キャプチャー・アプリ 作:Mr.ハナニラ
EX-1
「あんっ、やっぱりぃ、すごぉい…!」
後ろから突かれた簪が嬉しそうな声を出す。
久しぶりの逢瀬だ。ただ2人きりの交じり合いは自然と熱が入って盛り上がる。
俺は何発目かの射精をナカで解き放ち、付けたゴムをパンパンに膨らませて引き抜く。
簪は息を整えながらそれを優しい手付きで外すと、未だ量のあるゴムに口を付けて舌の上へ垂らし落とす。
そして、精液を何度も味わうように咀嚼するとゴクンと音を立てて飲み込んだ。
「ん…やっぱり濃くて、喉に絡むね」
「無理して飲まなくてもいいんだぞ?」
「ううん、私がやりたいの…ダメ?」
上目遣いで問いかけてくる簪。もちろん、俺の答えは言うまでもなくYESだ。数えきれないくらいに吸い付いた彼女の唇にキスをして、ゆっくりと抱き締める。
「やっぱり最高だな、簪は」
「え?い、いきなり何の話?」
「レア度なんかじゃなくて、簪が1番だってことさ」
それを聞いた簪は嬉しそうに微笑んで、行為中でもないのに俺の身体に手を回す。
彼女は控えめで大人しい性格で、こんなにストレートな愛情表現をして来ることは中々に珍しい。そこまで1番と言われたのが嬉しかったのだろうか。
よく分からないが、悪いことではあるまい。俺は抱き締める力を強くして、暫くの間は行為をせずに彼女と熱を感じ合った。
それから数分後、俺は簪の唇に何度かキスをすると一緒に身を清めて街へ繰り出した。
幸い、ここら辺はIS学園の生徒が来るような距離ではないため腕を組んでデートをしたって不釣り合いなカップルとしか思われない。
俺は周りから放たれる嫉妬の視線を躱しつつ、腕を強く抱いて鼻歌を歌う簪を微笑ましく見た。
「ーーっ!?」
その時、冷たい視線に背筋がゾクリと震えた。
思わず辺りを見渡すが、人混みに居るためか悪寒が走った要因は分からない。
「どうしたの?」
「いや、なんか視線を感じてさ」
「視線って、私は何も感じないよ?」
冷や汗をかく俺の顔を訝しむように見上げて、簪は言った。
俺はもう1度周囲を見遣るがやはり何も捉えることはなく、勘違いだろうと判断してその場を去った。
「あの男、一体何者なの?」
近くの路地に潜んだその存在に気付くこと無く。
「遅いな……やっぱり俺も行った方が良かったか?」
ファストフード店の中で俺は飲み物をストローで啜りつつ、小さく呟いた。
先程まで俺たちはここで少し遅めの昼食を取っていたのだが、簪が店前の広場で特撮ヒーローのイベントをやっているのを見つけ、まだ食べ終わっていなかった俺は行きたそうにしていた彼女に広場へ行くように言った。
そして彼女は申し訳なさそうに、けれども少しワクワクした様子ですぐに帰ってくると行っていたのだが、あれから15分。イベントが終わっても帰ってくる様子がない。
まぁ好きな物には夢中になってしまうものだ。
俺は苦笑しながら飲み終わったジュースをゴミ箱に入れて、簪を探しに行こうと腰を上げる。
「もし、そこのお方?」
そして、声をかけられた。
「少し、お話しをしませんか?」
声の方に視線を向ければ、簪と良く似た髪色の少女が扇子を片手にそこに立っていた。しかも、身に纏っているのは見慣れたIS学園の制服で簪の関係者であることは容易く察せられた。
「何か御用ですか?」
「えぇ、簪ちゃん…私の妹について」
そう言って、彼女は睨み付けるように俺の顔を見据えた。その視線から感じられる冷たさは、先程の悪寒と同じ。
見られていたのか。俺は胸中で盛大な舌打ちをすると、上げかけていた腰を下ろして椅子に座った。
「こっちの席にどうぞ」
「あら、どうも」
扇子で口元を隠し、彼女は俺と向かい合うようにして座る。しかし、その視線は1秒たりとも俺から離れることは無い。
「それで、簪さんのお話しと言うことですが。一体どんなご用件でしょうか?」
「そんなかしこまらないでください。私はただ、妹が悪い男に引っかかっていないかを確認しに来ただけですもの」
口元を隠したまま、サドスティックに笑う彼女。
だが、その目は全く笑っておらず俺の背中を冷や汗が伝う。
「悪い男だなんてそんな。私はそんな人間ではありませんし、第1それを判断するのは貴方ではありませんよ?」
「えぇ、誰と付き合うかは人の自由。けれど、その相手を見極めるくらいは家族がしても良いと思いませんか?」
「いいえ、全く。余計なお世話だと思いますね」
ここで気圧されれば呑まれる。そう直感した俺はあえて強い言葉を使い、自分を奮い立たせた。
隙を見せれば、間違いなくこの少女はそこから切り崩して俺の弱みの1つや2つ。簡単に引っ張り出して来るだろう。
この楽園のような生活はキャプチャー・アプリあってのものだ。基本的にこれは男には使えないのだから、簡単に俺は捕まってアプリはもう使えなくなるだろう。それだけは嫌だった。
俺は机の下でこっそりスマホを操作した。
そして、あたかも通話が来たかのように音を鳴らすとスマホを取り出す動作をして見せる。
「すみません、ちょっと失礼しますね」
「大丈夫ですよ」
そして、席を立って通話に出るフリをしてキャプチャー・アプリを起動。外に出るために通る曲がり角で、カメラに収めた少女に向かって鎖を放った。
『モンスターを捕獲しました』
その画面を見た瞬間、俺は勝利を確信した。
キャラクターの行為中のセリフに❤︎は必要ですか?
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いる
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いらない