佳代の息子、六三四は大学生になっていた、夢は教師になり、子供たちに学問と剣道を教える事である。
しかし試練が訪れた、幼なじみで相思相愛の恋人、轟嵐子(とどろき らんこ)が交通事故で死んでしまったのだ。六三四は自暴自棄のようになり、うつ状態になってしまっていた……
気力の無くなった六三四は、ぼろアパートの自宅で昼間から汚れた布団に仰向けに寝て、死んだような目で天井を見ていた。
チャイムが鳴る、しばらく居留守を決め込む六三四だがチャイムは鳴り止まない。無い気力を振り絞りドアを開けると、小太りの中年の男がそこにいた。
「何かようですか……」
消え入るような声で問う六三四に男はニマッと笑みを浮かべ。
「あなたのお母様が大変な事になっています」
と答えた。
黒崎は豆田の父親の使いで来たのだ、八重樫の家族を地獄へ堕とすために。
布団に座る六三四に畳に座る黒崎が話し掛けている。佳代が多額の借金を背負っていること、夫の幹夫には絶対に知られたくないので体で返済すると言っていること(これは完全なウソであるが)、などを告げる。
そして、佳代にそのような事をさせたくないのであれば、君が代わりに体を張りなさいと言うのだ。六三四は佳代の幸福を願う親孝行者である。
普段の六三四であれば黒崎の事を鵜呑みにせず、まず、佳代に話を聞くなり幹夫に相談するなりしたであろう。
仮に黒崎の言っていることが真実だとしても、自分が代わりに体を張るなどとは死んでもしないし、そもそも佳代の性格なら黒崎の言ってる事はあり得ないと一蹴していただろう。
しかしながら今の六三四は精神を病んでいた、迷いに迷ったあげく、顔からポタポタと汗を垂らして
「俺が母の代わりになります、だから母には指1本触れないで下さい」
と、答えてしまったのだ。
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六三四のぼろアパートは男臭に包まれていた、剣道をサボっているとはいえ逞しい六三四の体。その若い裸体に群がる男たち。
臭い唾液を口内に注がれる、耳穴に指を突っ込まれる、鍛えられた胸を擦られ小さな乳首を摘ままれる。
何人もの男たちに、生まれて初めての事をされて六三四は戸惑う、しかし、それと同時に、くすぐったいような、何とも言えぬ電流が体を走る。
「うっ!」
思わず声が漏れてしまう、そして六三四の股間の物がムックリと反り返る、鍛えられた体と同じく、六三四のそれはとても立派な物であった。
男はそれをむんずと掴み、慣れた手付きで上下に動かす、そしてぱくっと口に含んだ。
「チュパッ、チュパッ」
熟練の口さばき、六三四は予想外の出来事に動揺するが、腰が勝手に動いてしまう。チュパッ、チュパッとされるウチに限界が近付く、それを察した男は六三四の竹刀のようなそれを口から吐き出す、そう簡単には逝かせるつもりはない。
獣のように四つんばいにされた六三四、お尻の穴が丸見えである、数々の剣道の修羅場をくぐり抜けてた六三四、その剣豪の穴は固く引き締まっていて、何者をも入れさせない、そんな意志すら感じさせる穴である、男はそんな六三四の穴を愛おしむように優しく揉みほぐす。
「なっ!? 何をする、汚い!」
そんなところを触られる恥ずかしさと、この後に及んでも相手に汚い思いをさせたくないという、六三四の気づかい、しかし、男は構わずお尻の穴を揉み続けた。
少しずつ、少しずつほぐれてくる六三四の穴、それは今まで築き上げてきた六三四という男の人格が変わってしまう予兆のようであった。
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「八重樫先生、少し話しがあるのですが……」
佳代は稽古のあと、いつものように講評をする、そして更衣室に行こうとすると豆田に呼び止められた。
「何かしら? 豆田くん」
「親父が話しがあるらしいんです、今日家に来て欲しいと言ってました」
「えっ!? ま、豆田くんのお父さんが……そんな急に言われても、先生はこれから色々と……」
動揺し、言い訳をする佳代、41才の大人が中学生に見せるような態度ではない、しかしそれほど動揺しているという事だ。
「とにかく家に来て下さい、伝えましたからね」
豆田はそう言うとスタスタと去って行った。
(仕方がないわね……)
佳代は幹夫に対する言い訳を考えていた。
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この時代はまだ携帯電話などは普及していない、豆田の家まで行く途中、公衆電話から幹夫に今日は生徒の家に寄ってから帰るので遅くなると連絡した。
豆田の担任でもある佳代は理由を作るのはさほど苦労はしなかった、成績や授業態度などいくらでもあるのだ。幹夫もまた、同じ学校で教師として働いているので、快く理解してくれた。
豆田の表札の前に立つ、気が重く憂鬱であるが仕方がない、どうせ借金の事であろうと思う、しかし、金を返しきれてない自分が悪いのだ。
意を決してインターホンのボタンを押した。