※この作品はR-18です。

ありふれた職業で世界最強~出会いと帰還への道のり~   作:リュウコウ

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ライトノベルと話は違います

投稿後、雫の氷鏡でのやり取りを細かく書きます





69 氷雪洞窟・2日目・氷鏡の心迷宮・その1

~~~氷鏡(ヒキョウ)の心迷宮・夜一~~~

 

視界を染め上げる輝きが収まっていく中、周囲から気配が消えていることに気付いた。

 

「......分断されたか。まぁ、予想はしていた」

 

夜一は周囲に巡らせる。

 

「一本道...か」

 

2メートル四方の氷鏡でできた通路だった。退路なし。

上下左右に、幾重にも重なった自分の姿が映っていて、夜一の動きに追従している。

暫く歩いていると、ドーム状の大広間に出た。先ほどから響いていた囁き声がはっきりと聞こえてくる。

 

『よぉ。俺』

「...やっとお出ましか?俺たちがこの氷雪洞窟に入ってから、錯乱させる声音(コワネ)を放っていたのは、あんたか」

『つれないない言い方だな。俺』

 

鏡の中の自分が話しかけてきた。

 

『ちなみに、コンセプトってなは?』

「いや、言わなくてもだいたいわかる。.....この大迷宮のコンセプトは、『自分に打ち勝つこと』だ。己の負、目を逸らしてきた汚い心、認め難い現実からの逃避、矛盾する感情.....そういったものに打ち勝てるか否か」

 

夜一は、僅かに視線を上へと、天上の世界を。

 

「強い力があっても、心が弱ければ意味がない。......神につけ込まれないための試練なんだろ」

『流石(サスガ)、俺』

 

色の反転。そう表現すべき現象が起きた。

抜き手も見せない、殺気すらない、夜一と虚像が同時に神速の抜き撃ちを。

夜一の黒いドンナーの閃光。

虚像の白いドンナーからは、ヘドロのようなどす黒い閃光。

 

『ははっ、やっぱり分かるよな。タイミング、思考、技を以て(モッテ)敵を屠る(ホフル)』

 

ニヤニヤと癇(カン)にさわる笑みを浮かべる虚像が、氷鏡の世界から足を踏み出した。

白髪の夜一(本物)と黒髪の夜一(虚像)が、現実の世界で相対した。

 

『さぁ、鳴神(ナルカミ) 夜一(ヨイチ)。お前は、お前(俺)に勝てるか?』

 

どこまでも会わせ鏡のように、放つ口撃。

 

「死ね」

『死ね』

 

全く同じで、躊躇(チュウチョ)なく引き金が引かれ、破裂する音が鳴り響き、撃ち合いが始まる。

 

 

 

「どんな未来だろうがーーー喰らい(クライ)ついてやるよ」

 

夜一は振り返らず、新たな道へ踏み込んだ。

 

 

 

~~~氷鏡の心迷宮・雫(シズク)~~~

 

しぼむようにして消えた視界の中の光。

雫は何度か瞬きをして周囲に素早く視線を巡らせた。

 

「......夜一?」

 

光の門を潜った(クグッタ)後に、夜一の姿が見当たらなかった。薄暗い氷鏡の細い一本道にたった1人。

ーーー私(貴女)は、1人になる。

 

「ッ」

 

ゾッと、背筋に襲いかかる。雫は慌てて周囲を見渡すが、視線を返してくれるのは、氷鏡の中の自分だけ。

その自分(雫)が氷鏡から現れる。

 

『お久しぶり。貴女(雫)』

 

私は、氷鏡から現れた自分(雫)に、後退りして鷦刀(ショウトウ)の柄に手をかける。

 

「貴女は、私の影?」

『影っていうか、心の奥に抑え込んだ、私(雫)。本当はお爺様(オジイサマ)の道場で竹刀(シナイ)を振るうより、フリフリのレースが施されたドレスを着て、お姫様扱いして欲しい女の子の心(雫)。それと、その物騒な刀(モノ)に手をかけないでくれるかしら?』

「それは、できない相談ね。禍々しく(マガマガシク)どす黒いオーラを纏わしておいて」

『....このオーラのこと?私も抑えたいのだけれど、どうしても抑えられないのよ♪貴女が夜一に竹刀を振るうより、可愛いものが好きって言ってなさそうだから、貴女に変わって夜一と仲良くなろうかなって』

「お生憎様(アイニクサマ)。貴女も私なら、夜一の彼女になれたことを見ていたわよね?」

 

虚像(私)が、首を傾げ何か考え込んでいる。が、私は虚像(私)から目を逸らさない。私の影なら強さも同じくらいかしら?もしかしたら、私の1段上の強さを持っているかもしれない。

白髪の雫(私)が動いた。

 

『やっと決心がついたのね。親友の思い人のことが好きなこと。それでも、遅すぎね。地球(アッチ)にいてる時から考えると遅すぎ。私が貴女を倒して夜一ともっとイチャイチャするんだから』

 

白髪の雫(私)も、白い刀(鷦刀)の柄に手をかける。

 

「わ....私が...そんな事は....させ....ない」

『その震えた手で何が出来るの?貴女、私のこと怖いんでしょ?貴女の本音を暴露される......』

「う....うるさい」

『やっと絞り出したのが、それだけ?地球(アッチ)で、夜一が小学一年生の時にお爺様の剣術道場に入会してくれたのに告白してないから、親友に先を越され、愛子にも先を越され、異世界(コッチ)に来ても、邪魔なアレのせいで、リリィやアイリス、ユエにユナにシア、ミレディに年下のソーナにも越されたね♪プククッ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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