※この作品はR-18です。

ありふれた職業で世界最強~出会いと帰還への道のり~   作:リュウコウ

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ユエは、アレーティアの時の技の名をを使わない
重力魔法
【地漆】
【黒魃淵慾】
雷魔法
【雷龍】
氷魔法
【氷龍】【碧槍】
風魔法
【風龍】【翠爪】
火魔法
【紅剣】
水魔法
【蒼墜】
炎魔法
【炎龍】【緋翔】

桜
専用武器【ラミエル&トゥルエノ】

鈴
専用武器【鳳扇花】

優花
専用武器【鵠日葵】













70 氷雪洞窟・2日目・氷鏡の心迷宮・その2

~~~氷鏡(ヒキョウ)の心迷宮(シンメイキュウ)~~~

 

幼馴染み(オサナナジミ)の桜は、氷鏡から子供の頃の桜(自分)の姿が現れて、心を乱された。

 

『こんにちは。桜(私)♪』

「な.....なんで、裏桜(貴女)。子供の姿なの?」

『それは、この頃が、桜(アナタ)の人生での、分岐点(ブンキテン)だったでしょ♪引っ越して、鳴神(ナルカミ)さん家(チ)の隣に行く前の子供の姿。可愛いでしょ?』

 

 

 

 

 

 

 

~~~氷鏡の心迷宮~~~

 

鈴は、氷鏡から子供の頃の鈴(自分)が現れて、心が乱れる。

 

『こんにちは。鈴(私)♪』

「どうして、裏鈴(貴女)は、あたしの傷を抉るのよ(エグルノヨ)!」

『アラッ。ごめんなさい♪この頃、鈴(アナタ)、虐められていた(イジメラレテイタ)ものねっ』

「.......」

『どうして、黙ってるの?そして、鈴(アナタ)は公園に逃げていたね♪あと、敵を前にして、油断しないっ♪』

 

私は、心を抉られ、その隙をついて、裏鈴の鳳扇花(ホウセンカ)から放たれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~氷鏡の心迷宮~~~

 

優花は、氷鏡から子供の頃の優花(自分)が現れて、心が乱れた。

 

『こんにちは、優花(私)♪』

「.......。裏優花(貴女)、その姿、止めてくれない(ヤメテクレナイ)」

『今、優花(貴女)、私に隙を見せたわねっ♪』

 

裏優花は、私の隙をついて、攻撃を仕掛けてきた。

 

「くはっ!?......鵠日葵(ヒマワリ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~氷鏡の心迷宮~~~

 

真祖(シンソ)の吸血姫(キュウケツキ)ユエは、真っ暗(マックラ)なトンネルを抜けると、そこに、私が、アレーティアだった時の御屋敷(オヤシキ)が現れた。

その、御屋敷を目にした瞬間、寒気が走ったので、私は気雛鎌(ケズレ)を構える。

 

すると、私と御屋敷の周囲を業火(ゴウカ)が地(チ)を舐め(ナメ)尽くしていく。

鼻腔(ビコウ)を血生臭さ(チナマクササ)が突き刺さり、油のようなねっとりとした空気が肌にまとわりつく。悲鳴(ヒメイ)と怒号(ドゴウ)、狂気(キョウキ)を孕んだ(ハランダ)雄叫び(オタケビ)が、爆発の轟音(ゴウオン)と混じり合って凄絶(セイゼツ)なオーケストラと化している。

そこは戦場(イクサバ)だった。

ただし、あまりに異常(イジョウ)な戦場(イクサバ)だった。

 

「このっ、化け物(バケモノ)がっ」

 

そう、化け物がいた。

現実離れ(バナレ)した美貌(ビボウ)を持つ、まるでビスクドールのような少女ーーーの形をした化け物が。

年(トシ)の頃(コロ)、十代(ジュウダイ)半ば(ナカバ)に少し届かないくらいか。

豊か(ユタカ)に波打つ金色(コンジキ)の髪。神秘(シンピ)の火を結晶化(ケッショウカ)させたような紅玉(コウギョク)の瞳(ヒトミ)。夢のようにほんのり赤み(アカミ)を帯びた(オビタ)頬。フリルたっぷりの素敵(ステキ)に美しい真紅(シンク)のドレス。

およそ戦場(イクサバ)には似つかわしくない、あまりに可憐(カレン)なその少女はまるで妖精ののよう。

そして、相対(アイタイ)するのは5000の軍勢(グンゼイ)。

それが、この異様(イヨウ)な戦場(イクサバ)。

 

「ーーー〝緋槍(ヒソウ)・千輪(センリン)〟」

 

その少女が愛らしい声音(コワネ)ひとつで、戦場(イクサバ)に業火(ゴウカ)降り注ぐ。

 

「しょ、障壁展開ッ!対...炎属性をーーー」

 

軍団の指揮官が悲鳴じみた号令を拡声させる。が、遅い。

 

「これが.....鬼神(キジン)の国......吸血鬼(キュウケツキ)族の、王家の力....」

 

誰もが、畏怖(イフ)の眼差し(マナザシ)を少女へと向けていた。

吸血鬼族ーーー他者の血を取り込むことで身体(シンタイ)を強化し、魔力を増幅させ、尋常(ジンジョウ)ならざる回復能力を発揮し、寿命すら延ばす特殊な種族。

誰からも畏れられ(オソレラレ)、誰からも欲望(ヨクボウ)を向けられる国の王女こそ、この金と真紅の少女だった。

1時間後、大地の肥やしになるという結果を以て(モッテ)、終演(シュウエン)を迎えた。

 

 

 

あの戦(イクサ)から、数週間がたったある日。

その少女は1人、叔父(オジ)に呼ばれて、「開かず(アカズ)の間(マ)」その少女の両親の部屋の隣にある父親の執務室。

少女は、ノックをして、父親の執務室へと入る。

 

「コンコンコン、叔父(オジ)様。アレーティアです。入りますね」

 

すると、叔父様が少女の父親の椅子に座って待っていた。

少女は、声を荒らげる(アララゲル)。

 

「叔父様!その場所は、私(ワタクシ)のお父様(オトウサマ)の」

「そう。私が殺めた(アヤメタ)兄、........王の椅子だよ♪」

 

少女は、叔父が発した(ハッシタ)言葉に動揺し、心を落ち着かせて、叔父様に聞き返した。

叔父から帰って来た言葉は、こうだった。

自分より、先に生まれたからと王になった兄に嫉妬した叔父様。その兄には、美しい妻もいたことが余計に、嫉妬の炎が燃え上がる。

数日後、少女が生まれ、温かい家族の形ができ、国は安泰。

叔父は、その少女が物心(モノゴコロ)がつく前に、両親を殺めた(アヤメタ)。叔父、自らの傀儡(カイライ)にするために。

 

「どうだった?叔父様に両親を殺され、挙げ句(アゲク)、叔父様(ソノ)傀儡になり、国を治め、平和をもたらしたにも関わらず、不死身だから、封印され、ゴミのように迷宮の底に棄てられた(ステラレタ)可哀想な(カワイソウナ)可哀想な、アレーティアちゃん♪」

「黙れーーーっ!私をアレーティア(ソノ)の名(ナ)で呼ぶな!私には、あの夜一(ヒト)がくれた名が、あるんだからぁ」

『あぁ、あの殿方(トノガタ)がくれた名(ナ)があったねっ。ユエって名前が。でも、お断りします♪』

 

戸惑っている所に、蒼炎(ソウエン)の顎門(アギト)が私を襲う。

 

「ッッ!?」

 

右腕に激痛。声にならない悲鳴がが上がる。

黒髪に黄金の瞳を持つもう1人の虚像(ジブン)が。

 

右腕を食い千切った上に、至近距離で〝蒼龍(ソウリュウ)〟の爆発により吹き飛んだ王女(オウジョ)ーーー改めユエは、ズタボロにされた右半身を〝自動再生〟で、衣服を再生魔法で復元しつつ重力を制御。氷鏡(ヒキョウ)の壁に激突する前に空中(クウチュウ)で制止した。

だが、体勢を整える前に間髪(カンハツ)容れず(イレズ)超重力に襲われる。

 

『ーーー〝禍天(カテン)〟』

「ーーー〝地漆(ジゴク)〟」

 

凄まじい圧力が押し寄せてくるが中和する。

 

『貴女(アナタ)。「地漆」だなんて、物騒ね♪あはっ、大迷宮の150階(底)にいたから?』

「そうかもしれない!」

 

腕の再生は完了した。その右腕を突き出し十八番(オハコ)の魔法を発動する。

 

「ーーー〝雷龍(ライリュウ)〟ツ」

『ふふっーーー〝雷龍〟!』

 

金色(コンジキ)を纏う(マトウ)龍が二体。雷鳴の咆哮(ホウコウ)を轟かせ空中で激突。

 

私は、落ちながら横目でその歪んだ空間を見たあと、次の一手(イッテ)を放つ。

 

「ーーー〝碧槍(ヒョウソウ)・百連〟」

『ーーー〝氷槍(ヒョウソウ)・百連〟』

 

まるで合わせ鏡。まったく同じ魔法が同じタイミングで放たれる。(ルビは同じだけど、名前(漢字)は違う)

 

『あらぁ、アレーティア(貴女)の魔法、ルビは同じなのね♪どうして、500年前(あの頃)のをつかわないの?うふふっ♪』

「黙りなさい!!」

 

私は、アレーティア(昔の私)を目の当たりにしたからか、苛立ち(イラダチ)を隠すように、左手で魔法を放つ。

 

「〝翠爪(カゼツメ)〟」

『〝風爪(カゼツメ)〟』

 

そのあと、私は別の魔法を唱え、アレーティア(アレ)と激突する。

 

『あらっ、アレーティア(貴女)のそれ、〝火剣(ヒケン)〟よねっ♪』

「アレーティア(アナタ)のそれとは.....ち....違うわ。私の〝紅剣(ヒケン)〟わ」

『私は、アレーティア(貴女)の〝雷龍〟に合わせているのに、それは寂しいですね』

「そんなこと、思ってもいないくせに!」

『まあっ、どうして、そんなにもひねくれたのですか?昔のアレーティア(貴女)なら、喜んでくれたでしょうに♪よしよ~し、怖くないですよ♪私と身体(1つ)になるだけなのに』

「触らないで」

『アレーティア(昔の私)もユエ(アナタ)と一緒に外の世界(陽の下)に連れていって。お願いします。このとおり.....ぐすんっ』

 

 

 

 

................えっ!?.....??.............???私は、驚いた。アノ、プライドの高かったアレーティア(500年前)の私が頭(コウベ)を垂れた。.......土下座(ドゲザ)をしたのだ。

 

 

 

 

「な.......なによ。いきなり、土下座(ドゲザ)して私に泣きつくなんて」

『.....本当はね、アレーティア(私)は、貴女......ユエを攻撃したくないのよ。私も外の世界を見て回りたいの』

「今まで、私たちは殺し合っていたのよ。そのアレーティア(相手)と身体(1つ)になりたいと思っているの?寂しいからって、私を困らせたいの?」

『そ.....そうよね。ユエ(アナタ)からしたら、昔の私が一緒にいたくはないよね』

 

 

 

 

........................。

 

 

 

 

「アレーティア(貴女)も.........叔父様(アレ)に裏切られて寂しかったのね。........私も、その気持ちは理解できるから、どうしようか?」

 

 

 

 

 

....................よしっ!

 

 

 

 

 

『どうしたの、ユエ(アナタ)?』

「それじゃあ、アレーティア(貴女)。私と一緒に外の世界に.....飛び出してみる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~氷鏡の心迷宮~~~

 

白兎姫(シロウサギ)シアは、此処(ココ)、氷雪洞窟(ヒョウセツドウクツ)に来る前、夜一(ヤイチ)がアーティファクトのメンテナンスと改造をしてくれた、牙兎鎚(ガトツ)を構えて、今、氷鏡(ヒキョウ)の壁から現れた裏シアと対峙(タイジ)していた。

 

『シア(貴女)、王族なのに、他の兎人族(トジンゾク)から白い目で見られていましたね!』

 

シアの存在は、気味が悪いと下の者たちは離れていく。周囲に残ったのは、両親とメイドが数人。

王族だけど、生きていく為に、自給自足をしなければならない。

全てはシアという異端(イタン)の子が王族に生まれたから。

 

『この広い樹海で、私はたった1人の存在!逃げれば良かったのに!1人で!家族から離れて!そしたら、王と王妃だった両親だけは、元の生活ができたのにね♪あっ、ごめんなさい!シア(貴女)、弱かったから、身も心も♪』

「そうですよ。あの頃の私は確かに弱かった。両親に守られながらでないと、生きていけなかった」

『だよねだよねっ♪だぁ.....かぁ.....ら♪シア(貴女)....死んでくれない』

 

 

 

 

 

....................。

 

 

 

 

 

「裏シア(アナタ)が....ねっ♪」

 

 

 

 

 

氷鏡(ヒキョウ)から現れた裏シアがそこに、横たわり、その側(ソバ)には、血飛沫(チシブキ)を浴びたシアが牙兎鎚(ガトツ)肩に担ぎ、立っていた。

 

 

 

『もう、シア(貴女)は、乗り越えていたのね』

「そう言うことよ♪......さようなら」

 

 

 

シアは、止め(トドメ)をさして、歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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