※この作品はR-18です。

万能細胞を使ってIS学園を洗脳・改造・侵蝕・ハーレム!   作:地球最適化プログラム

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まだ導入部分しか投稿していないのですが、沢山のお気に入り登録をしてもらって、ありがたいというか、恐縮です。あんまり期待はしないで……下さいね?


第一話 白い髪の男

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてっ」

 

朝、台所でソーセージを程よいサイズに切っていたのだが、ついテレビを余所見していたせいで、指を切ってしまった。

傷口からは、血がドクドクと流れ出す。静脈まで切ってしまったらしい。

 

普通の人間なら、そこですぐに指の根本を圧迫して止血しないと、失血して意識を失う危険性がある。

 

だが、血が数滴、指から滴り落ちた後に、指に残った血を拭うと、もう傷口は塞がっていた。

それも、元(・)か(・)ら(・)怪(・)我(・)な(・)ん(・)か(・)し(・)て(・)い(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)と(・)思(・)う(・)程(・)に(・)。

 

 

そんな俺、キョウジ・イクリプスは、ある手術を境にそんな超回復で傷が癒える能力(?)みたいなものを手に入れた。

 

俺が五年前、十歳の時の話だ。

医師から自分の身体を構成している細胞が減衰していることを知らされた。DNAの異常で、一定の時期より早く細胞が死んでしまい、死滅量に対して分裂量が追い付いていないため、近いうちに衰弱死しまうらしい。

余命宣告をされて、俺はとても落ち込んだ。死ぬまでにはあと一年弱ということだったが、健常に生きていける、自由に行動出来る時間はそれの四分の一以下しかなかった。その事実を、俺は受け止めきれずに、高台から飛び降り自殺を試みようと思ったことさえあった。

 

だが、ある国の研究所が、細胞の減衰を食い止める薬の研究をしていると言う話を聞いて、俺は一縷の望みをかけて、その手術を受けることにした。

 

その手術というのは、体内に細胞を丈夫にして分裂を活発化させる薬を投与し、予め投与したナノマシンでその薬の効力をコントロールするというもの。ナノマシンは、最近医療の分野で注目を集め、今まで不治の病だった病気の治療で成果を上げている。

また、この手術においても既にマウスでの実験は成功を収めており、後は臨床実験待ちという状況だった。その臨床試験に、俺は抜擢されたのだ。

 

入院先の病院から移送される時、俺は人生で一番強く生きていることを実感していた。『生きてやろう』とも思った。

 

もう一度、この大地の上で自由に生きていきたい。

 

俺の瞳には、天高く昇った太陽に照らされて、キラキラと光る世界が映っていたのを、今でもよく覚えている。

移送先の病院で、俺は麻酔を打たれ、暫しの眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

結果的に手術は、成功した。というか、死んでたら、今こうして生活していないから当たり前だ。

薬は不具合なく身体に回り、ナノマシンによる薬の効力調整も上手くいっている。

俺はそのまま、別の病院で目を覚ました。真っ白な天井が、映っていた。

 

確か、日本のアニメに登場する主人公には、知らない場所で目覚めた時言う言葉があったよね?今思えばそれを発したかったけど、その時は生きてることが本当に信じられなくて、言葉も出なかったな。もう、嬉しいとか通り越していた。側にあった洗面台の鏡を除くと、髪の毛は白く変色していたが、それ以外は何度も見てきた、自分の顔が映っていた。自然と涙が出てきた。

 

窓の外から、朝の光が優しく俺を照らしていた。おかえり、とも言っているようだった。

 

とにかく、俺は生き延びたのだ。

 

 

「おはよう………って、キョウジ、大丈夫か、手が血だらけじゃないか」

 

「包丁で指ザックリいっちゃってさ。まあ、もう跡形もないけど。お薬さまさまだ」

 

俺が指を切って苦い顔をしていたら、居間の扉の開く音がした。ボサボサの頭を掻きながら、欠伸をする男。パジャマ姿で顔も洗っていない辺り、起きたばかりだと思われる。

 

「気を付けろよ。一応それは副作用なんだが、もしなんかの拍子に周(・)り(・)に(・)こ(・)れ(・)を(・)知(・)ら(・)れ(・)た(・)ら(・)、面倒なことになる。お前も読んでるだろ。不死身の新人類が研究材料として狙われる話。今は物騒な世の中だ、いつ誘拐されるか分かったもんじゃない」

 

「分かってるよ、ゴジョーさん」

 

俺はゴジョーさんの朝のぼやき──というか内容は俺が起こしたものなのだが──を笑って返す。

 

 

俺は今はこのかかりつけの専門医の男性──ゴジョーさんと一緒に暮らしている。

手術が終わってすぐに退院し、経過観察と定期検診をすることになったのだが、急に両親が海外へ出張を命じられたためだ。

上からこの異動を聞いた時、父は怒り、俺の知らないところであんな会社やめてやりたいと酒を飲んでいたそうだが、この国は、何社かの巨大な財閥企業によって構成されていて、そこを辞めて別の会社……特にそこらの中小企業に入っても、これまでの生活を続けていける程の収入は得られない。この国は、財閥企業の社員とその他に、急激な格差があるのだった。そのため、そう簡単に会社を辞める訳にはいかなかった。

父は大手のスマートフォン製作会社のそこそこ重要なポストについている。俺がこの手術を受けれたのも、父が一代で稼いで得た多額の貯金の一部をつぎ込むことが出来たからである。

 

父には、そして暇さえあればいつでも病室にいてくれた母にもだが、両親には感謝しかない。

 

話が逸れてしまったが、俺は定期検診があるため、家に残らざるをえなかった。元々臨床実験という体で手術を受けているため、俺はそれに付き合う義務がある。

それに、ゴジョーさんが言うには体内のナノマシンの管理に特殊な道具が必要なのだとか。

 

そうした事情もあり、家には俺一人しかいない状態になってしまう。それでは俺に何かあった時に誰も駆けつけることが出来ない。そんな俺の状況を案じてか、ゴジョーさんなら信じられると言うわけで、母のたっての願いで住み込みさせていると言う訳だ。

 

ゴジョーさんは優しいし、何より頭が良い。

俺は手術やリハビリで二年間分の勉強を取り返さなければならなかったが、ゴジョーさんの解説は親切丁寧だ。医者は学歴が高いとは聞くが、多分、そこらの家庭教師より教えるの上手いんじゃないかな。いや、受けたことないから知らんけど。

いつもニコニコとしているし、何か、悪いところが無い。潔白って感じ。

同居を始めた時は、何だか得体の知れないおじさんだという印象が強かったが、驚くことに趣味が俺と結構同じな部分が多かった。今では日本のマンガやアニメが好きで、色々と本を買い集める仲にまで成長している。

 

最近は機動戦士ガンダムという、18メートルサイズの人型ロボット、MS(モビルスーツ)が戦う、シリーズものの戦争物語についての話題が多い。MSは、タイトルにもなっているガンダム、ザクを始め、様々なMSがあるのだが、ゴジョーさんが好きなのは、ハイゼンスレイⅡというガンダムの派生型の一つに位置する機体らしい。

因みに俺はウイングガンダムゼロという、背部に巨大な翼を持ったMS。アフターコロニーという暦を持ち、初代ガンダムの世界で使われている宇宙世紀とは違う世界のガンダムの一つだ。

 

話が大きく逸れてしまったが、そんな背景があって、俺はそんな治癒力を手にしてしまっている。

そこまで不便じゃないし、寧ろ助かっている部分もあるから、俺はこれを何とも思っていない。

 

今日も、いつもと変わらない。なんてことない朝。

 

俺は血がついてしまったソーセージを洗い直し、キッチンペーパーで水気を拭き取った。今日は冷えた朝だから、ポトフを作っている。

傍らでは、じゃがいも、ブロッコリーを始めとした野菜が鍋で煮込まれて、コトコトと音を立てていた。

 

 

だが、その時俺は知らなかった。俺が既に光の届かない、闇の世界に身を沈めてしまっていることを。俺は、折角拾った命を、知らぬ間に捨てかけていたことを。

 

それを知っていれば、ゴジョーさんの先程のぼやきを、俺は真面目に受け取っていだろう。

いや、もはやゴジョーさんと会ってすら──いなかっただろう。

 

 

そんな未来のことは露知らず、俺はポコポコと沸騰している水の泡を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

今日も、中学はだいぶ辛かった。

 

勉強が難しい、というわけではない。校舎内、特に俺たち三年生の教室がある階は、とてもピリピリしていて、張り詰めた空気が流れているからだ。

受験直前で自習も多く、私語一つない室内は、ただノートや自習用に配られたプリントにシャープペンシルを走らせる音のみで構成されていた。

 

この国では、収入を得て一定以上の暮らしを得るためには、大企業への入社が必要となる。大企業への入社には、自然と高学歴が要求される。高校・大学とトップクラスの学校に入らなければ、大企業への戸口を叩くことさえ出来ない。

国は財閥へ入社出来る人材を、全国から集めるために全国的な学校制度・入試制度を作ったが、厄介なことにそれは一度下(・)が(・)る(・)と上へ上がることが不可能に近いシステムでもあった。

高校と大学は学校が三段階にランク付けされ、大学への入試には、学校の首席を除いて上のランクへの受験は禁止されていた。つまり、自分が在籍している高校と同じランク付けの大学か、それより下の大学しか受けることが出来ないものだった。

 

そんなクソみたいな制度があるため、つまり順当に大企業へ入社して不自由なく生活を送るためには、この中学から高校へ行くための受験で、一番高いランクの高校へ受からなければならないのだ。

 

だから、三年生になるとみんなピリピリしだす。かく言う俺も学校では結構ピリピリしている感じだ。

難病を患っていた、等は関係ない。高校へ通うためには何十倍もある倍率を潜り抜ける必要がある。

 

先の見えない日々に、俺も翻弄されていた。

 

 

「ただいま……」

 

重い足取りで俺は帰宅し、玄関のドアを開ける。だが、病院が休みで家にいる筈のゴジョーさんの声が帰って来ない。

ま、今日はゴジョーさんはお休みの日だ。どうせリビングで、アニメでも見ているのだろう。彼はアニメに没頭していると、俺が帰って来たことに気付かないことがたまにある。

 

そう軽い気持ちで、リビングのドアを開けたのだが……。

 

「お、おい………ご、ゴジョーさん!ゴジョーさん!」

 

ソファーから崩れ落ちるように倒れている、見覚えのある男性。

紛れもなく、ゴジョーさんその人だった。

俺は頭が一瞬真っ白になるも、すぐに正気に戻り、ゴジョーさんに駆け寄る。

死んでいる筈が無い。そんな最悪の事態を否定しながら強く揺するが、全く反応がない。

 

ゴ(・)ジ(・)ョ(・)ー(・)さ(・)ん(・)の(・)身(・)体(・)が(・)、冷(・)た(・)い(・)。

 

 

「やあやあ、会いたかったよ、キョウジ君」

 

不意に、背後から声がする。女性の声だ。それも、何処かで聞き覚えのある。

しかし、俺は振り向かない。振り向けない。

振り向いたら、死ぬ。と、思う。

 

「ゴジョーさんを、殺したのは、お前か?」

 

ゴジョーさんという恩人が死んだ、殺された怒りと、後ろにいる得体の知れない存在に対する恐怖で、声が震える。

 

「うん、そーだね。私が排除したんだよ」

 

しかし、後ろの女性の声は、抑揚一つ変わらない。この張り詰めた空気の中で、とてもマイペースな声が、部屋全体に響き渡る。

 

もはや怒りと恐怖に窒息してしまいそうになる中、俺は必死に言葉を紡ぎ出す。

 

「どうして、ゴジョーさんを、殺したんだ」

 

「邪魔だから」

 

「は?」

 

「そこのソイツ。いると、私にとって邪魔なんだよね。今の世界は、私の、束(・)さ(・)ん(・)の(・)天下なの。だから、それを邪魔する奴は排除するにあたる、でしょ?君、小さい時におままごとってやったことあると思うんだけど。あれって料理作ったりお皿並べたりして遊ぶお遊戯じゃん?あれに、例えば悪の怪人の人形を持った他人が現れたらどう思う?邪魔だよね。何だコイツ。自分達の世界を壊しやがって、って。そう言う事だよ、キョウジ君。分かった?」

 

分かん、ねぇよ。ゴジョーさんが、何をしたって言うんだよ。

 

俺の病気を直してくれて、転勤で一人になっちまう筈だった俺の面倒見てくれて、俺が苦しい時も側にいてくれて。

 

 

そんなゴジョーさんが、一体何をしたって言うんだよ!!

 

「まぁ、でも君にはなーんにも知らされていない訳だし。いいよ。特別に教えてあげる」

 

「教えるって、何をだよ」

 

俺はそっと立ち上がり、後ろにいる女性から、少しづつ距離を取りながら、ゆっくりと振り向いた。

 

その女性は、誰もが一度は見たことがある人物だった。

ミュージカルで見るような服と、ウサ耳を頭につけた天(・)災(・)科学者。その姿は目の前で改めて見ても、科学者に似合わず奇抜で、奔放で、そして妖艶であった。

 

「篠ノ之、束」

 

「ニャハハ。その驚いた顔、図星だよ」

 

その晴れ晴れとした笑顔は、俺には死神に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




新型コロナウイルスに感染した人が近所の人間と知って結構ビビりました。
真面目な話、感染したらしばらく投稿出来ないのでご理解の程を宜しくお願いします。
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