※この作品はR-18です。

彼から主人公補正が消えた話:IF   作:カイナ

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彼女達が○○に所属している話~After~
前編


「あっあっあっあっうぅん……」

 

「あっおっんあっくぅっ……で……」

 

 窓一つなく、外と繋がるのは固く閉じられた一つの扉のみ。シンプルな立方体で形成された部屋の中、部屋の隅に置かれたこれまたシンプルな机の上には女物の服が一着だけ脱ぎ捨てられている。

 その部屋に置かれたやはりシンプルで飾り気のないベッドの上で一人の男と女が一糸纏わぬ素っ裸で交わっていた。具体的に言えばベッドで寝ている黒色の肌をした筋肉質で大柄な男の上で、小麦色の肌をしたナイスバディの美少女が腰を振っていた。

 密閉された空間の中に男女の匂いが充満し、女がかいている汗が腰を振るごとに飛び散って男にかかり香る匂いや、目の前で揺れる大きな胸から滴って男の興奮を煽る。

 

「で、出る! 出ます、壱花様ぁっ!!」

 

 男が悲鳴のように声を上げ、同時にビクリと震える。同時に女と直接交わっていた肉棒から欲望の液が噴出され、壱花と呼ばれた女は腰を下ろしてそれを受け止めた後、ゆっくりと腰を持ち上げて肉棒を己の中から引き抜く。

 そして吐き出した気持ちよさや彼にとっては高根の花といえる女と交われた興奮でか夢心地になっている男を一瞥した後、硬さを失ってぐにゃりと垂れた、それでもまだ充分大きく見える黒い肉棒を、その美しい口を開いてゆっくりとその中に迎え入れた。

 

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 直後、男の悲鳴が響き渡る。彼の股間から血が噴き出、痛みを堪えるように暴れようとするがベッドに取り付けられた手枷と足枷が手足を固定しているため動けずにガチャガチャと音が響くのみ。

 そして彼の股間から噴き出る血を嫌がるように顔を離した壱花は、男を冷たい目で見下しながらペッと口の中に含んでいたもの──さっき噛み千切った男の肉棒を吐きかけ、血塗れになった口を開く。

 

「なに私が許してないのに勝手にイッてあまつさえ私がまだ満足してないのに勝手に満足して萎えてんのよ?」

 

「あああああいだっいだいっだだれかだずげでぇっ!!!」

 

 見下し、イラついた目で睨みつける壱花の言葉が聞こえていないのか悲鳴を上げて泣き叫ぶ男、男にとって急所といえる場所を噛み千切られてはその反応は仕方ないといえるだろうに壱花はうっとうしそうに目を細めてチッと舌打ちを叩くと、部屋の隅にあるテーブルの上に脱ぎ捨てていた服の陰に置いていた何かを拾ってベッドまで戻り、振り上げた。

 

「ああもういいわ黙れ」

 

「いがっ!!!」

 

 言い捨てて男の喉目掛け腕を振り下ろす。ドスリという音が室内に響いたと同時、男はビクンッと一つ大きく痙攣した後ビクビクッと小刻みに痙攣して動かなくなる。その男の喉には一本のナイフが突き刺さっていた。

 

「フン、少しは楽しめると思ったのに。期待外れだったわ」

 

 肉棒を噛み千切られ喉にナイフを突き立てられて死んだ男を不快そうに睨みつけ、壱花はテーブルに置いていたタオルで軽く汗を拭いて脱ぎ捨てていた服──ゴシック調の黒いワンピースを着直すとドアに付けられた読み取り機に指を当てて指紋認証機能で扉を開ける。

 それを出迎えた、部屋の外で見張りをしていたらしい二人の、見た目はどこにでもいそうな、壱花と同い年の少女だがその分物々しいマシンガンを携えてるのが浮いている少女が壱花を見て頬をほころばせた後、口元を見てはっとした顔になった。

 

「壱花様! お口に汚れが……こちらをどうぞ」

 

「壱花様! どうぞこちらでお拭きになってください」

 

「ありがとう」

 

 一人が彼女に口の汚れ──肉棒を噛み千切った時の血──を洗うための水筒を手渡すともう一人が口周りを拭くためのハンカチを差し出す。

 壱花はお礼を言って受け取り水筒の水で口を漱ぎ、血で汚れた水をペッと部屋の中に吐き出すと、ハンカチで口元を拭った。

 

「うん、綺麗になったと思うわ。ありがとう、清香、癒子」

 

「は、はい!」

「壱花様に褒めていただけて光栄です!」

 

 血と共に僅かな時とは言え肉棒を含んでいた口の中の違和感も洗い流せた壱花は、水筒とハンカチを渡してくれた少女達──相川清香と谷本癒子にお礼を言い、それを受けた清香と癒子はぽっと頬を赤く染めて夢心地な目を彼女に向ける。

 そんな彼女達を見て壱花はさっき男を一人殺したとは思えない優しい微笑みを見せた後、思い出したようにさっき使った部屋を清(・)掃(・)するように電話でそれの係に指示すると彼女らに「行きましょうか」と告げて歩き出した。

 

 

 

 

 

「あら、お姫様。ごきげんよう」

 

「スコール様。こんにちは」

 

 その道中、露出の激しい真紅のドレスを身に纏った美女──その後ろには今の壱花にとっての清香と癒子のような二人の護衛を携えている──と出会い、その美女──スコールが挨拶をしてきたので壱花も会釈をしながら挨拶を返す。

 彼女はスコール・ミューゼル。この亡国機業(ファントム・タスク)に所属する実働部隊モノクローム・アバターのリーダーであり、壱花の率いる実働部隊モノクローム・アバター・オルタナティブは形式上彼女の傘下に入っている形になっている。

 とはいえあくまで形式上であり、壱花も一応モノクローム・アバター、さらに言えばスコールの方針に配慮して動いてはいるが配慮止まり、基本的には好き勝手に動き回っているのだが。

 

「ところで、さっき掃除屋からまた文句を言われたわよ。資産は有限なんだから無駄遣いしないでって何度も言っているでしょう?」

 

「私を満足させなかったのが悪いんです」

 

 スコールの注意もどこ吹く風、ぷいっと顔を逸らして悪びれる様子のない壱花に、彼女の額に青筋が立った。

 

「セシリア、ラウラ、シャルロット、ベルベットが射撃の腕を競うからとか、鈴、乱、ヴィシュヌが人を体術で効率よく壊す手段を勉強したいからとか、ロランが芸術のためだとか、いくつ無許可事後承諾で持ちだしたと思ってるの? それにこの前は勝手にモノクローム・アバター・オルタナティブの懇親会とか言って、男狩り大会とかやってたわよね?」

 

「……ピーピー♪」

 

 流石に形勢不利と判断したか口笛を吹くという今時見ない誤魔化し方を始めた。

 ちなみに射撃の的や壊し方は言葉の通り、ロランの芸術とは男の身体を使った一種の猟奇的なものに至っており、ついでに男狩りというのは本来森林での戦闘を想定した戦闘訓練を行う森林ドームにこのドームから出られれば助けてやると囁いて丸腰の男達を放ち、彼らを標的として狩りを行う非人道的にも程があるゲームだ。

 しかもあらかじめ男が生身で辿り着ける場所にある出口はロックをかけており、ロックをかけていない高い場所にある出口に至ってはそこに繋がる梯子を途中で切り離して立体映像(ホログラム)でそれっぽく見せているだけ。最初から逃がす気なんて欠片もなく、命からがら逃げきったと油断した男が映像に気づかずバランスを崩して転落死するのを愉悦染みた笑みを浮かべて観賞していたりまでしていた。

 

 そんな事を青筋立てた引きつった笑顔で滔々と説教されては壱花も弱いのか、やがてぶすくれた顔で「はいはい」と答えた。

 

「じゃあ今からちょっとテキトーに狩ってきますよ」

 

「どうせその日の内に食い散らかすんじゃ同じでしょ?」

 

「私達を何だと思ってるんですか?」

 

 まるで男を狩猟の獲物か何かと思ってるような二人の掛け合いに清香と癒子、そしてスコールの護衛二人──一人は燃えるようなオレンジ色の髪を伸ばした目つきの悪い女性、もう一人は緑色の髪をショートにした眼鏡をかけた大人しそうな見た目の小柄な女性だ──も苦笑を見せる。

 そしてスコールは「はぁ」とため息をついた。

 

「そうじゃなくって。こっちとしてもそうそう男を消費されたら困るのよ。だから上の方に相談して、あなた達には特別にアレを使えるよう働きかけたの」

 

「アレって、アレをですか?」

 

「ええ、アレをね。アレを使う分には自由だから、少しは組織の共有資産を浪費するのをやめなさい」

 

 アレ、という単語が示すものをお互いに理解しているらしく、二人は黒い笑顔を見せあう。

 

「それなら丁度良かったです。少し欲求不満だったので早速使いたいんですが」

 

「そう言うと思った。はい、この部屋に行きなさいな」

 

 壱花の要請にスコールは予想していたというように何かのデータを自分のISゴールデン・ドーンから壱花のIS白式に送信、データを受け取った壱花はぺろりと妖艶に唇を舐めあげた。

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