「一夏、少し相談に乗ってくれないか?」
「……ハルが俺に相談って、珍しいな」
「そうかな?」
「あぁ。……まぁ、いいや。それで相談ってなんだ?」
一夏は軽く胸を叩いて言った。ハルとは奇妙な関係で、友人のような、それでいて兄弟のような不思議な距離感だ。こうしてハルから相談が受ける事は初めてだが、自分がハルに相談した事は何度かある。
こうして頼られるのも悪くない、と一夏はハルの悩みを聞こうと姿勢を正した。そんな一夏に対して、ハルは眉を寄せた神妙な表情で呟いた。
「……一夏も察しているだろうけど、僕は、束とね?」
「? 束さんと何かあったのか?」
「気付いてなかった!? ……いや、一夏だもんな。でもこんな事を相談出来るのって一夏ぐらいだし」
「喧嘩でもしたのか?」
「ははっ、その方がどれだけ楽だったか」
どこか投げやり気味に答えるハルに一夏は更に首を傾げる。最近のハルと束の様子を思い出しても変な所はない。むしろ良い事があったのか、束が鼻歌を歌って歩く姿を見かけるぐらいには機嫌は良かった筈。
たまに腰が痛そうに歩いている姿を見るだけで、研究が忙しいのかと疑問に思う程だ。ハルはどこか気まずげな表情で、視線を彷徨わせながら一夏に言う。
「束と最近、男女の関係になりました、って言えば通じる?」
「男女の? どういう意味だ?」
「こいつ……。あーもう! 束とHしましたー! これでわかる!?」
「……ッ!? え、ま、マジで!? そ、それってあれだろ? 大人の階段を三段飛ばし!?」
「なんで三段飛ばしなのかとかツッコミたいけど、まぁ、そういう事」
「え、だって、お前、まだ学生……え? えぇっ!?」
「えぇい、うるさい! 僕だって若い! 若かったんだ……!」
ハルは珍しく顔を真っ赤にして叫び、頭を抱えている。一夏も負けないぐらいに真っ赤になって、何とも奇妙な図が出来上がる。
ちなみに一夏を除く高天原の面々には気付かれている。箒には、気が動転したのか、兄さんと呼んだ方が良いのか聞かれたり、クロエには顔を真っ赤にして逃げられたり、ラウラとクリスが満面の笑顔でサムズアップをしたりと、ハルは洗礼を受けていたりする。
ようやく事態を把握した一夏はごくり、と唾を飲む。
「そ、それで俺に相談って何なんだよ……?」
「……辛いんだ」
「辛い? 何が辛いんだ?」
「束が……」
「束さんが?」
「束が可愛すぎて辛い……!」
惚気かよ、と一夏は思わず心の中でツッコミを入れた。もう話は終わりだ、と言わんばかりに一夏はハルに背を向けようとする。
「ま、待ってくれ一夏! 頼む、相談に乗ってくれよ! このままじゃ本当にどうにかなりそうなんだって!」
「えぇい! 俺に相談されてもどうしようも出来ないわ! つーか惚気だろ!?」
「切実なんだよぉっ! こんな事を相談出来る男が不本意ながら一夏しかいないんだよぉっ!」
「一体何があったんだお前は!?」
彼がらしくもなく、縋り付いてくるハルに一夏は思わず叫ぶ。ハルは今にも泣きそうな表情で静かに語り出した――。
* * *
ちゅ、と。口付ける音が響く。途端に這い寄るように束の舌が迫ってくる感覚にハルは堪えきれずに吐息と声を漏らして腰を引きそうになる。だが、逃さないと身を乗り出してくる束からは逃れられない。
ハルが視線を下ろせば口いっぱいに自分の逸物を咥えている束の姿が目に映る。とろん、とした目つきで一心不乱にしゃぶっている束の姿は妖艶で、目を反らす事が出来ない。ぬるり、と束の舌が蠢く度にハルは歯を噛んで漏れそうになる声を抑える。
「た、ばね……っ……!」
「んー……? ふぁに……?」
もごもごと舌が蠢き、ハルの逸物の傘部分をねっとりと舐め回す。筋を辿るように舌がなぞり、そのまま円を描くような動きで刺激される。ハルの逸物が跳ね、ハルの吐息もまた零れる。
束は奥まで咥えた逸物を吸い上げるようしながら口を引く。一気に先まで啜られてハルは思わず身を曲げる。ぽん、と束の口から空気が抜けるような音が響いて、束が蕩けた表情のまま、舌と指をハルの逸物に這わせる。
「気持ちいい……? 喜んでくれてるかな? ねぇ、ハル……」
束の柔らかな指に擦られる度に高まっていく感覚にハルは目を細める。その表情を見つめる束の表情は嬉しさと淫らさが混じって、とても艶めかしい。ちろちろと動く舌がハルの竿先に入り込み、奥まで舐ろうとしてくる。
どうしてこうなったのか、と快楽に浮かされる頭でハルは考える。全ての切欠は初めて束を抱いた時から、互いの枷が外れたのがまず問題だったと思う。最初は本当に調子に乗りました、というより理性が壊れました、と言わんばかりにハルは束を抱いた。
鳴かせるだけ鳴かせて、むしろ鳴くことを強要すらした。自らの手の中で束を思いのままに出来る優越感と独占欲は、今もどこかで首を擡げている。正直、意識をしていなければまた同じ事を繰り返してしまいそうになるほどだ。
学生という自分の立場も考えて、正直ハルは自制心を持とうと固く決意を持ったのは彼の性格を考えれば致し方なかったのかもしれない。例えそれがヘタレという汚名を受けようとも、ハルは自分の心に巣くう黒い欲望を吐き出したいとは思わなかった。
それからハルはその話題や誘いをそれとなく避け続けた。そうなると面白くないのは束だ。束の不満は見るからに溜まっていった。折角、思いが通じたというのに、と束が思うのも不思議な話じゃない。
しかも束にとっては鮮烈な体験だったのだ。未知の体験だったが為、言ってしまえばすっかり束は虜になっていたとも言える。普段は隠して見せないハルの素というべきか、裏の顔と言うべきか。それを自分だけが見れるという優越感と独占欲、更に荒々しいまでに自分を求めてくれるハルの存在が束にとっては嬉しかったのだ。
なのに、手を出してこない。誘ってみても逃げられる。待っても待っても、ハルはいつものまま。これは流石に酷いんじゃないか? と束はついに強硬手段に出た。果たして、仮に責めるとしたら、どちらを責めるべきなのだろうか。
「良いんだよー? 我慢しなくて……出しちゃいなよ? ハル」
結果、ハルは束に押し倒された訳である。丹念に束に刺激された逸物は今にもはち切れんばかりに膨れあがって、今か今かと射精の瞬間を待ち侘びている。束は愛おしげに指で包み込むように触れ、竿先を咥えてちろり、と舌で溢れた我慢汁を掬い上げる。
わざわざ音が鳴るように吸い上げれば、じゅるり、と音が断続的に響く。それがハルの鼓膜に届いてしまえば、触れられる感覚だけでなく耳まで犯されているようで、ハルは遂に堪えきれなくなった。
「あ、あっ、束、束……ッ!!」
「んぶゥっ!? ん、ぐっ、んんんっ……!?」
ハルの両手が束の頭を後ろから抱え込むように掴む。そのまま逸物を咥えていた束の口の奥へと突っ込む。喉奥まで唐突に逸物をねじ込まれた束は目を見開いて、苦しげに悲鳴を上げる。
だが、ハルの手は束を離さない。仕舞いには堪えに堪えていた精を勢いよく解きはなった。止まりそうにもない射精の勢いは束の喉へと張り付いていく。苦しかったのか、必死の思いで束が口からハルの逸物を引き抜いても射精は止まらず、束の顔を白く汚す。
「げほっ!? げほっ、……うぇ……っ……べぇ……!」
束は喉に張り付いていた精液を吐き出す。だが、両手を咄嗟に皿にして精液を受け止める。吐き出された精液は束の舌を伝い、手へと乗せられた。束は涙が浮かぶ瞳で精液を見つめる。どこか虚ろな様子で両手の精液を片手に擦り付けるように移す。
自由になった片手をまず舌で丹念に舐め取った後、片手に乗せた精液を指で弄ぶ。酷い粘性を持った精液は束の指にへばりつき、白いアーチを象る。縮めたり、伸ばしたりとじっくりと精液を眺めていた束は舌を伸ばすようにして舐め取っていく。
「……んぐ……っ……はぁ、ぁぁ……」
ちゅぱ、ちゅぱと唾液と精液が混ざり合う音を立てながら舌の上で精液を転がし、大きな音を立てて精液を飲み干す。こくり、と喉が精液を飲み干すと束は恍惚の表情を浮かべて、手に残った精液を舌で掬い取って同じように飲み干していく。
顔についた精液すらも指で掬い取り、指を舐め回すように飲み込んでいく。自らが吐き出した精を淫らに舐め干していく束の姿にハルは目を外す事が出来なかった。ある程度の精液をぬぐい取った束は、今度は目標をハルの逸物だった。
束の淫らな仕草を見つめていたハルの逸物は力強さを取り戻していて、天に向けて反り立っていた。愛おしげに指で触れた後、束は先に残っていた精液を吸い上げるように口付ける。
「あっ……! っ……く、あ……! 束……!」
「んー……じゅるるる……! ……ぷはっ、……はぁ、ごちそうさま……」
名残惜しげに指をちゅぱちゅぱとしゃぶり、束はハルに告げる。だがとろんとした瞳の奥には収まりきらない情欲の炎が揺らめいていて、思わずハルを息を飲んだ。
正直、理性が焼き切れそうだった。今にもその柔らかそうな口に唇を押しつけて口内を犯してしまいたい。はちきれんばかりに服の下に収められた胸を掴んで、思いのままに手で弄んでしまいたい。
浮かぶ欲望をハルは歯を噛みしめる事で堪える。だが、それも儚い抵抗だ。束はにやり、と口元に笑みを刻み、ポケットに手を伸ばす。取り出したのはゴムで、口に咥えて指で封を切る。咥えたゴムをちらちらと見せるようにした後、指で押し広げるようにゴムを伸ばしていく。
「ほら……今度はあるよ?」
「……っ」
「孕ませる心配はないよね? いっぱいあるから……シテいいんだよ?」
束の指によって逸物にゴムがつけられていく。その触り方が酷く淫らに思えてハルの逸物が反応を示して跳ねる。愛おしげにゴムをつけた逸物を指で撫で、頬を擦り付けるようにしながら束はハルを見上げる。
「それとも……束さんにしてもらいたいのかな?」
ぬぅ、とハルに身を寄せながら束はハルに顔を近づける。胸を押しつけるように身体を昇らせながら、ハルをベッドへと押し倒す。体重をかけられたハルは射精の余韻が残っていて、抗えないまま天を見上げる事になる。
いや、本当に抗えなかったのだろうか。ただ抗わなかっただけなんじゃないか、とハルはどこか遠くなる思考で考える。そうしていなければ前後不覚になって、何をしでかすかわからなかったからこそ。残った理性をハルは繋ぎ止めようとする。
「ん、しょ、と……」
ハルにのしかかった状態で束は身をくねらせるようにしながら下着を脱いでいく。艶めかしい、まるで蛇のように身を捩る。その度にハルの身体に押しつけられた束の胸が潰れる感触が伝わってくる。
下着を脱ぎ、ひらり、と揺らせた後、束は下着を放り捨てた。そのまま上半身を起こしてスカートをたくし上げる。隠すものが無くなった束の秘所がハルの目の前に晒され、くらくらとする匂いが増したような気さえした。
「あ、ひゃ……ん……っ……ふ……!」
束が馬乗りになり、ハルの身体の上に倒された逸物に束は自らの秘所を宛がうように腰を擦り付ける。入りそうで入らない、逸物の上で踊る秘所の感覚にハルは思わずもどかしさを覚えてしまう。
快楽と愉悦の間に揺れる束は切なそうに眉を寄せて膝立ちになる。反り上がったハルの逸物が天を向く。束は手で押さえていたスカートの裾を口に咥えて、空いた片手で逸物を固定し、自らの秘所に宛がう。
ふぅ、ふぅ、と荒く息を吐きながら、束はゆっくりと身を沈めていく。ぬるり、とハルの逸物がだんだんと束の中へと飲み込まれていく感覚にハルは思わず手で目元を隠して、堪えきれない嬌声を零した。
「ん、んんっ、んやぁ……! はい、ったぁ……やぁ、奥に、……はいっちゃうぅ……!」
かくん、と。束の膝が力を失ったように沈む。すると束の最奥まで抵抗なくハルの逸物が沈んでいく。瞬間、束は身をくの字に負って唇を震わせた。目が細められ、だらしなく唾液がこぼれ落ちてハルへと落ちていく。
そのままゆっくりと左右に首を振って束は身を震わせている。まるでその先、どうしたら良いかわからない、と言ったようにただ震える束の姿に……遂にハルの理性の糸がぷつり、と音を立てて千切れた。
「……束? どうしたの?」
「ひゃぁっ!?」
「ほら、動いてよ……シテくれるんでしょ? いつまでも震えてないで……ほら、腰動かしてよ」
「やっ、だめ、突き上げちゃ……! や、はっ……やだ、ハル、奥、届いて、はぁあああッ!?」
ハルが腰に力を込めて束を突き上げる。逃さないと言うように手を伸ばして束の腰を抑え付ける。すっかりと力が抜けてしまっている束の身体は持ち上げられる事はなく、ただ最奥を何度も突き上げられて束は天を仰いで絶叫する。
スカートをめくり上げるようにして腰で固定。再び露わになった結合部分を見て、ハルは薄く笑みを浮かべた。
「束、スカートを咥えてよ。これじゃ繋がってる所が見えない」
「ふぁぁああっ……! 無理、無理ぃ……!」
「ほら、咥えてって言ってるでしょ?」
「ひゃぁっ!? ひ、中で、びくびく、させないで……! わかった、わかったからぁ……!」
震える手で束はスカートをまくり上げ、身を仰け反るようにしてスカートを咥える。ハルは束の秘所へと指を伸ばし、指で押し上げるようにして束の陰核を押し上げる。その瞬間、束の目が見開かれてスカートを咥えたまま束が震える。
「スカート離したら駄目だよ? お仕置きするから」
「ふ、ん……っ……! んんっ!! んんんんんんっ!!」
再び腰に手を添えてハルは奥へと叩き付けるように腰の動きを再開させる。束は目の端に涙を浮かべて身を仰け反らせながらハルのされるがママに上下へと身体を揺らされる。
そのままただ最奥を突き上げるだけだったが、不意に、束の噛む力が弱まったのか、スカートがはらり、と落ちる。同時にハルが今までにない程に強く腰を突き上げた。
「はぁああっ!? や、あ、あぁああああああああっ!?」
束の脳髄が甘く痺れて力が抜ける。仰け反った状態で天を仰いで束は荒く吐息を零す。すると、束の身がそのまま宙で仰け反ったまま、ハルに体勢を固定される。ハルは上半身を起こして、改めて束の腰を掴む。
「スカート、離したね?」
「ふぇ……あ……あっ……!」
「お仕置き、だよ」
「ひぃっ!? や……、ハル、この……体勢っ、辛いから、やだぁっ!? 突かないで、突かないでぇッ!?」
束の身が仰け反った状態のまま、ハルは腰を打ち付けるような動きで束を揺らす。のしかかられた状態から脱したので、ハルの逸物が束の中で引き、再び最奥へと突き上げられる。身を仰け反った状態だと快楽がダイレクトに背筋へと伝わり、束は頭を抱えて嬌声を上げる。
ただ打ち付けるだけの乱暴なまでの動きに束は涎をだらしなく零し、振り乱した事によって頬を濡らしていく。涙と頬と拭い取れていなかった精液が混ざり合っていく。そんな束の様にハルはぞくぞく、と背筋に走る快楽に身を委ねていく。
「ほら、イクよ……! イクから、束もイっちゃえッ!」
「あひゃぁあ!? あ、あぁ、イク、イク、束さんイクから、ハルもイッて、イッテぇぇ!! ひぃ、やぁ、やァ、ァアアアアアアア――ッ!?」
一気に腰を引いて突き上げる。そのまま押し上げるようにして腰を押し込めば束が今までにない甲高い嬌声を上げる。そのままぐったりと力が抜けた束をハルは抱き寄せて己の腕の中に収める。
そのまま束の唇に口付けた後、ハルは束をベッドに横たえた。無理な体勢で責められ続けた束は荒く息を零し、舌を出して涎を零してベッドのシーツを汚していく。束から引き抜いた逸物につけられたゴムには、2度目とは思えぬ程の精液が中に詰まっていた。
「……束、ほら、舌出して」
「……ふぇ……? べぇ……」
「ほら、精液。あげる?」
「……ふへぇ……」
とろり、とゴムをひっくり返して零れ出た精液。束はとろんとした目つきで見て、舌を伸ばした。滴り落ちていく精液を舌に乗せていく。だが口に含みきれなかった精液は束の頬へと伝い、白く穢していく。
ごくり、と精液を飲み下す音が聞こえ、ハルは満面の笑みを浮かべて束の頬に手を寄せる。残った精液を指で掬い取って、束の口の中に押し入れる。束は舌でハルの指を舐め取り、ちゅぱちゅぱと淫らな水音が響く。
「……ふふ、ありがとう。束。凄い気持ちよかったよ?」
「……はぁ……ハル……」
「だから、ご褒美を上げないとね? コンドーム、頂戴?」
ハルのおねだりに、束は震える手でコンドームをポケットから出してハルに差し出す。それを受け取ったハルは笑みを浮かべて束の身体を抱き上げる。
仰向けになっていた束の身体を俯かせるように変えてベッドに倒す。そのまま腰を持ち上げてお尻を突き上げるような体勢に変えた後、束の秘所に指を添えて押し広げる。くぱぁ、と開かれた秘所からは噎せ返る程の女の匂いがする。
「や……ハル、この体勢……恥ずかしぃ……」
「綺麗だよ……とっても。このまま後ろから突いてあげる? 何度も、何度もイカせてあげる? 束もシテ欲しいんでしょ?」
頬をつり上げるようにして告げたハルの言葉に束は目を見開いた後、艶やかな表情で笑みを浮かべて、秘所に自らの指を添えて、ハルを招き入れるように秘所を押し開く。
「もっと、シテ……? ハルを、感じたいから……もっと、シテよ……?」
頷く暇も、返答の暇も無かった。再度、ゴムに包まれた逸物は秘所に宛がわれて――。
* * *
「――もう良い。もう良いから止まれ、ハル!」
「辛いんだよ……なんであんなに可愛いんだよ……一夏、頼む、僕を殴ってくれ……僕は糞野郎だ……」
「本当にな! これ以上、惚気るな! 忘れろ! そして寝ろッ!!」
ごぉん、と千冬ばりの一撃をハルの頭部に叩き込む一夏。どこか虚ろな表情を浮かべていたハルはそのまま気絶し、ぐったりと身体を投げ出して動かなくなる。
荒く息を吐き出して一夏は頭を掻く。まざまざと友達の体験談を聞かされるとは思わなかったと、一夏は頭を抱え込んだ。あまりにもリアリティのある話に、思わず浮かんだ姿に一夏は勢いよく頭を振った。
「だぁあああああああ! 煩悩よ、去れぇぇええええッ!!」
鈍い音を立てて壁に頭を打ち付ける一夏。そのまま部屋には気絶したハルと一夏が残されるという奇妙な状況が残される事となるのだった。
* * *
「箒ちゃん……悩みがあるんだけど……」
「姉さん? 悩みですか。一体どんな悩みですか?」
「私って……もしかしたら凄くエッチなのかな!?」
「妹になんて話してるんですか貴方はァッ!?」