鉄血ハイエンド人形には気を付けよう!
比較的平穏な世が訪れ、やる事が特に無くなってきているのはグリフィンだけではなかった!
互いに上手いこと賢く棲み分けをしてきた甲斐もあり、未だにグリフィンと鉄血の両者に諍いは無い。それ故に暇を持て余し気味なのであった。
平和とは、つまりまったくそれでよいのだ。
「うぅ~……、くそぅ……くそぅ……」グビグビ
(ゲーガーったらまた飲んで……)
カウンターにて、泥酔したゲーガーが何やらやり場のない怒りをぶつけるが如く、怨めしそうに独り言を言い放っている。そして同じく場に相席するのは心底気まずく、そして居心地の悪そうなデストロイヤー。
ゲーガーの愚痴の様な独り言はまだまだ続く。
「なんだってんだ~アーキテクトのやつ……、な~にが『あっちのが楽しそうだから!それじゃあねー!』だ!それでグリフィンに遊びに行ったっきり……」
(もうすっかり出来上がっちゃって……今日も酷いなぁ……)
「そんなに!」(ヒック) 「あっちが!」(ウップ) 「楽しいか!」(ゲップ)
(また言ってる……)
「別に向こう(グリフィン)が気に入らない訳じゃない……私たちハイエンドだってグリフィンの人形たちにだって負けないくらい誇ってるつもり……だのに……」ブツブツ
ゲーガー、吼える。
「なーんでウチよりあっち(グリフィン)は楽しそうなんだ!」バァン
(アーキテクトがまたゲーガーに何かを送ったのかな?)
どうやら隣の芝生は青く見えるらしい。実は前にも同じことがあったのだ。
アーキテクトはすっかり指揮官の元に住み着いている。頻度は確実に減ってきているが、今でも時折ゲーガーとメールでやり取りをしている様だ。そのメールの内容を見る度にゲーガーはアルコールを煽り、そして爆発を繰り返している。彼女のメンタルは確実に、音を立てて削れていったのだった。
「飯とか、風景とか、そういう写真を見せてくるのはまだわからんでもない……。だがな……」ヒック… ゲップ
◆
~ハロウィン時~
(グリフィンの戦術人形たちにすっかり溶け込む仮装したアーキテクトの写真)
→迫真の斜め45度自撮り 縁に悲しくも見切れるWA2000の姿
(テーブルに並んだ豪勢な食事に舌鼓を打つアーキテクト)
→飯テロ
◆
(ソファーに雑魚寝している指揮官に抱き着いてイタズラするアーキテクトの写真)
→毛布に包まっていて上手いこと指揮官の顔が見えない
⇒(彼の顔が気になる)←見たい
◆
~クリスマス時~
●REC
『ハーイ!ゲーガー見てる~?こっちはちょ~っと早いクリスマスパーティー中!』E:サンタ帽子
→バックで程良く流れて聴こえるクリスマスソングアレンジEDM
→クリスマス特有の賑やかな部屋の装飾
→楽しそうなグリフィンの戦術人形たち
3combo!
『それでね!?次にこれからプレゼント交換するみたいなの!もうね、ホント楽しみ!陰気臭~いウチじゃそんなことしないもんねー!』キラキラ
『……あ!もう始まるみたい!貰ったプレゼントは後でメールで自慢するね~!バイバーイ!』フリフリ
◆
~ EX STAGE ~
●REC
『はっ♥んんっ♥ゲーガー見…あっ♥見てるぅ~?♥』たんっ たんっ たんっ
ぱちゅっ♥ ぱちゅっ♥ ずぷっ♥ ちゅっ♥
『今はねっ♥私の大好きな指揮官に無理を言ってぇっ……♥あっ気持ちっ♥一人でするよりずーっとイイっ♥』ぱんっ ぱんっ
『中で擦れっ……あっ♥やぁっ♥カリで削られちゃう♥これっ♥これ気持ちいっ♥好きぃ♥』
じゅぷっ♥ じゅぷっ♥ ぱちゅっ♥ こつん♥ こつん♥
『見えるゲーガー?すごいでしょっ♥全部入り切らないんだよ♥奥まで届いちゃうのっ♥』
(結合部クローズアップ)
ずるるる……♥ ずぷぷ……♥
『あっ奥でキスしちゃってる♥これ貫かれたら私死んじゃうかも……♥♥』こつん♡
ぎちゅっ♥ ぐちっ♥ ぐぐぐっ…
『かはっ……あぐ……すごぃい♥潰れるぅ♥潰れちゃうっ♥♥♥おちんぽで死んじゃうぅ♥♥♥』
ぎゅうっ
『あっちょっと、私が動くから大丈夫……えっ出そう!?まだ出るの!?あはっ♥待って指揮官♥腰掴んじゃダメっ♥♥』
どちゅっ♥ どぷっ♥ こぷっ♥
『っああああああ♥♥♥』トクントクン
どくっ♥ どくどくどくっ♥ びゅくっ♥
『ママにされるっ♥ママになっちゃうぅっ♥♥♥デキるか知らないけどぉっ♥』ゾクゾクゾクゾク
ずるるる……♥ ぬぽんっ♥
『あ゛っ♥』ビクン
ごぽっ……♥ どろっ♥
『はぁ…はぁ……あー指揮官のが垂れてきちゃう……♥勿体無い……』チュパ レロレロ
『えっへへ……♥ゲーガー見てたぁ?こっちに来なよ……♥』ゼーハー ゼーハー
◆
「……はっ……」クチュクチュ
そのビデオレターに中てられて下腹部が疼き、無意識に身体を慰めてしまっていることにゲーガーは気付いてしまった。
アーキテクトはメールの内容は写真だけに留まらず、ビデオレターまでゲーガーに送って寄越す始末。そこに映し出されるのは、鉄血で過ごすよりも楽しそうなアーキテクトの姿。やれハロウィン、やれクリスマスetc、どれを取っても向こうの宴は煌びやかで活力に溢れている様に見える。
これまでに一度たりともここまで生き生きとしたアーキテクトは見たことがなく、向こうで送る日々を純粋に、心の底から楽しんでいるのが分かる。まるで住んでいる世界が違っている様にも感じる。こことの落差は一体何なのだろうか、どうしてここまで違いが生まれた?
あっちは―― とても楽しそうだ――
羨ましい――
ただただ、この一言に尽きた。
「何も指揮官とのハメ撮りまで送って寄越さなくってもいいだろうに……くそぅ……あんのドスケベ……」
(私だって……私だって……)ムラムラムラムラ
その動画をオカズに、もう何度この身を慰めたことか。正直、もう覚えていない。そして新たなオカズが送られてくるのをどこか心待ちにしている自分がいる。最近は一人遊びに耽る頻度も酷い。自分はこんなにもふしだらな人形だったのか。鉄血のハイエンドとは……一体……。
二人の荒い呼吸、色っぽい水音、
大切そうにアーキテクトを抱きしめる指揮官の腕、
乱れ狂うアーキテクト、蕩けきった目、
だらしなく開かれた口と覗かせる舌、淫らに上下する腰、
いやらしく指揮官の剛直をくわえ込む秘所、結合部からしきりに溢れ、垂れ落ちる白濁とした液体。
自分もあの場に居たら、アーキテクトと同じように乱れるのだろうか、彼の寵愛を受けることができるのだろうか、果たしてどんなに……気持ちがいいのだろうか。
指揮官と致して乱れる彼女はどこまでも楽しそうで―― 気持ちよさそうで――
自分自身が酷く惨めに思えてきた。別に鉄血での生活が嫌な訳ではない。こっちもこっちで楽しいものが無い訳ではない。
――しかし、そっちとこっちでは何かが違う、決定的な何かが。
それが何なのかは…………分からない……。けれど何かが違うのは分かる。
こっちには無い何かがそっち側にはある。
とても惹かれる何かが……
いつか自分も――
糸が切れた様に崩れ落ちるゲーガー。自暴自棄にもここまできたのか、ついには鉄血ハイエンドたちの内情まで暴露し始めた。
「ウチのご主人様ときたら相変わらず向こうの指揮官にご執心だし……」
「エージェントに至ってはその指揮官の写真を手に取って見つめてる乙女だし……。窓の外とかぼーっと眺めてるし……」
「アルケミストはアーキテクトの後を追い、今朝グリフィンを目指して出ていってしまった……」
「ドリーマーは碌に外出もせず、部屋に籠ってひたすらハメハメルンルンだかなんとかいうWebサイトで怪文書を書き綴り……」
「ハンターとエクスキューショナーは一緒に起業したいなどと……」
「後は……ああもう知らんっ!」
グビグビグビ… バァン! ウップ…
(うう……)ビクッ
「はあ~もうおしめぇだよ~~なんでこんなことになったんだ~~」ベチャアア
「終わりだ!誇り高き鉄血が存在した時代はな!生きた化石さ、ドードーだかディルドーだかと同じだ」グデー
(鉄血人形って化石になるのかな)(素朴な疑問)
しばらく沈んでいたゲーガーはやがてゆっくりと顔を上げ、よろよろと立ち上がった。
「…………」フラッ
「ど、どこへ行くの?」
「自分の部屋に……、戻るだけだ……」ヒック
虚ろに濁ったゲーガーの眼を見て思わずデストロイヤーは言葉を失う。今にも身投げでもしそうな雰囲気のゲーガーだが、本当にちゃんと自室へ戻るのだろうか……。
不安に陥ったデストロイヤーだったが、最早今の彼女の心に届く言葉など見つからなかった。
「ぁ……ゲーガー……」
ゲーガーはそのまま覚束無い足取りでBARから出て行ってしまった。
「っく……♥ふっ……♥はっ……はっ……♥」ちゅくちゅく
自室の寝床には胎児の様に丸くうずくまり、自身の秘所の割れ目に指を這わせて悩ましげな声をあげるゲーガーがそこにはいて、オカズはやっぱり例のハメ撮りだった。
結局グリフィンに遊びに行くことになる彼女だが、それは少し先のお話。
ゲーガーの苦悩はまだまだ続く……。
「ゆくゆくは俺の元を離れ、戦術人形たちはそれぞれ違う道を歩んでいくだろう。彼女たちにも将来がある」
『…………』
「その後押しの一つとして、彼女たちの為にお見合いを考えていたりするんだ」
『……無駄なことはやめろ。今ならまだ間に合う』
「どういうことだ?」
『お前無くして戦術人形は生きてゆけん。例え、お前が指揮官でなくなってもだ』
「そんなバカな……」
『お前にはそれを知る権利と義務がある』
「」
『生き抜くがよい指揮官』
「」