※この作品はR-18です。

アブラナ好きの春庭転生   作:LilyWB

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1-2. 運命の出会い

 扉を開け、部屋の中を見渡し……そして俺は固まった。奇声を上げなかっただけ上出来だろう。

最前列に見慣れた金髪の少女が座っていたのだ。

今世での知り合いという訳ではない。前世で好きで好きでたまらなかった……そう、アブラナだ。

 

 マジか。同期だったのか。という事は今は原作開始数年前の世界なのか。

いや、それよりもアブラナだ。好きだ。大好きだ。実際に見てもその印象は変わらないというかもっとヤバい。

今すぐ目の前まで駆け寄って告白したくなるが、どう考えてもNGだ。自重しろ俺。

兎に角今は目に彼女の姿を焼き付ける。今夜のおかずは決まりだ。男が少ないせいで寮が個室で助かった。

 

「……何よ、こっちの事ジロジロ見て。あたしに何か用?」

 

 あかん。旧ボイスや。耳が幸せで死ぬ。

声優交代後の声も1年以上聞いて、違和感を感じない程度に慣れてはいたが、やはり旧ボイスが究極にして至高。2015年クリスマスボイスを聞いたときは叫びながら床を転げまわったものだ。

 

 ……っと、いかんいかん。今はそんな事を考えている場合ではない。

第一印象最悪は絶対に回避して、この後彼女を俺のチームに誘わなければならないのだ。

えーっと、ここは……そう、知り合いに似ていたので驚いてしまった。

気分を害してしまったのならすまない、と謝る。嘘はついていない。

 

「ふぅーん……何かちょっと胡散臭い気もするけど……ま、良いわ。あたしはアブラナよ。アンタは?」

 

 あっ。あっ。あっ。何十回とリピートした自己紹介ボイス(の一部)が今まさに生で……!!

初対面で胡散臭いと言われて喜ぶ日が来るとは思わなかったが、それでもこの世界に生まれてきたことを感謝しながらこちらも軽く自己紹介を返す。

 

「あぁ、やっぱりアンタが今年唯一入ったっていう男だったのね。留年した先輩かとも思ったんだけど」

 

 ……そんな留年してそうなオーラでも放っていたのだろうか。

 

「もぉ~、ダメだよアブラナちゃん、そんな事言っちゃぁ~」

 

 隣にいた桃色の髪をした少女がアブラナをたしなめる。

2.5次元化したことで多少印象が異なっていたが、この様子だと彼女は……

 

「イチゴは黙ってて。冴えないやつに冴えないって言って何が悪いのよ」

 

「むぅぅ~。 ……えっと、ラティス、さん? こう言ってるけど、アブラナちゃん、悪い子じゃないんです。

 ちょっと人見知りすると言うかプライドが高いと言うか……とにかく、気を悪くしないでくださいね?」

 

 やはりイチゴだったか。同期の友人という設定があるのは知っていたが、この頃からフォローに回っていたとは……。

とりあえず、全く気にしていないから問題ないと返す。

 

「……何?自分で冴えないやつだと思ってるから気にしないって事? はんっ、大した自己評価ね」

 

 いやいや全くの逆だ。自分で言うのも何だが、俺は自分の能力にそれなりに自信を持っている。

だから何を言われようと、単にそいつの見る目が無いんだな、とか、やっかんでるだけだろうな、と思うわけだ。

まぁ実習が始まれば嘘か本当かはすぐに分かるだろう。楽しみにしていると良いさ。

 

 ……と、こんな感じで多少煽り返してみる。

ツンデレ相手に弱気は禁物だ。お互いにいがみ合うくらいで良いから、まずは強く意識させ、その後で相手に認めさせてから仲良くなれば良い……ってギャルゲー攻略本が言ってた。

 

「っ!! ……へぇ~? 碌な試験も受けずに、男だからってだけで入学が決まったような奴がねぇ?

 あたし、そういう努力もせずに成果だけ得ようとするやつ、大っ嫌いなのよね」

 

 アブラナに大っ嫌いって言われた……もうやだぼくおうちかえりゅ……。

 

 ……いや待て正気に戻れ俺。

アレか、初対面からツンツンしまくっているのはデフォなんだろうと思っていたが、これ、もしかして俺が裏口入学に近いことをしているとでも勘違いされてるせいなのか?

 言っておくが、検査だけで終わるとは俺だって思ってなかったんだぞ?

試験のために必死こいて勉強して、体も鍛えて、さぁ何なら首席で入学してやるぞ!

と思ってたところに盛大に肩透かしを食らった俺の気持ちが分かるか!?

 

「……えっ? それ、本当? その……試験に自信が無かったから免除してもらったとかじゃないの?」

 

 断じて違う。少なくとも座学は、この前の試験でもトップ取ったぞ?

頭でっかちのもやしっ子だと言うのなら、何なら模擬戦でも何でも付き合うが?

 

「うっ……あ……えっと……その……」

 

「ねぇアブラナちゃん、これはアブラナちゃんが悪いと思うよ? 素直にごめんなさいしようよぉ~」

 

「うううぅぅぅっっ!! 認めないっ! 認めないわっ!! 良いじゃないの!模擬戦やってやるわよ!!

 アンタ、それだけ言うからには、負けたらどうなるのか分かってんでしょうねっ!!」

 

 そうだな、負けたらそちらの言う事を何でも1つ聞いてやろうじゃないか。

花騎士として世界花の加護を受けている状態ならばともかく、そうではない学生が相手なら、早々負けるわけにはいかない。

 

「言ったわね? "何でも"なんて言った事、絶対に後悔させてやるんだから!!」

 

 是非させて欲しいものだ。

……あぁ、ところで、俺が勝った場合に何もないと言うのも寂しいよな。

俺が勝ったら逆にそっちが何か1つ聞いてくれるって事で良いか?

別に無茶な事を言うつもりは無いから、安心して良いぞ。

 

「ぐっ……い、良いわよ、その条件で! あたしが勝てば良いだけなんだからっ!」

 

 よっしゃ言質取った。

 

 

 

 

 メンバー選びをスムーズに進めるため、今日は演習場が使い放題になっている。

俺とアブラナはイチゴに審判を頼み、早速模擬戦の準備を整えたのだった。

 

「えっと、そ、それじゃあ……始めっ!!」

 

 イチゴの開始の合図とともに、アブラナが木剣を構えて駆け寄ってくる。

ゲーム中では突属性だったが、こっちの世界では……あぁ、やはり突き技がメインなのか。

 

 攻撃を避け、弾き、1発も有効打を与えさせることなく凌いでいると、アブラナがどんどんイライラしていっているのが手に取るように分かった。

 

「こ、のぉ……っ! 当たりなさいよ!! っていうか! 避けて! ばっかり!! 何なのよ!!」

 

 一言ごとに強烈な突きが飛んでくるが、これくらいなら軽い軽い。

伊達に入学前にウメてんてーに稽古をつけてもらってないのだ。

 

 ……そう、何を隠そう俺はブロッサムヒル最強と名高いウメの弟子(?)でもある。

母さんが『優秀な息子には優秀な先生をつけてあげないとね♪』と言って、一時期家庭教師代わりに彼女を呼んでいたのだ。

 

 そこでいきなり王国最強を呼べる母さんが凄いのか、俺にご都合主義な主人公補正でも入っているのか……。

ちなみにウメと母さんは従姉妹らしく、かなり仲も良い。

未だに10代と言っても通じそうな母さんの外見だと、二人とも桃髪貧乳で姉妹っぽく見えたのは内緒だ。

 

 何にせよ、原作では後にアブラナの師匠ポジともなるウメてんてーの手ほどきにより、今のアブラナくらいが相手なら負ける気がしないくらいには俺は鍛えられている。

ちょっと様子を見ていただけだ、今度はこちらから行くぞと伝えて、反撃に出る。

 

「つっ!? い、言うだけのことはあるわね……っ!!」

 

 一転して防戦一方になるアブラナ。

ちなみに「この世界」では、魔力持ちが相手なら、余程のことがない限り剣で斬ろうが銃で撃とうが怪我をさせることは無い。

代わりに……

 

「あ、アブラナちゃんっ!? 見えちゃうっ! それ以上攻撃を受けたら見えちゃうよっ!?」

 

「う、うっさいわね! まだよ、まだここからなんだからっ!!」

 

 ダメージを受けると服が破れていく。何を言ってるのか分からないかもしれないがそういう世界なのだ。

 

 真面目に説明すると、物理的な防具よりも魔力で作り出した衣服の方が(服に覆われていない部分も)圧倒的に防御力が高いらしく、魔力持ちは気に入ったデザインの服を自ら魔力で編んで着ているのだ。

そして、ダメージを受けると怪我をする代わりに魔力が削られていき、許容量を超えると服が破れ始める。

 

 なお、全裸の状態で攻撃を受け続けても、やはり怪我をすることはまず無い。

簡単に言うと「安全装置が働いて、無理やり魔力を生産して耐える」のだ。

そしてこのエロゲな世界では「性感によって魔力が生み出される。絶頂すると特に大量の魔力が溢れ出る」というお約束が常識となっている。

 

 もう分かるな? つまりこの世界では剣で斬れば女の子がイくのだ。

初めて知ったときは世界の神秘に驚愕したものだ。

ちなみにこのシステムは男女平等だが、俺の全裸や絶頂シーンなど誰得なので気にしないでもらいたい。

 

 何にせよ、アブラナもかなり頑張って直撃だけは避けているが、小さなダメージが積み重なって服がボロボロになり始めている。

そろそろギブアップしないで良いのだろうか。それともまさか裸になるまで続ける気なのだろうか?

 

「は、裸になんかされるわけないでしょ! その前にこっちが反撃して……きゃあぁっ!?」

 

 無理に反撃をしようとしたせいか、ここでアブラナに直撃が入る。

衣服は耐え切れずに飛び散り、控えめなおっぱいがふるんと揺れて露わに……露わに…………。

 

 桜色の乳首を目に焼き付けて、そこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 気が付くと俺は救護室のベッドに横たわっていた。

隣には、不機嫌そうなアブラナと、何とも言えない表情をしたイチゴが座っている。

 

「やっと起きた? この変態っ!」

 

「あ、あはははは……えっと、ラティスさん、大丈夫ですか? 何が起きたのか覚えてます?」

 

 アブラナに直撃を入れたところまでは覚えている。

厳密にはその後アブラナの上半身の衣服が吹き飛んでおっぱいが丸見えになったところまでは覚えている。

 

「む、胸のことは言わなくて良いのっ!! 変態っ! 変態っ! ド変態いぃぃっっ!!!」

 

「えっとですね……アブラナちゃんのを見て、ラティスさんが一瞬固まっちゃって……その隙?に、アブラナちゃんが反撃したんです。

 で、固まってたラティスさんにも直撃が入って、その……一発で下が全部脱げちゃって。

 そしたら、ラティスさんのアレが……」

 

 あぁ、フル勃起でもしてたのか。そりゃアブラナの生乳なんて見たら誰だってそーなる。

で、「変な物」を見せつけられたアブラナが奇声を発しながら俺をタコ殴りにし、一瞬で俺の意識を飛ばしたらしい。

アブラナが現在俺を変態変態と言っているのは、そんな物を見せたことだけでなく、

タコ殴りにされながら「安全装置」によって射精しまくり、アブラナにぶっかけまくったから……と。

 

 ちょっと待て、それは俺が悪いのか……?

おっぱいが見えるまで攻撃したのはアブラナがギブアップしなかったからだし、

見えてしまって勃起したのは男である以上仕方ないし、気絶中にぶっかけたのは完全にアブラナのせいなのでは……。

 

 っていうか!! アブラナにぶっかけまくりとか!!!

おい誰だよそんな事したの! 俺だよ!! 何でその場面で寝てるんだ俺は!!!

 

 とにかく無理やり精神を落ち着けて、アブラナに謝罪を入れておく。

どっちが悪いかとかに関係なく、おっぱいを見てしまったのは事実だ。

ありがとうございました。じゃなくてごめんなさい。

 

 しかし、俺の方が気絶してしまったということは、模擬戦としては俺の負けになってしまうのか。

何を命令されるのかは分からないが、お手柔らかにお願いしたいところである。

 

「……正直、あんまり勝った気はしないんだけどね……。まぁ良いわ、じゃあ命令!

 アンタ、あたしと組みなさい! そして訓練に付き合いなさい!!」

 

 何か2つ頼んでないだろうか。

アブラナと組むというのはむしろこっちからお願いしたいくらいだったので大歓迎だ。

訓練というのは……もしかしてまたおっぱいを見られたいのだろうか。

 

「ち、ちが……っ! って言うか! もうそれは忘れなさい! わーすーれーろー!!!

 アンタが強いのは良く分かったから、一緒に訓練した方が早く強くなれると思っただけよ!

 次はもう途中で止めるからね! 良いわね!?」

 

 もう見せてくれないのか、それは残念……ではあるが、まぁ仕方ない。

その後、俺はアブラナ・イチゴと改めて挨拶・自己紹介をし、3人でチームを組むことにしたのだった。

 

 

 

Side. アブラナ

 

 うぅぅ……失敗した、失敗した、失敗した。

胸なんてイチゴと一緒にお風呂に入る時くらいしか見られたこと無かったのに、

よりによって同期の男に見られるだなんて……。

 

 イチゴは、あたしがアイツのチンポを見たんだからそれでお相子だ、なんて言ってたけど……。

って言うか、アイツってあたしが反撃する前からチンポ硬くしてたわよね……

あたしの胸を見て、そんなに興奮してたの……?

どんなに「訓練」しても、こっちは大きくなってくれない、貧相な胸なのに……。

 

 

 ……と、とにかく! スケベなのはどうしようも無いけど、強さは本物っぽいし、

あたしがもっと強くなるために必要なヤツなのは間違いないわ。

すぐにアイツなんか追い抜いて、今度は実力で勝ってみせるんだから!!

 

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