ありふれた職業で世界最強~出会いと帰還への道のり~ 作:リュウコウ
~~~ホルアドの冒険者ギルド~~~
夜一達がギルドに足を踏み入れた瞬間、
冒険者達の視線が一斉に夜一達を捉えた。
その眼光のあまりの鋭さに、
夜一に肩車されているミュウが「ひぅ!」と
悲鳴を上げ、ヒシ!と
夜一の頭にしがみついた。
冒険者達は、美女・美少女達に囲まれた挙げ句、
幼女を肩車して現れた夜一に、
いろんな意味を込めて殺気を叩きつけ始める。
ますます震えるミュウを肩から降ろし、
片手抱っこに切り替えた。
ミュウは、夜一の胸元に顔を埋め、
外界のあれこれを完全シャットアウトした。
ギルドを包む異様な雰囲気からくる
鬱憤を晴らすための八つ当たりと、
単純なやっかみ交じりの嫌がらせである。
ミュウをなだめながら、夜一は、
優しさと裏腹にその目は、
凶悪に吊り上がっていた。
「おい、今、こっちを睨んでたやつ」
「「「「「「「!」」」」」」」
「お前らのせいで家の子が怯えちまったんだ。
トラウマになったらどうする気だ?
アァ?責任とって、笑って貰おうか!」
ミュウはおずおずと顔を上げると、
夜一を潤んだ瞳で見上げる。そして、
夜一の視線に誘われてゆっくり振り向いた。
愛想を振り撒く強面冒険者を見て、
「ひっ!」
ミュウは怯えて夜一の胸元に逆戻りした。
「どういうことだ、ゴラァ!」
「家の子がまだ、怯えてるんだが!」
夜一の傍らにいる、桜と鈴が、
仕方ないと入った感じで、
ミュウを慰めてから、夜一に、
「夜一!早く依頼を済ませよ。」
「そうだよ!ミュウちゃんが可哀想。」
「あぁ、わかった!お前ら命拾いしたな。」
夜一は、カウンターに向かった!
そこで見た受付嬢が可愛かった。
「君!可愛いね、この後時間ある?」
優花のツッコミが入った!
「あんたは、可愛い娘を見たら声を掛ける癖、
昔から変わらないんだから。」
「ついつい、いつもの癖が出てしまった。すまない!」
「俺たちは、フューレン支部長からの依頼で、
手紙を預かっているだが......
本人に直接渡せと言われているんだ」
夜一は、そう言いながら自分のステータスプレートを
受付嬢に差し出す。
「は、はい。お預かりします。
フューレン支部のギルド支部長様からの
依頼......ですか?」
一介の冒険者が支部長からの依頼を受けるはずがないと、
訝しそうな表情で、渡されたステータスプレートに
表示されている情報を見て目を見開いた。
「き、《金》ランク!?」
《金》ランク認定を受けた者については、
ギルド職員に対して伝えられているので、
この受付嬢も全ての《金》ランク冒険者を
把握しているのだが、
夜一のことなど知らなかったので、
思わず驚愕の声を漏らしてしまった。
受付嬢は、自分が個人情報を大声で
晒してしまったことに、謝ってきた。
「も、申し訳ありません。」
「気にしなくていいよ。
この後、俺とお食事と彼女になってくれたら。」
「か、彼女って、大勢居てるじゃないですか!」
「まぁ!皆、大事な彼女だけど君を彼女にしたくて、
その話は、考えといて!支部長さん頼める。」
「は、はい!少々お待ち下さい!」