最終解放まさかの絵画で笑いました。
リリィみたいに三回自動発動させてください!
「スカートの中に潜りたい、ですの?」
「うん」
目の前でレフィーエが呆れている。
いやまぁ、今レフィーエが口にしたことを僕が先に言ったのだから当然だ。
真面目な感じで言い出したのが悪かったかもしれない。
とにかく、それはもう露骨に呆れていた。
「夕餉の後に何を仰られるのかと思えば……。真面目に聞こうと思った私が愚かでしたわ……」
「そ、そこまで言わなくても……。いやごめん、自分でも擁護できないや」
「自覚があるのであれば、次からは時と場所を弁えて発言して頂きたいですわ」
ぴしゃりと言いつけてくる。
ただ、それとは別にレフィーエは自らのドレスの裾を摘まみ、持ち上げてくれた。
膝が見えるくらいまで上げると、そこで止まった。
時と場所……確かに弁えてはいる。
「こ、今回だけですわよ。そのような頼みを、私以外の方にされても困りますし……」
「いいの?」
軽く頬を染めているが、こくりと頷いてくれた。
だったら入るしかない。
僕はそう思ってしゃがみ、四つん這いになりながらスカートに潜り込んだ。
「へー、こんな感じになってるんだ」
部屋が明るいだけあって、それなりに見える。
内側はふわふわとした柔らかい布で肌触りがいい。すらりとした脚と、黒の下着。
ソックスがずり落ちないようにガーターベルトも使用していた。
「今日は黒なんだね」
「ええ。昨日の下着は、どこかの誰かさんに汚されてしまいましたので」
「あー……ごめん」
「謝るようなことではございませんわ。その……男女の営みをするのであれば、仕方のないことかと」
レフィーエがそう言ってくれている間に、僕は全身を潜らせる。
大きなドレスだけあって、全身がすっぽりと入ることができた。こんなのを着て生活するとか、僕には無理そうだ。
「ねえレフィーエ」
「なんですの?」
「ここに住みたい」
「……」
もちろん冗談ではあるが、顔の見えないレフィーエがどんな顔をしているのかが分かる。
「全く、何を言い出すのかと思えば……。今の言葉、他の方にも聞かせてあげたいですわ」
「誰にも言わないでね?」
「頼まれたとしても、お断りさせて頂きますわ。それと、そろそろ中から出てきてくださいまし」
「やだ」
「やだ、じゃありませんわ!」
「やだやだやだー!」
「怒りますわよ?」
「あ、はい」
声のトーンがマジなので僕も従った。
せっかくの居心地なのだが仕方ない。また今度潜らせてもらおうと、そう思いながら這い出ようとしたその時だ。
「!?」
「うわっぷ……」
ガチャリと、部屋の扉が開かれた。
そして何を思ったのか、レフィーエは僕をスカートの中に戻して覆い隠した。
「あれ? グランは?」
間一髪のタイミングで、僕の全身がスカートの中に隠れた。
入ってきたのはイオのようで、布越しに声が聞こえてくる。
「団長さんは、少し席を外しておられますの。言伝があるのであれば、私が伝えておきますわ」
「そんな大した用事じゃないの。戻ってくるまで待ってようかなー」
「あら、そうでしたの」
ぼすん、とベッドに座る音がする。
イオが座ったんだろう。
すぐに追い返せると思ったレフィーエとしては、想定外だったはずだ。
戸惑っているのがなんとなく想像できる。
「……? レフィーエ、なんで立ったままなの?」
「え、えっと……これはちょっとしたトレーニングですわ」
何故か誤魔化すようなことを言い始めた。声が上ずっているのがよく分かる。
「そうなんだー。あ、それって美容に効果があったりするの!?」
「え、ええ……」
「私にも教えて!」
レフィーエが困惑している。
完全にバラすタイミングを失ったというか……どうしよう、これ?
しょうがない、僕の方から出ようかな。
「そういえば、レフィーエって団長と付き合ってるのよね」
「はい。それがどうかされまして?」
「大したことじゃないんだけど……も、もうキスはしたのかなー、なんて……」
それを聞いて、僕はスカートの外に出そうとしていた指を引っ込めた。
レフィーエの答えが気になるからだ。
こんなチャンス、逃すのがもったいないよね。
「キスならその……済ませましたわ」
「そうなの!? どっちからしたの!?」
「それは……団長さんの方ですわ」
「そ、そうなんだー! へぇ……グランもやることやってるのね……」
ほぼ同じタイミングのようだった気がするのだけど……まあいいか。
ここで飛び出して否定するのはつまらないし。
その判断は正しかったのか、イオがもっと踏み込んだ質問をし始めた。
「そ、その……キスから先は……?」
「ふぇ!? そ、それは……」
こんな質問をされるとは思っていなかったのか、レフィーエは露骨に狼狽えている。
でもそれが答えになっているようなものだ。
「し、したんだ……」
「え、ええ……。その……しました……わ……」
二人の間に気まずい空気が流れ、しばしの間無言になった。
真面目に答えるレフィーエに驚く。
なんだろう、この状況……。なんでこんなことになったんだっけ。
「き、気持ちいいの……?」
イオは僕がいないと思っているからか、どんどん踏み込んでいた。
「そ、それは……」
流石にレフィーエは答えるか迷っている。
当然といえば当然だろう。
でもせっかくだし答えて欲しいかも。
「そう、ですわね……。愛する人と交わるのは、心が満たされますわ」
「おおー……」
レフィーエの回答にイオは感心している様子。僕としても嬉しい。
「グランのアレはどうだった?」
「あ、アレとは……?」
ここまできてはぐらかすのか……?
そうは思いつつも、面白くて聞き逃せない。
「ぐ、グランのチンコに決まってるじゃない!」
「それは……よく分かりませんわ。他の人と比べようがありませんもの」
「あ、そっか。じゃあ……痛かった?」
「気を遣って頂けたのもありましたし、あんまり痛くは……。むしろ無理やり咥えさせられた時の方が……」
「無理やり!?」
「あ。い、今のは誤解ですわ!」
うっかりしてきたのか、普通に話してしまうレフィーエ。
イオに合わせているのかもしれない。
ある意味では教育だと思っているのかもしれない。
「グランって結構酷いことするのね……」
「そ、そんなことありませんわ! その後は優しく……優しく……」
そこで言い淀むレフィーエ。
なんか振り回されてるかも。
僕はイオが狙ってやっているんじゃないかと、それとなく察してきた。
「優しく……?」
「こ、これ以上は言えませんわ……」
「そんなー……」
残念そうだ。
二人のやり取りを聞いていたら、少しレフィーエにちょっかいをかけたくなってきた。
なんとなく手を伸ばして……パンツ越しの秘所に指を這わせてみた。
「でも、ちょっと安心したかも。レフィーエは幸せそうだもん」
「……ふふ、そうですわね。今の私は幸せなのかもしれませ……んひゃっ!?」
するとレフィーエの声が思いっきり漏れ出した。
想定外の反応に僕の身体も硬直する。
あまりにも不自然過ぎる反応。
「えっと……そこに誰かいるの?」
そしてスカートが持ち上げられたのか、背後から光が差し込んで、イオが顔を覗かせていた。
「グラン……そんなとこで何やってんの?」
「い、いやー……。その……説明するのは難しいというか……」
「あ。もしかして私、邪魔だったかしら? そ、それじゃあね!」
「あ、ちょっと待っ……げふっ!?」
イオはすぐさま立ち去った。
僕は誤解を解こうとすぐに追いかけようとしたが、背中にレフィーエのお尻が乗っかって、床にキスをする羽目に。
ついでにおでこもぶつけた。
「団長さん……? なぜあと少しの間、我慢することができなかったんですの……?」
「い、いやぁ……僕も我慢するレフィーエを見たいと思ったんだけど……。まさかあんな声を出すとは思わなくて……ね?」
「ね? じゃありませんわ! どうしてくれるんですの!? 私の完璧な作戦が台無しではありませんの!」
「完璧だったの!? いやでも、自分から色々とイオに暴露してたような……あ」
反論していると、レフィーエの周りを色とりどりの宝石がぷかぷかと浮いている。それらは全部、何らかの武器の形になっていて……。
僕はそれを見た瞬間に、レフィーエのお尻に手を伸ばした。
「ご、ごめんレフィーエ!」
「ひゃ……っ!? 今日という今日は、絶対に許しませんわー!」
結局、グランサイファーの中を走り回った挙げ句に捕まったのは言うまでもない。