※この作品はR-18です。

ありふれた職業で世界最強~出会いと帰還への道のり~   作:リュウコウ

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七大迷宮・最後『氷雪洞窟』へ。



67 シュネー雪原・氷雪洞窟1日目

~~~全面、氷で覆われた空間~~~

 

反則だと思った。

ずるいわ......って思った。

だって、まるでお伽噺の中のヒーロー見たいだったから。

だって、あんなにも貴方の紅色が綺麗だったから。

だって、貴方の背中は、あんなにも大きかったから。

私の心の柔らかいところに、貴方が居た。

気付くと、地球に居た頃から貴方を目で追いかけていた。

始めは、香織の貴方へのアプローチの為に漫画やアニメに

付き合っていた。その香織に付き合っていく内に私の心に

貴方が大きな存在になっていた。龍太郎はあいつに脅され

逆らえずにいたから仕方がない。しかし、あいつは貴方を

怠け者と罵っていた。

春に吹く優しい風のような暖かさを。

夏の日差しを遮る木陰のような心地好さを。

冬の張り詰めた空気のような痛みを。

秋の夕暮れのような切なさを。

甘いようで苦い、苦いようで甘い、複雑すぎて笑顔で

隠した私の深い部分に、貴方は居る。優しい笑顔で。

 

~~~シュネー雪原・上空~~~

 

兎人族の皇国・ハウリアを発って、30分。

僕と桜で作り上げた、飛空艇・フェルニル。

 

雲海の上を、滑るように飛行する。

夕陽を西から浴びている。ユエとユナ、ソーナにアルテナ

の4人は、ハウリアの樹海で俺と桜が作った

アーティファクトを手に馴染ませていた。

 

「夜一。七大迷宮、最後の迷宮なんだよな」

「そうだな。龍太郎、魔竜拳に慣れておけよ。

一応、この飛空艇の中に訓練場を広く取ってある」

 

龍太郎は頷き、訓練場へと向かう。

次に、俺の所に来たのは、妙子に奈々に綾子だった。

 

「夜一、私の龍操鞭は昇華魔法で1段階強化されて、

扱いが難しくなったんだよね?」

「だから、訓練場で慣れておけよ。妙子」

「私の獅杖も強化されたんだね♪夜一」

「魔法の威力が格段に上がっている。妙子と一緒に

訓練場で慣れておけ。奈々」

「私の雀杖の治癒魔法の回復力もだよね♪夜一」

「治癒魔法だけじゃないぞ。治癒を攻撃に変換でき、

後方支援が出来るようになったから、連携の訓練を

しておいたほうが良い。綾子」

 

3人は頷き、訓練場へと向かう。

 

「おぉ~。全然地上が見えませんねぇ~」

 

ウサミミをぴこぴこ。ブリッジの丸い窓に張り付き、

外の景色を眺めていたシアが声を上げる。

俺の両隣に座っている桜と鈴が、

 

「此方の世界の人は、空を飛ぶ技術がないから」

「うんうん。私も、初めて飛行機に乗った時、景色を

見て奮えたからね♪感動か?落ちないかって」

「それ、わかるよ♪鈴」

「優花もわかってくれる」

 

俺の周りで話に華が咲いていた。

シアと一緒で景色を見ていたミュウが、

 

「パパぁ~!お外の景色が大変だよ?」

「どれどれ。これから、シュネー雪原に入っていく」

 

俺も、ミュウのパパとして、

【シュネー雪原】ーーー大陸最南東一帯を覆う雪原だ。

西の【魔国ガーランド】と、北の【ハルツィナ樹海】に

囲まれたこの場所では、決して晴れることのない曇天が

常闇の如く暗い世界を作り出し、最悪の視界を更に猛烈

な吹雪がホワイトアウトさせる。大地は完全に雪と氷に

覆われていて、気温が氷点下数10度以上に上がること

はない。

構って欲しそうに夜一の周りをうろうろするので、

 

「リリィ、俺の膝においで♪」

 

では、失礼して、と前向きではなく、此方に向いて、

膝の上に座る。

 

「ええっと.....確か、雪原の奥に大きな峡谷があって、

その更に奥地に最後の大迷宮があるんだよね?」

「ああ。氷と雪でできた大迷宮ーーー氷雪洞窟が」

「一般的には、大迷宮だろうって言われている場所。

気候の厳しさと、洞窟から誰1人戻ってこなかった」

 

アイリスが答える。

 

「だからこそ、1番怪しいんだ。氷雪洞窟」

 

リリィとアイリスは納得する。きっと下界の極寒も試験

の1つなのだろうと。

 

「それでどうじゃ、ご主人様よ。きちんと羅針盤は機能

しておるかの?」

 

ティオが夜一の手元を覗き込んできた。それに釣られて

リリィも覗き込む。

 

「ああ。大丈夫だ。それにしても、改めて思うが凄い。

単に羅針盤の針が望んだ場所に向くだけじゃなく、目的

の場所、そこまでの距離が感覚でわかるなんて」

 

訓練場から帰ってきていた妙子と奈々と綾子が、

 

「地球の場所もなんとなくわかってたもんね♪」

「本当に凄いね。その羅針盤を作ったミレディの仲間」

「神に挑む解放者。神代魔法!流石です。ミレディ」

「あまり褒めないでよ♪私たちじゃ、敵わなかった」

 

ミレディは、敵わなかった、といいながら褒められて、

顔はニコニコだ。

 

「氷雪洞窟に到着だ。雲の下に降りるぞ」

 

「きゃっ!?」と、レミアが小さく悲鳴を上げる。

 

確かに『極寒』というに相応しい有り様だね。......

私、寒いのはちょっと、と、いうので、俺は雫を抱く。

すると、雫は顔と耳を真っ赤にする。

 

飛空艇が徐々に、降下していき雪原に着陸する。

 

俺たちが、飛空艇から降りると、目の前に神殿を彷彿

させる入り口が、そこが、最後の大迷宮ーー【氷雪洞窟】

 

 

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