ヤイアちゃんで致せる人は凄いと思います。アンチラで致してるけど。
穏やかな風が吹くザンクティンゼルにて。
「し、ししょーが帰って来ない……」
クラリスはただひたすらに焦っていた。
カリオストロがグランサイファーを後にしておよそ四ヶ月が経過。その間に何の連絡もなく帰って来ない消息状態とあらば、心配するのも当然だろう。しかしこの空のどこにいるかなんて想像できるはずもなく、彼女と団員にできることはほぼ何もないのである。彼女たちがしていることは──。
「だんだんお腹が膨らんできたわね……」
「ちょ、お腹蹴ったわよ!? どうすんのよこれぇ!」
妊娠となった被害者の出産準備を進めて、膨らんでいくお腹を見守るだけ。最初のロゼッタはすでに五ヶ月目に入っており焦って──はおらず、甲板で椅子に腰かけながらゆったりしている。浮かべているのは慈愛に満ちた表情。メドゥーサやアテナも近くにいて、マタニティウェアに身を包んでお腹をさすっていたりする。
星晶獣にとってはむしろ貴重で得難い経験なのかもしれない。
「ロゼッタは本当に産むの……?」
「そうねぇ……やっぱりグランさんなら、この状態でも何とかしてくれるのかしら……? でも帰って来ないことには……あら?」
「!! グランとししょー!?」
噂をすれば、グランとカリオストロが堂々と帰って来た。特に変わった様子は……ないわけがなく、ロゼッタたちに比べれば大したことはないが、ぽっこりとカリオストロのお腹が膨らんでいる。妊娠することのない肉体を持つ彼女が、だ。
「よ、よぉクラリス……久しぶりだな……」
「お帰りー……じゃなくて!! へ!? なんでししょーが妊娠してんの!? え、え? あり得ないよね!?」
「それは僕が教えてあげるよ、クラリス」
「ひゃ……!? んぁっ……!」
素早く移動したグランはクラリスの肩に腕を回し、彼女の胸を揉みしだきながら耳元で囁くように解説をし始める。
カリオストロが自らの意思で賢者の石を使用し、子を宿す肉体を作り上げることに成功したことや、宿した子を産むことを決めたこと。二人きりでたっぷり行った調教の日々を赤裸々に話していく内に、彼女がみるみる顔を紅潮させ下着を湿らせたのは言うまでもないだろう。
「だ、だからって……正気なのししょー!?」
「う、うっせぇな……オレ様だって抵抗はしたぞ。だがこうでもしねぇとグランが解放してくれねぇから仕方なく……♥️」
「なんで顔赤くしてんの!? というか人妻なの!? いやでも……ひゃぁ!?」
途中でクラリスの会話を切り上げスカートの中に手を突っ込むグラン。再び団長として戻ってきた彼と共に、日常は変わり始めたのだった。
帰還から一週間後。
「ん……っ♥️ ん……っ♥️ んぶ……っ♥️」
「れろれろ……♥️ ちゅ♥️ ちゅうぅ……♥️」
「あーそうそう……カタリナさんもヴィーラさんすっごいフェラ上手いね……」
グランサイファーは一変していた。ほぼ全ての女性団員が団長に性的な奉仕をし、いやらしい格好で艇の中を過ごす命令が下され、混沌と化している。男団員は一時的に退避しておりグランを戻す方法を模索中である。
力ずくで止めようにも止められるはずがなく、帰って来る女性団員は片っ端から隷属、彼の所有物化し食い散らかしている。
「うぉっ」
びゅるるるるるっ♥️
「んぶ……っ! んく……んく……」
「あー気持ちいい……一滴も残さずごっくんしてね……」
今日もまた朝の一発を、ピンクの下着丸見えスケスケ衣装のヴィーラの口に吐き捨ててから、朝食をしに食堂へと向かっていく。
「……む、グランか……」
「は、早く席に着け……」
食堂に入ると裸エプロン姿のフェリと水着姿のジャンヌがいてグランの左右に座る。もちろん今の団長様は食事をするのにも自ら手を使うことはなく、二人の肩に腕を回して、むにゅむにゅと聖女のおっぱいと幽霊のおっぱいを堪能する。そうしているだけで二人が交互に食べ物を口元へと運んでくれるのだ。
「ほら、あーん……」
「ん。もぐもぐ……ジャンヌのおっぱいは揉み心地抜群だなぁ。フェリ、僕のチンポシゴいといて」
「わ、分かった……ひゃぁ! こ、こら団長……そんなとこ触るなぁ!」
「そんなとこってどこ?」
「だ、だから……お尻の……うぁっ、射精して……!?」
性欲と食欲を同時に満たす食事を進めていき、やりたい放題の朝食を終えると、休みということもあって訓練の時間へと突入する。
「き、来たか団長……勝負だ!」
「またフォルテかぁ……じゃ、遠慮はいらないね」
畳の敷いてある道場型の訓練部屋。本日のお相手は昨日に続きフォルテということで、靴を脱ぎ捨て剣を抜き、襲いかかってくる彼女の槍を弾いて受け止める。
「くぁっ……!?」
「隙ありっと」
「うわぁ!?」
すれ違い様に一閃、鎧や衣服をバラバラにして全裸にさせる。それだけで勝負が決まりメスドラフボディが晒され、すっきりしていたグランのムラムラは復活した。
「昨日は立ちバックだったし、今日は寝技の練習でもしよっか」
「あっ!? ちょ、ちょっと待て……ひお゛っ♥️♥️♥️ いきなりお腹の奥ゴリュゴリュしないでくれ♥️ ん゛ひぃいいい♥️♥️♥️ お゛っ♥️ いぐいぐいぐ……♥️♥️♥️」
背面からの寝バック種付けと角掴みバックで、フォルテに種付けしてしっかりと妊娠を狙い去っていく。ヤり捨てられた彼女はうつ伏せがに股でマンコから逆流してきたザーメンをぶぴっ♥️ と垂れ流しながらしばらく痙攣していた。
「せっかくだしアソコにも行こっかな~」
フォルテを放置したまま、グランは次の場所に向かう。廊下を五十メートルも歩けば着くその部屋には、彼女と同じメスドラフが何人も横一列に拘束されている。
全員が天井から伸びる機械によって両腕とお腹、足首を固定されている。ギリギリつま先が届かない程度に浮かされ、上体をお辞儀するように少しだけ曲げられている搾乳姿勢。デカすぎるおっぱいを搾ってもよし、バックからパンパン突いて種付けしてもよし。
グランが数ヶ月前に孕ませたアニラ、クビラ、シャトラの三人は、すでにお腹も膨らんできていた。
「あれ……? また脱走しようとしてるんだ、カルメリーナ」
「あ。いや、これは……あははー……あ゛ひんっ……♥️」
むんずと角を掴まれ元の位置に戻された彼女は尻を叩かれて内股になる。すでに三度脱出に失敗し調教されきっている彼女は叩かれただけで濡れるマゾにさせられている。むしろわざとやっているのではないかと噂というか、その通りなのだろう。グランはベルトとチャックだけを緩め半脱ぎ状態になると、さっさとチンポを取り出して雑にねじ込んだ。
「んお゛っ♥️♥️♥️ ちんぽきたぁ♥️」
「全く……カルメリーナさ、本当に反省してる? ほらほら、早く脱出しないと直接注がれて妊娠しちゃうよ?」
「お゛っ♥️ おっ♥️ おっ♥️ むりっ♥️ ちんぽでじゅぽじゅぽされるのきもちいい♥️ んぉおおお……っ♥️」
びゅぶるるるる……♥️♥️♥️
隣にいるイシュミールに幸せいっぱいの表情を見せながら、肉同士がぶつかるパンパン音を聞かせる二人。射精と同時に角ごと頭を持ち上げられ仰け反ると、潮吹きアクメで足元を濡らしていく。そうしている間に彼女もメス穴を濡らして受け入れる準備を終えるのだ。
「イシュミールは素直でありがたいなぁ……ハメるよ?」
「え、ええ……私も大好きよ……♥️」
ごちゅん♥️♥️♥️
「つっっ……♥️♥️♥️ ……♥️♥️ ……♥️♥️♥️ ッッッ♥️♥️♥️」
ばちゅっ♥️ ばちゅっ♥️ ばちゅっ♥️
歯を食い縛りながら声に鳴らない叫びを上げるイシュミール。頭のてっぺんまでゾクゾク昇るアクメ顔は隣にいるマリアテレサを赤面させる。声を出さないせいか、イシュミールの尻肉の形を歪めるピストンの生々しい音だけが部屋の中に響いている。
びゅるるる……っ♥️♥️♥️
「お゛……っ♥️♥️♥️」
「ふー、次はマリアかぁ。昨日帰ってきたばかりだし、今日が初めてなんだっけ」
「は、はい……。グランさん……や、優しくお願いします……♥️ あ……♥️ んんん……っ♥️♥️♥️」
とちゅん♥️ と優しく挿入すると、グランはマリアテレサの腰をがっちり掴んで吸いつき抜群のマンコ穴に根本までハメ込んだ。むちむちの尻肉が太ももにぶつかる感触は堪らない。深いところで腰を前後しカリで膣肉を抉るようにいじめると、それだけで愛液はドバドバ分泌されていく。
「マリアの膣内は温かいねー……」
ずろろろろぉぉぉ……♥️♥️♥️
「んお♥️♥️♥️ んおぉぉぉ……♥️♥️♥️」
ぬぽっ♥️
「お゛っ……♥️ ほぉぉぉ……♥️♥️♥️」
「あーヤバ……射精ちゃったよ」
白く濁ったぬるぬるの本気汁でグランを気持ちよくさせるが、彼はさっさと種付けを終えて行ってしまう。口をすぼめて快楽だけを享受している内に終わってしまったので、また明日も来る必要がありそうだった。最初はともかく一度この快楽を味わったら、自発的に来てしまうのだ。
「グラン……。その……今日もお願いしていいかな……?」
ダヌアやナルメア、ハレゼナにラスティナなどとの交尾を終えると、お腹がだいぶ膨らんでいるクビラたちの順番がやって来た。ただでさえデカい胸が一回り大きくなる豊かな肉体。すでに黒ずんでいる乳首はしゃぶり甲斐のあるサイズ。
「もう母乳出るなんて凄いね、メスドラフは」
「はぁん……っ♥️ あっ……やっ……♥️ 先っぽに意地悪しないで……♥️」
「あはは、ごめんごめん」
すりすりと弄くった後に両手で乳房を鷲掴みにするグラン。下にバケツを設置すると、付け根から乳頭にかけてゆっくりと引き搾っていく。
むぎゅうううぅぅぅ……♥️♥️♥️
「ん゛い゛っ♥️ あっ♥️ あっ♥️ でちゃうぅ……♥️」
しゅぃぃぃ……♥️
「はあぁぁぁ……♥️」
クビラは大きなため息と共にぴゅー♥️ とバケツに母乳を噴き出す。もちろん捨てるのではなく保存して彼が後で加工したり飲んだりと、役に立てている。ちなみに直飲みも可能らしい。
「こっちは飲もうかな」
「あんっ♥️ そんなグラン待って……みんなが見てる前なのに……♥️ あっ、あっ、あ……っ♥️」
咥えられ舌で刺激されるだけであまあまミルクを再度噴き出すクビラ。左右にいるアニラとシャトラにじっと見つめられながらの搾乳プレイといいもう恥ずかしさでいっぱいだ。
「いいなぁクビラちゃん……」
「今からシャトラも搾ってあげるよ、優しくね」
「ひゃぁん♥️ 両方同時に搾ってもらえるだなんて……幸せぇ……♥️ ほぉぉぉ……♥️」
「おー、いっぱい出るね。あれ、アニラは? やけに静かだけどどうかした?」
「わ、我は……その……遠慮しておこうかのう……?」
シャトラを優しくした後、グランは母乳の出なかったアニラをハメ潰してからメスドラフ搾乳種付け部屋を後にするのだった。
「うわ、こんなに凄かったっけこの部屋……」
お昼過ぎ。
幾つかあるエルーン部屋に足を踏み入れたグランは、むわっとした熱気とメスの臭いに眉をひそめた。お手製のお香『マタタビィ』を焚いているのだが効果はまちまち。弱めから意思を削ぐ強めまであり、気分によって変えている。
今入った部屋はまさに戦うのが面倒なエルーンを放り込んでおり、理性を奪う強烈な効果を持っている。
「妾を閉じ込めるとは大した奴じゃ……♥️」
「くっ……ようやく来たか、グラン……♥️」
顔を見せたのはラフな格好をしてきたフォリアとアリア。戦っても負けはしないが相手をするのは面倒ということで、不意打ちで捕らえて一日閉じ込めていたのだ。姉妹丼として美味しく頂こうと決めて待っていたが、頃合いのようだ。
「「覚悟し──」」
「お座り」
ぼろんっ。
「わふぅっ♥️」
「わんっ♥️」
チンポを露出しその臭いを嗅がせただけで二人を目の前にしゃがませる。オスの象徴に誘惑され目が眩んだ二人は、しばらくの間犬のように鼻をすんすん鳴らしてチン嗅ぎしていた。
「そろそろしゃぶっていいよ。どっちが先にする?」
「ここはやはり私から──」
「妾からじゃぁっ♥️ あーむっ♥️ じゅる♥️ じゅるる♥️ なんという硬さと太さじゃ……♥️ 妾の……ぐぷっ……くひにはいりひりゃんのぅ……♥️ ぐっぽぐっぽぐっぽ……♥️ んぉっ♥️」
グランが寝転ぶなりフォリアが飛びつき、そそり立つチンポを咥えて頭を前後し始める。お香の効果で酩酊状態に陥っており、彼女は頬の内側に亀頭を押しつけられ片側だけ膨らんでぺろぺろ舐めている。
喉奥まで咥え込むと苦しいのか鼻水を啜りながら、下品なひょっとこフェラ顔で、妹よりも優れているのだとアピール。そんな彼女をアリアは羨ましそうに眺めてはいるが、手を出さずにきちんと順番を守っている。
「姉さんばかりズルい……」
愚痴を呟いてしまうくらいには彼女も発情しているのだが。ぷるんとした唇を見てグランも相手を変えることにした。
「ズルいよねー。フォリア、そろそろ変わろっか?」
「んぶぅ……!」
「うわ大人げない……」
チンポを咥えたまま不満げな顔をするフォリアの口マンコからずるんと引き抜き、アリアへと譲らせる。彼女はグランの脚をがに股に開かせその間に正座すると、少しの間ビクビク震える先っぽとみっちり子種が詰まったキンタマを見下ろす。
迷いはしたものの太ももに両手を着き上体を折り曲げながら亀頭をぱくっと咥え、ゆっくりと喉奥まで運んでいく。
「はむ……♥️ んんんんん……♥️ んふぅ、んふぅ……♥️ ぢゅる……♥️ ぢゅぞぞ……♥️ んっ、んっ、んっ……♥️ ろうれほーふぁ……?♥️」
「アリアちゃんのねっとりフェラヤッバ……僕のために練習してくれたんだ?」
「ふぁい……♥️ らっへ……婚姻の件も……ありまふはら……♥️ れろ、れろ……♥️ 夫婦の……営みとやりゃも……ぢゅる……♥️ 学習しておこうかと……♥️ ずろろろろぉぉぉ……♥️♥️♥️」
唇でぴったりフィットさせねぶり上げるご奉仕フェラ。どこで身につけたのか子種を吸いつくそうとする彼女にはグランもお手上げ。それでも主導権は握ろうと、耳ごと頭をがっしり掴むと、鼻先が陰毛に埋まるほど強く押し戻した。
「ん゛ん゛……♥️ ろーぞ……♥️」
「ぐっ……射精るっ!」
ぼびゅるるるるるるっ!!
「んぶっ♥️ んふぅ……ふぅ……♥️ んくっ……んくっ……んくっ……♥️」
口から漏れそうなほどの量のザーメンを受け止め、アリアは目を細めうっとりしたメスの表情で胃へと運んでいく。威厳のある黄金の騎士のごっくんはグランのチンポの硬さを多少維持したままにしている。
「すごい……♥️ ちゅぷ……ちゅぱ……ぢゅぞぞ……♥️」
一回り小さくなったモノをしゃぶったまま尿道に残っている精液を吸い出すと、よだれで濡れ光っていた。
「へっへっへっへっへっ……♥️♥️♥️ 早く♥️ 早く妾にも注ぐのじゃ♥️」
「しょうがないなー……」
すぐ近くで四つん這いになりつつ股の間から顔を見せていたフォリアのマンコは愛液が垂れるほどにとろとろでぐちょぐちょ。グランは本気汁垂れ流しの穴に栓をするため小柄な彼女の腰を掴むと、まだ回復しきってないそれを挿入していく。
「む……ほんとに入っておるの……かひゅっ♥️♥️♥️」
文句を言おうとしていたフォリアを黙らせる、ムクムク膨らみギチギチに詰まった肉の棒は逆に抜けないのではないかと心配になる。
「お、お、お……?♥️ 膣内で膨らんで……んぎっ♥️ っひ……♥️ 妾のお腹ぼっこり膨らんでおる……♥️ んお゛っ♥️」
小柄なボディをフルネルソンでがっちり固め結合部をアリアに見せつけるグラン。一突きする度にぷしっ♥️ ぷしっ♥️ と潮吹きして手足をぷらぷらさせている姿には威厳など皆無。ベロ出し絶頂で白目を剥きそうなほど何度もイかされて思考回路はぐちゃぐちゃである。
「うぐ……射精る!」
ぶびゅるるるるるるるぅぅぅ……♥️♥️♥️
「ん゛あ゛ぁああぁぁぁ♥️♥️♥️ はー……、はー……♥️」
至高の快楽で脳を満たして膣口から白濁液をぼたぼた垂れ流すフォリア。痙攣しながら余韻を堪能する彼女を部屋の隅に寝かせると、気まぐれなグランはアリアのオナニーを見届けて手を出さず、部屋を後にするのであった。
※
翌日。
「今日のご飯はどうしよっか~」
グランが甲板で剣の訓練と宣い、実際はゼタとベアトリクスを屈伏させていると、背後に気配を押し殺した誰かがやって来た。もちろんただでやられるわけはなく、反射的に身体を捻って頬にかすり傷を負っただけ。
「さすがはグランちゃん」
「全く……なぜグランがあの男と同じ雰囲気を纏っているんだ」
振り返ると、微笑みながら剣を構え直すシエテと飛翔しているサンダルフォンの姿がそこにあった。
「どうしたの、二人とも。僕に会いたくなっちゃった?」
「グランが馬鹿な真似をしていると聞いて戻ってきたんだが……どうも本当らしいな」
「ちょっとやり過ぎじゃなーい?」
「そうかなぁ? 僕って一応団長だし……」
どこからともなく短剣を取り出したグランは刃を舐めながら爛々と瞳を輝かせる。かかってこいと言わんばかりに隙を見せるが、挑発に乗るような二人でもない。彼らの間には穏やかな風が吹くばかりである。
「仕掛けてこないならこっちからいっちゃおうかな……僕さ、一度シエテと本気で殺り合ってみたかったんだよね」
「えー? 本当にどっちか死んじゃうかもしれないのに?」
「自分が死ぬと思ってないでしょ、シエテは」
そこで言葉が途切れると甲板に水着姿のソーンとエッセルが現れる。他にも一触即発の状況を見ようと艇の中からぞろぞろと出てきた。
「あ、そうだ。シエテが勝ったらみんなを自由にしてあげる……これなら戦ってくれる?」
「そう言われたら……やるしかないかなー……」
二人の睨み合いと共に空気が変わり場を支配していく。
風も荒れ始めて得物を掴むその手にも力が籠り、甲板を力強く蹴って二人が衝突しようとしたその時だ。
「だめー!」
いつの間に帰ってきたのか、ヤイアが間に乱入し、彼らは慌ててブレーキをかけた。
「っとと……。どうしたのかな? お兄さんたちこれから大事な話を……」
「けんかはだめー!」
「こ、困ったなぁ……。どうするの、グランちゃん」
思わぬ乱入者のせいで戦闘は中断させたが彼女も女性だ。
『おいさすがに手は出さねぇよな?』
『ししょーに手を出したし分からないかも……』
カリオストロとクラリスの会話が聞こえてきて、全員の視線が、ヤイアを見下ろすグランに集まった。
「………………」
『なんか考えてるな……本当に大丈夫か?』
『だ、だいじょばないかも……』
彼が暴挙に出るか否かハラハラドキドキとしていると、先に声を発したのはヤイアである。
「ヤイアがチャーハンつくってあげるから、みんなでごはんにしよー?」
「……いいね」
最後の良心とやらは残っていたらしい。微笑みながら彼女の頭を撫でるグランに全員がホッとさせられ、すぐにテーブルと椅子を並べる。女性陣は動かないため三人。
何とも言い難い雰囲気の中で、チャーハンが運ばれるのを待っている。
「できたよー! こっちがグランちゃんので、こっちがシエテちゃん! それでこれが、サンダルフォンちゃん!」
「ありがとう、ヤイア」
「へぇ、美味しそうじゃない」
「……頂こう」
それぞれ受け取り食事を始める。ニコニコしているヤイアとその隣にいるグランに警戒しながら、対面の二人もスプーンでチャーハンを口の中に入れて味わう。
「……うぐ」
そして二口目に手をつけようとしたその時だ。グランはスプーンを落として喉に手を当てた。
「どうした!?」
「うぐ、ぁぁぁああああああ!!」
もがき苦しみ始めた彼から素早く距離を取る二人。ヤイアも離れさせるとサンダルフォンが手にしていたチャーハンを見下ろし、怪訝そうに眉をひそめる。
「おい、毒とか入ってないだろうな?」
「ええっ!? 俺が食っても大丈夫だったし、毒とかは入ってないと思うけど……ないよね?」
「いれないよ?」
そんな会話を三人がしていると──。
「ああァぁぁアアああ!!」
「なっ!?」
ぼふん、と。煙幕でも張ったかのようにモクモクと白煙が立ち込め、グランの全身をすっぽりと覆い隠した。
「え、ちょ、本当に大丈夫なの!?」
「もう少し距離を取るべきか……」
ヤイアを抱きかかえたまま慌てるシエテと冷静なサンダルフォン。彼らが悩んでいる内に白煙が風で流されていくと……。
「……あれ? みんなどうしたの?」
見慣れた茶髪頭をしたグランが、きょとんとした様子で現れた。
穏やかな表情に柔和な笑み。身を包む空気も一変している。ヤイアが手を振り彼も右手を上げてそれに応えてくれると、次にきょとんとするのはシエテたちだ。
「えっと……グランちゃん、戻ったの?」
「僕は僕だけど……え? 何かあったの? シエテとサンダルフォンだけ……じゃないよね。みんなそんなに離れてどうしたの? あ、カリオストロ……え、そのお腹どうしたの!?」
まるで記憶を失ったかのような、ふざけた反応を立て続けにする彼に向けて、カリオストロはスタスタスタと歩き……。
「ははははは……テメェいい加減にしやがれ!」
「おわぁ!? え、ちょ、なんでそんな怒ってんの!? あ、ちょ、やめ──」
青空の下に、彼の悲鳴が響き渡るのであった。
※
おまけ ~名探偵クラリスちゃんの報告~
「むむむむむむむぅ……」
「おはよう、クラリス」
「おはよー……ってグラン!?」
翌日のお昼過ぎ。
グランが正気に戻って、丸一日が経とうとしていた。
調査の結果、彼が暴走した原因は分からずじまいとなっている。記憶については、服装を変えたところまではしっかり覚えていたらしい。が、そこからのことについては何も覚えていない。
カリオストロが拷問まがいのことをしても、何も吐かなかった……否、吐けなかったのである。
「はぁ……。まさか僕がみんなに手を出してたなんて……」
「やっぱり落ち込んでる……よね?」
クラリスが問いかけるとグランは力なく頷いた。事の重大さを一晩経って再認識したのか、顔色は暗い。どんな困難にも立ち向かう彼がここまで落ち込むのを見るのは、彼女も始めてだ。
ある意味では、記憶が無くなっていて良かったとも、団員たちは思っているのだが。何せ根が真面目過ぎる彼だ。自分が団員をレイプして子を孕ませたなどと記憶していたら、ひたすら自分を責めたりしてしまう。最悪の場合、自ら命を絶ってしまうなどと懸念もされていたりした。
まぁ、そんなことをしないとも思っているが。むしろ責任を取るために行動するだろうとの見解もあり、こちらが当たろうとしている。
「あの時のグランはちょっと面白かったかも……。やったことはともかく……」
「面白かったの!? なんかみんな許してくれてるけど……」
「何も覚えてないんじゃしょうがないよ。誰かに操られてたかもしれないんでしょ?」
「まぁ……。カリオストロはまだ話してくれないけど」
あれから夜中までかけて全員に謝罪したはした。特にロゼッタやエッセルなど、妊娠させた相手にはひたすら土下座。許してくれていても床に額を擦りまくっていた。
「今日もみんなのとこ行かないと。実感湧かないけど父親になるんだし……」
「そ、そうなんだよね……あ、うちも行くよ」
「今日も手伝ってくれるの? 一緒に来てくれてありがとう、クラリス」
「いいっていいって。うちといればししょーも部屋の扉開けてくれるかもしれないし……」
カリオストロが部屋から出てこない事実に対しクラリスは苦笑い。
彼について行くのもまた豹変して自分に襲いかかってきてワンちゃんあるというか発想が卑しい女なんですごめんなさい。
なんて頭の中で考えていたが、ロゼッタの部屋の前に着くと切り替える。
「あら、どうしたの? 昨日の今日で」
「またロゼッタに謝ろうかなって……」
「別にいいのに……でもせっかく来てくれたんだし、お茶でも飲みましょ」
三人は食堂の方に向かい、誰もいないキッチンから湯飲みや急須を取り出し、お湯を沸かす。その間に食堂へと入ってくる者たちがいた。
「あ、アテナにメドゥーサ……どうしたの?」
「昼食だけでは物足りなかったそうなので、何か分けて頂ければと」
「それならお菓子でも食べよっか」
「アタシの分もあんたが用意しなさいよね。身体の調子がおかしいのもあんたのせいなんだから!」
ここぞとばかりに膨らんだお腹を撫でふふん、と微笑むメドゥーサ。悪気はないのだろうが今のグランには精神的ダメージがあまりにも大きい。危うく湯飲みを落としそうになったが、何とか耐えた。
「僕のせいだもんね……本当にごめん」
「メドゥーサ……貴方という人は……」
「え? ちょ、ちょっと……昨日も謝ったんだし、もう気にしてないわよ!」
「それならいいんだけど……とりあえず運んじゃおっか」
作り置きしてあるクッキーを皿に盛りつけ、グランたちも食堂へと入っていく。そちらにも来客はいて、先にお茶を淹れていたクラリスとロゼッタの他に、ミカエルとガブリエルがそこにはいた。
「こんにちはグランさん」
「こ、こんにちは……お二人にはまだ謝罪していませんでしたね……」
「気にするな。元に戻ったと聞いて訪れたのだが……大事ないか?」
「はい。というか気にするんですけど……」
でっぷり膨らんでいるミカエルのお腹を見下ろすグラン。ガブリエルよりも一回り大きいのは中にいる赤ちゃんも大きいからなのか。ついつい凝視してしまう。
「ふむ……撫でたいか?」
「え? まぁ撫でてはみたいですけど……」
「父親として当然の権利なのだろう? ガブリエルからはそう聞いているが」
「もちろん」
看護師としてこっそり働いていた彼女もグランを呼び寄せ、お腹を撫でさせることに。紺色のマタニティウェアを着ている姿は天司とは思えず、どこにでもいるような主婦と変わらない。
「どうだ?」
「えっとその……感動的と言うか……ありがとうございます、ミカエルさん」
「感謝をするのは妾の方だろう。壮健な子になると聞いたが……」
「グランさんとミカちゃんの子供よ? 強くて正しい子になると思うけれど……私の方はどうかしら?」
「は、はい……。あ、今蹴りました……?」
「ふふ、そうみたい。グランさんは男の子と女の子、どっちがいいのかしら?」
「そこまで考えてなかったです……」
そんなやり取りをしていたら、見ていたロゼッタたちも同じ行動に出るに決まっており、一気に騒がしくなってくる。
「……」
クラリスは疎外感を覚えながらも、それ以上にカリオストロのことを心配していた。昨夜、部屋で話した段階では身体を乗り換えると言っていたが……。
「あれ? ししょー?」
ぐぐーっと背伸びし、その勢いのまま椅子の背もたれに倒れ視界を逆転させると、とぼとぼ歩いているカリオストロを見かけた。
「あ? なんだクラリスか……。ちっ、グランもいるのかよ……集まって何してんだ?」
「えっと……僕がみんなに会いに行こうとしたら、こうなって……カリオストロはどう?」
「テメェに心配されるほど悪くねぇよ。謝っても許してやんねーけど」
「あはは……だよね。
「怒られて笑ってんじゃねぇよ」
「いや、嬉しいよ。したことを考えるとみんなが許してくれる方がおかしいし……怒ってくれるのはカリオストロだけだよ」
グランは全員を見渡しながら告げると、改めてカリオストロを見下ろす。ここにいないエッセルなんかもいるが……。謝った時カトルに殺されそうになったが、
『記憶がないとはまた都合の良いことを言いますね。ま、姉さんがいいならいいですけど。今のところグランさんくらいしかいませんし』
『いないって……相手?』
『家族の幸せを願うことは当たり前じゃないですか? 少なくとも僕よりも強くなければ姉さんの婚約者は務まりませんからね』
『こ、婚約者って……。他の人は?』
『いませんよ、僕の知る範囲では。これから現れるとも思いませんけど』
とまぁ、こんなやり取りをしていたのが昨夜。ナチュラルに十天衆が候補から外れるのはなんとなく分かっていたが、きっぱり言われてしまった。そんなわけでちゃんと怒ってくれるのはカリオストロだけなわけだが……。
「果たして本当の本当にそうなのでしょうか?」
「んだよクラリス。さっきまで隅っこでいじけてたくせに」
「いじけてないし!?」
立ち上がりテーブルをバンと叩いた彼女によって、場が静まり返った。
「こほん。ふっふっふ……ししょーの秘密はこの名探偵クラリスちゃんが、暴いてみせますよ……あいたっ!?」
「茶番はいいから話しやがれ。なんだ? オレ様が怒ってないとでも言いてぇのか?」
「そうなんです! 証拠をお出しします!」
待ってましたとばかりに小さな球体を取り出すクラリス。飴と変わらないサイズのそれを机に置くと、懐から取り出したリモコンを操作し始める。
「これはね、シロウさんが作った便利なカメラなんだけどー……ししょーの部屋に設置しちゃいました☆」
「なっ!? オレ様の部屋にいつの間に……!? ちょ、待ちやが──」
ヴィン、と音が鳴ると、食堂の壁にカリオストロの部屋の映像が映し出された。ちょうど椅子に腰かけ、コーヒーを飲む姿である。
『ったく……記憶がないだぁ? んなわけねーだろ……オレ様のことをあんな無茶苦茶にしたくせに……』
頬を赤らめ乙女の顔になり、本棚に向かう。そこから持ってきたのは妊婦向けの『出産までにすべきこと百選』『良いママとは』などなど……育児に関する本ばかり。それらを一通り読み終えると、紙とペンを取り出した。
『………………名前か。グラン、カリオストロ……グラン、カリオストロ……グラオストロ? カリオン? 今の流行りの名前なんて知らねぇし、やっぱり相談して決めるべきか……』
最初こそ不機嫌そうだが、カメラが捉えたのはみるみる母性溢れるたおやかな表情でお腹を撫でる、カリオストロの姿だった。
まだまだ映像の時間は残されているがここまで見れば十分と、クラリスはそこで一時停止させた。
「これがししょーの本音なのです! 皆さん、いかがでしょーか!?」
「う……これは……」
クラリスが派手にテーブルを叩きカリオストロに人差し指を向けると、彼女は狼狽え目を泳がせるしかない。沈黙は肯定。そう捉えたからか、ミカエルが口を開いた。
「ふむ……」
「元は男でも、長い時間女性の身体でいると考えなんかも変わっちゃうのかしら?」
「うふふ、素敵ね」
「メドゥーサと同じような反応ですね」
「アタシはあそこまでデレデレしてないわよ!?」
ロゼッタ、ガブリエル、アテナ、メドゥーサに言及され、返す言葉もない。
「えっと……カリオストロ。どうしよう、これ……」
「………………知るか! クラリスでも慰めとけ!」
「え? ってなんで泣いてるのクラリス!?」
「いやぁ……まさかししょーに先越されるとは思わなくて……あ。ち、ちが──」
グランとクラリスが無言で目を合わせていると、アニラやクビラたちが食堂に入ってくる。
結局、孕まされてしまった団員とこっそり希望してきたクラリスなども出産をすることになり……新しくなって帰ってきた、ハード過ぎる日常が始まるのであった。
マタタビィ…オイラはマタタビじゃねぇ!エルーンを強制的に発情させるだけだぜ。