※この作品はR-18です。

アブラナ好きの春庭転生   作:LilyWB

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1-4. 初デート

 アブラナの全裸を見た、もとい契約を済ませた翌日、俺はアブラナ(とイチゴ)の部屋に呼び出されていた。

……めっちゃぬいぐるみ沢山置いてあるな。そういえば原作ではアブラナは勿論、イチゴもぬいぐるみが好きな物だった。

原作みたいにぬいぐるみ50個連打というわけにはいかないが、今度1つくらいプレゼントするのも良さそうだな。

 

「……アンタがあたしの事をあり得ないくらい好きだっていうのは……まぁ、分かったわ。

 そうでもないとあの力が説明つかなさそうだし。

 それで……アンタ、あたしのどこが良いの?」

 

 どこって言われても全てとしか言いようがないんだが。

見た目は間違いなく好みど真ん中の美少女だし、耳が蕩けるような極上の声をしているし、素直になれないその性格も非常に可愛いし、スレンダー(婉曲表現)な体つきもそそるものがある。

より上を目指して努力し続けるその姿には心を打たれるし、イチゴと百合百合しているのも美味しそうだ。

 

「わぁ♪ アブラナちゃん、ラティスさんやっぱり女の子同士に理解と興味があるみたいだよぉ?

 ここは一度見学していって貰うのも……」

 

「い・ら・な・い!! ……けど、良くもまぁそんなにスラスラ出てくるわね」

 

 悪いがアブラナ好き選手権ではイチゴにも負ける気は無いぞ。

……っと、確かに俺がアブラナを好きなのは間違いないが、アブラナに何かしてもらおうというつもりはないぞ?

いや、そりゃまぁ彼女になってくれるならそれに越したことは無いというかむしろいずれはそうなりたいが、

まだ知り合って1か月も経ってないんだ。まずはお友達から、ってやつだな。

 

「……本当に? 正直、あんな異常に強くなるだけの好意を向けられてるんだとしたら、アンタに今すぐ押し倒されてもおかしくないんだけど」

 

 なるほど、そこを疑問に思っていたのか。

まず、今すぐ押し倒してセックスしたいというのは、まぁ正解だ。

だってお前、好きな女の子の部屋に呼び出されたんだぞ? 男なら誰だってそれくらい考えるわい。

 

「うっ……だ、だって……他の人が居るような場所じゃ話しづらいし、かといってアンタの部屋に行くのはそれこそ怖いし……」

 

 まぁ良い。で、確かにそう思ってるが、それ以上に俺は「アブラナが好き」なんだ。

嫌がることはしたくないし、真っ当な手段で仲良くなって、正面から好きになって貰いたい。

 

「……その割には、もう2回もあたしの裸見られてるんだけど」

 

 あれは不可抗力だ!! でもごめんなさい!!!

 

「はぁ……ま、良いわ。 それじゃアンタが言う通り、まずはお友達から、ね」

 

「ふふっ、良かったねぇアブラナちゃん、お友達が増えて♪」

 

「だぁーっ! イチゴは黙ってて!!」

 

 ……やっぱり友達は少なかったのか。

あ、そうだ。 折角だから今度アブラナにぬいぐるみでもプレゼントしようかと思うんだが、何か希望はあるか?

 

「へっ? ……って、何であたしがぬいぐるみ好きだって知ってんのよ!?」

 

 いや、そりゃまぁこれだけ部屋にぬいぐるみ並べてたら……ねぇ?

 

「うんうん、バレバレだと思うよぉ~? あ、ラティスさん、わたしもぬいぐるみ好きなんですけどぉ」

 

 だよね。 うん、じゃあイチゴにも買ってあげよう。

 

「やたっ♪ ほらほらアブラナちゃん、折角だからすっごいの買って貰おうよぉ」

 

「うっ……そ、そもそもプレゼントって、こう、もっと隠してというか、こっそり渡す物じゃないの?」

 

 言いたいことは分からんでもないが、これだけぬいぐるみ持ってるんだし、他のと被ると嫌じゃないか。

初めてのプレゼントで失敗するというのも嫌だし、ぬいぐるみなら何でも良いというのでなければ、できれば希望を聞いてからプレゼントしたいのだが……。

 

「おぉ~、さっすが、良く分かってますねぇ♪ じゃあ、今度のお休みの日に、3人で一緒に買い物に行きませんかぁ?」

 

「えっ!? そ、それってまさか、で、ででデートになるんじゃ……」

 

 いやいや、2人っきりならともかく、3人で行くんだしただの買い物だ買い物。

何なら荷物持ちくらい引き受けるから、他にも色々買って良いぞ。

……ただ、俺が金を出すのはプレゼントのぬいぐるみだけだからな。まだ学生だしそこまで金は無い。

 

「はぁ~い、わっかりましたぁ♪」

 

「うぅ、何でイチゴの方が乗り気なのよ……。 あーもう! 分かったわ! それじゃ今度の日曜の朝9時集合ね!」

 

 よっしゃデートの約束達成。イチゴ、ナイスアシスト。

アブラナに見えないようにぐっと親指を立てると、向こうもぐっと返してくる。

……何でイチゴってこんな応援してくれるような感じなんだろうか。

アレか、同じアブラナ好きで同志扱いなんだろうか……?

 

 

 

 

 待ちに待った日曜になり、俺たちは早速町に買い物に出かけた。

3人で横に並んで両手に花……ではなく、中央はアブラナだ。俺とイチゴの趣味からしてこの配置になるのは必然だろう。

 

 適当に服を眺めたり、甘いものを買って食べたりしながら店を巡っていく。

ちなみに、私服は魔力で編んだものではなく、既製品を買って着るのが基本だ。

なので、眺めている服もアブラナたちの私服用になるわけだが……

 

「ねぇねぇアブラナちゃん、この服とかどうかなぁ?」

 

「何でイチゴはそう露出度の高い服ばっかり選ぶのよ……普通で良いのよ普通で!」

 

 先ほどからイチゴは自分にもアブラナにも、露出度がやたらと高い服を持ってきて試している。

何か狙いがあるのかただの趣味なのか……

そういえばイチゴはアブラナと違って、原作だと進化後はへそ出し背中出しで露出度高かったな。ただの趣味か。

 

 目の前で繰り広げられるファッションショーを特等席で眺めつつ、最終的にアブラナは普段の制服(?)姿に近い服を選んだようだ。ただし、スカートはかなりミニだった。

 

 

「さ、ここが玩具屋さんだよぉ。ぬいぐるみはここのお店が一番かなぁ?」

 

「確かに、ここで買ったのが一番多いかしら。可愛いのが多いのよね、ここ」

 

 二人に先導され、今日のメインの目的地へと到達する。

幼児向けの玩具だけでなく、チェスなどのボードゲームも……

あぁそうか、こっちは異世界転生でオセロ持ち込んだりしなくても既にあるのか……。

 

 まぁ、色々な玩具が並んでいるのを横目にしつつ、俺たちはぬいぐるみが陳列されている一角へとたどり着いた。

店の奥の方にちらっと見えた、「大人の玩具」のコーナーも気になるが、アレは後日見に行けば良いだろう。

 

 アブラナたちは早速気に入ったぬいぐるみを探すべく、店内をうろうろし始める。

俺はと言うと、主にアブラナの視線や挙動に注意を払いつつも、コーナーの中央にでーんと置いてある巨大なぬいぐるみたちが気になって、店員に尋ねていた。

 

『あぁ、アレですか? いいえ、展示用ではなくて、アレも一応売り物ですよ。

 少々値が張るのと、場所を取るので、お買い上げになる方は少ないんですけどね』

 

 ふむ、確かに2mくらいありそうなアレはかなり邪魔になりそうだが、部屋中をぬいぐるみで埋め尽くして生活しているアブラナたちの事だ、そこは気にしないのではないだろうか……?

くいくい、とアブラナを引っ張って、あの巨大なぬいぐるみが欲しくは無いかと聞いてみる。

 

「え? あれ、売り物だったの? そうね……場所に関しては今更だから気にしないけど……

 うわ、これ本当に良い値段してるわよ?」

 

 値段については気にしなくて良い。十万百万のレベルだと言われると流石に無理だったが、これくらいなら喜んでプレゼントさせてもらう。

というわけで、気に入ったデザインのものがあればリクエストしてほしい。

 

「ほ、本当に良いの……? んー……このサイズのはまだ1つも持ってないし、全部可愛いから、どれでも良いわよ。

 というわけで、アンタのセンスにお任せってところね。 さぁ、どれを選んでくれるのかしら?」

 

 やや挑発するかのようにそんな事を言ってくるアブラナ。

なるほど、そういうことなら好きに選ばせてもらおう。

 

 ツンデレなアブラナにはやはり猫が似合うだろうか。単純に俺が一番好きな動物も猫だしな。

折角だからイチゴにもお揃いということで、アブラナには白猫、イチゴには黒猫のぬいぐるみを選んでみる。

白黒の差は何となくだ。決してイチゴが腹黒そうだから黒にしたわけではない。

 

 後からイチゴにも確認したが、これで問題ないとの事だったので、巨大なぬいぐるみを2つ買い上げる。

途中で買い物した荷物は全部俺が持ち、二人はそれぞれにプレゼントされたぬいぐるみをぎゅっと抱えながら、帰路につくのだった。

……原作と違ってクマのぬいぐるみではなかったが、これで好感度が6%くらいは上がってくれたかな?

 

 

 

Side. アブラナ

 

 おっきい。もっふもふ。しあわせ。

 

 ……お店に行くたびに気にはなっていたけど、まさかあの大きなぬいぐるみが売り物だとは思わなかった。

店員に聞けばすぐに分かったのかもしれないけど、そういうのちょっと苦手なのよね……。

 

 寮に戻って荷物を降ろし、アイツと別れた後、あたしとイチゴは早速ぬいぐるみをベッドに置いて抱きしめた。

ふわぁぁぁ……これ、大きいだけじゃなくて手触りもすっごいわね。

 

 いつもなら寝るときにはあたしを抱き枕にしようとしてくるイチゴも、今日ばかりは黒猫のぬいぐるみを抱きしめている。

……確かにこれ、抱き枕代わりにも丁度良いのよね。

 

 そして、その日からあたしの枕はアイツに貰ったぬいぐるみに変わった。

仕方ないじゃない、抱き心地も寝心地も最高なんだから……。

 

 こんなに良いものを貰ってしまうと、何かお返しをしないとあたしの気が収まらない。

アイツって何が好きなんだろう。今度アイツの部屋に遊びに行ったら、何か分かるのかしら。

……いや、真面目な顔して「好きなのはアブラナだ」なんて言いそうね。

 

 キスくらいもう一度させてあげても良いかしら。それとも、もうちょっとだけ先の事まで……。

……って、さすがにそれはまだ早いわよ! ちょっとプレゼント貰ったからって体を許すほど、あたしは安くないんだからね!

 

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