試験的な内容を搭載しました。
戦術人形には気を付けよう!
しばらく働き詰めの指揮官に休暇が下された。今ではすっかりワーカーホリックな彼の身を案じた、上層のちょっとした粋な計らいであった。
休暇が下されたので特に織り入った用事なく、16Labに立ち寄ってみる。
その際に指揮官はペルシカから16Lab謹製の試作品を贈られ、そのガジェットの素晴らしさを長々と嬉しそうに、誇らしげに語るペルシカに捕まってしまったのだった。
彼女の話の長さ故に、指揮官は途中から眠気で意識がぼんやりし、会話の返事もすっかりテキトーに。
指揮官が目を覚ました頃には既に話が終わっていた。支度を済ませ、帰り際に頬を若干赤らめ、微笑んだペルシカが目に映る。
「またね指揮官。さっきの話だけど……、まさかあなたから直々にいい返事が聞けるなんて思ってもみなかったわ」
「……?」
ニッコリと嬉しそうに話すペルシカ。
指揮官は何の事だかよく分からなかった。理由はよく分からないが、彼女が何やら嬉しそうだったので特に気にも留めず、16Labを後にする。
◆
普段から休みを欲しているその身であったが、いざ暇を迎えると何をしようか全く思いつかず、こう過ごそうと考えてもいなかったのだ。
彼は今、ただただぼーっと、プライベートルームで静かに電子タバコを喫している。頻度は少ないが、業務の合間に喫しない訳ではない。だが、これだと決めてそれ一本で楽しむのも、これもまた一興である。
今本体にセットしている電子タバコのフレーバーはアップルミント。指揮官のお手製で、彼の作るフレーバーは同じく嗜む一部の戦術人形たちからとても好評。今では指揮官のちょっとした趣味になりつつある。
タバコと言ったが、最早それは名ばかりで、味と香り付けされた水飴の様なものを、エアロゾル状にして味と香りを鼻や口で楽しむだけのお菓子染みたものに過ぎなかった。
では、なぜタバコなどと言われているのか?
単純に楽しんでいる姿がまんま喫煙っぽいからだ。
電子タバコの本体を卓上のペン立てに立てかけ、伸びをし、一服。鼻腔内にリンゴ特有の甘い香りと、酸味混じりの甘い味が口内に広がる。
良くも悪くも、普段から戦術人形たちに揉みくちゃにされている彼であり、こういった一人の時間はある意味貴重であった。故に指揮官は思う、ぼーっと一人で過ごす時間も悪くないと。
◆
◆
◆
無慈悲にもその一方で、指揮官に休暇が下されたことをいち早く察知した、一つの不穏な影がジャックダニエルとバニラアイスを装備し、指揮官のプライベートルームを目指して歩みを進めていた。
その不穏な影は笑みを浮かべながら指揮官に刻一刻と確実に迫り、彼の一人の時間が儚くも崩れ去ろうとしていたのだった。
指揮官はそんなことは露知らず、相変わらず自身の個室の椅子に座って寛ぎつつ、得た休暇をどう過ごそうかとぼんやり考え込んでいた。
(施設の仮想空間を使ってシューティングでも……?)
その施設で、戦術人形たちと訓練したり、そして時に遊ぶ。稀だが、グリフィンの職員が業務や私用で利用することも。
皆でプレイするサバゲーは確かに楽しいのだが、決まってちょっとした揉め事が起こる。指揮官がゲームで使う装備に、各々の戦術人形たちがこぞって自分自身をアピールしてくるのだ。
そしてそのアピールの形は様々である。
※プライバシー保護の為、指揮官以外の肉声には加工が施されています
『私は完璧よ、指揮官。私を使えば何も問題はないわ』
『お、頼もしいな?』
◆
『ふっ、あなたのセンスを直してあげるわ』ススス…
『FAL待て。なぜ抱き着く?』
『照れなくてもいいのよ?』
◆
『数ある銃器が出揃う中、その場にその銃が確かに存在している以上、指揮官は私を使うべきなのです。つまりまったくそれでよいのです。イングラムM10は喜んでお受けしますよ』
『なんだこの暴論!?』
◆
『指揮官には私をもっと知っていただく必要があります。さぁ今日のレポートをどうぞ』
→ RO635著『あなたが私を選ぶべき635の理由』グリフィン広報部出版,xxxx,x-xx
『えぇ……』
◆
(……よし。止そう)
以上を踏まえて、目を瞑り、心中で頷く指揮官であった。
今もなお、RO635が手渡してきたレポートはしまい込んだままである。
――直後、部屋のドアを等間隔に4回ノックする音が聞こえた。
指揮官はドアに目をやりつつ、伝家の宝刀の居留守を決行、沈黙を貫くことにした。
再度、録音したものを流したかのような、全く同じノック音が聞こえてくる。
(折角の休暇だ。来訪者には悪いが……)
しばらく様子を窺ってみたが、2回目のノックを最後に後沙汰は無く、おそらく察して帰ってくれたのだろう。悪い気もしつつ安堵し、指揮官は卓上のペン立てに立てかけておいた電子タバコに再び手を伸ばす。
それをうっかり取り損ない、ぺしっと本体が指先に当たって「カタン」と音を立てて倒れ、転がるペンの様に卓上をコロコロ移動し、卓上の縁から落ちかけた所を寸前でキャッチする。
その音を皮切りに、さっきまでしっかりと閉まっていたドアが突如開錠する。開いた入口にすかさず目をやった。
「!?」
なぜか独りでに開く個室の入り口のドアを見て思わず吹き出してしまった。
(バカな、鍵はかけた筈……ん?)
「♪」
(うわっM16……)
ぬーっと徐々に出てきて見えたのは、ドア周りの縁で見切れて首から下は見えない顔だけのM16A1。
そんな彼女はしっかりと指揮官を見据えている。
彼と目が合うが否や、M16A1はニッコリと笑みを浮かべた。
程なくして彼女は後ろ手に両腕を組み、優雅な足取りで入室してきた。
入室途中に、M16A1はなぜか指揮官の自室の壁掛け時計を取り外し、時刻が見えぬよう、適当な場所に伏せた。
そしてM16A1は指揮官の傍に立つ。傍に立ったM16A1の方を気まずくて見ることができず、指揮官はへたり込んだ様に力なく椅子に座っている。
「……」
M16A1は姿勢を落とし、無言で笑顔を浮かべたまま指揮官の顔を覗き込む。そして指揮官はバツが悪そうに彼女から顔を逸らす。
逸らされた彼の顔を追いかけ、M16A1は再び彼の顔を覗き込んできた。相変わらず笑顔を浮かべたまま、無言であった。
楽しそうな表情のM16A1に対し、指揮官の表情は青ざめていっている。
しかもジャックダニエルの瓶をわざとらしくチラつかせてくる始末。
――終わった。 “また”だ。
指揮官は観念した様にすっと目を瞑り、そして過去の記憶を思い起こす。
思えば、M16A1には何度も休日を酒浸しにされてきたのだ。
そして今日もこれから……
最初こそビクビク警戒しつつ自分の飲酒ペースを大切にするのだが、お世辞抜きにしてM16A1の話は面白いのだ。
ついついペースが弾み、お互いに気持ちよく酔いが回り……
結果酔い潰れ、彼女に美味しく頂かれて搾り取られるまでが様式美化しつつあった。
過去に、あろうことかM16A1は自分自身の膣内にお酒を注入し、そのまま指揮官と行為に及んだ結果、性獣が出来上がった。
その時の記憶は幸か不幸か、酒で飛んでいて思い出せない。
意を決し、聞き出してみようと思ったこともあったが、M16A1曰く、その時の情事を思い起こすと“気分が高揚して仕方がなくなる”(らしい)ので、その記憶にはロック掛けを施しているらしい。
恐らく彼女はその時の全てを覚えているのだろう、恐ろしいことだ。
後日、M16A1のアルコールの粘膜摂取ックスはあえなくドクターストップがかかった。
当たり前だよなぁ?
これはいけない。
M16A1と酒と肉欲に呑まれること以外で、健全な休日の過ごし方をなんとか編み出し、これまでの悪い流れをどこかで絶たなければならない。
ここで彼は挫けず、革新的な手法を以ってして果敢にM16A1に挑む。
「ああM16。今日の天気は悪いな」
まずは一発、そしてこれは決まった。無難な話題振りだ。
「今日は快晴だぞ、指揮官」
「」
YOU DIED
◆
力なく卓上に伏し、指揮官は何かを呟いている。そんな彼は、M16A1にはとても愛しく映った。
「はあ……変わらず愛しいなあ」
彼女は溜息をついた後、卓上に伏す指揮官の上半身を優しく起こし、彼の両肩に手を置いて彼ごと椅子を回転させ、自分自身と対面させる。どこか呆れた雰囲気を含ませた真剣な表情でM16A1は言う。
「……これまで私と爛れて過ごして潰れた休日は、確かに幾つもあった」
「だから勘違いするのは、幾らか仕方無いが……」
指揮官は彼女の言葉の続きを待つ。
「ここの所、戦いも減ってきただろう?私は指揮官を労いに来たんだ」
戦いは確かに減った。
だが仕事も休まるかと思えば、代わりに舞い込んできたのが、また別の仕事。沢山の書類と睨めっこをする時間ときた。
「指揮を執ることとはまた違った疲れが、その仕事には溜まるものさ。……ふと、心配になってね」
大天使M4の姉もやっぱり大天使なのか?彼女は身体を心配してきた。
――だが指揮官は直ぐに考えを改めた。
大天使がお酒で酔わせて襲ってくるもんか。
てっきりいつもみたいに酔わせて襲ってくるのだとばかり、幼稚に思っていた指揮官は意外そうな表情を浮かべていた。
「今朝16Labに顔を出したんだろう?ペルシカが嬉しそうに話していたよ」
確かにそうだったが話が長ったらしく、途中から眠りこけてペルシカの話の旨を全く聞いていなかった……
楽しそうに話しかけてきたペルシカの姿が脳裏に浮かぶ。
親しい仲とはいえ、大変失礼な振る舞いをしていたな、と指揮官の内に罪悪感が湧き上がる。
知らず知らずの内に、誰かの気持ちを無碍にしているのかもしれない……
――そう考え、陰りが増す彼の表情を見てM16A1は言う。
「……顔を見に来てみて正解だったかもな。元気が無いじゃないか。指揮官」
そう言ってM16A1は椅子に座る指揮官の太腿に跨ってきた。
対面座位ってやつだろうか。女の子はどうしてこうも柔らかいのだろう。M16A1のすらっとした太腿が眩しく、思わずを目をやってしまう。
気付けばM16A1の髪のいい匂い。
なんだか気持ちがヘンに揺さぶられていく気がする。
「ツラいことがあれば、私たちを頼ってくれればいい」
M16A1は真面目な顔で語る。飄々とした普段の彼女にしては珍しい。
「それに、ここに指揮官を嫌う者なんて、人っ子一人いないのさ」
「……そうだといいがなぁ」
「ははっ。 どうせ皆、指揮官を好きになるんだよ」
「???」
カラッと笑うM16A1。
そう言って指揮官の頬にそっと手を添えた。
するとM16A1は、ぼうっと彼を隻眼で見据えたまま黙り込んだ。
熱に浮かされたような……そうでもない様な……別に睨みつけてきている訳ではなく、ただ、ぼーっと、遠くを眺めるような目つきに似た感じがする。
「……M16?」
何とも言えない状態が続く。
指揮官は彼女の名を呼ぶ。
押し当たるM16A1の形の良い豊かな双丘といい、下腹部周辺に感じる彼女の太腿の感触といい、近い彼女の顔といい……指揮官は次第に気まずく、恥ずかしくもなってきたのだ。
数テンポ遅れ、ぽつりと、彼女は言葉をこぼす。
「……指揮官と目が合う度に思うよ」
「綺麗な眼をしているんだなあって」
そう言って指揮官の右目の下眼瞼周辺に親指を這わせ、ゆっくりなぞる。
突然、M16A1の雰囲気がガラリと変わった。
心ここにあらず、といった具合で、M16A1にしては珍しい表情だった。
次に彼女が口を開くまでに、指揮官はやたらと永い時間を体感した。実のところ、然程時間は経っていないのだが。
憂いの漂う笑顔を浮かべたM16A1の顔が近づき、指揮官の右目に、彼女の艶のある唇が迫る。
反射的に指揮官は右目を瞑り、M16A1は指揮官の閉じた目にそっと口づけをした。
彼女の柔らかくも温かい、湿り気のある唇の感触を感じる。しばらく閉じた右目に口づけをし続ける彼女であったが、やがて周辺に舌を這わせ始めた。
右目の上下の両瞼が閉じ合わさる部分を、なぞる様にして舐めている。
……徐々に嫌な予感が過った。
その予感は当たってしまった。
M16A1は閉じる彼の瞼を舌でこじ開け、そのまま右目に舌先を侵入させてきたのだ。
右目の表面が温かく、ぬるぬるとした、這う様に動く舌に舐められている。
不思議と痛みはなかった。
全く慣れない感覚に、指揮官は思わず小さく呻き声を上げる。
ぞくぞくと寒気がする。身を捩るが、スイッチが入った様に反射的にM16A1の拘束が強まった。
逃がさない。 ――そんな意志を感じた。
思わずぞくりと背中が震える。
指揮官は戦々恐々とした時間を過ごす。一通り舐めて満足したのか、右目がM16A1の口元から解放される。
彼女の口と指揮官の右目から銀の糸が伝い、彼女の吐息が色っぽく漏れる。
「指揮官さえ、よければだが――」
指揮官の右目を愛おしそうになぞる親指の腹に、ほんのりと力を込めてM16A1は言った。
時間が止まったかの様な錯覚に陥る。
ぞわりと全身に嫌なものが駆け巡った。
M16A1は今、何と言った――?
徐々に、徐々に、M16A1の親指に力が加わっていった。
マズい。 何か―― 何か言わなければ――
彼女の気を逸らさなければ――
まずい。
まずい。 何か、ないか。
何か――――
「――なんてな!冗談だ。目なんて片方で十分。私にかかれば百発百中ってね」
……いつもの雰囲気のM16A1に戻った。
右目に加わる負荷も一切感じられない。
その様変わりに、さっきまで夢でも見ていたのだろうと思い始めていた。
――が、右目に残った感覚の余韻が、それを否定する。
眼球を舐められたが……不思議と特に痛みは感じなかった。
だからこそ、酷く不気味だった。
……しかしながら妙なことに、彼女に眼を舐められるのが一瞬でも嫌ではないと思ってしまった自分がいた。
そしてそれもまた、不気味に思った。
◆
◆
◆
……やがて、跳ねる様な心拍が落ち着きを取り戻し始めた……
M16A1は指揮官の胸に顔を埋めて彼の心音に聴き入っていた。彼女は居心地良さげに目を瞑り、小さく笑みを浮かべている。
M16A1はこの行為が大好き。彼の生の実感が得られるからだ。
「さて、指揮官。私から言うことはこれくらいだ。指揮官からは何か?」
さっきのお前の様子は何だったんだ、と言いたくはあったが、指揮官の内の動物的直感がなぜか警鐘を鳴らした。
よって、何も言わないことにした。
しかし、話は終わった筈なのだが、なぜかM16A1は一向に上から退く気配を見せない。彼女の豊かな双丘の柔らかさを感じる。変な気を悟られない様に、指揮官は意地を張って平静を装う。
「ん、あれ、話は済んだのではなかったのか?」
「話は済んだよ。でも忘れていないか? 私は指揮官を労いにきたんだ」
そういえばそうだったなあと指揮官は納得した様に頷く。先程のインパクトですっかり頭から抜け落ちていた。
「でもこの体勢ではなんだ、その……色々とマズいだろう?」
視覚的にも、状況的にも、そろそろ退いた方がいい。
M16A1に既にバレているかもしれないが、下腹部の男の象徴にむくむくと血が集まり始めている。
それを知ってか知らいでか、M16A1は含みのある笑顔を見せながら指揮官の下腹部に跨ったまま、艶めかしく腰を前後し、指揮官の内の何かを煽る。これはバレてるな。
「さあて、指揮官。丁度、お部屋に鍵がかかっていますね」
M16A1はそう言いながら慣れた手付きで指揮官のネクタイを緩め、スルスルと取り外し、自分の首にかけた。
「ああ。なのにさっきお前は普通に入っ(ry
M16A1にぴん、と立てた人差し指を置かれ、口を封じられた。
「さて。鍵がかかっているとは言え、来客が来ないとは限りません」
(なーにが限りません、だ。全く……)
「その時は、何処かの誰かさんみたく 居留守 しましょう」
「」
絶句。
「居留守はいけないよなあ指揮官……♡」
居 留 守 バ レ て た
「そういうものは通用する相手を選んだうえでやるもんだ♥」
「ま、まさか……端から俺を陥れようと……」
「いーや?今回ばかりは指揮官が悪いんだぜ? 今日の私は、純粋に指揮官を労うつもりで来たんだ」
彼女は特に嘘を吐いている訳ではなさそうだが……
「だけど、誰かさんの居留守でちょっと気が変わってしまってねぇ」
「――
M16A1はそう言って裂けた様な笑みを浮かべ、片手で指揮官の髪をくしゃくしゃと撫でてきた。もう一方の手は指揮官の手を取り、指を絡ませてきた。
実は今回のM16A1は本当に、健全で純粋に指揮官を労う目的で部屋に足を運んできた。
扉にノックをしたのも勿論彼女だ。
だが、指揮官のふとした行動が彼女の動機と手段を歪めてしまった……
指揮官と健全に飲み合おうが、情事に至ろうが、結果美味しい思いができる。
結局のところ、どちらに事が運ぼうがM16A1にとって好都合なのだ。
「助けてくれM4!お前の姉さんがご乱心なんだ!」
「なんだ、元気そうで安心したよ指揮官。……だがM4は来ないぞ?M4だけじゃない、妹たちも、他の人形たちも、頼れる後方幕僚も……
――そう、 だ ぁ れ も ♥ 」
「……そんなバカな」
「どうしてだか……知りたくならないか?」
「勿論」
指揮官は即座に首を縦に振った。
「そんなに素直に頷かれちゃあ教えられないなあ♥」
「」
端から教えるつもりは一切なかったのだろうとすぐに理解した。
「あ。そういえば、今何時だったか……」
急に時刻を気にし出すM16A1。
「ん? あぁ……」
指揮官は反射的に自室の壁掛け時計が掛かる壁の方を見たが、先程なぜかM16A1がその時計を外して伏せたために時刻が分からなかった。
なので指揮官は仕方なく、外してデスクの上に置いておいた腕時計に片手を伸ばした。今はM16A1と対面座位の状態な為、妙な体勢での取り方となっているが仕方ない。
「♥」
――直後、伸ばした手と空いた手がしゅるり、と絡め取られる感覚が。
何かと思い、見ればM16A1にネクタイで両手を縛られていた。先程ネクタイを緩めて襟から抜き取ってきたのは、これが狙いだったのか。
(…………はて?)
呆気に取られる指揮官がM16A1の顔を見ると――
彼女は嗜虐的で妖艶な表情を浮かべていた。
もう後の祭りだった。
「捕まえた。……さあて、居留守の嘘つきさんにはお仕置きだな♥」
彼女はどこからともなく、音もなく取り出したジャックダニエルの蓋を開け、中身を軽く口内に含んだ。
指揮官の後頭部にM16A1の腕が回され、彼の抵抗も虚しく捕縛される。有無も言わさず、口づけと同時に、口に含んだお酒を彼の口内に流し込んだ。
しきりに指揮官の喉の鳴るくぐもった音が聞こえる。
抵抗しようと動く指揮官の舌を器用に押さえつける。すると彼は反射的にお酒を飲みこんでしまい、益々飲酒が進んでしまう。度数の高いアルコールを摂取した指揮官は、それゆえ軽く意識が揺らいだ。
胃の中で液体が広がっていき、それが熱が帯びる感覚を抱く。
彼自身、人並みくらいではあろうが、アルコールにそこまで耐性がある訳ではない。そのことをM16A1はよーく知っている。
ただ飲ませるだけでなく、M16A1はわざわざ口に酒を含み、口移しで何度も彼に酒を飲ませ続けた。
彼女のキスとお酒が絡み、頭がふわふわし、思考が奪われていく。
指揮官は次第に酔いが回って正常な判断が下せなくなり、理性も崩れ始めていた。
彼女の行為に対してなすがままどころか、逆に自ら進んで求めてしまっていた。そんな彼にM16A1は中で滾る様に火が灯り、益々我慢が出来なくなる。
身体にこもる熱は果たしてアルコールの摂取によるものか、性的興奮によるものなのか、二人の体温は益々上昇していく。
M16A1は熱っぽい表情を浮かばせる指揮官の顔をつまみに、彼の唾液と混ざり合った酒の味と彼の口内を堪能する。
M16A1は唾液を絡ませた舌で彼の口内の水分を舐め取り、ごくりと飲み込む。彼の舌に強く吸い付いて引きずり出し、半ばフェラチオの様に顔を前後する。軽く口づけを交わしてきたと思ったらすぐさま舌を捩じ込んで唾液を流し込み、指揮官の舌を嬲るように絡ませてくる。
「ああ……癖になるな……♥」
M16A1はそう小声で呟き、今度はどこからともなくバニラアイスとスプーンを取り出した。すっかり酔いが回った指揮官もこれには不思議だあ、と唸らせた。
「さあさ指揮官、アイスもいかが?」
小首を傾げて言うM16A1。スプーンで掬ったバニラアイスを口に含んだM16A1は、そのまま指揮官の上半身を抱き寄せ、唇を重ね、口移しをする。アイスは若干形状を残しつつも、彼女の口内の熱で溶け、甘い液体と共に彼の口内へ流し込んできた。
M16A1の舌に塗りたくられる甘いバニラの味、鼻腔を通って抜け出ていくバニラの香り。互いが互いの口内を貪り合う様にして、れろれろと舌が行き交い、時折、交尾の様に互いの舌を絡め合う。二人の興奮は益々昂ぶっていく。
指揮官はM16A1の口移しに麻薬の様な何かを感じていた。脳から危ない物質が分泌されている様な気さえする。
M16A1の豊かな双丘は指揮官の胸板に押し当たっていやらしく形を歪め、指揮官のモノは血が滾り、大きく隆起し、入り込みたそうに彼女の秘部を下着越しにぐにぐにと押し上げる。
「もうすっかり元気じゃないか……♥」
彼女は自身が着用するネクタイを緩めた後、慈しむ様にズボン越しに手で彼のモノを摩る。膝をついて、慣れた手つきで指揮官のベルトを外し、衣服で抑えられて苦しそうな彼のモノを解放した。
M16A1は慈しむ様に、鈴口にそっとキスをする。鈴口からは既に透明な先走しる液体がゆっくりと垂れ落ちていた。それを舐め取った後、指揮官のモノの裏筋に舌を這わせ、しきりに刺激を加え続ける。
気持ちよさそうに微かに吐息を漏らす指揮官にM16A1は気を良くし、鈴口を執拗に責め立てる。
しばらくして堪らず、どぷどぷと吐き出された彼の精を、まるで飲み物をストローで飲む様に、ちゅうちゅうと鈴口に唇を吸い付けて喉を鳴らして飲み込む。
「……♪」
すっかり蕩けた指揮官にM16A1は気を良くし、彼の両手の拘束を解いてくれた。
しばらく指揮官のモノの亀頭部分を口内で弄び、彼の精を貪っていたM16A1は何やら思いつく。
彼女はバニラアイスを口に含んだまま、フェラチオをし始めた。
冷たくも温かい不思議な感覚と、彼女の蠢くような舌の織りなす刺激が彼を射精へと導いていく。喉奥まで咥え込んだり、バニラに味付けされた指揮官のモノを味わう様にしゃぶりつく。彼は再び、すぐさま絶頂を迎えてしまい、びゅくびゅくと複数回目の精がM16A1の口内に放たれた。
ちゅぽん、と咥えていたソレを口から放し、口内で彼の精とバニラアイスを舌で絡ませ、彼に聞こえる様にわざとらしく喉を鳴らして飲み込み、舌鼓を打つ。指揮官はその様子に酷く興奮を覚えた。
指揮官の特製アイスが気に入ったのか、M16A1はまだまだ続けてくるうえに、どこにしまってあるのか、アイスと酒は未だ尽きる気配を見せない。M16A1の口の端から指揮官の精なのか、バニラアイスのものなのか分からない白濁とした液体が垂れ落ちて筋をつくり、やたらと扇情的に見える。彼女は手の甲で垂れ落ちた液体を拭い、勿体無さそうにそれを舐め取る。
「ああ、美味しい……これなら毎日でも食べたいな……♥」
アイスを口移しで舐め取り合う → 甘ったるくなり酒を飲む → 酔いが更に回る → 行為に激しさが増す
と、危ない流れが完成する。
胸元のボタンとベルトだけを解いて、M16A1の揺れない程に抑え付けられた、形も良い豊かな双丘が露わになる。
暗いオリーブグリーン色のスポーツブラの様で、ミリタリーな雰囲気漂う彼女のイメージにぴったり合い、そしてブラの色によってM16A1の白い肌がより映える。
何度も見ても戦場へ赴く身体には見えない。指揮官は思わず彼女に見惚れてしまっていた。
勃起した乳房の形状が薄っすらとブラの表面に浮かび上がっている。指揮官は思わず彼女の双丘に手を伸ばし、ブラの上から割れ物を扱う様にして撫でまわす。
やがて撫でているうちにブラの生地の中に指を滑り込めさせ、M16A1の胸が直に触れられる部位の存在に気付いた指揮官は、思わず撫でる手を止め、その部位を凝視する。
気付いちゃったかぁ。
――そんな表情を浮かべるM16A1。
一見はミリタリー色でスポーティーなブラ、なんと縦筋状の授乳スリットが両側に存在する。M16A1はラの生地が重なり合わさっているだけのスリットを広げて見せ、自身の薄桃色の乳房をを露わにした。
魅入られるようにM16A1を抱き寄せ、彼女の乳頭に口を付ける。唇で吸い付きつつ、舌先で乳頭の先端を弄び、赤子の様に求めた。休息にも似た、何とも言えない安心感が身体を巡り、指揮官は不思議と、心肺の拍動の頻度が静まっていくのを感じていた。
M16A1に至っては赤子の様に乳房を求められたことで母性が目覚めてしまっている。
思考にはエラーが発生し、瞬く間に広がっていく。確実に言える、彼と肌を重ねるごとに私はおかしくなっていっていると。
寧ろ、おかしくなっていった方が不思議と心地良かった。
M16A1の乳房を刺激する指揮官の口内には仄かに甘い味が広がっていた。彼はその味が彼女と散々堪能し合ったバニラアイスの残り味だとばかり思っていた。
だがその味は、分泌した唾液を飲み込んだり、接吻を繰り返したりして大分味が薄れている筈で、今感じる仄かな甘さは乳房を吸ったり、揉んだりする時に強く感じるものだ。
「ペルシカのやつも変な機能を付けるよなぁ」
(機能……?)
指揮官の両頬に手を添え、優しく乳房から彼の顔を離す。
離した際に乳房からちゅぱっと音がした。M16A1は自身の胸部に視線を落とし、ふにふにと自分で自身の豊かな双丘を揉みだした。
彼女の手で歪む双丘を眺めていた、しばらくすると乳頭からじっとりと乳白色の液体が染み出てきた、これが彼が感じた仄かに甘い味の正体だった。
「なんと……」
まさかの母乳機能。
指揮官の脳裏にこちらに振り返り、笑顔でVサインを送るペルシカの姿がなぜか浮かんだ。
「要らないよなぁ。こんな機能」
愚痴る様に言うM16A1だが、そういう割には目を細め、嬉しそうな表情を浮かべ、自身の形の良い双丘をさすりながら眺めている。
M16A1はふんわりとしな垂れかかり、熱に浮かされた様な隻眼を浮かべる彼女と目が合う。彼女はもう辛抱堪らない様子で、それは指揮官も全く同じであった。
スカートを穿いたまま、しゅるりと下着の片側の紐を解いて降ろし、シンプルなデザインで、着用していたブラと同じ、暗いオリーブグリーン色、ミリタリーな雰囲気漂う下着が彼女の片足からぶら下がる。
変に派手で攻撃的な意匠を凝らした下着より、よっぽど興奮した。
M16A1が彼のモノを、スカートで隠れて見えない自身の秘所へと器用に導いて割れ目へあてがい、一気に腰を落とし、二人は一つになった。
腰を滑らかにくねらせ、上下、前後に動かしてくる。きゅうきゅう締まるM16A1の膣内。愛液で濡れた膣壁と指揮官のモノが擦れ合う。
やはり、何度肌を重ねても、入れただけで大分気をやられる程にM16A1の中は気持ちよく、長く持ちこたえられそうにないのが酔いが回った頭でも理解できた。
戦術人形の殆どは彼のモノが入りきらずに余らせ、余った部分が外気に触れて少々寒く感じることがあるのだが、M16A1に限ってはそれがなく、全て入りきり、包み込んで咥え込んでしまう。
それゆえの濃厚な密着度、身体の相性がここまで良いのも珍しく、また、それは彼女も同じであった。
椅子の軋む音、肉と肉が静かにぶつかり合う音、淫らな水音が静かな部屋に響き渡り、すっかり二人の空間が出来上がる。M16A1は腰を前後させ、指揮官の槍を何度も何度も自分の中へ突き入れる。指揮官もまた、自然と腰が動いてしまっていた。
ふと指揮官は下腹部に目線をやる、スカートで隠れて結合部はよく見えないが、それが想像を掻き立てさせられる形となり、逆に興奮させられる。彼の熱い視線に気付いたM16A1はぴたっと腰の上下を止める。彼は小休憩的な何かだと思っていたが、それは違った。
穿いているスカートの縁を指先で摘み、ぴらっとめくり、一瞬だけ結合部を彼に見せつけ、いやらしく舌を出して淫靡に笑った。
M16A1のその振る舞いに指揮官の理性は決壊。彼女を強く抱き寄せ、何度も何度も夢中に腰を突き上げる。
「いいぞ……指揮官っ……❤ それで私をっ……壊してくれっ……♥」
望むところだと言わんばかりに、ラストスパートを決める。M16A1の頭に多幸感が溢れ、流れ込んでくる。
このまま彼と融け合って一つになってしまえばいいのに。 ――そう思えた。
二人は共に複数回目の絶頂を迎え、互いを強く抱きしめ合う。絶頂の寸前に、M16A1のすらっと長い脚が、彼の腰に絡み付き、彼の精を確実に最奥で受け止め、逃がさない。
まるで搾り取る為に、別の生き物のように蠢く彼女の膣内に刺激され、複数回の痙攣を繰り返して半ば制御の失った蛇口の如く、複数回目とは思えない多量の精を吐き出した。密着するM16A1の身体の柔らかさと彼女の体温が堪らなく心地が良い。募る疲労感もあれど互いに居心地も良く、快楽の余韻からその場を動けずにいた。
再度彼と口づけを交わし、互いの舌が融けあう様な錯覚に陥る。指揮官の体温、匂い、呼吸、まだ若い筈なのだが、若干の不整脈気味に脈打つ彼の心臓の拍動。
(こりゃあ食事管理も必要かな)
指揮官にはいつまでも健康でいてほしい、M16A1はそう願った。
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やっと互いの身体の火照りが引き始め、それに伴って徐々に冷静な思考が帰ってきた。
M16A1に体勢も変えずひたすらに対面座位で腰を打ちつけられ、搾り取られ続けたものだから行為の最中にかいた汗で濡れた服が、椅子の座面や背もたれ、そして自分の肌にもぺっとりと張り付いていた。
こんなに汗を流し、尚且つアルコールも摂取している訳だから、後で沢山水分を取ろう、指揮官はそう決めた。その後個室の風呂場でシャワーでも浴びようかと、両者、ようやく立ち上がることを決意する。M16A1は指揮官の腰に絡み付けていた両脚の拘束を解いて地に足を降ろし、立ち上がるべく力を込める。
指揮官の下腹部に跨っていたM16A1が立ち上がろうとする。勢いよく立ち上がらないのは単に疲労のせいではなく……まぁきちんとした理由がある。
行為を終えてからも碌に体勢を変えず、身体の火照りが引いても二人は相変わらずベタベタ。
その間もずっと入れっぱなしだったのだ。
呑気にピロートークなどをして引き抜かないまま放置した結果、半ば一体化した錯覚に陥り、身体が過敏にもなるオマケがくっ付いてきた。行為後で身体は刺激に敏感で、過敏に反応する状態だ。
「おい……M16、慎重に頼むぞ……?」
「……緊張しなくていいぞ指揮官、私なら平気だ……」
(俺は気が気でないよ……)
ほらいくぞと徐々に立ち上がり、ゆっくりと自分に突き立てられた、彼のモノを引き抜き始めるM16A1。
ずるる……。
「う……♥」ゾク
快感に歪むM16A1の表情。刺激に思わず膣内もきゅうきゅうと脈動する様に締まりをより良くし出す。勿論、それが指揮官に刺激をもたらすことにもなる。
「っく……、おい締めるな……」
「指揮官こそ……大きくしないでくれ……」
懲りずに指揮官のモノに再び血が集まり出す。身体は正直であった。
見栄えは悪いが、破線内の記述の解説式は特別付録である。
ページを部分印刷し、破線に沿って鋏等で切り取って保存し、お使いください。
~ガバガバ低俗ループ簡易式解説~
↓ [摩擦][性感] UP!
②:引き締まる←(気持ちいい)
↓ [摩擦][性感] UP!
③:おっきくなる←(気持ちいい)
↓ [摩擦][性感] UP!
④:気持ちいい←(気持ちいい)
↓ [開花]
⑤:①へ戻り、際限なくループする
「あのなぁM16よ。あまり気持ち良すぎるのも……」
「褒めても何も出ないぞ?……いや待て、出せるな……」フニ
するとM16A1の乳房の乳頭からじっとりと乳白色の液体が染み出てくる。つつーっと乳房下部へと伝って垂れていく。
思わず再び血が滾る。
(M16よ。眼福だが……今は引き抜くことに専念してくれ)
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◆
M16A1が自身から彼のモノを引き抜き切る直前に、名残惜しそうに先っぽを出し入れして遊びだしたのは内緒。
やっとこさに風呂場の脱衣所に辿りついた訳だが、ここで一つ指揮官が提案をする。
それは風呂場を交代して使い、二人で一緒に使わない様にしましょうね、ということだ。
理由はお互いの身体を見て興奮し、変なことが起きない様に、と全く大したことはない。
だが念のためなのだ、と指揮官は何度も念押しする。
M16A1は彼の提案を受け入れ、約束してくれた。
――にも関わらず
指揮官がシャンプーを手に取り、泡立てて頭を洗い出したタイミングで聞こえてきたのは、誰かが風呂場のドアを開ける音。
待ちわびたぞと言わんばかりに、M16A1が意気揚々と風呂場に入り込んできた。
約束はすぐさま破られたのだった……
この後の入浴中もまたイチャコラが続いた模様。しかし割愛のこととする。
指揮官の受難は続くのだった。
『あーあ。戦術人形も孕んで子を宿せたらいいのに……』
『あ、45姉もやっぱりそう思う?』
『ええ。そうなれば指揮官ともっと素敵な家族よ』
『だよねー!指揮官もそう思うでしょ?』
『……もう夜も遅いから戻りなさい』
『『えぇー?♡』』ジリジリ
『よ、寄るな寄るな……』