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見た目はバンギャ。でも実際は根も真面目で良識ある良い子。(指揮官絡みでなければ)
糖分が欲しい。
備考欄:少々の独占欲があり、指揮官が他の戦術人形と楽しそうに会話を弾ませていたりすると不機嫌になることがある。そうなった場合、指揮官が一人きりになった頃合いを見計らって絡みにいき、上書きとばかりに募り募った情欲を何度もぶつけてくるうえ、キスマークも付けてくる。
戦術人形には気を付けよう!
ある夜の薄暗い指令室
「――あ、指揮官……やはり、まだここにいらしたのですね」
ソファーに座り、資料を広々と広げてにらめっこをしていました。
「M4か」
「はい。なんだか落ち着かなくて……暫く、ご一緒させて頂けませんか?」
「構わんさ」
「♪」
本当は……指揮官に会いたくなったのです。
……嘘を吐いたつもりでしたが、実のところ当たらずも遠からずで、
落ち着かないというのも、思えばあながち嘘ではなかったかもしれません。
M4A1は指揮官の横に間を空けて腰かけ、ソファーの背もたれに背を預けた。
「……」
そのままぼんやりと指令室の無機質な天井を眺め続ける。
静かで特に会話は無いけれど、指揮官と二人っきり。
耳を澄ませば紙をめくる音。
紙にペンか何かで書き込む音。
指揮官の微かな呼吸の音。
チラリと横を見れば作業に打ち込む指揮官の横顔。
――悪くない。
「何か相談事か?」
暫く作業に打ち込んでいた指揮官が聞く。
「そうですね……質問……相談なのかもしれません」
それは自分の中で霧がかかり、未だに結論が出せぬままにある――
「よろしければ……聞いていただけますか?」
「ああ。話すだけでも楽になるかもしれないからな」
この人になら、彼なら話を聞いてくれる……そう自身の直感を信じたのです。
けれど不安は拭い去れないのが正直なところ。
心の内を明かすのは怖く、そして心配だった。
それが、信頼のおける人の拒絶であればある程に……
そんな思いの表れから顔を俯け、M4A1はソファーの上で両膝を抱えた。
やがて――
「これからヘンなことを聞いてしまうかもしれません……」
指揮官は無言で頷き、言葉の続きを促した。
「戦術人形はその……人を……好きになってはいけないのでしょうか?」
――言った。言い切ってしまった。
怖い。
もし……もし拒絶されたら……
でも言い切ってしまったからには、ここまできてしまったら仕方が無い。
「――いいや全然」
「へっ」
M4A1は素っ頓狂な声と表情を浮かべて顔を上げ、指揮官の顔を見た。
彼はいつもと変わりない様子で執務に励んでいる。
暗く、冷たく、きつい現実を突き付けられるものと思い込んでいた。
けれど違った。
返答は極めて単純。
好きならそれでいい ――それだけだった。
知らず知らずのうちに壁を、隔たりを作っていたのは自分自身だったのだ。
モヤついた心が見る見るうちに晴れ、胸が高鳴った。
「で、ではこれからも……貴方の傍に……ずっと傍に居てもいいんですか……?」
「勿論。俺の(下に配属された)戦術人形だからな」←痛恨のミス
「……!」
――この瞬間、M4A1の内の何かが外れた。
人を好きになっていいし、傍に居たっていい。
大切なのは一歩踏み出す少しの勇気だったのだ。
「そう……ですか…… そうだったんですね……よかった……」
「もう、我慢しなくていいんですね」
その夜、ソファーに座る指揮官とM4A1の距離が限りなくゼロに近づいた。
この日からだ。
人形たちがえらく近づいてくる様になったのは。