嘘でしょ。
内心の絶叫のままにベルは叫ぶ。
「な、なかに、だ、だしたら、に、にんっ……ごほっ……妊娠するかも知れないんです。す、すぐ、か、掻き出せば、いや、意味ないんだっけぇ!? と、とにかく、速く退いて下さいぃぃっ!!!???」
「何で?」
「だ、だって、に、にんにんし妊娠っ!? こ、子供が」
「そういえば言ってなかったね」
ピタリ。
アイズの言葉に含まれたあまりに強い歓喜の感情にベルのパニックは水をぶっかけられたように鎮火した。
「……何を、です、か?」
何だ。
アイズさんは何を言ってなかったんだ。
ギシギシと全身から変な音を立てつつ、最後の力を振り絞る様にしてベルは問いかけた。
それに対し、心に秘めた宝物を取り出すかのように、照れで頬を赤く染め静謐な喜びの仄かな笑みを浮かべながら、白く輝くような下腹部を愛しげに撫でながらとても穏やかに口を開くアイズ。
その姿に、腹越しに逸物を撫でられる刺激さえ遠く、何故かベルの体から大量の汗が噴き出してきた。
「分かるんだ」
「な、何が……」
白い下腹部を愛しげに撫でるアイズに戦慄が止まらない。
「あと、十日くらいかな」
「と……とお、か?」
オウム返しでつっかえながら声を吐き出すベルに、アイズはどれだけ締め付けられ誘惑されても出すまいケダモノに堕ちまいと抗っていたベルの理性と自制心の奮戦が、最初から無意味だったと口にした。
「うん、あと十日くらいで私のお腹にベルとの子供が宿るんだ。授かるんだよ」
なわけないでしょ。出したからといってそう簡単に孕まないですよね!? 子ができやすい時期に何度もして、漸くできるかどうかですよね!!?? だから子供って授かりものっていうんですよね!!!??? そもそも、一か月は経たないと妊娠したって分からないですよねぇぇぇっ!!!!????
ベルの脳裏で良識や常識が絶叫する。そんなことあるわけがないじゃないかと絶叫する。
だが、ベルは察してしまった。
アイズのはにかんだ顔を見て、どうやって妊娠を知ったかはわからなくとも、理解してしまった。
アイズは――嘘を言っていないと。
自分とアイズの間で――子供が出来たと。
高揚歓喜愕然、様々な感情が瞬時に廻ったベルに残ったのは、驚愕のみだった。
「ア、アイズさん、アイズさぁんっ!? 子供ってどういうことかわかっ「ベル」は、はいぃっ!?」
言葉を踊らせて絶叫するベルの頬に、アイズは手を当ててゆっくりと優しく艶然と微笑んだ。
アイズの瞳に映るベルの目を白黒させた顔が恋しい。
「子供ができる」それだけでは何も起きない、誰との間なのかと恐怖さえある言葉だ。
「ベルとの間に子供が出来る」に変えてみよう。……とてもとても心を熱くさせて焼き尽くしてしまいそうな言葉になった。なってくれた。
至福の笑みを宿した口を想いのままに開く。
「私がお母さんになるからベルはお父さんだよ」
「…………」
ブツン
ベルの中から意識の重要な場所が断絶する音がした。
ベルの表情から感情という感情が全て消え、全身が凍りついたように固まる。
(あれ? もしかして、良く聞こえなかったのかな? 聞き間違えたのかな? なら、正確に言わないと)
アイズがベルの優しく手を握りしめて顔を触れあわせる。体温の熱でより深くベルの心に伝えるために頬と頬を擦り合わせ、そのまま、唇をベルの耳に押し付けるようにして囁く。
「ベルの子供を私が産むから、私はその子のお母さんになるんだよ。だから、ベルは産まれてくる子供のお父さんになるんだよ」
そう言ってアイズはベルの顔に自身の顔を近づけた。
キスしようとしている。否、ベルにキスして貰おうとしている。
ガシャン。
自分とアイズの胎を鎖で縛り付けたような音がベルの頭に響いた。
止めを刺されたベルは、意識さえも無にする。
無になった空白の意識の中で言葉が躍る。
なにを我慢しているんだい。なにも我慢する必要はないじゃないか。好きな人と子供が出来たんだよ何も我慢する必要は無いじゃないか。このまま本能と衝動と情欲に身を任せ腰を振ろうじゃないか。
空白の意識に呼応するように、自分の逸物をぴったりと吸い付くようにアイズの膣が扱きあげる。精を求めてくる。
心と体も本能と衝動と情欲に支配されてしまい視界が真っ暗になる。
ベルの理性と自制心はここに崩壊した。
ふぅ、心が痛みますね。
これから多忙になるので次回は遅くなります。