寝込みを襲う戦術人形には気を付けよう!
場はいつもの作戦指令室。
指揮官が普段から身を置く指令室、並びに自身のプライベートルームまでが戦術人形たちの憩いの場と成り果てている有様に、彼は頭を抱えていた。
プライベートのセキュリティーに至っては呆れ返る程にガバガバで、朝目を覚ませば戦術人形の誰かが寝床に潜り込んでいる事などもザラである。
今朝なんかは指揮官が目を覚ました時、目の前にはAR-15の顔があったり。
押しかけ女房な彼女は指揮官の寝床に潜り込み、定期的で静かな寝息を立て、厄介なことに彼に絡みつく様に抱きついて眠っていたのだ。
指揮官が拘束を解くのに手間取っているうちにAR-15が目を覚ましてしまったものの、彼女は小さく微笑んで一言二言挨拶を交わし、起き上がり出したのち何事も無かったかの様に、何食わぬ顔で彼の部屋の掃除を始めたりと……
その様子に、指揮官は思考を放棄し、さくっと着替えて食堂へ向かった。寝起きでツッコミを入れる元気が無かったのだ。
着替えの最中に熱い視線を感じたが、きっと気のせいである。
その日のAR-15はどういう訳か、とてもキラキラしていた。
自分と居ても何も楽しくないだろうに……
人形たちにはせめて非作戦時の間くらい自分とあまり関わらずに宿舎でのびのびと身体を休めてほしいという思いが指揮官にあった。
とはいっても、彼がその場に身を置くだけでしばらくすると戦術人形がどこからともなくちらほらとやって来ては寛ぎ始めるのだ。それが高頻度で繰り返されると忽ち溜まり場となり、こうなっては快適な宿舎もあまり意味を成さなくなってくる。
人形でごった返しているとはいえ、彼女たちは特に騒ぎ立てることもなく、全く静かなので指揮官も不快に思う事などは全くなく、程良い塩梅であった。
しかしながら、執務中に複数の熱い視線を感じることがある指揮官であったが、気付かないフリを決め込む。触らぬ神になんとやらである。
指揮官あるところに戦術人形あり。
彼が居るその場はたとえどこであろうが、彼女たちにとって憩いの場になるのだ。
人形たちを思って快適な宿舎の追求には余念がない指揮官であったが、この状況では折角の快適さがあまり意味を成していない様な気がして仕方がない。宿舎を快適にしても結局指揮官の元へ来るのだ。
色々と考えを巡らせても、結局未だに良い案は出せずにいた。
戦術人形たちの宿舎の快適さは後方幕僚もおおと言わせる程であり、これにはかのロボット人権団体もニッコリであった。
指揮官もなかなか気が抜けない、何せ彼自身が戦術人形ホイホイなのだ。
しかし、気を抜いて居眠りでもしようものなら――
「ん…… ……!!?」
「あ、起きちゃった?♥」
――捕まってたり。
指揮官の時折見せる無防備さが戦術人形たちのハートを鷲掴み。彼女たちを魅了して止まない。
「えー……AA-12……俺に抱きついて何を……」
「……上書き、かな」
(上書き……?)
「カリンったら指揮官にベッタリだったからな……」
「指揮官もちょっとは抵抗しなよ?いつか悪い虫が付いても知らないからな?」
「? どうしてカリーナの名が出てくるんだ」
「……何でもなーい」
(……あーあ。指揮官が私のモノになればいいのに)
戦術人形と指揮官の距離がぐっと狭まり、その仲睦まじさにカリーナが謎の焦燥感に駆られ、彼女も負けじと指揮官とスキンシップを図る様になったのだ。
「…………まぁ、仕方ないよね。だって指揮官だもん。君のそういうところ大好き」
「???」
(あーダメ。このなーんにも分かってない顔すき……)
(なんだってこうも)
(私の気持ちをくすぐってくるかなぁ 昂らせるかなぁ)
(いけない指揮官だなぁ)
黒い感情にAA-12の心が揺れる。
「なぁ、退いてくれる気はあるか?ほら、飴だってあるぞ」
と、ここで指揮官、申し訳程度の交渉を彼女に持ちかける。
「ありがと ……でもダーメ。退いてあげない」
「」
交渉も空しく、飴だけ取られてしまった、現実は非情である。
「隙だらけの指揮官には罰としてしばらくこのまま」
「……」
「執務をするのもダメ、視線も逸らさないで」
「えぇ……」
AA-12による私罰は続いた。
◆
しばらく罰を受け続けていた指揮官であったが、
「………」
「すぅぅぅぅぅぅぅぅ…… はあ……」
AA-12の呼吸が何やら荒い。徐々に呼吸を荒げ始めた彼女が純粋に心配になった指揮官は、意を決して彼女に声をかける。彼女は相変わらず指揮官に抱き着き、彼の胸に顔を埋めたままだ。
「……まだ、なのか……?」
「まだ…… まだ……」
うわ言の様にまだと言い続ける。
見ればAA-12の表情はすっかり紅潮している。
(……カリンも隅に置けないなあ。 私の指揮官にちょっかい出すなんて)
(そうだ、今日のカリン相談オフィスで抱き着いた感想を投稿しちゃお……)
(カリン、何て反応するかな? ひひっ)
知る人ぞ知る深夜ラジオ番組、カリンの相談オフィス。
お便りの投稿とトークの内容は十中八九、我らが指揮官に纏わる事なのだが、その内容が一番ラジオで盛り上がっている。彼について熱く語るカリーナと、それを聴く人形たち、両者にとって喜ばれる美味しい内容であった。
一方の指揮官はそんな内容を露知らず、ただのラジオ番組だと思い込んでいるようだ。
(指揮官あったかーい……)
(いい匂いするし……)
(ああ……これ……マズいな……)
(あーヤバ……興奮してきた……)
蕩けはじめるAA-12の表情、次第に彼女の行為に拍車がかかる。
「んっ…… んん…… っ……」
(指揮官と……シたい……)
AA-12は指揮官の太腿にいやらしく股を擦り付け始めた。
いかん!と指揮官が再び交渉を持ちかけるも、努力が実を結ぶことはなかった。
AA-12は指揮官の首に両腕を回して逃げ場を奪い、指揮官に口づけをし、そのまま彼の口内へ舌を捩じ込んできた。
(指揮官のベロ、おいし……♥)
AA-12の舌が彼の口内を貪欲に蹂躙する。
一方的な接吻が続き、ムードだの順序だの、そんなの構い無しに舌で交尾を続けてくる。
欲の昂ったAA-12の心のブレーキは異常をきたし、指揮官は酸欠で既に意識が朦朧とし、意識を手放しかけていた。
AA-12は彼の舌先にしゃぶりつき、そのまま引っ張り出そうとばかりに強く舌を吸い付く。
舌を引きずり出した後、彼の舌を甘噛みし始めた。
思わずそれを噛み千切って飲み込んでしまいたくなったが、僅かながらに残る理性をふんばらせ、必死に抑えた。
(もう無理…… 指揮官が……指揮官が悪いんだからな♥)
自身の腹部に指揮官の血が滾った剛直が押し当たる感覚に気付き、AA-12の理性が音を立てて崩れ始める。
「指揮官っ♥ ごめんっ♥ ごめんなっ♥」
指揮官の剛直を喜んでその身に迎えたAA-12は、既に意識を失った彼に懺悔を繰り返しながら何度も淫らに腰を振る。
彼女の愛液に塗れた蜜壺は快楽を更に享受しようとうねる様に収縮し、自身の膣壁で包み込んだ彼のモノを淫らにもてなす。
AA-12の頭の中に多福感が流れ込み、視界がまるでフラッシュをたかれた様にチカチカし、電流の様に快感が背筋を走った。
やがて、一際モノが怒張し――
「あーっ……♥ ああっ……♥ 凄っ……こんなにいっぱい……」
熱く、濃厚な精を身に受け、AA-12は打ち震える。
その快楽に、思わず自身の脚を指揮官の腰に絡め、貪欲に、確実に、彼の精を受け止めた。
射精の後も何度も腰を打ち付け、それに連動するように自身の膣壁も脈動し、搾り取るとばかりに貪欲に彼のモノを締め上げ、精を自身の更に奥へ奥へと導く。
満足感や充実感にも似た高揚感が彼女の中をぐるぐると巡り、大好きな彼のもので満たされ、染められていく喜びに、彼女は悦びを感じていた。
指揮官が意識を取り戻す間も、AA-12は抜きもせず彼と繋がったまま抱き着いていた。意識を取り戻した彼の視界に入ったのが蕩けきった表情を浮かべたAA-12。
そこには一人の立派な雌がいた。
指揮官は仕方なさげに小さく息を漏らし、甘えて離れぬAA-12の頭を諭す様に撫でる。
すると、AA-12は心底心地良さそうに目を細めるのであった。
AA-12は指揮官で満たされて満足し、宿舎へと帰路につく。
――嬉しそうに下腹部を擦りながら。
~BGM♪~ I Wish I Was in Dixie(Marching Band)
『ハロー、偉大なる親しき友人とグリフィンよ』(ノイズ混じり)
『相変わらず私の友人の周りは面白みのある面倒事で溢れているようだ』
『そこで本題だ。我々にはグリフィンから要請があれば、直ちに救援に駆けつける準備がある』
『よくよく世話になった友への、ちょっとした恩返しだ』
『ではまた次回、大統領から、さようなら』
今日もエンクレイヴは平和。