リリアちゃんは大丈夫かと視線を向けると、彼女の近くだけ僅かにスペースが出来ていた。どう言うことかと周りを見回すと同じ様にスペースが出来ている場所がポツポツとある事に気付く。どうやら女子学生の周りだけ皆んな近付き過ぎない様にしているみたいだ。恐らく痴漢の冤罪防止の為だろう。これなら安心だ。
俺はそれからしばらくリリアちゃんを見守った。
──何者かがリリアちゃんの背後から彼女に近づいたのは暫くしてからだった。
俺の位置からだと他の客と重なって姿がよく見えないが間違いなく彼女に狙いを定めている。俺は慌てて人の間を縫って近付くが、如何せん混雑の中である。すぐに人の壁に阻まれて前に進めなくなった。
これではもしもの時に助けに入ることができない。
全く馬鹿か俺は。もっと側にいればよかったじゃないかと思うがもう遅い。いつも乗る電車が街の中心と反対方面に進む事もあって、ここまで人が多いとは予想していなかったのだ。
仕方なく俺はその場からリリアちゃんの方を観察する事にした。最悪大声を出してでも押し通ればいい。
「クソ。あと少しで見えるんだけどな」
距離にすれば3メートル程度だが矢鱈と体格のいい男達が密集しているせいで、リリアちゃんの背後にいる人物の顔を伺い知る事が出来なかった。
俺が移動している間にそいつはリリアちゃんの背後に陣取った様だ。
僅かに制服の様なものが見える。体格も予想より小柄だし、どうやら学生らしい。通学中に痴漢を働くなんてとんでもない奴である。案外リリアちゃんと同じ中学の男子だったりするのかも知れないな。学校で先輩後輩問わずめちゃくちゃモテているらしいし、憧れの彼女についつい手が出てしまう
何にせよ大人では無い事がわかり、俺は少し気が楽になった。
と、その時電車が一度大きく揺れた。
乗客はバランスを崩し、そして幸運な事に俺の視界が少し開ける。
その結果、俺の位置からリリアちゃんの背後にいる人物の顔を見ることが出来る様になった。
「………え?」
なんでアイツがここにいるんだ?
それは俺も良く知る人物だった。しかし、ここにいるのはおかしい。
まさかアイツが痴漢の犯人なのか…?
混乱しながらも視線はその人物に固定する。
注意深く観察する俺の前で、そいつは手を動かす。
「………っ」
そして、スカート越しにリリアちゃんのお尻をゆっくりと撫で上げた。
────確定だ。
現場を見たのだ、疑いようがない。コイツがこの2週間リリアちゃんを悩ませた痴漢の正体に間違いないだろう。
予想外の人物だったが、同時に1つの疑問も解けてしまった。昨日リリアちゃんから話を聞いた時から思っていたのだ。あんなに目立つ容姿をしている彼女が痴漢されれば、周りが絶対に気付く筈だと。それなのに誰一人として助けてくれないのは流石におかしい。周りの客が全員グルか、或いはミスディレクションの使い手かと戦々恐々としていたのだ。しかし、なるほど、
なんでこんな事をしているのかは分からないが、多分軽い気持ちでしているに違いない。その証拠に顔を
──しかし、これは困った。
いや、痴漢の正体が変態ストーカーや集団犯罪組織ではなかった事は正直安心したが、これはまた別の問題が浮上してしまった。
さて、俺はどうするべきだろうか。あの場に行って
俺は少し悩んでこのまま様子を見る事に決めた。
彼女はリリアちゃんのお尻をひと撫でしただけで手を退ける。もしかしたら「来たよ」と挨拶のつもりで触ったのかも知れない。
ただ、
殆どないと思っていたリリアちゃんのおっぱいだが、
──ふにゅっ。
「……っ」
お尻を揉まれた彼女は、今度は悲鳴の声を堪えることに成功する。
しかし、やはり身体は驚いてしまったらしく脚を内股気味に閉じてしまった。
…て、おおっ!!俺は視界に映った光景に目を見開いた。
膝上までしかないリリアちゃんのスカートの中から、ハイソックスの上の絶対領域が顔を出しているのである。リリアちゃんのお尻に夢中になっていた
左手はお尻を揉み揉み。右手は太ももをさすさすである。
ああ、羨ましい。きっと至福の感触に違いない。
俺がその感触を想像し、若干トリップしかけたその時、太ももを撫でていた手がスルッとスカートの中に入っていくのを俺は目撃した。とても自然な流れで秘密の花園へと踏み込んだ
「んんっっ…」
あのリリアちゃんが悩ましげな声を出して俺の耳を震わせる。
スカートに隠れて俺からは見ることは叶わないが、あそこまで反応するということは間違いないだろう。きっとリリアちゃんは今、
「ふぁっ……」
俺はさっき偶然目撃したリリアちゃんの白いパンツを思い出す。あの肌触りの良さそうなパンツ越しにオマンコを触るなんて、そんなの絶対柔らかくて気持ちいいだろう。
リリアちゃんは一度は整った息を再び荒くさせていく。瞳も潤んでいて完全にメスの顔だ。きっと下半身への刺激で感じているのだろう。人形の様な美貌を持っていて、性的な事とは無縁そうな大人しいリリアちゃんもエッチな事をされてしまうと普通の女の子と変わらない反応をしてしまうのだ。
そして、それから少しして──
「…ああ……お、お兄さ、ん……っっっ……!」
──リリアちゃんは身体を大きく震わせてー恐らくだがー絶頂を迎えた…。
その際に俺の事を呼んだのは「助けてくれるって言ったのになんでこないんですか」という意味だろうが、それでも彼女がイク瞬間に俺の事を考えていたのかと思うと、その、凄く興奮した。
それにしてもリリアちゃんはイキ顔まで最高に美しかった。完璧な美貌を誇る彼女に色っぽさまで加わったのだ、当然だろう。鬼に金棒、リリアちゃんに色気である。
絶頂の余韻があるのか、時々ビクン、ビクンと膝を震えさせる彼女を、俺はしばらく眺めていた。
「──なあ、今イッたよな?」
「ああ、間違いないよ。ビクって身体震えてたし。やべぇ俺今日絶対寝られねーよ」
「あの子達毎日やってるなぁ。最近の朝の楽しみだよ」
「それにしても
そんな会話が俺の耳に入ってきたのはリリアちゃんがイッてから少しした頃だった。驚いて周りを見回すと俺の周りにいた乗客達の口からその声は発せられていた。そこで俺は漸くある事に気が付いたのだった。それは、リリアちゃん達の周りの男女比が9:1くらいで圧倒的に男が多いという事。そして、そのほとんどがさり気なく彼女達の方をチラチラと見ているという事だ。
いや、考えてみれば当然か。車内の喧騒や電車の走行音で聴こえにくいが、少なくとも、3メートル程度離れている俺の所までリリアちゃんの声が聞こえたのだ。それより近くにいる奴らにも漏れなく聞こえているに決まっている。それで無くとも彼女達程の美少女がいれば何もしなくても視線は集まるのだ。パッと見では誰も気にかけてない様に見えたので今の今まで気付かなかった。失態である。
彼等の会話を聞く限り、今日偶々この場所に集まっていると言う訳でもなさそうだ。きっと、この2週間の間に偶然居合わせた者達が、言い方は悪いがコアなファンと化し、日を追うごとに増えていったのではないだろうか。
つまり、最初の日からいる奴はもしかしたらリリアちゃんのイク姿を14回も拝んでいる可能性があると言う事だ。