※この作品はR-18です。

エロブル部   作:木板騙矢

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エロ六千字くらいの労力かけちゃってるちょいエロ…先代亥神みたいなやつ書いた方が良かったんじゃないだろうか。
オウルキャットは声変わっても癖になるキモカワいさでした。次は十中八九マンモス狩り。レスラーグラン君の出番は年明けまでなさそうですね。ティラノサウルスみたいな乱入がなければ。




火のエルーン組と温泉旅行に行く少しえっちなお話

 

「誰も泊まってないんですね」

「この辺りは魔物も多い。わざわざ泊まりに来る人間は、よほど温泉が好きなんだろう」

 

 グランの呟きに、イルザが反応した。

 

 古戦場での激戦を終えたグランは、疲れているメンバーと共に二泊三日の休暇を満喫するため、とある旅館に来ていた。

 

 メンバーはユエルにソシエにエッセルにユイシスにアンスリアにフラウにメーテラにイルザにヘルエスにスーテラにアステール……とやや偏りが見られるというかエルーンしかいないが、今回特に頑張ってくれた面々である。

 

 歩き疲れたのもあってすぐに案内された部屋へと向かうと、十二人全員が一緒に寝られる、三十畳はある部屋が現れる。なんと不幸なことに他の部屋は全て魔物による被害で改修しているらしく、ここで良ければ泊まれるそうだ。

 

 断ろうか迷うグランだったが今から引き返すのは気が引ける。自分一人が着替えなどをトイレで済ませればいいと提案し、そうすることに決めたのは、言うまでもないだろう。

 

「団長殿。こちらがヒューマンの殿方用ユカタヴィラになるそうです」

「ありがとうございますヘルエスさん。それじゃ、僕も着替えてきますね」

「ここで着替えてもいいのに……ねぇ?」

「せやせや。ウチらの方を見ぃひんかったら、それでええやんか」

 

 ユカタヴィラを片手にいざトイレに向かおうとすると、アンスリアとユエルに引き止められるが、そういう訳にはいかないときっぱり断る。本音はもちろん見たいけれど……。

 

 ちなみに今回は全員がほぼ手ぶらで来たため旅館の、青海波柄のユカタヴィラを着用する。グランも受け取るなりふすまを閉めて、トイレに向かう。閉めている最中に視界の端では当たり前のようにメーテラが脱いでいたが、見なかったことにしておいた。

 

「……うん、ここのユカタヴィラは軽くていいなぁ。さてと……皆さんも着替え終わりましたか?」

「いいわよぉ~ん」

「姉様! まだ終わっていません!」

 

 さっさと着替えて部屋に戻ろうとし声をかけると、メーテラとスーテラのやり取りがふすま越しに聞こえてくる。女性の方が時間がかかるのは、日々の生活で分かりきっていること。グランは背を向けて棒立ちになり……しゅるしゅると衣服が擦れる音を聞いた。

 

 今、誰かがふすま越しに着替えている。誰かは分からないが……想像して興奮してしまう。ヘルエスのうなじ、メーテラのお尻、アンスリアの腋、ユイシスの太もも、イルザの胸などなどなど……。勝手に描写する脳内に困りつつも、彼は下腹部に熱が集まるのを感じて……。

 

「スーテラ姉様……帯はどうすればいいのです?」

「それなら……姉様?」

「こーしてからこーすんのよ」

「ありがとうございますなのです」

 

 微笑ましい会話を耳にするのと同時に「アステールの着替えに興奮してしまったのか……」と罪悪感が湧いてしまった。メーテラに騙されて開けていたのなら、アステールの下着姿を見てしまっていたかもしれないと、心の底からスーテラに感謝する。

 

「そろそろいいですかー?」

「はいなのです」

 

 今度はきっちり五分待ってから再び声をかけると、アステールが開いてくれて、ユカタヴィラに着替えた面々と鉢合わせ。全員が背中を大きく開いているエルーン用のユカタヴィラを着ているのは当然だが、帯や胸元をゆるゆるに緩めているメーテラを見てしまい、思わず視線をそらした。

 

「ちょっとちょっとー。せっかくユカタヴィラを着たアタシたちがいんのに、団長ってば何とも思わないワケー?」

「いや、その……」

「あまり団長をいじめてやるな。そもそもメーテラが刺激的すぎるからだろう……」

 

 接近してきたメーテラの腕が首に回され視線を落とすと、彼の意識は自然と胸の谷間に向かってしまう。かといって逃れるため顔を上げると、彼女がわざとらしく舌なめずりをしているのを見てしまう。

 おまけに視界の右端では何か話しているユイシスとヘルエスの、ほくろ一つない綺麗な背中の皮膚と、肩甲骨に見惚れそうになる。勝手に飛び込んでくるのは右だけでなく、左のソシエとフラウの背中のせいで、頭がパンクしそうになった。

 

「と、とりあえず温泉にでも行きましょう! まだ夕食まで二時間もありますし……いいですよね?」

「頭と一緒に入れるのね……」

「混浴はありませんよ」

 

 喜んでいるユイシスに水を差すヘルエス。もちろん落ち込むのは彼女だけではなく複数人。一部の耳をへたらせるエルーンに合わせて、グランも愛想笑いをする。入りたいと思う気持ちよりも、彼女たちと一緒に入ったら自分はどうにかなってしまいそうなので、これでいいのだろう……多分。

 

 

 

 

 

 二十分後。

 

「ふぅ……温泉はいいなぁ」

 

 身体を洗ってすっきりしたグランは、夕焼け空を眺めつつ一人黄昏れていた。男湯内に四つある温泉は完全に貸し切り状態で、気兼ねなくリラックスできている。溜め込んでいた疲労が全身から抜けていく心地良い気分。近くの茂みから聞こえてくる虫のさざめきも癒してくれる。

 

「……ん?」

 

 そんな彼の耳に聞こえてきたのは、ガラガラガラと、スライド式の扉を引く音。間違いなく女性陣が外の温泉にやって来た。もちろん男湯と女湯を隔てる頑丈な壁があるが、高さは十メートル前後しかない上に一人きりなので、簡単に会話は拾える。

 

「どっから入ったらええんやろ……。団長? 今そこにおるん?」

「うん。ユエルも来たんだね。女湯はどう?」

「せやなぁ……とうっ」

「ユエルちゃん!?」

 

 ソシエの声と共に、ドボンという明らかに飛び込んだ音が鳴り響く。向こうは飛び込んでもいい温泉があるのだろうか……? いや、そんなことないだろう。そう自問自答していると、ユエルの濁音混じりの声が聞こえてくる。

 

「あ゛~……気持ちええなぁ……。ソシエもはよぅ入りぃや」

「う、うん……」

 

 会話が途切れ、ソシエが慎重に入っているであろう無音が続く。彼女が温泉に浸かっている姿と共に、湯けむり美人という言葉が脳裏をよぎったが、彼女相手なら正しい。と、グランは向こうにいる彼女の姿を妄想して悶々とし続ける。

 

「ほんまや……気持ちええなぁ……」

「せやなぁ……お?」

 

 ほっこりとしていた二人の会話が一度途切れ、他の面々がやって来る扉の開閉音。グランは別の温泉に入るため移動し、耳を傾ける。

 

「ふむ……美肌効果、か。ここの温泉は四種類もあるのか……」

「効能は他にも肩こりや腰痛に関節のこばわりなど……どれも魅力的ですね」

「アタシのお肌がもっと綺麗になっちゃうってコトねー」

 

 声からしてイルザ、ヘルエス、メーテラの三人。身体を洗い終えたのか続々とやって来て、判別できないほどに会話が増え出した。女子……に含めていいのか分からない年齢の面子もいるが、いわゆる女子トーク。耳を傾けない訳がない。

 

「ソシエの肌ってほんとスベスベよねー」

「ひゃっ……!? メーテラはん……いきなり触らんといて……んん……っ!」

「せやろ? ウチの自慢やからなぁ……うりうり~」

「ひゃぁ……! ユエルちゃん……っ!?」

「なんであんたが自慢してんのよ」

「ひゃう……ま……っ……! だ、団長はんが聞いて……はぁん……っ♥️」

「「あっ」」

 

 ソシエの性感帯にでも触れたのか明らかに嬌声と思われる声が響き渡る。今度こそ静まり返った後に、

 

「団長殿があちらで耳を澄ませているのですか?」

「一緒に入ったから当然ではあるが……本当なのか、団長?」

 

 ヘルエスとイルザに問われて、グランも会話に参加するしかなかった。

 

「はい。その、僕もまだ入ってるので……というか澄ませなくても普通に聞こえちゃってます……」

「つまり……アタシにもっと悪戯をヤって欲しいのね?」

「うひゃあ!?」

 

 控えるのかと思いきやまさかの続行。今度はメーテラに何かされたユエルの嬌声……というよりは悲鳴が聞こえてきた。

 

「あ、でもユエルの肌もイイかも。もっと触らせなさいよ」

「うひゃひゃひゃ!! ちょ、メーテラいい加減にせぇ……やっ♥️ うはぁんっ♥️ ア、アホか! どこ触っとんねん!」

「どこって……ココ?」

「……っっっ!! わひゃひゃひゃ!! ……んぁっ♥️」

 

 笑い声と嬌声が入り交じり、本当に何が行われているのかと気になるグランだったが、ユエルが喘いでいる事実だけで股間がぴくっと反応してしまう。誰もいないからいいものの、みんなと一緒に入っていたら、それこそ立ち上がれなかっただろう。

 

「……先に出よう……」

 

 これ以上向こうで何か起こる前に、彼は温泉を後にするのであった。

 

 

 

 

 

「ねぇ団長、一緒に遊びましょ?」

「ん? いいけど、遊ぶとこなんてあったっけ?」

「ええ、こっちに……ね?」

 

 一時間後。

 誰よりも先に部屋に戻りくつろいでいたグランは、アンスリアに連れられて、再び温泉の入り口に向かっていた。すぐ後ろにいるとまだ髪が乾ききっていない彼女の赤い髪から、洗髪料のいい匂いが漂ってくる。

 

「へー、こんなとこに卓球台があったんだ」

 

 彼も男女で別れている湯のれんの前に、マッサージチェアや読書スペースなんかがあったのはさっき見かけていた。が、すぐ近くの部屋に卓球台が設置されていることまでは知らなかった。早速中に入ると、すでにユカタヴィラの袖を捲っているユイシスと、フラウが戦っている。

 

「ふふっ、私の勝ち……。あ、団長も来てくれたんだ?」

「うん。僕もやっていいかな?」

「もちろん。それじゃあ……私に負けたユイシスと、勝負する?」

 

 場所を譲ってくれたフラウと交代し、悔しがるユイシスを前にラケットを受け取るグラン。今の今まで彼女が使っていたからか、グリップはほんのり温かい。テーブルの前で素振りをしてみると、ユイシスはまだ乾ききっていない髪を縛り始めた。

 

「まだ濡れてるけど、縛るの? 大丈夫?」

「寝る前にもう一度入るから平気よ。フラウには負けちゃったけど……頭には負けないわ!」

「本気なんだね……。なんか賭けたりしてるとか?」

「そうね……。今夜、団長の隣で寝る権利を……ね?」

「何それ!?」

 

 耳元でアンスリアに囁かれ、彼は思わずラケットを落としそうになった。動揺させる冗談にしては効果がありすぎて心臓の鼓動が激しくなる。が、どうもおふざけじゃないように思えるのは気のせいだろうか?

 

「──せぁっ!!」

「うわっ!? は、速い……」

 

 疑問を感じながら緩いサーブを仕掛けると、返された珠が自陣の右角ギリギリをぶつかり床に落ちていく。隣で寝る権利は嘘なのかもしれないが、何かしら賭けているとしか思えないような本気の一球。気持ちを切り替えて向き合い、グリップに握る右手に自然と力を込める。

 

 ルールは短めで三本先取勝負。早くも一本取られてしまったが、グランは切り替えユイシスのサーブを迎え撃つべく、少し腰を落として集中する。

 

「──ふっ!」

「──はあっ!」

 

 反射神経を駆使して跳ねる球を無事に処理するも、すぐに返されてラリーが始まる。やがて息をする暇もなくなり、球がテーブルを叩く軽い音だけが部屋に響き渡る。

 手を抜こうものならスマッシュでやられるのは目に見えている。すでに一本取られているのでこれ以上は負けたくはない。彼女が仕掛けてこないならばとぴったり球を十往復させたところで、勝負に出る。

 

「──せいっ!」

「あっ!?」

 

 結果は大成功。ユイシスのミスを誘発するような回転球を送り、ネットに引っ掛からせた。

 

「……ふぅ。何とか一点取れた」

「くっ……さすがは頭ね。でも次は私が勝つわ」

「僕だって負ける気はないよ。勝ったら……僕にも何かあるのかな?」

「うーん……。三連続で勝てたら、私たちを好きにしていい、とか? 何でも命令を聞いてあげるよ?」

「……」

 

 身構えるユイシスに向けて「さてどこを狙ったものか」と無言で思考するグラン。

 そんな彼を見て、今までも真剣だったが目に見えてやる気が増したのは気のせいだろうか──というか何でも命令を聞いてあげるだなんてそんなの絶対えっちなお願いされちゃうかもしれないむしろして欲しいいやでも泊まってる部屋は共同部屋みんなの前であんなことやこんなことは無理むりムリ──なんて悶々としているアンスリアの前で、彼は相手の身体の軸をズラすような強烈なバズーカサーブを放とうと、球を投げ上げラケットを振った。

 

「はあっ!」

「せいっ!」

「やっ!」

「たあっ!」

 

 必然的にラリーは始まるが意外とユイシスの動きにキレがない。やはり古戦場での疲労が蓄積されているのかまるで隙だらけ。そんな彼女に向けて、グランは渾身の一撃を放つ。

 

「きゃっ……!」

「あ」

 

 そしてスマッシュと共に跳ねた球は、彼女の胸元にすっぽりハマった。動いて少しだけ緩んでいるとはいえ、狙ってやれるような芸当でないことだけは確か。真剣勝負の最中なだけあって、アンスリアとフラウの視線が向けられる。

 

「団長……?」

「い、いやいやいや! 今のは狙ってやったんじゃないんだけど……無理だよね、フラウ!?」

「うんうん、狙ってやる方が難しいもんね~。でも団長ならぁ……?」

「できないってぇ!」

 

 弁解している間にユイシスは球を取り出す。胸の谷間にでも落ちたのか……汗がついたそれをユカタヴィラの裾で拭って、身構えた。

 

「まだ勝負はついていませんよ」

「う、うん……大丈夫、だよね? ただのピンポン球だし……」

「はい。早く再開しましょう。いざ──」

 

 

 

 

「……何とか勝てた」

「ありがとうございました──あと少しだったのに!」

 

 五分後、危うく逆転されそうになったグランだったが、何とかユイシスを倒すことに成功した。少ししか動いてないのにも関わらず汗が身体中から吹き出してしまっている。とはいえ勝ったのだから、次の対戦へと向けて息を整える。

 

「次は……アンスリアか」

「ふふっ、私はユイシスよりも強いわよ?」

 

 自身の髪のように赤いラバーを見せながらグリップを握るアンスリアに、グランはごくりと唾を飲み込む。というのもユイシスよりもユカタヴィラの帯が緩く、胸の谷間が見えているからだ。

 

「アンスリア……その、もうちょっとちゃんと着れないかな……?」

「これも作戦の内よ……ふふっ」

「そうなんだ……アリなのかな?」

 

 それとなく控えている二人に聞いてみると「アリよね」「ええ」との短い答えが返ってくる。まあ卓球くらいの運動でこれ以上はだけることはないだろうと……彼は完全に油断することになった。

 

「でぁっ!」

「やぁっ!」

 

 アンスリアのサーブから始まり隙を作るラリーを繰り返していく二人。今度は仕掛けてくるのを待とうかとグランがあえてスマッシュしやすい球を送ると、彼女は誘いに乗って上半身を大きく捻った。

 

「やあっ!」

「……ッッッ!? しまっ……!」

 

 刹那、アンスリアの胸元の緩みが増して明らかに突起と思われる膨らみが見えた。思春期の少年には抗えない強烈な刺激でラケットを振ることなく終わ……りはしないが、紙一重で間に合わず球は床に落下。

 

「あら? 団長らしくないミスね……油断しちゃだめよ、ふふ……」

「むぐぅ……」

 

 からかうようにニヤニヤするアンスリアを見上げるが、センシティブな内容故に指摘することはできず、モヤモヤした気持ちを抱えたまま続けることに。

 

「えいっ!」

「……っっっ!!」

 

 が、二回目も同様の手を食らって返した球がネットに引っ掛かってしまう。追い詰められ、崖っぷち。文句を言おうにも乳輪と乳首を見せてもらっておきながらするのかと、無駄に真面目な一面を発揮して完全に思考停止。もう負けただろうと諦めかけた瞬間。

 

「「あ」」

 

 ラケットを置きネット際にある球を取ろうとしたグランの右手が、先に取ろうとしていたアンスリアの左手に重なった。もちろん意図的ではなく無意識。次が彼女のサーブだからと、球を渡そうとした親切心からくるもの。思考停止していたがために、彼女の弱点を突く形になってしまったのである。

 

「はひゅっ……!? だ、団長……。手をは、離し……んんっ……やっ……!」

 

 当然の如く狼狽えるアンスリアは、球を落としてしまう。もちろんその隙を逃すつもりはない。彼は球を急いで拾い上げると、彼女の手首を掴み右手はそのまま恋人繋ぎをさせ……手のひらの隙間に球を挟んだ。

 

「だめだよアンスリア。こうやって球を握ってないと、落ちちゃうから」

「んひゃぁぁぁ……ぁぁ……、は、はなして……も、もうむりぃ……!」

 

 血を沸騰させたのではないかと思うほどに顔を紅潮させ身体をくねくね捩らせる彼女に、もはや余裕なんてものはない。そこからの戦いではグランがあっさり勝ったのは言うまでもないだろう。負けた彼女はフラウと入れ替わるなり、ユイシスに膝枕をしてもらい熱を冷ますのであった。

 

 

 

「それじゃ、最後は私としよっか」

「フラウは強そうだね……さっきユイシスに勝ってたし」

 

 最後の勝負はフラウ。彼女と対峙したグランは、一筋縄ではいかなさそうな相手だと理解する。聞けば、今しがた勝負したアンスリアよりも強いとのことである。

 

「いくよ? ……せいっ!」

「くっ……!」

 

 一戦目をこなしてみると、ついていけないほどではないが、単純にパワーが違うことを思い知らされた。彼女の力が乗せられた球の速度は明らかにレベルが違う。

 

「うわっ!?」

「ふふっ、私の勝ち」

 

 あっさりと一本取られてしまい、床に落ちた球を拾う羽目になった。

 

「フラウ、強いね……」

「ありがと。でも団長の動きにキレがないと思うの。二戦もやったし、疲れが溜まってるでしょ?」

「そうかも」

 

 グランはコンコンと球をテーブルの上で跳ねさせ、サーブの構えに入った。

 

「とうっ!」

「きゃっ」

「せいっ!」

「わわっ!?」

 

 が、フラウの身に何があったのか、あっさりと二本取れてしまった。勝ちを譲っているのかと問われれば、別にそうでもなさそうな微妙なライン。本人は「力を入れすぎちゃったかしら?」などと言っており、グランも疑ったりはしない。実は自分よりも彼女の方が疲労を蓄積させているのだろうと、容易に判断することもできた。

 

 だとしたらこの好機を逃すつもりはない。すでに脳内では、勝ったら何をお願いをしようかなどと考えてしまっている。あまりにも大きすぎる、致命的な油断。しかしアンスリアに続きフラウまでもが色仕掛けをしてくるだなんて、彼は想像していなかった。

 

「あれ? 団長、今落ちた球が見つからないのだけど……探してくれる?」

「分かった、任せてよ」

 

 フラウの指示を受けてテーブルの下に潜り込み、彼女の足元に手を伸ばし……。

 

「あったあった。フラウの足元にある……よぉっ!?」

 

 ふと顔を上げた瞬間、彼女がユカタヴィラを大胆にズラして下半身を露出させていることを知ってしまった。膝から下はすらりとしていて細いが、むっちりした太もも。こちらは普段から見ることができるのであまり珍しくはない。

 

 が、問題はそれより上……見間違いでなければ、髪と同じ銀色の陰毛と、ぴっちり閉じた女性器を確認できてしまったのだ。

 

「頭? テーブルの下に潜ったままで……どうかしたの?」

「え!? あ、いや、これは……あいたぁ!!」

 

 グランは慌てて立ち上がろうとするも、テーブル裏に頭を派手にぶつけて蹲る。もう一度見上げる頃にはユカタヴィラに隠れてしまっており、しゃがんだフラウとバッチリ目が合った。

 

「どうしたの団長? 何かイイものでも見つかった?」

「い、いやいや……ピンポン球しか無いから……うん……」

「そっか~……。それじゃ、続けよ?」

 

 にんまりするフラウに言われて立ち上がるも、彼はもはやまともに動けない。心臓がバクバク高鳴り動揺しまくっているだけでなく、性器はすっかり臨戦状態。そんな状態で卓球を続けるなどまず不可能なのだが、言い訳も同じように不可能。

 

 球を拾っている時にフラウの性器を見たせいで戦えません……などと言おうものなら、袋叩きにでもなるのかもしれない。しかし見せつけられた側だし……などと考えている内に、あっさり二本取られて負けたのは言うまでもない。

 

「ふふっ、勝っちゃった。それじゃあ今夜、団長の隣で寝るのは私ってことで、いいのかしら?」

「僕は無理かな……ごめんフラウ!」

「ええっ!? ちょっと団長!?」

 

 ラケットを置くなり、ダッと駆け出したグランを呆然と眺める三人。この件について彼がフラウに謝罪したのは、温泉旅行が終わってからのことだった。あんなエロいのを見せられて隣で眠れるわけがないと……それは申し訳なさそうな顔色だったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……お腹いっぱいだなぁ」

 

 二時間後。

 食事を終えたグランは、再び温泉に来ていた。各々が散歩したり、卓球したり、読書やマッサージをしたりと休みを過ごす中、もう一度来たのだ。

 

 脱衣所で帯を外してユカタヴィラをするする脱いでいき、小さなタオルを持っていざ中へ。誰もいないのだから自分も飛び込もうかなぁ、なんて考えつつ扉を開けて……。

 

「……ん?」

「……えっ!? ななななんでエッセルが男湯にいるの!?」

 

 全裸のエッセルと鉢合わせた。素早く両手で胸と性器を隠す彼女は、グランに見られたと思ったからかほんのりと頬を染めている。彼はつい目線を下に向けてしまうと、彼女が全裸にも関わらずレッグホルスターを着用しているのを見つけた。彼女の育った環境を考えると常に所持しているのはおかしくないが……ついエロいと思ってしまった。

 

「……」

 

 エッセルは十秒ほど沈黙していたが、黙っていても何も始まらないので、口を開いた。

 

「えっと……。さっき女湯に入ろうとして……向こうが男湯に切り替わるからって言われて……ちょっと早いけど男のお客さんは団長しかいないから、入っちゃえばって言われて……」

「あ、そろそろ切り替わる時間なんだっけ!? えっ、じゃあ今は僕が向こうに行かないとだめだったのか……こっちは女湯!? 今すぐ移動──」

「待って団長。誰か来る」

 

 エッセルは慌てて踵を返すグランの手首をむんずと掴み、一番奥の二十人は入れる広い温泉へと連れ込む。中央に大きな丸岩があり上手く隠れられるので、彼らはそこに身を潜めた。

 

「わぁ……! 男湯も広いのですね、メーテラ姉様!」

「こーら走らないの。それに今はこっちが女湯でしょ。スーテラも身体洗ってないで早く来いってのー」

 

 そして入ってきた団員を特定して、ますます出づらくなったと肩を落とす。メーテラなら笑って許してくれるかもしれないが、スーテラとアステールにバレたら一貫の終わり。団長の沽券に関わる……かは分からないが、バレないようにしたいのが本音である。

 

「アステール……あんたちょっと背伸びた?」

「はい! いっぱい美味しいものを食べさせてもらっているお陰なのです」

「確かに美味しいスイーツとか増えてるわね……団長が誰か艇に乗せたからだろうけど、全部美味しいのは困るわよね~」

 

 二人の会話を、背中合わせで座って聞くグランとエッセル。濡れた皮膚がぴったりくっつき、心音なんかも伝わってくる。当然の如くフル勃起しているが、白く濁った温泉なためにバレそうにないのだけが救いだ。

 

「姉様、こちらにも女湯と同様の効果の温泉があるみたいです」

「……ッ!!」

 

 グランがいっぱいいっぱいの中で、エッセルはこの温泉が美肌効果があり一番人気だったのを思い出す。ここで止めないとみんなが入ってきてバレるのは時間の問題。ざばっと音を鳴らしながら立ち上がり、岩の陰から出ていった。

 

「む……? エッセル殿もいらしてたのですね」

「うん。でも……今はこっちに入っちゃ駄目だよ」

「はい? ですがエッセル殿が今まさに入って……」

「私はその……調査していただけだから……」

「そうでしたか……結果はいかほどに?」

「ん……岩の後ろ辺りは虫の死骸が浮いていて駄目……熱いし……」

「なるほど……」

 

 明らかな嘘に、どう考えてもエッセルも冷静さを失っているように思える発言。真面目なスーテラも素でそれに合わせているのだから何とも言えない笑いが込み上げてくる。エッセルの言い訳は、グランに全裸を見られたかもしれないと思うと、動揺していて当然なのかもしれない。取り繕っていただけだと考えると、支離滅裂な言い訳にも納得がいくというもの。

 

 グランは一安心しつつ息を吐き出す。後でお礼をしなくてはならないなぁと、夜空を見上げる。

 

「ほんとにあんの? というかあんまり熱くなくない?」

「私にも見せてくれないか?」

「ウチに任せとき。虫の死骸なんて燃やし尽くしたるわ」

 

 が、一難去ってまた一難。メーテラにイルザにユエルと……三人が押しかけてきている間にも、寝る前の温泉を楽しみに来た面々が、すぐそこまで来てしまっている。

 

「駄目。どうしても入りたいなら……私を倒してからにして……」

「エッセルがそこまでするなんて……何があるのかしら……」

「それほどまでに危険ということかしら……」

「でも私たち全員でかかれば大丈夫じゃないの?」

 

 卓球をしていたと思われるユイシスたちもが身構え、さすがのエッセルも窮地に陥る。今まさに突撃しそうな雰囲気をグランも感じ取り、このまま彼女を困らせたくないと……名乗り出ることにした。

 

「すみません……。その……僕がいるんです……」

 

 

 

 数分後。

 

「……なるほど、男湯と女湯が変わる直前に団長が入っていたと……」

「入っていたのが我々だけで良かったですね」

「いや、あの、そうなんですけど……」

 

 眠たくなって先に部屋へと戻ったアステールを除き、全員がグランのいた温泉に集まっていた。中央の岩を背もたれにしている彼を中心に、円を作るようにして肩まで浸かっているエルーンのお姉さん陣。お湯が白く濁っていなかったらと思うと……想像したくもない。もっとも、股間のモノは勃ちっぱなしで危険は常に付きまとっているが。

 

「ヘルエスさんもイルザさんも……その……近いです……」

 

 主な原因は両脇にいる二人。先ほどからとっくりとおちょこを何度も持ち変えては口元に運び、月見酒を楽しんでいる。持ち込み可能、むしろこれがここの温泉の醍醐味らしく、何の問題もないが……肩が触れ合ってくる距離にまで接近されるのは、彼にとっての大問題である。

 

「何を仰るのですか。肩が触れ合う程度のこと、家族であれば当然のこと……ユイシス殿もそう仰っていました」

「ああ。今日は無礼講だ……団長も気楽にしてくれて構わない……」

「酔ってますよね!?」

 

 飲み過ぎではなさそうだが、いよいよ側頭部を肩に乗せられ焦るグラン。両肩に濡れた髪、側頭部が触れており、猫のようにすりすりとされては動けない。

 

「む……? もうなくなったのか……仕方ない、補充しに行くとしようか」

 

 タイミングよく飲み干してくれたのもあって、すぐに解放されたが。二人が立ち上がった瞬間に目を瞑って……完全に見えなくなるまで待ってから、開いた。

 

「近……っ!?」

 

 そして入れ替わるように左右、そして正面に接近する、フラウとユイシスとアンスリアに囲まれて、ますます身動きが取れなくなった。

 

「ねぇ団長……裸のお付き合い、楽しんでる?」

「フ、フラウ……楽しいけどそれどころじゃないというか……くすぐったいってぇ……」

 

 左腕を掴んでくるフラウに耳元で囁かれ、右へと顔を向ける。が、そっちにはユイシスがいてばっちり視線が交わった。

 

「……っ!」

「どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」

 

 自然に話しているだけなのに吐息がかかる、近すぎる距離。顔だけでなく鎖骨や首筋を見下ろし、グランは瞳を泳がせるのに耐えきれず正面を向いて……。

 

「ねぇ団長……私ともっと触れ合いましょ……?」

「ち、近いってアンスリア……!」

 

 両頬を押さえられてしまい、アンスリアと見つめ合う。今の状況はまさしく、ルナールが読ませてくれた耽美絵物語に描かれていた『ガチ恋キス距離』。メルゥとネモネによるハレマエを経験していなかったら、本当にヤバかったであろう状況だ。

 

 両手が塞がれているので彼女の弱点を突くこともできず、脚を大きく開きながら伸ばしているからか、アンスリアの膝が太ももの内側に触れてきてただただ焦り続ける。これ以上は少しでも動こうものなら、勃ちっぱなしの陰茎にぶつかる可能性がある。

 

「ふふ……このままキス……して欲しい? ……はぁん……っ!」

 

 唐突に喘ぐアンスリアに、三人の……いや、全員の視線が集まった。

 

「はいはいそこまで~、団長が困ってんじゃ~ん?」

「やっ……ちょ……メーテラ……んんっ!」

 

 そしてアンスリアの胸を背後から揉みしだく、メーテラへと移っていった。

 

「あんたたち色仕掛けだけはいっちょ前ねぇ……処女なのに」

「なっ!?」

 

 そして場の空気を一変させ、とんでもない爆弾発言に三人を固まらせた。

 

「あれ図星? そ・れ・な・ら~……団長だって生娘なんかよりも、経験豊富なお姉さんの方がイイわよねぇ……?」

「うぁっ……!」

 

 明らかにチンポを握られビクっと反応するグラン。場にいる全員が固唾を呑んで見守る中、穏やかな水面とメーテラの腕だけがもぞもぞと動く。そんな様子を見せられたら、それこそ三人は蜘蛛の子を散らすように離れていった。

 

「姉様! 姉様も団長殿を困らせて……あっ!?」

「あんたは何してんのよ……」

 

 注意しようと立ち上がったスーテラだったが、全裸だったことを思い出し、すぐに身体を反転させて肩まで浸かった。

 

「すすすすみません団長殿! その、見苦しいものをお見せしてしまって……!」

「いや見苦しいだなんてそんな……むしろありがとうって言うべきか……」

「ふーん……団長ったら、お姉さんの前で妹に色目を使っちゃうんだ~?」

「そういうわけじゃ……すみません」

 

 どうすればいいかまるで判断できないグランはあたふたしつつある。すでに四十分以上はこの膠着状態が続いている。肩まで浸かりっぱなしなのもあって、のぼせるのは時間の問題だった。

 

「そもそもアタシは助け船を出してあげただけだし……ね、団長?」

「え? あ……ありがとうございます、メーテラさん」

「どういたしましてぇん。そんじゃまぁ、あんたたちも程々にしときなさいよー」

 

 股間のモノを握られた事実はあるのだが……メーテラが背中を向けながら立ち上がったので、グランは彼女を見ないようにして見送るという手段を取る。スーテラも続いて出ていってくれたので、人も少なくなってきた。

 

「わ、私も身体を洗おうかしら……ユイシス、フラウ、行きましょ」

「え、ええ……。それでは頭、また後ほど」

「じゃあね、団長。あ、背中を流してくれてもいいからね?」

「それは遠慮しておこうかな、あはは……」

 

 先ほどまで周囲を取り囲んでいたアンスリアたちも去ってくれた。エッセルも最初から入っていたからか限界らしく、無言で出ていく。去り際にちらりと振り返ったのは、グランのことが心配だったからだろうが、彼は目を瞑って目を合わせてくれない。

 

 残りの二人は……。

 

「ユエルもソシエも、まだ出ないんだね……」

「ん? ウチはまだまだいけるで。なんなら我慢比べでもしてみぃひん?」

 

 隅っこで喋っていた二人だ。グランの近く、左右にそれぞれやって来ると、密着はしないが同じように岩を背もたれにし、腕と背を空へと向けて大きく伸ばした。今となっては腋くらいで動揺しない。

 

「ユエルは前にのぼせて倒れそうになったでしょ。ソシエが助けてくれたけど……」

「無理して倒れたのはうちの方やから……うぅ、ごめんな……」

「あ、いや、ソシエを責めるつもりは全くないから!」

 

 何より、彼女たちとは以前温泉に入ったことがある。衣服は着用していたが……お湯が濁っていて見えないのならば関係はない。

 

「うちはまだ平気……団長はんの方こそ、無理をしたらあかんよ」

「ま、倒れた時はウチらが介抱したるで。そや、今ならソシエの肌に触れ放題やで?」

「ユエルちゃん!?」

 

 唐突に話題を変えられ、もたれかかっていた岩から離れ姿勢を正すソシエ。グランは夕食前の入浴で弄られていた彼女を思い出し、肌をじっと見つめた。

 

「綺麗な背中だよ、二人とも」

「なんや急に褒めて……今は何も出せへんで?」

「そんなつもりじゃ……うひゃぁ!?」

 

 グランは脇腹を突っつかれて背筋をピンと伸ばし、ユエルから離れようとする。もっとも、逃げようとする彼の、がら空きの背中を見て悪戯しない彼女ではない。

 

「逃がさへんで~……うりうりうり!」

「あはははは! ちょ、やめ……っ! うわぁっ!?」

 

 すぐさま脇腹への追撃でグランを笑わせ、身体のバランスを崩させた。

 

「……ひゃぁ!?」

「あ」

 

 その結果、ソシエの背後からガバッと抱きつき、場を沈黙が支配する。胸に触りそうになったが気合いで腕をクロスさせ右手で左肩を、左手で右肩を、しっかりと掴んで硬直する。危うく首を絞めそうになるところだった。

 

「だ、団長はん……? ここでそないなことしたらあかんて……ひゃんっ……」

「ご、ごめん!」

 

 安心したのも束の間、彼女のうなじに息を吹きかけてしまい慌てて離れると、

 

「うひゃあ!? なんや団長、さっきと全然ちゃうやん!」

 

 背後にいたユエルにもたれかかり、柔らかい乳房を押し当てられながらさわさわと胸板をまさぐられる。

 

「僕じゃなくてユエルのせいだって……! それにあ、当たってるって……」

「そんな怒らんでもええやんか……嫌なん?」

「嫌じゃないし嬉しいけどだからこそ困るというか……」

「あー……まぁ団長も男の子やもんな……」

 

 急に彼女が塩らしい反応を見せ、グランは視線を前方のソシエの方へ向ける。恥じらいながらも目を丸くしているのは嫌な予感しかせず自分の下腹部辺りを見下ろし……。

 

「っっっ!!」

 

 ほんのちょっと、先っぽの先っぽだけ、水面から顔を出している亀頭に気がついたのだった。気まずくなった彼は二人から逃げ出すように温泉から脱出するのであった。

 

 

 

 

「つ、疲れた……もう寝よう」

 

 自業自得のラッキースケベ的アクシデントを終えたグランは、温泉に入る前よりも疲弊した身体を引きずり部屋に戻っていた。寝る場所は無難な部屋の隅っこ。少し肌寒いので毛布を被り、さっさと眠ることにした。

 

「……ん?」

「……すぅ……すぅ……」

 

 二時間くらい寝ただろうか。

 ふと目を開くと、目の前にフラウの寝顔があった。どういう決め方をしたのかまでは知らないが、結局彼女が隣で寝ることになっていたらしい。

 

(綺麗だな……)

 

 見惚れるほど美しい寝顔を、グランはつい眺めてしまう。嫉妬や迫害を受ける気持ちも分かってしまう美貌。抱きついたい気持ちもあるが、幸いにも睡眠欲が勝っている。

 

「……ん!?」

 

 そんなうとうとしている彼の眠気を覚ます、背後からの抱きつきがあった。部屋の隅っこで寝ているのだから、背後には誰も寝ていないはずなのに。しかし可能性としてはよっぽど寝相が悪い誰かがいるのだろうと、恐る恐る振り返り……。

 

(メーテラさん! 何してるんですか!)

 

 正体を知った。何となく想像はついていたが、本当にやっているとは思わなかっただけだ。小声で話しかけると彼女は胸板をまさぐり始める。

 

(眠れないし団長を抱き枕にでもしちゃおうかな~って……ダメ?)

(僕を抱き枕扱いしないで欲しいんですけど……早く自分の布団に戻ってください!)

(えー?)

(……っ……!?)

 

 ユカタヴィラをズラすなり、慣れた手つきでパンツの中に右手を突っ込んでくるメーテラに、グランは抵抗せず声を押し殺した。細い指がぐにぐにと……屹立した陰茎を弄くり回す。しんと静まり返る部屋では、パンツの中をごそごそ動かす音でも響き緊張感が感度を高めていく。

 

(メーテラ、さん……バ、バレちゃいますって……!)

(誰にバレちゃうの?)

(みんなに……え?)

 

 案の定、目の前にいたフラウがぱっちり目を開けて、グランのだらしない顔を見つめていた。

 

(フラウ!? こ、これは……ぁ……)

 

 ただでさえ近い位置にいた彼女は素早く懐に潜り込むと、彼のユカタヴィラをはだけさせて胸板に頬擦りし始める。

 

(ふふっ、毎日鍛えてるだけあって硬いね……。いい匂いで好きだなぁ……すんすん……舐めてもいい?)

(ええっ!? いやまぁ、ちょっとくらいなら……うぁ……)

(れーろ……)

 

 鎖骨に舌をべっとりと押し当て、音を鳴らさないようゆっくり這わせる。生ぬるい舌と鼻息でゾクゾクさせられ、彼の陰茎はビキビキと硬さを増していく。メーテラに握られているのでこちらもバレバレだ。

 

(ガッチガチじゃ~ん……)

(シゴかれたらそうなりますから……ひぅ……!)

(れぇろ……ふふ、ありがと団長……お礼に……えいっ♥️)

(ちょ……!?)

 

 グランはユカタヴィラの帯を外されほぼ全裸にさせられ、仰向けに寝かされてしまう。あまりにも手際よく脱がされたせいで、予め二人が計画的な淫行に及んだのかと勘違いしてしまっている。そしてすでに太ももはがっちり押さえられてしまい、チンポにすりすりと頬擦りされてしまっている。

 

(……んん……♥️ ……はぁむ……♥️ ぐ……ぷぷ……ぅ……♥️ ……んふっ……♥️)

(どっちが咥えてるでしょーか?♥️)

(声で分かるよ……フラウに決まって……うぁ……)

(……れろ……れろ……♥️ ……ん……っ……♥️ ……ん……っ……♥️ ……んっ……♥️ ……ぢゅる……♥️ ……ぢゅ……ぽぉ……♥️ ……ぢゅず……♥️ ……っ……♥️ …………♥️ ……んふぅ……♥️)

 

 お馬鹿な問答を繰り返している間にも、フラウは根本まで咥え込んでいるチンポに唾液をたっぷり馴染ませ顔を動かし続ける。頭を掴んで止めさせようとしてくる一方で、彼の優しさゆえに無理やり止めることができず、耳を撫で回すだけだ。

 

(れぇろ……れぇろ……)

 

 器用にカリを舐め回すと亀頭が膨張し、鈴口から我慢汁が止めどなく溢れ出てくる。どうやら上の口ではメーテラとキスをしているらしい。フラウは自分の口をモノのように使われている感覚に興奮しながら、オスの味を舌の上で味わい続ける。

 

 間違いなく一番疲労しているであろう彼の疲れマラは容易にフラウの喉奥を刺激し、根本まで咥えようと頑張る彼女の口元を筒のように歪めさせる。

 

(うぶ……♥️ すっごい大きさ……♥️ もうイきそうなんだ……♥️ それじゃあ私も……んんぅ……♥️)

 

 メーテラとのベロキスで脳味噌がほぐされ一際大きくなった、チンポの裏スジにぴったり舌を這わせずるずると引き抜いていくと……。

 

「んぶっ♥️」

 

 びゅるるるるるっ♥️♥️♥️ ドクッ……♥️ ドクッ……♥️ 

 

 グランの耳には激しくなる心臓の鼓動と精液が管を駆け抜ける音しか聞こえなくなり、フラウの声が漏れているにも関わらず大量のザーメンを噴射していく。

 

(んく……んく……♥️)

 

 ゼリーのようにぷるぷるした塊を飲み込むと、チンポは半分以下のサイズになり口腔が広がっていく。

 

(んじゃあ交代しよっか♥️)

(そうねぇ……他のみんなも起きちゃったみたいだし……♥️)

(……へ?)

 

 グランが吐息を荒くし余韻に浸っていると、自分の顔を覗き込んでいる発情メスエルーンたちと目が合う。

 

(いやいやいや、アステールが起きちゃいま……)

(耳栓をしてあげたし、大丈夫よ)

(だからって……うわぁあああ!?)

 

 疲れて性欲が溜まるのは男に限ったことではない。旅行が終わり迎えに来たグランサイファーに乗る頃には、すっきりした表情と肌が艶々した女性陣が、そして来た時よりもげっそりしてやつれた彼の姿があったとのことである。

 

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