※この作品はR-18です。

ゾンビが蔓延る世界になったので旅をしながら可愛いゾンビっ娘とエッチしたいと思います。   作:EMO

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二十二話

 ****side土方****

 

「ゾンビ殲滅作戦は予定通り実行する。

 しかし、市内に生き残りがいる可能性が出て来たので小隊を編成し生き残りを探す」

 今回の作戦は主要道路を含めてゾンビを外に出さない様にしていた自衛隊が徐々に包囲を狭めて市内の中心部にゾンビを集めてから中には一気に砲撃と火炎放射器で殲滅する予定だ。

 

 これはこの米子市という特殊な地形があってこそ成り立つ作戦であった。

 

 会議を解散してから、

「どうだった?」

 土方が若い女性士官に尋ねる。

「はっ!

 ゾンビ達に襲われていた女性を助けた後に商業ビルに入るまでは確認しました。

 中で何が行われていたかは分かりませんが新たな衣類を身に付けた女性を連れて出て来た事から女性に衣服を見繕っていたと思われます」

「そうか……まだ判断は付かないか……。

 引き続き監視を頼む」

「はっ!」

 敬礼した女性士官が退室すると深々と椅子に座り直し、

「彼は人類の救世主なのか敵なのか……」

 土方の手元にはゾンビから復活した人間が発見されていると書かれた報告書とジロウが旅してきたと言う道程を記した地図があった。

 

 

 ****sideジロウ****

 

「なあ、明日にでもココを出ていかないか」

「ええ、いいわよ。

 そろそろ言い出すと思っていた頃よ」

 ジロウはこの駐屯地での安定した生活が気に入っていたが、何か分からないが不安を感じていた。

 自衛隊の人は優しく避難民も笑顔で相手をしてくれ、農作業も充実している。

 

 だが、何かが違う。何かは分からない、だから一旦この場所から離れてみようと思った。

 

「明後日はゾンビの殲滅作戦の日だろ、自衛隊のみんなも忙しいだろうから明日の方がいいと思うんだ」

「じゃあ早速荷造りしちゃいましょう。

 保存食は幾らかは作ってあるからタッパーに入れて……と……」

 サヤカが忙しそうに動き始めた。

 

「俺は土方さんに挨拶してくる」

「ええ、行ってらっしゃい」

 ・

 ・

 ・

「そうか……えらい急だな……」

「はい、思いついたら直ぐに行動するタチなもので」

「まあいい、気を付けてな。

 君が助けた女性には挨拶するか?

 一応検査入院して貰っているが、直ぐに会えるぞ」

「いいえ、俺は只の通りすがりでしか無いですから」

「分かった。

 彼女には俺から伝える。

 出立は明日朝なんだな?

 何か必要な物があれば遠慮なく言ってくれ、出来る限り協力しよう」

「ありがとうございます」

 ・

 ・

 ・

 翌日、土方さんや避難民のみなさんに見送られて駐屯地を出た。

 ここから西に向かい九州に入るつもりだ。

 ・

 ・

 ・

 ・

 ****side土方****

「これよりゾンビ殲滅作戦に入る」

「「「「「はっ!」」」」」

 

 各部隊がそれぞれの持ち場につき、合図と共にゾンビの集団に向けて銃弾を浴びせ倒れたゾンビに火炎放射器で焼いていった。

 のそのそと歩き回るゾンビ達は只の的でしかなく、集団のゾンビも囲い一気に火炎放射器で焼いたりもした。

 

 そんな中、焼け爛れたゾンビが一体自衛官に向かって行った。

 慌てて応戦する自衛官たちだが何かがおかしい……銃弾を浴びても倒れない。

 

 目の前に迫ったゾンビに向け必死に銃弾を浴びせてやっと倒れた。

 すると、その銃弾だらけのゾンビの腹が裂けて中から子供位の大きさの緑色の肌をした何かが這いずり出てきてすぐに息絶えた。

 

 自衛官たちは何が起きたか分からずに呆けていると、

「ギャーッ」

 散開していた仲間か悲鳴を上げた。

 

 周りを見れば焼け爛れたゾンビ達の山の中から緑色の子供が……いや小鬼が湧き出している。

 

「ま、まさかゴブリン……」

「お前、あれが何か分かるのか?」

「い、いえ……ですが、ファンタジー小説によく出るゴブリンにそっくりだと……」

 そう、ゴブリンにそっくりだった。

 体長一メートルにも満たない身長だが、手足が異常に長く頭には髪の毛が無くとんがった耳に突き出た口には牙があり、その全身がドス黒い緑色をした不気味な怪物だ。

 

 それがゾンビの腹を破り湧き出ている……まるで卵から孵るように。

 

 もちろん全てのゾンビから湧き出ている訳では無いがそれでもかなりの数のゴブリンが現れた。

 それらが一斉に飛び掛かってきた。

 

 そのゴブリン達はゾンビとは違い素早く中々銃弾が当たらない。

 火炎放射器の炎も簡単に避けられる。

 

 飛び掛かってきたゴブリンは鋭い爪を首筋に差し込み喉を裂く。又は目を狙いゴーグルに阻まれた爪が耳を削ぎ落とす。

 

 ある隊員はゴブリンに取り囲まれ嬲り殺しにされ、女性隊員は服を破かれ裸にされその場でゴブリン達に犯されていた。

 

 数万を数えたゾンビから産まれたゴブリンは数千を数えそれぞれが自衛隊員を襲い、女性は犯されていった。

 ・

 ・

 ・

 その光景を土方は唖然としなごら見ていた。

 いや、体験していた。

 目の前には緑色の小鬼がウヨウヨ湧いて出てきた。

 焼き殺した筈のゾンビから産まれてきた……腹を裂きながらゾンビの中から出てきたのだ。

 

 土方はずっと不思議に思っていた。

 ゾンビの存在意義はなんなのかと。

 人にあらず死人でも無くただたんに彷徨う死体……人を襲い仲間にしたり喰べたりするがそれ以外はフラフラしているだけ。

 

 病原体の様に仲間を増やして、その先は何があるのかと考えたりしたが分からない事だらけだった。

 

 しかし、今現在目の前で展開されている異常事態を見たらなんとなく理解出来たような気がする。

 

 ゾンビとは繭だったのだ。

 人間を進化か退化かは分からないが人非るモノに変える為の入れ物なのだ。

 だからフラフラしながら仲間を作っていった。

 そして、人類が居なくなっても全く構わないんだ。

 緑色の小鬼が人間の代わりになるのだから遠慮なく人類を滅ぼそうとする。

 

 ならば、あれか……ジロウが言っていた共喰いしていたゾンビがこの緑色の小鬼出現の引き金になっている可能性もあるな。

 

 今までの報告書には共喰いの目撃例はなかった。

 数万体のゾンビを閉じ込めたから起こった現象かもしれない。

 

 しかし、この小鬼達は人間の汚い欲望の塊の様な奴らだ。

 人を殺すのに躊躇なく喜びながら首筋を掻き切り女を犯す。

 胸糞悪い連中だ。

 

「土方 十三(ひじかた じゅうぞう)推して参る」

 愛刀を構え女性隊員を犯そうとしているゴブリンの首を一振りで落としかえす刀で背後にいるゴブリンの胴をなぎ真っ二つにした。

 

 それを見たゴブリン達は土方を強敵と認識し、ジリジリと土方一人を包囲し……。

 ・

 ・

 ・

 この日、米子駐屯地の普通科連隊は全滅した。

 

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