ヨ○バシ <ダメです。
ゲ○オ <ダメです。
ビック○カメラ <ダメです。
RFB「あああああ!」
RFB、落選!
(ついにあの人を食事に誘う時が…… とうとうこの日が……!)
グリフィンの女性職員(モブ)が指揮官を食事に誘うべく、通りかかるのを今か今かと待ち構えていた。
失敗は出来ない……だがしかし、今日のこの日の為に指揮官に声を掛けるシミュレートを何度も行ってきた。問題は無い筈。
気になるあの人の食堂へ向かうタイミングは、これまでの幾度に渡る下見で既に把握済み。この点も抜かりはない。お気づきだろうか、彼女のやっていることがストーカーの領域に差し掛かっていることに。
――指揮官が来た。
(……今だっ!)
後は勇気を出すだけ。
「し、指揮官さんっ!」
通りかかったタイミングを見計らい、彼の前に立ちはだかる形で躍り出た。
意中の彼を目の前にし、緊張のあまりに若干声が張り上がった。
「?」
「よ、よかったらこれから私と一緒に食事をしませんか?」
意を決し、彼女は指揮官を食事に誘う。
指揮官は特に断る理由が無かったのか、女性職員の誘いに乗ってくれた。
(や、やった!指揮官さんと食事だ!)
お誘いは成功、かねてより重ねてきた彼女の努力が実を結んだ瞬間だった。
指揮官はその人となりの良さ故、戦術人形たちからは勿論、グリフィン内に勤務する女性職員からの人気も何気に高い。
これには独占欲の強い人形たちも『仕方ないね』と許容と諦観の視点を持ち、更に彼女たちは『流石は私の指揮官ね』という具合に、なぜか自分の事の様に喜んでくれる。
中には指揮官を自分の夫だと思い込んでいるメンタル異常戦術人形が(ry
さて誘われたものの、どこの席に座ったらいいものか。
しかし女性職員曰く、席は既に取得済みのこと。妙な準備の良さに妙な気を抱きつつも、指揮官は事前に食堂に注文しておいた品を受け取りに向かい、その後女性職員と合流して席まで案内してもらうことに。
今日の食堂は少々込み入っている。しかし別に珍しい光景では無い。女性職員は念の為、事前に取っておいた席の再確認へ向かった。
「えーっと席は4番テーブルの……っひ!?」
「え えっ ぁっ……あっ……」
(食事は受け取った。さて彼女はどこに……あそこか)
遠目にぽつんと立ち尽くす女性職員が見えた。ひょっとすると彼女が取った席はその付近にあるのだろう。指揮官は歩み寄り、声を掛けた。
「ひっ!!?」
別に威圧的に話しかけた訳では無い。しかし、それでも女性職員はやたらと驚いていた。
「っぁ……指揮官さん…… ぁああでも…… あの…… そのっ……」
何やら彼女の様子がおかしい、酷く狼狽している様子で、忙しなく周囲を見回していた。
一体何が気がかりなのだろうか。
「あのっ……ごっ、ごめっ、ごめんなさっ……ちょっちょっと用事がっ!」
そう言い残し、あまり速くはないが素晴らしく綺麗なフォームで走り去っていった。
急を要する用事は仕方ない――と、指揮官は食堂から走り去る女性職員の背中を見送った。
「――あら指揮官、フラれちゃった?」
直後、聞き覚えのある声。
その声が聞こえてきたのは女性職員の姿が見えなくなったのとほぼ同時だった。
声が聞こえた方向に向き直ると、そこにはしっかりと声の主が居た。
やはりグリズリーだ。
「その様だ。見ていたのか」
「偶然見えてしまったんです。まぁ、冷やかすつもりなんて更々無いから安心してね」
やさしい。
「それは大いに助かる」
「ね、よかったら一緒に食べようよ。私も丁度貰ってきたの」
グリズリーがほれほれとジャンクフードの乗っかったトレイを掲げる。
イイ色に揚がったラージサイズケース入りのフライドポテト。
具材の彩り豊かなハンバーガー。
複数個入りの手頃な大きさのフライドチキン。
砕いたクッキーが混ぜ込ませたカップアイス。
より取り見取りで、食欲を煽り立てるいい匂いだってする。彼女の食事も美味そうだ。
稀にあるのだ。無性にジャンクフードが食べたくなることが。
「そちらも美味そうだな。……たまにならそういう食事もいいな」
「んー……でも戦術人形だし、太らないっしょ」
「いや、太るぞ。SPASが実証済みだ」バッサリ
「え゛っ」
人形だって太る(至言)
「んじゃ、私の席はココで」
彼女は席に座り、持っていたトレイをテーブル置く。その拍子でパイナップルソーダに浮かべられていた氷が鳴った。
実はグリズリーが座ったその席、元は指揮官を食事に誘ってきた女性職員が正に座ろうと予定していた場所であり、しっかりと有効活用された。
「お、
まるでいつもを知っているかの様な口ぶりだった。
「(……今日は?)そうか? そっちのハンバーガーも中々……」
具材の彩りばかりに気を取られていたが、見れば威圧的な高さのハンバーガーがそこに。なんならズレ落ち防止の金属製のピンだって刺さっている。
「たまーには、ガッツリとね~」
にっ、とグリズリーが笑う。
「この厚みは……どう平らげていくのか想像もつかんな」
「簡単よ。具材が許す限り押しつぶして、それからひたすら齧り付くの」
The 力技。
「なるほどなぁ……」
こうして指揮官はグリズリーと共に食事を取ることになった。
何気ない日常的会話を交わしつつ、のんびり食事をするのもこれまた一興。指揮官へと熱心に話題をふるグリズリーは、それはそれは輝いてみえたという。
ここで話すべきことなのかはよく分からないが、彼女にはヘンな傾向というか……癖がある。
それは指揮官が食事を口に運ぶ姿をじっと見つめてくること。
別に自分が作った手料理を指揮官に食べて貰っている状況でなくても、ただただ食べ物を口元に運び、口に含んで咀嚼をする姿を機嫌良さげに見つめてくるのだ。
なんとも風変りな戦術人形である。
「はい指揮官、あーん」
「え」
グリズリーが一際長いフライドポテトを口の前に差し出してきた。二人きりならまだともかく、公衆の面前でもある食堂でこの行為は流石に憚られる。
「あーん」
「……」
それでも尚ゴリ押しを続けるグリズリー。こういう時の彼女はえらく強情なのを指揮官は知っている。なので半ばヤケクソで仕方なく彼女の要求を呑むことにした。
のんびり食事をしていたのが幸いしたのか、周囲を見回せば食堂はすっかり空いている。大変恥ずかしいが……この状況を打開するのは今しかない。
「…………んむ」
差し出されたフライドポテトを口に含む。するとカリッと薄衣の小気味良い食感。まだ全然冷めていないし、塩味も効いていてとても旨い。
「美味しい?」
「……ああ」
「そう。ふふふっ」
食べてくれたからなのか、グリズリーは嬉しそうに微笑んだ。
「もっと食べる?」
「いや……もういい」
「そっか。残念」
流石にもう恥ずかしい。人目が無くて本当によかった。
◆
◆
◆
~食後~
「ねぇ指揮官、この後どっか行かない?」
「この後か?…………また俺が運転を?」
「ピンポーン。この時期にバイクはちょっと寒いからねー。どう?」
「……まあ、いいか。手前の車の調子を知る為にも、メンテナンスがてら行くことにしよう」
「さっすが指揮官~。行こ行こ」ぎゅ
「……待った」
「んー?♡」ムニュムニュ
「……何でもない」
「そう?」ニヤニヤ
グリズリーに腕を組まれつつ、指揮官の個人車両も止めてある施設のガレージへと向かった。
道中その姿を何名かの戦術人形が目撃し、皆この世の終わりみたいな表情を浮かべていた。
ガレージに到着。
「車内広々ですねぇ。さっすが指揮官~」
「……だからって運転席に乗り込んでくることはないんだぞ?」
運転席には既に指揮官が座っているのだが、そこに何故かグリズリーが乗り込んできて、指揮官と向き合う形で彼の膝の上に座った。
「こうも広いと“色々”できそうですね、指揮官」
「……色々?」
「そうそう。色々、ね?」ニコ
するとカクン、とシートの背もたれが倒れ始める。グリズリーが伸ばす腕の先を見れば、調節レバーを握っていることが判明した。
ついには背もたれと共にばったりと倒れ切った指揮官に、グリズリーがねっとりと覆い被さってきた。
そんな彼女は、とってもアブナイ妖艶な笑みを浮かべている。
ハッ、とした。
その表情とこの状況に陥り、ようやく指揮官はグリズリーの言う“色々”を理解したのだ。
まさか、車内で……?
「ど、どこか出掛ける話では……」
「……うん。その前にね……嫌なことがあったから指揮官に慰めてもらおうかなぁ、なんてね……」
指揮官の胸板に頬ずりしつつ匂いを嗅ぎつつ、話を進める。
「……嫌なこと?」
「そう。とーっても嫌なこと」
「“また”私の好きな人に“悪い虫”が付こうとしてたの」
「今回のは大変だった……何度も“話”をしたのにね」
グリズリーがそっと指揮官の頬に触れる。
「……?」
「追い払う度に思うの」
「悪い虫が付くくらいなら、いっそ――」
どす黒く濁った目だった。
まるで、鉛筆でグチャグチャに塗りつぶしたかの様な、そんな目をしている。
そんなグリズリーの顔がゆっくりと近づく――
「私のものだって、分かる様にしちゃえばいいんじゃないかなって」
「……なーんてね。じゃ、色々シよっか指揮官♥」
「!?」
一変。
彼女は慣れた手つきでベルトを外し、ソレを絶妙な力加減で握って上下。
ついには舌を絡ませ――
「ぜーんぶ私のナカに出さないと、車が汚れちゃいますよ?♥」
その後、指揮官の愛車は小刻みに揺れ続けた。
(安心してね指揮官)
(ずっとずっと、私が守ってあげる)
運転する指揮官の横顔を眺めながら、グリズリーは心の中で呟くのだった。
コン コン コン コン
「ん……?」ガチャ
「「「「「「「「「「「「メリークリスマース♪」」」」」」」」」」」」
「メリークリスマス。どうしたんだ皆……身体にリボンを巻いて、なんだこの長蛇の列!?」
「指揮官へのプレゼント、何がいいかな~って考えて……」腕組み
「色々悩んだ挙句……」ウーン
「やっぱり……プレゼントするなら自分かなって♡」
(えぇ……)