※この作品はR-18です。

万能細胞を使ってIS学園を洗脳・改造・侵蝕・ハーレム!   作:地球最適化プログラム

3 / 19
未だエロシーンにも至っていないというのに、R18日刊一位を頂きました。また多くのお気に入り登録ありがとうございます。
感想も拝見させて頂いております。ただ極度のコミュ障なので返信は返せません(←!?)


第二話 悪魔の女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この女性、篠ノ之束についてを語る前に、彼女について重要な事柄がある。

 

一つ目は、『インフィニット・ストラトス』と呼ばれるマルチフォームスーツである。通称IS。篠ノ之束は、これを開発したことで有名になったのだ。

マルチフォームスーツと言いながら、その外観は中世の甲冑のイメージに近い。中世の甲冑を、モダンアレンジしたような、感じ。だが、そんな駆動する鎧の中には、様々なオーバーテクノロジーが詰まっていた。

元々は、急激な環境変化が起こる宇宙空間で、人類が開発を行っていくために作られた宇宙服だという。詳しい開発費等は明らかになっていないが、現行の宇宙服は製作に十億円以上もかかるのに対し、恐らくそれより安価で済むものと思われ、更に活動範囲・時間も大幅に増加している。

………というより、値段の話はさておき、宇宙服とISは、それぞれの理論や構造が根本から違うと言った方がいいだろうか。

向こうは、言うなれば『防護服』の理念に近い。放射線や、気圧の急激な変化から人体を守るために、特殊な布を何層も重ねて、人が宇宙空間でも生命活動を行えるだ(・)け(・)の服と言った方が正しいだろうか。

それに対して、ISは、宇宙空間で人が快適に活動出来るための『作業服』の理念に近いと思われる。

特殊なエネルギーによって駆動し、スーツと言いながら推進装置を持ち、瞬間的に音速まで速度を上げることが出来る。宇宙空間だけでなく、大気圏内、水中でも自由に、立体的に動き回ることが可能。宇宙服とは違い、基本的に特殊なエネルギーシールドで人体を防護しているため、物理的な制約がなく、より人間的な動作が行える。他にもあるが、列挙すればきりがないほどに、世代を画する性能がつまっている。ゴジョーさんとの話で、たまに話題に昇ることがあったが、彼はISのことを、『着るスーパーロボット』と評していた。

一応、ISにも欠陥はあるのだが、これは後述する。

 

そんな宇宙開発事業に革命を起こしそうなISだったが、いざ学会で発表すると、酷評の嵐で、認められることはなかった。十年前の話だ。

恐らく、ISの兵器的側面を、学会に同席していた者達は、皆恐れたのだと思われる。ステルス性能を持ち、レーダーをすり抜けて目標まで音速で飛び、丸腰の相手に対して手に持ったミサイルを放つ。それがどれだけ驚異的であるかは、想像が容易だろう。学会で語られた束の言葉は有名で、『現行兵器全てを凌駕する』というのは、伊達ではなかった。

そして、人々が恐れたのは、それだけではない。ISの欠陥についても、それは学会の人間を震え上がらせた。……が、これまた後に回すことにする。

とにかく、人々はさっさとそれをゴミ箱に入れて蓋をして、忘れてしまいたいと思ったのだろう。

 

だが、それ(IS)は最悪の出来事によって世間一般に広まることになる。

 

 

二つ目に篠ノ之束に関係する事柄として、『白騎士事件』を挙げる。

 

それは十年前、ISが学会で発表された一ヶ月後に、突如として起こった。

 

世界中のコンピューターシステムが同時に、何者かによってハッキングされ、世界各国が保有しているミサイル2341発が、発射されたのだ。

そして、その全てのミサイルの着弾場所は、日本だった。

 

これだけの数のミサイルを迎撃する力は、日本の自衛隊にも、在日米軍にも、無かっただろう。

 

このまま日本はミサイルによって滅亡………かと思いきや、上空には、一人のヒーロー然とした、アーマーをつけた女性が現れた。

そして、その女性は、おもむろに彼女の目の前に手を翳すと、まるで魔法を使ったかのように、ブレードが現れたのだ。

それを手に持ち、ミサイルを斬っていく。その姿に誰もが唖然とした。

遠くて剣先が届かないものは、重火器のようなものを取り出し、そこから電磁砲のようなものを飛ばして、撃ち落とす。

こうして、その白い女性は、ミサイルの約半数、1221発を撃ち落とし、日本を救った。その後、偵察と、その白い女性を拿捕に来た各国の軍隊を全て無力化し、雲隠れする。

……という、突拍子もない事件である。

 

この事件によって、ISは世界に広まる。一時期『兵器』として何処かの国がISを利用した軍需産業を始めたために五大陸に緊張が走ったが、『スポーツ』として表面上は落ち着いて現在に至っている。

 

恐らく(各国はこの事件を延々と調査中にしているため、真偽は分からないが)、これはISの性能を世界に知ろしめるために、篠ノ之束が行ったことである。というかそれ以外にあり得ない。

 

そして、世界の班図は大きく変貌を遂げることになるのだが、ここで重大な問題に直面した。

 

それが、ISの持つ重大な欠陥、

 

『ISは女性しか乗れない』

 

という問題である。

 

言葉の意味そのままに、女性にしかISは乗れない、男性は、反応すらしてくれないのだ。

 

そのため、最強の兵器を使用出来る女性と、使えない男性。力の優劣は逆転した。世に言う、『女尊男卑社会』の幕開けだ。

各国の首脳部は女性内閣に様変わりし、女性有利な政策を打ち出す。女性の働きかけによって、男性の地位は地に落ちる。男性か女性かで、点数に変動が出る受験を行う大学まであるそうだ。女性権利団体という名のヤクザが幅を利かし、各地で混乱が起きた。

 

 

このことを話した上で、篠ノ之束の話をしよう。

 

彼女は、『インフィニット・ストラトス』を発明し、『白騎士事件』でISを世に広め、女尊男卑をこの世に蔓延らせた張本人である。それも、全てそうなることを予想して行っているのだから、悪質極まりない。

 

その美貌とは裏腹に、その自身の能力を持ってして、勝手に世界をかき乱す。『天災』の異名は、そんな畏怖を込められてつけられているのだと、俺は思う。

 

だが、今ここで相対している自分としては、もっと相応しい言葉があるんじゃないか、とも思ってしまう。

 

例えば………『悪魔』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

それにしても何故、篠ノ之束がここにいるのか。篠ノ之束はゴジョーさんを、邪魔な人間、と言っていた。ゴジョーさんは一体、何をしていたのか。気に入らないという言い分は納得できないが、篠ノ之束の言葉が正しいのならば、ゴジョーさんは裏で、篠ノ之束に対抗するための何かを持っていた・研究していたということになる。

 

「さてと、それじゃあ教えちゃいますか。君の真実を」

 

俺?

 

いきなり俺について話を振られたことに、眉をひそめざるを得ない。

 

「俺のことだと?」

 

「そうだよ。コイツのやっていたことを話すには、君の存在がとっても重要になってくるんだ」

 

「確かに、俺は難病を患っていて、それをゴジョーさんに治療してもらった。そこに何か問題が…………あるのか?」

 

すると、急に篠ノ之束は、腹を抱えて笑いだした。

 

「アッハッハッハッハ!いやいやいやいや。まさか、ま、さ、か、………君がなーんにも知らないなんて、ねぇ………」

 

「くっ………い、一体、何がおかしいんだ」

 

「だってね、君が今言ったこと、全部間違いだもん☆」

 

「は?」

 

間違い?いや、どういうことだ?

 

「君、今、『自分は何処も間違ってない筈だ』っていう顔してるよ。はぁーっ、滑稽滑稽」

 

ヒィ、ヒィ、フゥー、と、呼吸を整えてから、篠ノ之束は話を続けた。

 

「先ずね、君が細胞が減衰する病気にかかっているっていう話。あれ、嘘だよ」

 

は?あれが、嘘?もう未来に希望も失って、自殺未遂までしたっていうのに。あれは………嘘だったって、オチなのか?

 

「い、いや、そ、そんな訳、ないだろ。検査結果だって」

 

「いやぁ、あんな紙切れ一つ、改竄でどうにかなるに決まってんじゃん」

 

そ、そ、そんな…………。

 

「じゃあ、あの手術って言うのは、一体何なんだよ。ナノマシンと、細胞の減衰を食い止める薬を投与したって」

 

「あー、その手術ね。ナノマシンと薬を投与したっていうのは、ホント。ナノマシンも、薬の作用をコントロールするためのナノマシンだから、医師の説明は、まあ間違ってないね。だけどね、問題はここからだよ」

 

篠ノ之束は、一呼吸して、驚愕の事実を口にした。

 

「その薬っていうのはね、『アルティメット細胞』って言ったけな?それを精製する薬なんだよ。薬が人間の体内──特に細胞だね──に入り込むと、DNAと結びついて、DNAを書き換える。つまり、君は人間じゃない何かに生まれ変わったわけ」

 

「何言ってんだ。俺は………人間じゃない?」

 

俺の中で何かが、ガラガラと崩れていく。

 

「そ。まあでも、下手すりゃDNAが書き換わったところで細胞が異常分裂を起こして肉体がパァン!って破裂する可能性もあったみたいだけど。まあ、良かったね。今生きてて」

 

楽しそうに手で破裂するジェスチャーを繰り返す篠ノ之束。

そんな他人事のような口調で、こちらの人生をぶち壊しておいて、俺の中で怒りが沸かない筈は無かった。

 

「はぁ?ふ、ふざけんな!病気が嘘で、俺は実は人間じゃない何かでしたって………ど、どうしてくれるんだよ!!」

 

「別にそれをやったのは束さんじゃないもん。言うならコイツに言ってよ。コイツらが、君をそういう身体にしたんだから………あ、もう死んでるんだった。テヘッ☆」

 

畜生、悪びれずに、ペラペラと喋りやがって………。じゃあ、一体、何だったんだよ。父さんが、母さんが心配してくれて、生と死の狭間で葛藤を繰り返して、もう一度生きようと誓ったあの日の出来事は!

 

「もう分かったと思うけど、そこの死体とその仲間──残りは全員私が殺したけど──は、君を使って、生体兵器の研究をしてたみたいだね。君が今まで生かされいていたのは、君が成功例だから。このまま手元に置いておいて、後々私に対抗するつもりだったんだろうね。その証拠に、もう君の両親は口封じで殺されてるよ」

 

俺は無駄に人生に葛藤し、絶望し、勝手に希望を持った。そして、それは全て、信じていた、信じていた筈の、ゴジョーさんの掌で踊らされていたことだった。

最終的に、裏切られ、両親は殺され、俺一人。

悲しいし、恥ずかしいし、悔しい。

俺はその日々のことを思うと膝を落とさざるを得なかった。

 

 

「あ、そうそう。束さんね、君(・)も(・)殺(・)す(・)こ(・)と(・)に(・)し(・)た(・)ん(・)だ(・)。まあ、そのまま放っておいてもいいんだけどさ」

 

「は?」

 

「君、そのアルティメット細胞のせいで、ISに乗れちゃうんだよね。それは束さんとして、困るんだわ。ほら、最近、ISを動かせる男の子が出たっていうニュース、知ってるよね?いっくんも後で処分する予定なんだけどね、いっくんにはIS学園でやることがあるんだ。でも、君がいると邪魔なんだよね。この国でも、近々適正検査を始めるみたいだし」

 

そういえばこの前、ISを動かせる男の子が出たという話を、見たことがある。

いっくん、とは、ISを動かせる男の子のことなのだろうか。

 

「取り敢えず、これで君に話すことは全部かな」

 

足音がする。項垂れている俺に、篠ノ之束がゆっくり近付いてくる音だ。

 

「うっ!」

 

不意に、篠ノ之束が俺の髪の毛を掴んできた。変わらず、悪魔のような笑顔をしながら、こちらを見下ろしてくる。

 

「はいはーい、ちゅうもーく!」

 

そうやって見せている、髪を掴んでいる手とは逆の手には、電卓の先にアンテナがついたような、銀色のリモコンが収まっていた。

 

「これはー、君の体内に入っているナノマシンを制御出来る、リモコンでございまーす!」

 

まさか。

 

「細かい説明は省くけど、これで君の生殺与奪も思いのまま☆」

 

相手はあの、悪魔の心を持った、天災科学者だ。絶対にハッタリでは、ない。

 

「や……やめろ………」

 

「え〜?やめない☆」

 

リモコンをどうにかするために立ち上がろうとするが、強烈な膝蹴りが腹部に直撃し、無様に呻く俺。

 

「ぐっ………」

 

こんなところで死ぬわけには、いかない。

俺は残った力で手を伸ばすも、リモコンには遠く及ばない。

そうこうしている内にも、篠ノ之束はゆっくりと、『停止』と書かれたボタンに指を伸ばす。

 

 

「それじゃあ………死ね」

 

篠ノ之束の表情が変わった。いつも見せている笑顔とは正反対の、全てを無に帰すような、真顔。

その何とも言えない恐怖に、俺の気が遠くなっていく。でも、駄目だ。死ぬわけには───。

 

それと同時に、リモコンの『停止』ボタンを、押された。

俺はその現実に、目を閉じた。

 

俺は、死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。