こちらも二次創作が少ない。あずまんが世代なら、ARMSやD-LIVEも好きですよね。好きじゃない?(ステマ)
絶体絶命のピンチだった。
すぐ隣には、ブルマに俺の精液をたっぷりつけた暦の姿。俺はそれをタオルで拭っている。どこからどう見ても事後の光景だった。
そして、眼前には春日さん。
林のつくる陰から、まっかな顔を覗かせている。
きっと、しばらく前から覗いてたんだろう。情事に夢中で、彼女の存在に気付くことができなかったに違いない。
それもこれも、暦のえっちなデカ尻のせいだ。罪作りなお尻やで……。
「なんやスゴイことしてるなぁ。わたし知ってるで。これって、らぶらぶえっちってヤツやろ」
耳までまっかにして、それでも興味津々といった様子で食い入るようにこちらを見ている。
さて、どう誤魔化したものかと思っていると、
「ちょっ――違うぞ大阪、あたしたちはラブラブなんかじゃないんだ!」
暦が強く否定した。
春日さんは小首を傾げる。
「そうなん?」
「そうだよ! なぁ、公太郎?」
「あー、そうだなぁ。俺たちはなんて言うか、トモダチ? セフレ未満のセクシャル・フレンドだ。略してセフレ」
「セフレじゃないだろ!」
「だからセフレじゃなくてセフレなんだって」
「はぇ~、友達ってむずかしいんやなぁ」
俺たちはあくまで幼馴染み。
暦のことは好ましく思っているし、えちえちで魅力的な女の子だとは思っているけど、恋とか愛とか、そういうのとは違う。
それは暦も同じようで、
「とにかくだ。こいつと恋人とかラブラブとか、ちょっと考えられない。そりゃあ幼馴染みだし、気心知れた仲だけどさ」
と、さも心外そうに言うのだった。
でもさ、そんな相手と
なんてことに気が回らなくなるくらい、暦は動揺していた。
「わたしの好みは、ジャニーズみたいなイケメンなんだ!」
「暦さんや。テンパってるのは分かるけど、そこまで言われると流石にちょっと傷つくぞ。それと、意外とミーハーなんだな」
「うっさいな。公太郎だって面喰いだろ。――とにかく大阪。こいつとは幼馴染みで、そういう関係じゃないんだ。だからお願い、ここで見たことはナイショにしてちょうだい!」
「えぇ……。ちょっと無理のある言い分じゃないかな、それ」
――エロエロなことはするけど、ただの幼馴染みなんです。だから秘密にしてね!
これはちょっとムリがある。
エロマンガ&エロゲーあるあるな肉体的友人関係は、一般常識ではセフレです。これ以上ないゴシップのネタですぜ。
が、春日さんはびっくりするくらい素直だった。
「そっかぁ。そういう友達もあるんかぁ。それなら、しゃーないな」
とあっとり頷いてしまったのだ。
頬を赤らめたまま、うんうんと力強く頷く。
なんだこの娘。お花畑を舞う天使か? 天然ものの天使なのか!
「いろんな友達があるもんなぁ。わかったで、よみちゃんとこーたろーくんはえっちなお友達や」
「うっ、それはそれでイヤな響きだな……。とにかく、このことはナイショだぞ!」
「まかしとって。わたしの口は、ジャム瓶のフタより堅いと評判やったんよ」
「それ、開くときにはうっかり開いちゃいそうじゃん。……なんにせよ助かるよ、春日さん。こういう友達関係ってのは、悲しいことにまだ市民権を得てないみたいだから。この話が広まったら、暦にジャニーズの彼氏ができなくなっちゃうトコだ」
俺がニヤニヤからかうと、暦もむすっとしながら反撃してくる。
「なんだよ、公太郎だって困るだろ。だってお前、もっと別な娘がタイプだろ。スレンダーでロリっぽい、垂れ目の可愛い系とか」
「ファッ!? 暦さんや、どうしてそれを?」
「お前が見せてくる本、傾向に偏りがあるぞ」
「うわぁああ!」
これは恥ずかしい。
家族に性癖がバレたようなものだ。
喩えるなら、自室に入ったら机の上にエロマンガが積まれていて、「あまり歳の差が開いているのは、母はどうかと思います。このことについて家族で話し合いましょう」というメモが添えられていたような。
いや、でも
「よーし、だったら正直に言おう。俺はストライクゾーンをいくつも持ってるんだ。暦も魅力的だけど、おっとりした娘も超好み。いつもにっこり微笑んでて、色白で華奢で、黒髪の乙女って感じの娘なんか最高だと思う。そう、ちょうど春日さんみたいな――」
言ってて気付いた。
なんかこれ、口説いてるみたいになってないか。
「あはは、なんや照れるなぁ」
春日さんがはにかむ。
幾分か赤みの引いていた頬を、ふたたび真っ赤にして。
恥ずかしそうに視線を逸らしてから、またチラリとこちらを窺った。
目が合う。
春日さんは恥ずかしそうに、嬉しそうに微笑んだ。
新鮮な反応だ。はすっぱな暦や、バカな智では望むべくもない、女の子らしい反応。
「……やべ。春日さん、めっちゃ可愛い。なんか、なんだこの気持ち。ぎゅっとしたい」
心の声が、口から飛び出した。
思わず口を押さえたけれども、ひとたび放たれた言葉は戻っては来ない。
春日さんは、もじもじと指を弄りながら恥ずかしそうに、
「わたし、公太郎くんならええよ。おっきゅうてやさしゅうて、ええなって思うとった」
それでも、まっすぐ俺の目を見て言った。
「えっ。コイツが優しいって正気か?」
「おいこら、そこの失礼な幼馴染み」
という俺の叱咤の声に、春日さんが割って入る。
「こーたろーくんは優しいで。わたし、ちょっとトロいから、いつも皆に置いてきぼりにされとった。でも、そんなわたしを、こーたろーくんはじっと見守ってくれたんや。今日やってニンジンの切り方教えてくれて、上手くできるまでじっと待ってくれて、できたらいっしょに喜んでくれたんや」
春日さんにしては珍しく、素早い応答。
まるで、胸の底に秘めていた言葉がそのまま口を衝いて出たかのような、熱の籠もった言葉だった。
それから、いつものようにぽややんと微笑む。
「それに、わたし実は告白されるのはじめてなんや。だからドキドキしててな」
「あー。それはなんとなく分かるよ、春日さん」
春日さんは可愛い。
黙っていれば、清純派おっとり美少女だ。
ところが、すこし話してみるとちょっと変わった――もとい、かなりお花畑な天然ちゃんだと分かる。
離れて見ている分には良いんだけど、付き合うとなるとなかなか大変そうなんだよなぁ。
でも、それがどうしたって言うんだ。
俺は智というバカの面倒をずっと見てきた。
自覚的に暴走してはまわりに迷惑をかけ、尻拭いをする俺と暦さえからからい倒す。バカさ余って憎さ百倍。
それに比べたら、春日さんの
あれ? ひょっとして俺、春日さんに惚れてない?
思えば思うほど、そんな気がしてきた。
うん。これは、間違いない。
「――今気付いた。俺、春日さんのことが好きだ。付き合ってください」
春日さんは、まっかな顔でにっこり微笑んだ。
「うん。ええよ。こーたろーくん、わたしと付き合ってください」
なんとなく右手を差し出してみる。
春日さんは、うれしそうに手を取った。
「えっと。それじゃあ、とりあえず炊事場に戻ろうか。すっかり時間も経ったし、皆を待たせてるだろうしなぁ」
「せやった。二人の帰りが遅いから、捜しに来たんよ。もうご飯できとるで。バーモンドとジャワの逢い引きや」
「なにそれ、一体どんな新製品が産まれちゃったの?」
俺と春日さんは手をつないで、その場を後にする。
「えっ。なんだこの急展開は。あたしは夢でも見てるのか!?」
と茫然とする暦を置いて。
……気持ちは分かるよ、暦。
俺自身、なにが起こったのか全く分かってないんだし。
**
その後、炊事場に帰った俺と暦はたっぷり怒られた。
「こんな遅くまで何してたんですか! 皆お腹ぺこぺこになって待ってたんですよっ」
などとツインテールをぴこぴこ動かして、ご立腹の様子の欠食児童。
周りの班はとっくにカレーを食べ始めていた。なかには片付けに入っている班さえある。義理堅いことに、ちよっこと榊さんは、俺たちが帰ってくるのをずっと待ってくれていたらしい。
なお、智のヤツは一人だけ先に食べていた。その後、皆で食事をするときに一人だけ手持ち無沙汰になって、あれこれ話しかけたりちょっかいかけたりしては、皆の邪魔をして回った。
その度に俺と暦がツッコんだり被害者の盾になったりと、いつものように忙しなくお世話するところまでがセットだ。
そんなだから、せっかく恋人ができたというのに、恋人らしいことは一切できなかった。
帰りのバスに乗るまでは。
「えへへ~」
隣の席で、嬉しそうに微笑んでくる春日さん――改め
「うへへっ」
俺もおもわずニンマリ微笑みを返す。
「うわっ、なんだハム太郎のあの笑い。キモい」
「あの二人、付き合うことになったんだと」
「えっ、お付き合いですか!?」
後ろの席からは物見高い雀たちの声が聞こえてくる。
なんだよ。羨ましいならおまえ等もカレシ作れよな。
そんな気持ちを込めて、歩に身を寄せた。
「今日のカレー、美味しかったな」
「バーモンド持ってきとって正解やったわー。ちょうどええ辛さになったと思うんよ」
「だなぁ。カレーも美味しかったけど、歩のこともをっと知れたのが嬉しい」
「わたしもこーたろーくんのこと、もっと知りたいねん。こーたろーくんは、カレーは何派なん?」
「バーモンドの辛口派。たしか、歩は甘口派だよな。これからは間を取って中辛派として共に生きよう」
「ほんま? 良かった。ジャワやククリやったら、改宗せなならんとこやった」
「俺も嬉しいよ。カレーの派閥は、宗教の派閥と同じくらい重い問題だからなぁ。現にウチの両親は、一度カレーで離婚しかけたことがある」
「カレーの問題はおっきいなぁ」
などと睦み合っていると、
「うわぁ……頭の痛くなるような頭の痛い会話だ」
「どうしよう。アタシ、めっちゃツッコみてぇ」
「邪魔しちゃダメですよぅ!」
という失礼な会話。
笑わば笑え。俺たちは俺たちで幸せに笑うさ。
「えへへ~」
「うへへっ」
**
という幸せな出来事があったのは、金曜日のこと。
そして今日は土曜日。休日だ。
恋人達がはじめて過ごす休日となれば、相場は決まっている。
デートだ。
俺は早速、歩を自室へと招いた。
二人で待ち合わせなんぞして、コンビニでアイスとチョコを買って、それからマンションへ。
玄関をくぐり、俺の自室へと招き入れると、
「おお~。ここがこたーろーくんの部屋かぁ。本棚があるで。アレは机と座椅子やなぁ。ベッドもある。テレビもや」
ぐるりと部屋を見回して、いちいち家具を指さし確認してみせた。
「何か変わったものでもあった?」
「ないなー。わたしの部屋とおんなしや! ちょっとだけ配置は違うけどな」
なにが嬉しいのか、ニコニコ笑顔の歩。
「なんでそんなに楽しそうなの? フツーの部屋だよ」
「おんなしなんが嬉しいんや」
恥ずかしげもなく言い切る。
そんな些細なことがほ本当に嬉しくて堪らないのだとばかりに、身体を揺らして楽しそうに。
「あ。こーたろーくん照れとる」
「そりゃあ、そんなん言われたら嬉し恥ずかしだよ! 大抵の高校生男子は、こんなにまっすぐ好意を示されることに慣れてないんだからな」
ちくせう。この、いかにも女の子な言動がいちいち可愛いぜ。
顔が火照っているのが自分でも分かる。
「とにかくアイス食べよう。頬が熱いよ」
「せやなー。今日はあったかいしな」
そんなこんなで、アイスを食べながら雑談をはじめた。
話す内容は何でもよかった。可愛い恋人と二人きりで、こうして過ごせるだけで俺は満足だったのだ。
けれども、歩には気になっていることがあるようで。
「でな、わたし思うねん。友達にも、いろんな友達があるやろ? 筑摩の友や、幼馴染みとか」
「筑摩の友があるなら、茨城の友とか、埼玉の友とかいろいろあるだろうなぁ。奥が深い。これが泥沼か」
「せやなぁ。友達ってのは、むずかしいねん。それで、こう思うたんよ。それじゃあ、恋人っていったい何なんやろかって」
「これまた哲学的な」
「こーたろーくんは、よみちゃんとは友達なんやろ」
「……まぁ、なんて言うか、セクシャルフレンドです」
俺は、ちょっとだけ言い淀んで答える。
まるで、浮気を咎められたダンナの気分。
言われて気付いたけど、暦とも「ふつうの幼馴染み」にならなくちゃいけないのか。それはちょっと、いや、かなり惜しい。でも、歩を悲しませることはしたくないしなぁ。
「せや。えっちなことする友達や。でも、それじゃあ恋人ってのは何したらええん?」
だが、歩は気にしてないようだった。
小首を傾げて、可愛らしく疑問顔。
「えっ。それってつまり、俺が暦とえっちなことしてもオッケーってこと?」
「だって、そういう友達なんやろ? せやったらしゃーない。いくら恋人でも、友達の仲を割くのはアカンことや」
真面目な顔で、うんうんと頷く。
俺が浮気性なダンナなら、歩はダメンズ好きなダメ男製造器だった。
「そういうの、男の人の甲斐性って言うんやろ? おかーさんも言うとった。男の人があちこちフラフラするのはしゃーないって。こーたろーくんは、最後にわたしの隣りにおったらええ」
訂正。えらい男前な姐さん女房だった。意外な一面だ。
「歩って、実は器のおっきな人? なんか、かっこいい」
「えへへ。そんなこと言われたのはじめてや。そかー、わたし実はかっこええかー」
ご機嫌になる歩。
俺も、まさかのセフレ公認を貰えてご機嫌だ。
「で、恋人とは何なんだろうって話だっけ」
「せやった。……えと、わたしが思うに、恋人ってのはこう……なんかすごい!」
両手をガーッと広げて、歩は声を上げる。
「友達よりもすごい!」
「あー。言わんとすることは分かった。要するに、セフレよりもエッチなことをすべきってことかな」
ニヤニヤしながら言うと、歩は、顔をまっかに染めて、
「……うん」
と頷いた。
この娘、えらく積極的じゃないですか!
「歩はかわいいなぁ!」
「あ――」
気がつくと、歩の手を握っていた。
見慣れた俺の部屋で、正座で座る女の子。
顔を染めて、俺に握られたちいさな手をじっと見ている。
「それじゃあ、暦ともしたことのない、とびきりえっちぃコトしちゃおうかな」
顔を寄せる。
さらりとセミロングの黒髪が流れて、甘い香りがした。
「ほら、上向いて」
「なにするん?」
ちいさな
キザな仕草だ。実はひそかに憧れていた。
めっさ好みの女の子と、憧れのシチュエーション。しかもそれがファーストキスだという奇跡。
夢ではなかろうか。
ところがどっこい、これが現実です!
「キスだよ。誰ともしたことのない、初めてのキス。いかにも恋人らしくない?」
「せやな。むっちゃ恋人っぽい」
歩はそっと目を閉じる。
頬はまっかで、長い睫毛はふるふる震えている。
その様子が、いかにも初心で可愛らしい。
そして、突き出された薄い唇も可愛らしい。
「あむ」
「んっ」
上唇を
むにむにと柔らかく、温かい。
これが唇の感触。女の子の温かみ。
もっと味わいたくて、今度は唇を合わせる。
合わせるというよりかは、押しつけるというべきか。
歩も同じことを考えていたのだろうか、
「ん~♡」
唇が押しつけられる。
まるでこちらの唇の感触を確かめるかのように強く。何度も。 ぐにぐにと、お互いの唇が押し合いへし合いする。
「あむっ。んむっ。んむんっ」
こちらが唇を食めば、歩は唇を差し出してくる。
こちらが唇を押し当てれば、お返しとばかりに、歩が唇を食んでくる。
「ちぅっ、ちゅっちゅっ、ちゅっ♡」
かと思えば、啄むようなキスを唇に降らせてくる。
うーん、歩さんも楽しんでますねぇ。
食んでは食まれ、押しつけては押しつけられる。
唇で存分に睦み合う。
「んちゅ、あむっ、はむぅ、ちゅっちゅっちゅぅぅううう、ちゅるるる――ぷはぁっ。キスって、とーっても気持ちええもんやったんやなぁ」
「だなぁ。歩の唇、ぷりぷりしててとっても美味しい。なんか甘い味がするし。さっきのミルクアイスの味かな。俺の唇はどんな味だった?」
「チョコミントの味や。……なんかこの会話、とってもえっちぃなぁ!」
歩は身をよじって恥ずかしがった。
頬はまっかで、けれども、キラキラ輝く瞳がこちらを見つめている。まるで先を促すかのように。
それじゃあ、ご期待に応えてあげようじゃあないか。
「キスって言っても、いろんな種類があるんだって。さっきの突っつくようなキスがバードキスで、押しつけるようなのがプレッシャーキス、相手の唇を挟むのがバインドキスって言うんだとか」
「ほぇ~。他にはどんなんがあるん?」
「たしか、スライドキスとか。唇を合わせた状態から、上下に動くんだって。変わったところでは、チョコキスなんかもあったっけ」
「チョコキス? 二人でチョコでも挟むん?」
「正解。ふたりでキスしながら、ひとつのチョコを舐めるんだって」
「えっちや、それはえっちや!」
歩はキャーと言わんばかりに、両手を振って恥ずかしがった。
でもね、めっちゃ期待してるじゃん? 瞳がキラキラ輝いてるよ。
「やってみる?」
と尋ねてみれば、案の定、
「……うん!」
と力強く頷いた。
折良く、コンビニで買ってきたチョコがある。
包装を解いて、歩の口に運んだ。
「ほら、あーん」
「あーん」
パクリと、歩は素直に口に含む。
「んー、美味しいなぁ」
「ほんと? 俺にも味わわせてよ」
「ええよ。んー♡」
歩は目を閉じ、チョコを挟んだ唇を突き出した。
まっかな可愛らしい面が近づいてくる。
薄紅色の可愛らしい唇が近づいてくる。
「それじゃあ、お言葉に甘えていただきます」
はむっ、とキスをする。
貝合わせにお互いの唇を合わせる。自然と、唇をすぼめる形になった。
舌を伸ばす。
自らの唇のすぐ先に、歩の唇があった。
舌先に感じるやわらかさ、あたたかさ。それをもっと味わおうと舌先を転がせば、唇紋にこすれてくすぐったい。
「ん~♡」
歩がくすぐったそうに身をよじった。
おや、逃げてはダメですよ?
両肩を掴んで固定する。すると、歩は大人しくなった。
それじゃあ、そろそろチョコを頂こう。
俺は舌を伸ばして、チョコを舐めようとする。
が、失敗。舌先に押されたチョコが、歩の口内へと転がっていった。
これは……チョコを追いかけるしかないね!
突如訪れたディープキスの流れに、血潮が滾る。
ノックしてもしも~し。
挨拶代わりに、前歯をノック。
かわいらしい前歯をなぞると、そのまま、腔内へ侵入。
その瞬間。甘い香りが脳に突き抜けた。
――甘い。なんだこの甘い香りは!
カカオの香りと、糖の甘さ。
そうしたチョコレート由来のものとはちがう、ガツンと脳に響く、花のような甘ったるい香り。
女の子の――歩の香りだ。
もっとこの香りを味わいたい。
その思いに取り憑かれて、腔内に舌を這わせた。
歯茎を撫でつつ、ずるりと舌の上を這う。
呆気なくチョコを見つけたけれども、そんなもん無視だ、無視。
「んっ!? んんんっ」
歩が驚きの声をあげようとして、失敗。
声にならない声が腔内を震わせて、俺の舌を刺激する。
「んんっ、んんぅんん、んん~♡」
ふにゃりと肩の力を抜いて、歩は為すがまま。
そっと目を開くと、こちらもいつの間に目を開いたのか、とろんとした瞳をした歩の姿があっった。
その姿に満足して、ひとまず唇を放す。
「ぷはぁっ。う~、ひどいわ。チョコぜんぜん食べれへん」
「ごめん。チョコより甘いものがあったんで、夢中になっちゃった」
チョコが溶け出し、唇から滴っている。
もったいない。美少女の雫は一滴残らず俺のもんだ!
「ひゃっ!?」
顔を寄せて唇を舐めると、歩の可愛らしい悲鳴。
紅潮した顔を硬直させて、俺の腕の中で縮こまる。
「歩は甘くて美味しいなぁ。ほら、もっと味わわせてよ」
「んむぅ♡」
有無を言わせずに、唇を奪った。
舌を差し込んで、腔内のチョコを舌先ですくい取る。
「んふぅ、んんっ、んぁう……」
為すがままに甘い声をこぼす歩だったが、しばらくすると、自らも恐る恐る舌を動かしはじめる。
「ん……んむぅ、れろぉ、れろれろぬちゅるんむぅ」
すると、互いの舌が絡み合うようになる。
「んむ、あむぅ、れろれろぉぴちゅぬりゅれろぉ♡」
口というのは、性器と並ぶプライベートな場所だと思う。
わざわざ口の中を見せたいとは思わないし、他人の口をまざまざと覗き込みたいとも思えない。
そんな場所を、互いの舌でまさぐりあっている。
これはセックスだ。おくちのセックス、オーラルセックス。
この淫靡な行為に、どれくらいの間夢中になっていたのだろうか。気付けば、とっくにチョコは無くなっている。
「ぷはぁ」
唇を放す。
二人の舌の間に、つぅと鈍色の橋が架かった。
「チョコも甘いけど、歩の唾液も甘いなぁ。どういうワケか、ほんとに甘い。歩みたいな可愛い娘の、しかも甘い唾液を味わえるだなんて、俺は三国一の幸せ者だよ」
ほぅ、と幸せのため息をこぼす俺。
歩はまっかな顔で、口惜しそうに不満を述べる。
「こーたろーくんだけズルいでぇ! わたしももっと、こーたろーくんを味わいたい」
「だったら、歩も舌を入れてくればいい。ほら、やってみなよ」
「ん」
歩は唇を差し出してきた。
まぁ、素直な子!
「えっと、こうやな。ちゅむ……れろれろれろ、ちゅるるる、ぬちゅるるぅぅ」
歩の舌が、俺の腔内をまさぐってくる。
俺の舌を撫で、くすぐり、唾液をすくい取っていく。
歯茎を舐め、頬側の粘膜を丁寧にさすり、唾液の分泌を促す。
そして、出てきた唾液が蜂蜜水かなにかのように、美味しそうにちゅるちゅる吸っていく。
まさに「口吸い」と呼ぶに相応しい行為だ。
「ん~♡ こーたろーくんの唾も美味しいで」
歩は屈託の無い笑顔で、そう言った。
「いやいや。歩のには負けるよ」
「せやろか。わたしなんかより、こーたろーくんの方がええと思うんやけどなぁ。やっぱり、好きな人のは格別ってことかなぁ」
小首を傾げて、心底不思議そうに言う。
その姿からは、本当に俺のことを想ってくれているのが伝わってくる。
裏表のない、心からの好意。
性欲の熱とはまた違った、あたたかな感情が胸に満ちる。
「ああもう、歩はかわいいなぁ!」
「ひゃぁ!?」
思わず歩を抱きしめた。
華奢で、そのくせやわっこい身体が俺の腕の中にある。
「なんなん? もうキスは終わり?」
「いや、まだまだこれからだ。恋人らしく、イチャイチャちゅっちゅっしよう」
「えへへ~」
歩は蕩けた笑顔で応えてくれた。
こうして、俺と歩はひたすら腔内を貪り合って、休日を過ごしたのだった。
9,020文字
大阪が尊くって、ドスケベなことが書けませんでした。
ちゃうねん。個人的に大阪はエロスの対象というより、こう、庇護対象?
次回からはちゃんとえちぃことするとします。
どのキャラにえちぃことさせたいですか(あくまで参考までに)。なお、大阪は確定。その他は活動報告にて。
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榊さん(下の名前不明という致命的欠陥)
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ちよちゃん(10歳ですけどー)
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神楽(アイ・ライク・ユー)
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にゃも先生(えろえろよー!)
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その他(色モノ系かサブキャラ?)