電灯を点けパソコンを起動しつつ、脱いだ制服をハンガーに掛けていた。その時『ウギャーッ』と隣のエルマの部屋から大きな叫び声が届いた。
「エルマ! どうしたの!?」
慌てて隣へ向かった私だ。ドアをノックすれば、ルビーが開けてくれた。中では制服から制服に着替えたエルマがモニターの前で固まっている。どこの学校の制服だよ? ともあれ何かを見て驚いたらしい。その時点でだいたい想像が付いた。案の定、エルマの横からモニターを覗くと、アメリカの姉さんが似たような風体の女の人達と楽器を持って写っていた。衣装は全員ゴスロリ。持っているのも黒いゴス・シリーズ。
姉さんは『Les Paul Studio』の『Floyd Rose』付きを下げていて。もう1人のギターが『Goth '58 Flying-V』の『Floyd Rose』付き。ベースの人は『Goth Thunderbird IV』。ドラムの人もメーカー不明だが真っ黒なドラムの前に陣取っている。全員女性のバンドだ。
一見モノクロのような画像。セットだと思うけれど、夜の工場か工事現場のような雰囲気の場所で楽器を構える4人の妖しい美人。ライトは斜め後方からのレンブラント・ライト。スモークを焚いているのか、ドライアイスなのか、足元は煙が漂っている。思わず見惚れてしまう。センターの姉さんに目が釘付けになる。だってありがちな瞳を伏せたポーズでなく、強い意志を持った眼でこちらを見詰めているからだ。
「カッコいい……」
それはエルマの口から零れたのか、それとも私の口からだったか……。肩まで掛かる、何層ものフリルが効いた大きな襟。その真っ黒なブラウスの下にはハイウエストの、パニエで広がった真っ黒なスカート。足元は黒いロングブーツだ。姉さんと同じはずのサラサラの髪は、またまたツンツンに立ち……紅い瞳と赤い唇、そして赤いコントロール・ノブ以外は全部モノクロだった。他のメンバーは黒いフリフリなドレスなので、衣装に現代的な要素があるのは姉さんだけになっている。何となくだが、この時、他の人はモデルではないかと思った。
画面をスクロールすれば、この『Goth Series』の楽器とスペックが紹介され、キャンペーンバンド『Gothic Lolita(まんまだ)』の紹介とミニ・アルバムの事が載っていた。なんでも年内のキャンペーン期間中に『Goth Series』のどれかを買えば、このミニ・アルバムが同梱されて来るらしい。ちょっと待て、欲しいし聞きたいぞ! それってアメリカだけのキャンペーンなの?!
私はここでサンプルが聞ける事に気付いた。エルマを押しのけマウスを奪い再生ボタンをクリックした。するとドコドコドコドコとやたら早いツーバスが響き、重厚なリフが重なった。メロディック・スピード・メタル?! イントロからして耳コピが無理なんですけど! なんだコレ? スイープ? タッピング? というか音がやたら多くないですか? 多重録音なの? 一体何本の指で弾いているのだ? そうやって唖然としていると、聞き覚えのある声でボーカルが入った。勿論歌詞は英語だ。凄い、姉さん。デビューしたの……? 私とエルマは顔を見合わせ、頭上にハテナを大量増産した。
それでどのくらいフリーズしていたのか……姉さんが『夕食ですよ』と呼びに来るまで一歩も動けなかったのだから。
肩をポンポンと叩かれ姉さんに気付いた。だけど私やエルマが口を開く前に『後で』と制された。そうだ、食事が先だ。皆さんを待たせてしまう。そこで何気なく時計を見て、やっと学園から帰って1時間以上も固まっていた事に気付いた。
階下に降りて食事を皆んなで頂いた。ルヴィアさんとマルガリータさんはともかく、凛さんがいつになく静かだ。食事を終えて片付けも終えると、おもむろに凛さんがこう言った。
「どうして誰も何も言わないのよ? 明らかに変でしょう?」
それに答えたのはルヴィアさんだ。
「ええ、明らかに変ですわね。ですがこれは……もう、魔法を超えた『現象』だと判じざるを得ないのですわ、リン」
「エーデルフェルトで情報を?」
「はい。父の方に『エルさん』からのリポートなどが届いています。あなたも感じている事でしょう。今、地球規模で巨大な……おそらくその効果は認識阻害のような結界が張られていますの。また、局所局所で更に強力な結界が出没しては消えています。リン。あなたが感じた違和感は……実は数ヶ月も前から始まっていて、日本でも感じられるようになったのはここ最近ですのよ。そしてその『現象』が起こしているのが、麻薬の撲滅、それに携わる悪の組織の壊滅、他者を必要以上に搾取する人達の謎の入院などでしたの。ところが、いよいよそれもカンの良い一般人が気付き始める範囲に広がりつつあるのが今ですのよ」
「それってどういう事?」
「リン? 気付いていたのでしょう? もっと早くから?」
そこで凛さんは舌を出した。この人にしては珍しい仕草だ。
「まぁね。でも何が起きているかは不明。で、何が?」
「端的に言えば、世界が改変されているのですわ」
「改変? だから、魔法を超えた『現象』だと……?」
「ええ。もうこちらは誰がそれを行っているのか、人類の未来はどうなるのかも、おおよそわかっているのですわ。それがためにランサーとランスロットさんが出張して下さっているのですから」
ランサーのマスターはエルマで、ランスロットさんのマスターは姉さんだ。凛さんもここで漸く、私達がある程度知っている事に気付いたようだ。いや、逆か。知らないふりをしてくれていて、いつか話すだろうと待ってくれていたのか。
「となると、アーチャーも知ってた?」
凛さんはカウンター向こうの厨房にいるアーチャーさんに声を掛けた。
「嘘を吐いても始まらんな。ある程度は知っていたし気付いていた」
凛さんが無言で先を促した。
「だが、言い訳ではないが動けなかった」
「と言うと?」
「私がアラヤに属する事から世界から制限を受けている点と、君とルヴィアを守るために動くなと言われているからだ」
「誰からよ?」
「この『現象』を起こしている人物に近い者からだ。わかっているのだろう、凛? 『エル』だよ」
『エル様』が動いている事はわかっていた。だけどいつアーチャーさんに? あ、凛さん達が課題を受け取った頃か。つまり学園祭の頃だ。
「『現象』は『エル』でなく、彼女の並行世界存在ね?」
「そういう事だ」
「その通りですわ」
アーチャーさんもルヴィアさんも認めた。ここまで姉さんは黙って話を聞いているだけだ。そしてそれはイリヤ姉さんもエルマも、私も同じだった。何故ならと説明するまでもないだろう。直接会って話した訳ではないが、私達もまた『エル様』から『動くな』とのメッセージを受けていたからだ。中でも姉さん方お二人は、より詳しい話を知っている筈だ。というのは、エルマから姉さんがアサシンを度々借りているからだ。何を命令しているのかは知らない。けれど何かを調べているのだけはわかる。
「マルガリータさんは気付いていた?」
「ええ。気付くと言うか、仲間が調べていたようです。それで何人か今は中国辺りに居るようですね」
「居場所もわかるの?」
「漠然とです。ですが世間が少々騒がしくなっても、この日本は安全です」
「ふ~ん」
ここでルヴィアさんが少し思い詰めたように話し始めた。
「エルヴァさん? あなたは今、同じ学年の方とお付き合いなさっておいでですわね?」
「はい。ルヴィア、何を?」
何が聞きたいのという意味だ。
「私もシェロとは良い仲なのはご存知だと思います。そしてシェロもあなたも、本来はこの世界の人ではありません。これだけでも特大の奇跡ですわ。そしてあなたとは別の、アメリカにいらっしゃるあなたも恋をなさっておいでです」
エーデルフェルトのエージェントが調べたのか。
「これは非難ではありませんのよ。あの方が『鍵』ではありませんの?」
これは少し驚いた。あちらの姉さんが『鍵』ってどういう事だ?
「ルヴィア、何かを掴みましたか?」
「つまり、あなたはご存じないと……。あちらのエルヴァさんは、イリヤくらいの年頃の子と暮らされているのですわ。勿論そこにはロシアで出逢ったシェロにリン、それとエルヴァさんの良い人もおいでです」
「エルの魔術では……?」
「あのエルさんはスイスですわ。モードレッドと仲良く過ごされていますのよ」
となると、その子は誰だ? 私達全員がルヴィアさんを見た。
「これは私の個人的な推測ですが、その『現象』となった『エルさん』の妹さんではありませんの?」
「その子だけは救えた……と?」
「はい。そしてあちらのエルヴァさんに託したのだろうと。こちらでなかった理由は年上の人数が多過ぎたからだと」
なるほど。小学生くらいの子なら、そういう気遣いも必要だろう。何よりあちらも姉さんだ。間違いなく安心して任せられる相手だ。それでわかった。その子だ、宝具を持っているのは。
「フンボルト君か……。ルヴィア、『鍵』は2人だと思います」
「あちらのエルヴァさんの良い人の名ですわね? ロシアの隊にもいらっしゃったと記憶しています。何かありますの?」
「『エル』の世界では、彼女や私達にとってのもう1人の『お兄ちゃん』でもあります。会社を立ち上げた年の秋に、職業学校に通っていた彼を、お祖父様が私達のところで働くようにと辞めさせて。まだ、日本に来る前の事です。プロフィールを見て、ちょうど10歳年上なんだって思ったのを覚えています。7歳と17歳でした」
「そんな頃からのお知り合いでしたの?」
「ああ、そういう事ね? 幼馴染みとも言い難いから『お兄ちゃん』なんだ?」
「はい。その後『エル』や私は日本が拠点となりますから、『ミト』や『パミ』といった欧州に残った仲間が特に親しかったです。『巫女の姉さん』とも顔馴染みですし、それこそ『お兄ちゃん』とは2人でバーに出かける仲でしたよ」
「好きになったら関係ないと思うけれど、あっちのエルヴァもよくそんな人と……」
「リン、そこですわ。私がミユのシェロを選んだのと同じように、あちらのエルヴァさんも。これもまた奇跡であり、運命ですわ」
姉さんが大きく頷いた。『エル様』とあちらの吉川先輩は恋仲ではないけれど、初等部時代からの知り合いで、学園では気さくに話し合える仲だったと聞いている。つまり姉さんも初等部時代から剥離して漂流するまでの間、教室で机を並べた記憶があるのだ。だからここの吉川先輩に惹かれる自分の感情に対して、中々素直になれない部分があったという。だけどそれを強引に振り向かせたのは吉川先輩だ。今も噂になっているマウント深山での告白……。きっとそれに似たアプローチが、ここのフンボルトさんからあった。だからアメリカの姉さんは恋仲になった。あれ……?
「姉さんってグイグイ引っ張ってくれる男性に弱い?」
「それとしっかり食べてくれて大きい人」
そう、ポソリと姉さんが呟いた。それに反応したのはアーチャーさんだ。
「君はやっぱり『イリヤ』の妹だな?」
「フフフ……」
だからと言って、並行世界の『イリヤスフィール』が『バーサーカー』に恋をしていた訳ではない。相性というか最初の間口というか敷居の高さだ。大きい人は入りやすく低いというような。事実、『エル様』の実姉の『イリヤ様』は『大きな男性が好み』だと公言していて、そちらの吉川先輩に片思いしているという『記憶に近い記録』がある。一方『エル様』は幼馴染みの『間桐慎二』から告白されてお受けになり、お付き合いなさっている。つまり姉さんやアメリカの姉さんと男性に対する好みが違うのだ。そして3人とも、男性からの押しに弱い。間違いなく。
それでここからは私の想像だけど、相思相愛になったらやたら相手の男性に尽くす。現に姉さんは毎日吉川先輩のために、お弁当のおかずをいそいそと作って持参している。あれを摘み食いでもすれば鉄拳が飛んで来るのは間違いない。それが私とエルマ、そして凛さんとルヴィアさんにマルガリータさんの共通認識だ。
「その『現象となったエルさん』と『エルさん』とでは家族構成が異なるように感じますが、たぶんその子にとっては『フンボルトさん』が大切な存在だったのでは?」
皆んなが頷いた。
「むしろ可能性としては『現象となったエル』の彼氏か婚約者だったのでは?」
姉さんの推理にこれまた皆んなが頷いた。間違いなくその線だ。そしてその世界では何かがあって、『現象』に至る必要性があったのだと推測できる。皆んな、その先は口に出さなかった。きっと滅びの結末を迎えたのだ、そこは。
お風呂も終えて各自の部屋に戻る時、私とエルマは自然と姉さんの部屋に集まった。姉さんは私達をベッドに座らせ、ご自分は勉強机の椅子に座った。机の横の壁に立て掛けられた箱の中身が気になる。まぁ、裸だとどこにも置けないものね、あのギターは。
そして例の『Morris』を爪弾きながらどうしたのかと尋ねられた。このギターは何故か『昭和』の音がする。特に『A-minor』で。押さえた部分は装飾で、きっと開放弦の響きが古く感じさせるのだ。ブリッジ部分のトップの浮きはない。ブリッジとナットをご自分で削られたのだろう、弦高も低く弾きやすそうだ。
なのに『カントリー色』も、『フォークロア色』も変な意味で濃厚に出ている。アイリッシュ・ケルトを弾こうが、アメリカン・カントリーを弾こうが、それが『日本の古いフォーク』に聞こえて来る。部屋の蛍光灯が裸電球になるような。
「お姉様、やはり中国です。マルガリータさんのご姉妹からも、数人そちらに集まっていると思われます」
「それと日本の財政界やメディアにも影響が出ていますね」
「はい。それとあちらにも『百貌』を操る人が居ます」
「『エル』?」
「金髪碧眼で身長も170くらいありますよ?」
「ああ、学園祭でD組に来ていたあの人かな? 多分、『エル』が置いていった人形でしょう」
「では、『呪腕』は?」
「異なるアサシンを? なら、『現象の彼女』からのレンタルでは?」
「ああ、その線ですね」
「邪魔にならない人数に絞って、情報収集のみに徹するよう。できればお父さんの方の警護を増やして下さい」
「そちらは現在20人付いています。ランサーさんにバレましたけれど」
「まぁ、そこは。20人なら十分ですね」
そして今度はこちらを見た。
「あちらの姉さんは、もしかしたら『現象となったエル様』と意思疎通ができたりしませんか?」
「その子を通じてですね? その可能性はありますね」
「メールでそれとなく……」
「あなたの文では難しいですか。わかりました。私からメールを送ります。ですがあなたもギターの事を尋ねながら、上手く話題に登るようメール交換を」
「はい」
「あ、それと。あなた達が固まっていたあの画像」
例のサイトの事だ。姉さんの説明によると、あれはあのギター・メーカーのサイトで、あちらの姉さんがイメージガールとして契約したからああいうサイトが立ち上がったのだそうだ。バンドは架空のバンドで、あちらの姉さんが提供した数曲をプロが編曲して録音し、ミニ・アルバムとなっているのだとか。
「元の曲のソロをプロが誰一人再現できなかったらしいですよ」
「一体どうやって弾くんですか?」
「チャップマン・ステイックと言うか、リコーダーかサックスのように縦に構えてのタッピングです。あれは鍵盤ハーモニカからの応用ですよ」
知らなかったが、『エル様』も姉さんも鍵盤ハーモニカを縦にして両手で弾けるのだという。元々ピアノにキーボードも達者な方だ。それかぁ。
「そう、それがあってのテン・フィンガー・タッピングでしょう? でなければ右手と左手で違う拍子を刻んだりできません。それと彼女は私と違って、ピックアップを巻き直したりもするようです。それもあってフンボルト君がギターやベースの職人を目指すそうですから、お互いに良かったのでしょうね」
「では、あのピックアップは?」
「メーカーが買い取ってくれて、かなりの契約料を得たようです。それを工房の資金にしたいとメールにありましたから。あちらのお祖父様の別宅には、そういう木材加工の工房が既にあって、そこでショップを開いた時に出すギターやベースの試作品をあれこれ作っている最中だとか。お祖父様も快くお認めになり、どうやら年末にスイスに戻って……もしかしたら、そこで結婚かも」
は、早ッ!?
「いえ、その方が彼女には良いとお祖父様も判断したようです。私も賛成です」
なのに姉さんは両家の親が公認する仲なのに……。あちらがスイスへご挨拶に伺ったのにも関わらず、婚約もまだだ。
「私の場合は彼が……。自分のケジメを付けたいと」
つまり剣道日本一だ。吉川先輩は姉さんの良きライバルでもあったのだ。
「ですので婚約は倫敦に行く前か、帰ってからですね。倫敦から戻ったら、彼女に赤ちゃんがいそうです」
まったくだ。だが現実はもっと凄かった。実はこの後、イリヤちゃんとクロエちゃんが中等部に上がった夏に、妹が生まれるのだ。姉さんが倫敦に行ってしまって、少し不貞腐れていたクロエちゃんが立ち直ったのはその子のお陰だった。そしてアメリカの姉さんが赤ちゃんを産んだのは、その翌年の新春だった。そちらは男の子だったが、ほぼ同い年の叔母と甥になるんだなと不思議だった。
私とエルマは両方のおめでたを喜んだが、イリヤちゃんとクロエちゃんは、妹は嬉しくとも甥には複雑な気分だったようだ。まぁ中学1年生でおばさんは無いよね。それに姉さんが赤ちゃんを産んだのが、それから6年後だったからね。大きなお腹で大学受験の勉強をみてあげたりしていて。
以前、エルマが桜との未来を少し話したそうだけど、そこに私が出て来ないのは、あちらの姉さんを頼ってアメリカで暮らしていたからだ。私は大学に行かないで渡米し、ミュージシャンを目指していたのだ。その時に持って行ったのが、日本で買った『Gibson Les Paul gothic』と、頂いた『Star』だった。
おおよその話が終わって自室に戻ると、壁には『Epiphone』の箱。エルマのアサシンに頼んで買ってきて貰った、日本版『Goth Les Paul Studio』だ。エルマの叫び声のお陰で、開封が今になってしまった。箱を開けビニールの中から取り出し、しげしげと眺めた。最初から木目の見えない真っ黒なので、安っぽいっとも思わない。ただ、このピッチ・ブラックのサテン仕上げは剥げやすく感じる。アメリカ製でなく韓国製らしいけれど、細かな処理はまぁまぁだ。楽器としては十分だろう。後はピックアップが届いたら交換かな。
そんな事を考えながら、これまたお手製らしき『Star』を手にとった。黒いボディに神聖幾何学模様が金色の細い線で描かれている。解析を掛けると、これはボディもネックも10年以上も前のものだった。おそらく市販の組み立て用ボディと交換用ネックのデッドストックだ。こういうのが売られているところがアメリカだろう。それを手に入れ、今手に入るパーツを組み込み、私のためにと作ってくれた。
ネックの太さもちょうどだし、太いフレットがカッコいい。取り付けられた黒い『Floyd Rose』も、姉さんのものになったディンキー・タイプに付いていたライセンスものではなく本物だ。それでもって、このボディはマホガニーやバスウッドじゃないような気がする。もしかしたらアッシュだろうか。そこはわからないけど、とにかく音がとても響く。サスティーンもしっかりあって、すっかり気に入ってしまった私だった。
君達は知っているか? 『半導体青幇』という言葉を。それは中国に存在する秘密結社の青幇とは違い、台湾に巣食う大陸系の投資家や起業家達の事だ。そして彼ら中華系台湾人は日本の半導体メーカーから技術を盗み、それを中国に売り、その金で台湾に半導体メーカーを立ち上げ中国に売っている。そういうシンジケートが80年代から始まり90年代でほぼ完成していたのだという。
「『ATi』に『nNVIDIA』。『RADEON』に『GeForce』という有名グラフィックカードを擁するこれらの会社も、青幇から逃れるようにしてシリコンバレーに本社を移転しました。『intel』は引っ掛からないと思いますが、この先の『AMD』はわかりません。台湾政府と企業の動きは別です。特に国民党や今の台北市長は共産党と昵懇の仲です。まぁ、それも潰えたので、せいぜい利用させて頂きますが。とは言え、今後、今よりもっとモバイルな……そうですね、携帯電話と一体になったハンドヘルドPCがアメリカ辺りから出れば、それ用のチップ競争が水面下でも激化する事でしょう。それをこちらはより安全で機密が守られた環境を構築できる場を提供すると、大きく誘致をして行きたいと思います」
つまりそのまだ発表されてもいない、新技術が使われた製品の下請け工場を誘致すると『エル君』は言っているのだ。後にこれがスマートフォンとして世に出た時、僕は驚かなかった。彼女なら言い当てて当然だと、その頃は信じていたからだ。彼女は言う。
日本の経済産業省は2001年の中央省庁再編で、それまで日本の経済を支えてきた、通商産業省を解体再編したものだ。家電やメモリ事業がこれに拠って静かに壊滅に追いやられつつある。今の経済産業省は、各国のスパイが居酒屋の暖簾をくぐるように気楽に情報が得られる存在だと。
「そこに警告を出し友好を図るも良し、アメリカの後ろで蠢く者達のように食い物にするも良しです」
こうしてあれこれと現在の情勢やその後の事などを語ってくれても、『エル君』は中立だった。だけど国家レベルで『儲かる方法』と、『神秘』や『霊脈』に纏わる事などは話さなかった。また、彼女は人民元の下落を受けた香港ドル高騰を読んでいて、かなりの利益を得ているらしい。中東に行く前に買い込み、今は売りに転じている訳だ。そもそもその資金が共産党幹部の隠し財産だ。どんなに優れた頭脳を持とうと、1900年も前の英雄では着いて行くのは難しい。魔術は金が掛かるという。その事は知っていても、ではどうやって儲けるのか、資産を増やすのかは僕も知らない事だった。それを目の当たりにした気分だった。
「今の君が、その……もしもだよ? 聖杯戦争に参加するなら、どうする?」
「お父さんの立場であれば、マキリと遠坂の資産を奪います。8年もあるのですから、ハメるのは楽勝ですよ。そして4年も5年も前にアサシンを召喚します。情報を得て有効に活用できる者が勝つ。これは鉄則であり真理です」
僕では絶対に勝てない。誰がどんなクラスのどんな英霊を召喚するのかも、聖遺物を追ってだいたいわかるし、何より彼女は大聖杯を読む。こんなの反則だ。そしてそんな反則上等な彼女の策はこうだった。
『日本に入り込んでいる中共からのスパイを有効活用して財務省を言いなりにする。そしてジャカジャカと円を刷らせ、それを中国で使わせる。日本国内もデフレ脱却できるのなら日本国民は文句を言わないし、アメリカにもお金を落とすだろう。現状『打ち出の小槌』を持っている奇跡の国は日本だけ。これを使わない手はない』
これが読めないから中共も韓国も馬鹿だと言い切る。円というハードカレンシー。幾ら刷ろうがインフレ率を見ながら市場に回せば国内は潤い、デフレは脱却し婚姻率も上がり、将来は人口増加も見込める。その『金の卵』を日本の官僚でなく、こちらがコントロールする。国民に旨味が行き渡り、日本と中国がウィン・ウィンの関係に持ち込めるなら、内閣に文句を付ける経団連も労組もない。
目の上のたんこぶは足を引っ張る半島だけ。だから真っ先に北を潰した。南は放置し自滅を待つ。ただし裏から財閥にはガンガンと圧力を掛け、半島から追い出す。こちらに逃げ込んでくれるのなら上等。縦(よ)しんばアメリカに逃げても居場所はないように、『あちら側』の大物達が脳梗塞などで倒れて後継者問題が片付くまでにこちらが食い込む……。
朗々と語る彼女の計画に、三国の文官達も僕達も口をあんぐりと開けるばかりだった。
それでも『ただし』と彼女は言う。
「こんな13億も14億も人が居る国で全員が裕福になる事は絶対に不可能です。ですのである意味で共産主義という幻想に陥るのも已むを得ない部分は確かにあります。ですが人が国家を営む限り、一部の為政者が我欲に走る構造になる。それを避けるには社会主義的自由経済路線で行くしかありません」
「と言うと?」
「医療や福祉を行き渡らせた、つまり公共サービスを充実させた大きな政府にする事です。そして真面目に働きさえすれば、大金持ちには成れないまでも、食いっぱぐれる事がないと人民に浸透させられる体制をしっかり作る事です。それを5年10年と続けて、人々に夢を与えます。頑張れば小金持ちには成れると。そのためには旧来の情報統制も暫く続けて、様子を見るしかありません」
「それがあっての二重経済と話していたのはわかります。ですが、その情報統制を撤廃しての経済成長は?」
「無理が祟り、近隣国に迷惑が掛かりますよ。現在でも花粉症や黄砂で日本に迷惑を掛けていますのに」
「え?」
「スギ花粉なんて中共から金を貰ったメディアがでっち上げてくれている嘘ですよ。偏西風に乗ってこちらの工場が吐き出す有害物質が流れているだけです。その有害物質は工場を見直せばある程度抑えられます。問題は黄砂です。これはこちらの砂漠化を意味しています。至急に手を打って、長江周辺の埋め立てを止めさせねばなりません。まだこの国に不動産による経済は早いです」
その指摘で────今は居ない中共幹部が、どれだけこの国を食い物にして来ていたのかが、改めて皆んなに理解できたと思う。だけどその毒のような指摘は止まらない。
「これだけの国土です。インフラ事業も進めないといけません。とにかくまずは貨車です」
それでこの国で起きた、これまでの列車事故を『エル君』は話した。しかも内容のほとんどが人為的なミスか、天災、もしくは犯罪だった。が、列挙された事故事例は思ったより少ない。裏返せばそれはそれだけ鉄道網が未発達な証拠だった。また犯罪や天災を除けば余りにも信号無視などのケースが多い。これも人を育てていない証拠だ。『国鉄』の弊害と彼女は言った。
その中でも最悪な人災事故が、1988年に起きた上海列車事故だった。単線なので待避線で待たねばならない客車が、オーバーランして本線に入り込み、郵便列車と正面衝突したのだ。衝突に拠って急速に止められた質量はどこかで破綻する。この事故の場合、2両目の客車が後続の客車の質量に押され、1両目の下に潜り込んでしまった。その2両目に乗っていたのは修学旅行で中国に来ていた日本の高校生だった。
「一党独裁の共産主義国家、それも鉄道整備も疎かな後進国に修学旅行……。世界最高の新幹線を持つ国が……教師陣がアホですね」
バッサリだ。だけどそれだけ教育界は『赤い』という事だ。GHQの思惑とはいえ酷いものだ。反対する保護者は居なかったのか? 僕が親なら学校に異を唱えただろう。それか、子供に言い聞かせて行かせない。食べ物も水も怪しい上に、トイレや風呂などもどうかと思うような国だぞ。
だけど後でわかった事だが、『エル君』の姉の『イリヤ君』は書道部員として中国に行っているそうだ。そういう写本や拓本の素となった石碑を巡る少人数の旅だったらしい。その時は既に『エル君』が革命を起こし政権交代しているにも関わらず、影からアサシンが200人以上警戒に当たり、アルさん(ヘラクレス)と『巫女のイリヤ君』までが張り付いていたという。それはそうだろうな。
ところで、当時海外に居た僕はこの事故を知らなかった。日本では相当問題になっただろう。賠償金などどうしたのか。かなり安かったろうと思う。そしてそれが大切に育てた我が子の値段だ。無知は罪とは本当の事だ。何故なら、中国に入れあげていて、与党に入っている党まで擁立する某宗教団が持つ学校が、この国を修学旅行先に選んだ過去はない。近しいだけに良くわかっているのだ、実情を。
こう考えると益々『エル君』の『情報ありき』という姿勢の正しさが理解できる。そして同時に、いかにこの国が歪んだ道しか歩まなかったかがわかってしまう。三国の文官達は項垂れるばかりだった。だけど『エル君』はこうも話していた。今の漢民族は三国時代の漢民族とは明らかに違うと。『普』の後の『五胡十六国時代』や『五代十国時代』などでわかるように、統一と大きな分散、小さな分散をこの土地は繰り返してきた。それにより混血と異文化が混じり合い、庶民に王朝や政府よりも目先の財産の方が大切だという不文律が植え付けられてしまった。なので騙し合いの兵法が広く末永く知られ、道徳も礼節も地に落ちた。
これは何も三国の方々のせいだとは言えない。歴代の王朝が何千年も掛けて『人』を歪めた結果だ。だから真の天命は滅びでなく抹消、或いは抹殺かも知れない。ともかくホシ(星)の意志、テン(天)の意志が動く前に、どうにかこの民族と、関わりの深い幾つかの民族の軌道修正を掛けないと、この星までが焼却対象となると話した。
これは『現象となったエル君』に喚び出された彼らも、ホシ(星)やテン(天)からの使命を受け取っているので十分に理解できる事らしかった。だから、全員の顔が引き締まった。
お祖父様とご相談の上で、年明け以降は視察を続けながら、ショップ開店の準備を1年掛けて行う事になった。それでフンボルトと私の結婚式を年末にスイスで行うという。嘘でしょ?
だけどフンボルトの実家のご両親もお祖母様も、お祖父様が連絡を入れれば二つ返事で了承したという。おまけに日本のお母様までが快諾だったとか……。うわぁ~、18歳でお嫁に行くとは夢にも思わなかったよ。だけど……。
『遊び呆けとらんで、身を固めなさい。フンボルトは悪いようにはせん。そういう趣味の店を持つのも良い。お前さんとともに、時々儂の仕事を手伝ってくれればええんじゃ。それでエルヴァや。子を産み育て、こちらのチビが大人になった時に支えてやってくれ。そちらで預かってくれておるパミとな。その子も儂の子であり孫だ。そうじゃろ?』
涙を零しながら、受話器越しのお祖父様のお声に頷くだけだった。そんな私をフンボルトがそっと支えてくれた。受話器を置いたのはお昼の30分前だから、あちらは夜の8時過ぎだ。チューリッヒとここの時差は9時間ほど。ここと冬木も同じような時差だった。
リビングに戻ろうと振り向いたら、フンボルトがとても心配しながら私の顔を覗き込んでいた。だから首を振りながら少し笑った。
「ごめんなさい、心配を掛けちゃって。年末は必ず帰って来いと言われました」
「ああ、それはそうだろう。会長にも顔を見せないとね」
「だけじゃなく……」
「うん? なんだい?」
「あなたのご両親とお祖父様やお祖母様からも許可を頂いたそうで……年末は2人の結婚式です」
「ええ~~~っ!?」
フンボルトは手を引いてあげないと歩けないほど固まっていた。だけど再起動すると、私を抱き上げ大喜びでくるくると回った。だから彼の首に腕を回して、回りながらキスをした。
「どうしたの? 2人とも?」
リビングでリンさんが首を捻った。
「やったよ、リン。年末はスイスで結婚式だ」
「ええっ! やったじゃない! おめでとう、2人とも」
「ああ、ありがとう」
「ありがとうございます」
リンさんはお昼の用意が整った事と、この朗報を知らせにガレージに向かった。本日アルバイトのないシロウさんは、クルマの整備を朝からフンボルトや私とやっていた。その途中でスイスから電話があったのだ。窓の外にリリィやケティと遊びに出ていたパミちゃんが帰って来るのが見える。そうだパミちゃんをどうしよう? エルヴァちゃんとまだ逢わせられないなら……。
「一緒に暮らすのが不味いのであって、そういうお祝い事で逢うのは構わないと思うわよ?」
戻ったリンさんに相談したら、そんな風に言ってくれた。後日お祖父様にメールを入れると、似たような返事だった。パミちゃんも『エルヴァに逢ってお話したい』と言っていた。そっか、顔合わせくらいは良いのか。どうも私は深く考え過ぎる傾向にある。悪い癖だ。
ともあれ戻ったシロウさんや、聞かないフリをしていてくれたモニカさんやミアータさんにも、改めて結婚の事を報告した。それでこちらでの留守番にならざるを得ないモニカさんにミアータさん、それと一族ではないので参列できないシロウさんとリンさんにお詫びを申し添え、年が明けたらパーティを開こうと話した。
「エルヴァ、ドレスでしょ? こっちでも着る?」
「いやぁ、持って帰れるのかな?」
「遠坂、そこは写真で我慢だぞ?」
道理としては間違っていないけれど、それは墓穴ですよ。
「あのね? 私はそういうドレスをいつ着る事ができるのかしら?」
「あ……」
これも難しい問題だ。リンさんにしてみれば、何としても元の世界に帰るという前提がある。それは彼女がセカンド・オーナーとして重要な立場にあり、またこちらで知った事を鑑み、妹のサクラさんを救いたいと願っているからだ。そしてそれはシロウさんも同じ。
「でもさ。2人とも結婚なんて、もうしてるも同然じゃない。気持ちが確かなら、ここでもしちゃえば? どうせ書類だけの事でしょう? それよりも帰れない場合も考えて前向きに考えようよ」
そんな事を、年下のパミちゃんから言われたらどうしようもない。
「だよな。気持ちだけだもんな。やっちゃおうか、遠坂?」
「え? ええ~~~っ?!」
どうして、こう不意打ちに弱いのか。だけど、それは凜や凛も同じで。本質は同じなんだなって妙にほっこりした。何より今のリンさんは私にとって、姉のような存在だった。口には出せないけれど、ここにずっと残って欲しい。だからこそ、凜が出したという課題を何とかこなしてくれればと思っている。
なので私とフンボルトとで、式の準備を進めた。勿論、費用はこちら持ち。さすがにリンさんもシロウさんも自分達でお金を出すと言っていたけど、これは私と言うよりフンボルトの気持ちだった。リンさんが私の姉的存在なら、シロウさんは彼の弟的存在だった。それくらいフンボルトはシロウさんを気に掛けていた。段取りを組めば、リンさんもノッてきて来月中旬、私達がスイスに向かう前に式を行う事が決定した。
昼食を食べた後、僕はエルヴァに断りを入れて工房に入った。クルマの点検整備に関しては、残りをシロウに任せた。後は簡単だから1人でやっても2時には終わるだろう。スタックされたアンプの後ろに回って、解呪の文言を唱え、スッと開けた入口に入った。
中は幾つものブースに分かれた体育館並みの広さの工房。この広さの感覚が、どうも僕とエルヴァでは結構異なっている。彼女より図体のデカい僕が体育館だと思えるここが、僕より小さなエルヴァには学校の教室くらいに感じるらしい。この差はどこから来ているんだろうか?
ともあれ『ここ』に入る事と各種機械を使う許可は会長から既に頂いていた。それがあるから解呪の呪文を聞いていたんだ。その前に、初めて入った時にエルヴァは勝手に解呪しちゃったんだけど。それはおいて、会長が言うにはほとんどの木材は構わないそうだけど、中には絶対に使って欲しくない木材もあるらしい。今日はそれを見に来たんだ。
それで大体わかった。ある複数のモノに対する時、厳密なランクを付ける場合が時々ある。これらの木材もそうだった。最上級のモノは別室で別の呪文が掛けられており、僕には触れなかった。ところがこちらにあるものは何でも触れる。だけどエキゾチックで良いなぁと思う木材は、頭に『使うな』と命令が響いてくる。結局使えるのは北米で、比較的潤沢に採伐できるものと限られていた。
この区分けというかランク分けをエルヴァと相談し、希少な木が益々希少になってきている事が実感としてわかったんだ。だから僕はありふれた、その時手に入りやすい木材で良いギターを作ろうと考えるに至ったのだ。例えばマホガニーならオールマイティに使え、中域から中低域が強調されるので音がふくよかになる傾向がある。だけどそれはすべてのマホガニーがそうだとは言えない。
そういう個体差が確実にある。また同じ丸太から切り出すにしても、梢に近いか、根の方に近いか、表皮の方に近いか(flat grain/板目)、芯に近いか(straight grain/柾目)、導管の配列が密か疎らかでも変わるだろう。それと土や水に気候といった生育環境の違いもある。現に北米で採れるアッシュはこの環境で品種が異なるとされ、スワンプかホワイトとわけている。スワンプアッシュ(アメリカトネリコ/アメリカタモ/ノーザンアッシュ)と、ホワイトアッシュ(トネリコ/アオダモ/パンプキンアッシュ)はどちらもトネリコには違いない。
このような知識を持ち、目利きの鋭い人が仕入れた材木は木材への評価が少し変わってくる。その顕著な例がバスウッドだ。スーパーや通販で買えるような低価格のモデルに多く使われるのに、高級ギターにも使われている。その差がこういう目利きの部分で出る。軽ければスポンジと同じで、木材を構成する繊維がスカスカなんだ。逆に重ければ繊維が密であるか、乾燥が甘く保水しているかだ。僕はこのような事を子供の頃から祖父や父から学んでいた。
問題はこの先だ。繊維が密であるなら音の伝達が良くなる傾向にある。では繊維が疎であれば? 間の空気を関係ないとは言えないんじゃないか? またそういうスカスカな木材をグラファイトなどで含浸させて密にするとどうなる? 残念ながら、会長がストックしている木材は余りにも質が良すぎる。僕が試したい事には向いていない。
なので先週材木商に無理を言って譲って貰った数枚の板と、ホームセンターで買って来た板を、会長がお持ちのマホガニーやアルダーと見比べてみた。そしてホームセンターで買ったラワンで試してみようと考えた。それにエルヴァに訊くとブライトな音になる傾向があり、コントロールが難しいほどサスティーンが残る材が稀にあるという。木目を無視した積層合板などにされると最悪だが、長所と短所を知り、コントロールできるなら面白いだろうと話してくれた。
どうしてそんな知識があるんだと尋ねれば、それがエルヴァの基である『エル』の知識だという。やっぱり彼女は何かが違うな。ともあれ僕は工房で1人黙々とやりたい事をやっていた。それもこれも最愛の人、エルヴァの協力があってこそだ。彼女が僕に道を示してくれた。彼女が僕の未来を拓いてくれたんだ。また、パミがエルヴァの視野を広げた。あのコンテストはそういう意味があった。
メーカーとの契約から来る制限でエルヴァは公式の場では、あのブランドのあのシリーズしかギターを持てない。だけどメーカーの担当はとても親切で、キャンペーン・ガールとして赴く場合は、エルヴァにあのシリーズのものなら何でも用意してくれた。それで彼女は重いギターを持ち歩かずに済むし、気に入れば後で送ってくれさえした。また、過去の製品や他国でしか展開しいていない製品を様々教えてくれたそうだ。
例えば2000~2001年頃に『Media Play(CD、DVD Shop)』や『Service Merchandise(Catalog Shop)』などのオンラインストアでのみ展開されていた『Epi』というブランドの『Les Paul Model』をバザーで手に入れたり、『Elitist Series』の日本展開版(全部日本限定で当初は『Orville By Gibson』の流れを汲んだ体裁を取っていた。なのでヘッドのデザインもエピフォンでなくギブソンと同じになっているのが特徴。トロンメルの『Les Paul Studio Goth』もアメリカ版とヘッドが違う)の情報を貰ったり、限定モノのアーティスト・モデルを教えて貰ったりもしていた。
そんな理由でこの工房にはあのメーカーのギターが山ほどある。それらが僕のアイデアにどれだけ良い啓示を与えてくれる事か。僕自身も自分で買ったものがある。『1963 Firebird-VII』が2本と、アーティスト・モデルである『Jay Jay French Elitist Les Paul Standard』だ。
『1963 Firebird-VII』は赤と黒のペア。僕とエルヴァのだ。そして『Jay Jay』はピンクの『Les Paul』だ。彼は最近復活した『Twisted Sister』のギタリストで、偶然だけどエルヴァは全盛期のこのバンドをイメージしてコンテストの衣装を決めたのだ。キャンペーン・ガール(イメージ・ガール)の方の衣装は、プロのスタイリストに拠るものだけど、サブカルにも詳しいエルヴァにはスタイリストのコンセプトにウケて、相談の上で日本人がイメージする『ゴスロリ』というのに決まったそうだ。だから架空のバンド名も『Gothic Lolita』なんだ。
ついでに言うとあのミニ・アルバムの中の曲は2曲がエルヴァで、残りの3曲は僕とエルヴァの共作だ。LAでプロのスタジオ・ミュージシャンをバックに、彼女が歌って録音された。ただ、ある曲のソロがプロにも難しかったらしく、その部分だけ彼女が演奏している。録音には『Goth '58 Flying-V』を何の手も加えずに使っていて、太腿の上にギターを立てるようにVを挟み、両手でタッピングした。だからコンテストの時よりも安定した長いソロ・パートを正確に弾けていた。僕はブースからマネージャーよろしく見ていただけだけれど、彼女はミュージシャン達からプロになるべきだと声を掛けられていた。まぁ、愛想よく断っていたけれど。
そんな具合で、僕はエルヴァが夕食を知らせに来るまで工房に籠もっていた。ああ、またやってしまった……。可愛い人を放ったらかして。こういう時は決まっている。今夜もたっぷり愛し合うしかない。
そして夜。いつもの空間に来て、パミを預け、僕とエルヴァは2人の家に入った。こういう場合、絶対にもう1人のエルヴァを喚んじゃイケない。とにかく目の前のエルヴァにだけ集中する。すると賢明で本質的に優しい彼女は、たちまち機嫌を良くして(今回は機嫌の悪い態度は取っていなかったけれど)、僕に過剰なまでのサービスを発揮してくれる。
とにかく焦らず優しく声を掛けながら、キスから始めて衣類を脱がせ合う。そしてタップリと前戯をしてあげる。これまで何度もしてあげたクリ◯ングスも、今夜は趣向を変えてみた。僕の顔に跨がらせたのだ。そうすると彼女は猛烈に恥ずかしがる。だけど興奮もかなりあるらしく、その貝殻は粘液でヌラヌラと光っていた。ベッドのヘッド・ボードに手をついて、僕に体重を掛けないようにしていた彼女もとうとう僕の上で膝を畳んで仰向けになってしまった。感じ過ぎて力が抜け、支えきれなくなったのだ。
隙かさず僕は首を上げ、更にエルヴァのあそこを愛した。舌を挿し込み、鼻で可愛い豆を摩ってあげた。たちまち彼女は日本語で絶頂の声を上げ、僕の顔に透明な液体を噴出した。潮を吹くようになって来ているのは知っていたけれど、どこから出るのか初めて見た。尿道ではなかったんだ。入り口の両脇あたりと中からだ。こういう器官は、当の本人でさえもわかっていないし、医学書にも正解は載っていない。つまり個人差も大きいし、胎児が羊水の中で人の形になる時にどういう風に形作られるのかでも変わってくるのだと思う。
羞恥心が強烈な絶頂を誘ったようで、失神こそしなかったが、エルヴァは僕の上で股を開いたまま虚脱していた。その身体を抱き起こし、横たえ、ティッシュで自分の顔を拭った後にエルヴァを抱き寄せ髪を撫でてあげた。途端、顔を赤らめ僕の胸に顔を埋める彼女。可愛過ぎてキュンキュンする。だけど男は駆け引きの許される範囲で意地悪も言わなきゃね。
「僕の顔をビシャビシャにするほど、そんなに良かった?」
「し、知りません」
「アタタ、胸を噛まないでよ」
でもその痛さが擽(くすぐ)ったいような感覚に変わってくる。僕の乳首を吸ったり舐めたりしているのだ。そうして手で優しく僕のを撫でてくれる。それは肉体的な快感だけでなく精神的な快楽にも満ち溢れていた。
「歳を経てセックスできない身体になっても君とこうして抱き合いたいな」
「シワシワのお婆ちゃんになっても?」
「勿論さ。土に帰る時も抱き合っていたいよ」
「フンボルト……好き」
「僕もだよ。エルヴァ、君を愛している」
「私も。私もフンボルトを愛してます。ずっと一緒に居て下さいね」
「ああ、勿論さ」
そして彼女は僕の胸から臍へとキスをしながら身を沈め、遂には僕のアレを含んでくれた。この行為の時の彼女は毎回苦しそうだ。僕のが大き過ぎるんだ。だけど僕を悦ばせようと彼女はいつも真剣だ。おっと漏れそう。肩を叩いて合図を送る。そろそろ一つになる時間だ。
今日はベッドの端にエルヴァを寝かせた。大きく開いた足はベッドの外だ。そして僕は床に膝を立て、その姿勢からエルヴァに挿し込んだ。上半身が密着しないので物足りない部分があると思うけれど、僕の腰はこの姿勢だと自由自在だ。膝が痺れるまでこの体位で行こう。その後はテーブルの上で俯せになって貰ってのバックだ。身長差をどうにかして埋めようと考えての体位だった。
エルヴァはやや下付きなのか、この方が挿れやすく、また良いところに僕のが当たるようだった。色々と調べる限り、バックを好む女性は、奥に深く届くから良いという。だけど僕のは届き過ぎて、エルヴァには苦しいようだ。だから僕はストロークで彼女の中の良いところを擦り上げる。
とにかく自分よりも彼女優先だ。というのはこの体位、悔しい事にエルヴァ同士の方が上手いのだ。見ていて興奮するけれど、沽券に関わる由々しき事態なのも事実だった。それでエルヴァと精神を入れ替え、もう1人のエルヴァにして貰った。正直、良かった。で、僕になったエルヴァが大きくなったそれを僕に挿れようとして……逃げた。後で元の姿に戻ってからさんざん謝った。
自分のナニで貫かれるなんて絶対に無いと常々言っているので、エルヴァもそこかわかっていて冗談だったようだが、僕は本気で怖かった。だけど2人のエルヴァから突き飛ばして逃げるとはと嘆かれ詰られた。あれは辛かった。
「Ich komme……Ich komme……ァアアッ! イクゥイク、イク~~!」
このスイス・ドイツ語から日本語に変わる瞬間が彼女の持ち味で、僕しか聞けない声なのだ。少し遅れて僕も思い切り射精した。来年は早いけれど、再来年には子供が欲しいよね、エルヴァ?
全自動でモニターしているので、気を抜けば映像と音声が頭の中に雪崩込む。まったくどうにかならないものか。北京とロスの時間差の関係であちらのパコパコタイムが、こちらのお昼過ぎなのが辛い。食後の休憩から午後のお茶の時間まで、ず~っとエッチな映像が脳裏に浮かぶ。これを止められる本体が元の世界に帰ったので、私が一方的に受信している有様だ。本当にどうしようもない。『仲良き事は良き事哉』とはいえ、とんだ好きモノだ。だけどそれは魔術師には必要な資質でもある。
私達魔術師は、優秀な血を残さなければならない。より魔力が豊富で、より魔術回路が多く、より強力な魔術が操れる子孫を産み育てなければならない。そのために婚姻相手は徹底的に吟味し、いざ結婚の果てには徹底的にお互いを大切にする。何故なら夫や妻は秘密を共有する仲であり、次代に夢を繋ぐ重要なパートナーでもあるからだ。
なので子孫ありきではあるが、戦国武将や大名のような側室でも何でもありとは行かなかった。まして私達は東洋の文化圏とは異なる、西欧の規範意識に基づいて生きている。そう、宗教観や道徳観より文化的風習からこれは来ている。それと合理性だ。というのもこれと決めた夫や妻との子しか、それも念願通りの回路と魔力を持った子しか家督を継げないからだ。勿論、大昔の高名な魔術師は魔術回路が豊富で強靭な相手を何人も侍らせ子孫を作ったかも知れない。
だけど子沢山は神秘の拡散に繋がる可能性がある。だから妊娠初期に魔力が足りないと思えば胎児を堕ろす。逆にこれはと光るものを感じれば、様々な処置を続けながら出産の日を待つ。それで無事に生まれても、二子や三子が優れていると判断すれば、あっさりと記憶を消して養子に出すか飼い殺す。良くも悪くもそれが魔術師だった。
だから一方的にエルヴァを非難できない。私も同じようなものだから。ちなみに私は浮気容認派だ。これにも理由はあって、やはり子孫を確実に残すために、魔術師の子は男性も女性も性欲がやたら強くなるように調整されているからだ。女性なら濡れやすく5回6回は平気となる。男性なら3~4時間の間に最低でも4回は射精ができなければならない。しかもその4回目でも顕微鏡で覗けば精子が元気に泳がなければならない。女性も同じで、きちんと決まった周期で排卵が来なければならない。
アインツベルンの粋を集めたハイブリッドの本体は、宝具がなければきっと死ぬまで排卵があり60代でも70代でも子が産めただろう。母はホムンクルスだし、双子の姉はアハトの調整なのでどうなるかは不明だ。だけど2人のエルヴァに、エルマやトロンメルにヴンダーの三姉妹、それとおチビちゃんとクロエちゃんにエルヴァちゃんの三姉妹、あちらの世界のおチビちゃんとクロちゃんの姉妹はお祖父様や私の調整なので、どこかで止めないと本当にかなりの高齢まで排卵が止まらないだろう。
魔術師になれなかった『慎ちゃん』、なれたかも知れないけれどならなかった『フンボルト君』……この2人もそういう血を引くので性欲が人一倍強い。『間桐慎二』が『桜』に手を出すのは、抑え難い性欲があるからとも言えるのだ。この私にしても、パミやミトも、こうして人形を用意し性を謳歌するのは性欲が強いからだ。何より人形を使えば本体はキレイなままだ。特にエルマにトロンメルとヴンダーの三姉妹は妊娠機能のオンオフも簡単に行える。オンしたままで教えていないけれど。
そしてそれはこのボディも同じだ。このまま元に戻らずここで長居をするなら、考えないとなぁ。そういや、ここには漂流中の『遠坂凛』と『衛宮士郎』が居たんだっけ。まぁ、エルヴァが居るなら大丈夫だろうけど。凜(魔法使い)は凜(第4のアーチャーのマスター)に任せる積もりかな?
「そろそろ戻りませんと午後の会議が始まりますぞ」
「ええ」
さぁ、会議の続きだ。頑張ろう。しかし『現象となった彼女』には、返す返すも感謝だ。まさか名もなき中堅官吏までが召喚されていたとは。これがあったから行政の乱れが少ない。後は武将が睨みを効かせるだけで、少なからず人心は落ち着いて日々の生活を営んでいる。孔明さんの声明発表で外交も一旦は落ち着いた。狙い通りだ。前政権とズブズブだった者達の氏名発表で各国の報道機関も政府も、北の崩壊を黙殺した。
よって午後の会議で、北への侵攻を辞退したロシアに、北の港を貸与する事でウイグルの礼とする事が決まった。また、インド北部のチベット亡命政府に使者を送る事と、全権委任大使として呉の魯淑さんを立て、インド政府やチベット亡命政府と会談する事が決まった。魯淑さんは魯粛さんの息子だが、魯粛さんの死後に生まれたので2人の仲はとてもギクシャクしていた。それで呉の文官である張承さんや歩騭さんから孔明さんへ、どうにか取り立ててやって欲しいと強く要望があったのだ。
そこで孔明さん達は悩んだ。魯淑さんという人は、父の魯粛さんに劣らぬ優秀な人物であると見ただけでわかる。わかるが実績がなさ過ぎた。では誰か補佐をつけようとなった時、呉の人々は口を揃えて諸葛瑾さんを推したのである。
「兄者を……?」
動揺はしていたが、水先案内人が私、そして従者に馬謖の名をあげると孔明さんは黙り込んでしまった。だけど反対はしなかった。その一度は惚れた『才』が、時代を超えれば活きるのではないかと考えたからだ。
そうして翌週、私達はムンバイのチャトラパティ・シヴァージー国際空港に飛んだ。この頃のインディラ・ガンディー国際空港はまだ国内専用で、亡命政府に近いデリーやアッサムのグワーハーティーへは乗り換えるしかなかったからだ。
また亡命政府からの返事を待つ意味もある。『ダライちゃん、遊びましょ』といきなり行っても逢えるわけがない。これはインド政府も同じ。なので今回は政府の外交官か官僚と会うのが目的だ。だから諸葛瑾さんも魯淑さんも今回はパス。香港で馬謖を拾って私達で向かう。だけどムンバイは良い。実に楽しみだ。
「何が楽しみだと?」
「インド料理の真髄はカレーの前に屋台です。ムンバイはその屋台が多くて、とても面白いからです」
お弁当配達のダッバーワーラーもムンバイだ。インドは大雑把に4つの地域に分けられるが、旅行代理店などに行けば、最初は北インド旅行を薦められる。デリーやタージマハルのあるアグラなどだ。マニアックになると東インドのアッサムやダージリンなどお茶っ葉の産地を巡ったり、ブッダガヤといった仏教の聖地巡りも楽しいだろう。またここからネパールやブータン、バングラデシュ観光と足を伸ばしても良い。
逆にヴィシャーカパトナムからチェンナイへと東海岸を旅してから、最南端のカンニヤークマリにあるコモリン岬の日の出と日の入りを眺めても忘れられない思い出になる。
だけどこれだけあちこち巡った経験のある私が、2度3度と訪れる街が西インドのムンバイなのだ。
「カレーの前とはどういう意味です?」
「カレーは香辛料料理の総称でしょう? すべての料理がカレー味、これはこちらでのデフォなのですね。屋台料理はそこに流行物が入って来ます。インド風四川料理とか、そういうインドならではのアレンジ料理がある訳です」
「なるほど」
ムンバイの、と言うよりインドの屋台料理は、大抵鉄板で炒めるか、鉄鍋で炒め煮るかだ。そしてその鉄鍋は決まって中華鍋だ。それを店頭に置かれたコークス(ハイカロリーなコンロ)でガーッと炒めたり煮たりする。基本はカレー味のたまご焼きにチャーハン、そばメシ、焼きそば、パスタだ。そこに少々の野菜と、前もって仕込んであった唐揚げの細切れなどが、思い出やお土産(前に注文した人の調理の残りもの)などと混ざって手渡される。
味見は指だし、その指を汲み置きした水で洗う(人も居る)。そしてその水を調理にも使う。これを『万能水』といい、いつ洗ったかわからない『万能ふきん』とともに常備されている。そしてそこかしこに『G』がカサコソと這っている。
ガンジス川で沐浴している人の上流で遺体が焼かれていれば、更にその上流で牛が水浴びし、人が排便している。それもインドなら、あの屋台メシもインドなのだ。ちなみに私は日本に行く8歳頃に、このガンジス川での野糞を体験している。今みたいに発展する前の廈門市では、現地の子供みたいに野ションした事もある。何故あんな事が平気でできたのだろうか? 今も謎である。
「それに肉はヤギやトリばかりですから、ハサン達も気にしないで食べられると思いますよ」
「そうですか。それは実に楽しみですね」
なお、この素晴らしい屋台文化は世界中どこにでもありそうだが、コークスを使うのはインドから中国までだ。ミャンマーやタイ、ベトナムなどは明らかに中華料理圏だが、インドの四川風味付けのそばメシには驚かされる。さすがに花椒が利いた麻辣味ではないが、その白い粉と赤い粉はヤメろと声が出るくらい、塩と旨味調味料、それと唐辛子と香辛料の混ざったマサラがバサッと入る。しかもバターもこれでもかというくらい使われる。それが長粒種のお米と合うのだ。どこがそばメシだ、でぶメシじゃないかと言いたくなるハイカロリー。だけど後を惹く美味しさがある。
何種類かあるスープカレーと、チキンにナン。あれってどこか違う国の料理な気がしないか? 正解は北部からネパールにかけての料理だけれど、中部から南部は忙しいのにグツグツ煮込んでいられるか! とばかりに炒めものが多い。これはインド亜大陸の広さと南北の気温差を表してもいる。また作り置きしないで、毎回火を通しているので意外とお腹は壊さない。タイやラオス辺りの屋台の食べ物の方がヤバいと思う。それより南のインドネシアへ行って、ナシゴレンやミーゴレンを食べると味気なく感じてしまう。やっぱりインドのそばメシだ。
安倍首相が退陣されましたね。お疲れさまでしたの一言です。
内部も外部もスパイだらけの中での内閣制。議員になるには選挙で当選し、何期も務め、執行部に認められて大臣です。そこからまた数回大臣を繰り返してお友達(推薦人)を増やして、やっとこさっとこ総裁選挙。そこに勝って首相任命です。
独裁政治? その独裁国家から金が回るスパイの戯言ですね。公約を守れなかった? 党内も党外も足を引っ張るスパイだらけ。だから敵の居ない外交では歴代首相最高の実績を残しました。オーストラリア首相の言葉や合衆国大統領の言葉、その他の国からも惜しむ声ばかりでした。
ですがそれらをメディアは報道しない。まるで漫画や小説の世界です。現実の悪はこんなに安っぽい。笑えてきますよ。
ただ苦言を呈するなら、消費税は廃止か大幅減税すべきでした。あれはインフレを抑制する場合に使う社会に働きかけるツールであって、福祉がどうとかどうでもいいのです。
福祉も公共事業も日本だけはどうとでもなるのですから。ここがわからない、或いはわかっていてもできない財務省は悪です。
貨幣論が理解できない経済学者も変ですが。現在の日本だけがドンピシャでハマるんです。富国強兵とまでは言いませんが、経済を立て直し景気を良くして欲しいですね。
クルマの弱アンダーが良いように、弱インフレがコントロールもしやすく社会には良いのだと早く気付いて欲しいものです。