※この作品はR-18です。

ありふれた職業で世界最強~出会いと帰還への道のり~   作:リュウコウ

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68 氷雪洞窟・2日目・氷鏡の心迷宮

~~~氷雪洞窟~~~

 

【氷雪洞窟】の中は、なんとも珍妙で不気味な

場所だった。恐ろしいほど透明度の高い、純氷

の氷の壁でできた通路が続いているのだが、

この氷壁、うっすらと人影を映しているのだ。

夜一達が動く度に、隠れ潜む何者かが、視界の

端に影が走ってくる。奇妙な氷壁を覗き込む。

 

「特に問題はなさそうだが...人影がちらつくのは

地味にうざったい」

「....確か怪談であったわよね。雪山の小屋とか、

会話をしている内に人数が増えてるって話」

 

桜と鈴が俺の後ろに隠れながら、

 

「し...雫ちゃん、怖い話はしないでね」ブルブル

「そうだよシズシズ。やめてもらえると」

「や...やめてよ、雫ちゃん!苦手なの知ってるよね」

「あ、ごめんなさい。そうよね、桜と鈴と香織」

 

桜と鈴に香織と雫が、緊張感のない会話をしている。

何もないなら無いで、無いに越したことは無い。

そのまま進んでいく。通路の奥から、風に乗って踊り

ながら飛んでくる雪の欠片が見えた。

やって来たそれを、左手の義手で受け止める。直ぐに

溶けて水となるが、己の直感に従い、右手で触れた。

 

「っ、鈴。結界を張ってくれ」

「わ、わかった!」

 

夜一の落ち着く凄みの指示に、鈴は迅速に

「護れ!『鳳扇花』」と、結界を張る。

 

「この雪、触れた瞬間に凍傷を起こすぞ」

 

龍太郎は、『魔竜拳』に炎を纏わし打ち落とす。

アルテナは、『鷲弓』に炎を纏わし撃ち落とす。

夜一達は、凍傷を起こす雪のエリアを抜けて進む。

 

 

暗闇のエリアになっていた。

そこを慎重に進んでいく。が、それは、現れた。

暗闇から、滲み出るように姿を見せたのはゾンビ。

黒を基調とした軍服を纏い、特徴的な長耳が見える。

魔人族の軍人が、わらわらと這い出て此方に来る。

動きは操り人形のようにぎこちない。全身に霜を貼り

付けている。明らかに、生命力を感じない。

 

闇へと誘う囁き声と共にフロストゾンビ軍団が迫る。

おどろおどろしい光景を目の当たりにした、ホラーが

弱点な『神の使徒』香織の表情から血の気が引いた。

 

「い...いやぁああああああっ」

 

涙目の香織が一心不乱に銀色の魔力が突き出した両手

の先に集束。次の瞬間には通路を埋め尽くす銀の閃光

ーーー分解砲撃が放たれた。当然のように一切合切を

塵にしていく。大量のフロストゾンビが障害にすらな

らなかった。

 

「ふぇえええっ、夜一さぁぁぁん!怖かったよぉ」

「俺は、香織の方が怖いんだが」

 

香織が何で?と、顔をするので、通路を指で示す。

示す先を香織が振り返る。

フロストゾンビが氷の中から這い出てくる。

鈴の鳳扇花で1枚目の結界を張り。

愛子の豹杖で2枚目の結界。

リリィの覇狐楼紋で3枚目の結界。

 

ソーナの翔嬢の嬢火で葬り、

奈々の獅杖の獅炎で葬り、

綾子の雀杖の雀焰で葬る。

 

3人でフロストゾンビを消滅してから、

氷雪洞窟の最深部の扉の所まで突っ走る。

 

「ここで少し休憩するのと、先へ進むの、

どっちにする?」

 

闇へと誘う囁き声の聞こえるこの場所に、これ以上

いたくはないようで誰も異論はないようだ。

 

「そうか、それじゃあ行こうか」

 

夜一の言葉とともに、一行は光の門に飛び込んだ。

 

 

 

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