吸血鬼は淫魔の夢を見るか? 作:マスター冬雪(ぬんぬん)※休止中
ショタ/攻めフェラ/強姦→和姦?
完結と同時に改稿。
第1話★(改)
気が付いたら真っ白い部屋に居た。
扉と、戸棚と、部屋の中央には大の大人が飛び跳ねられそうなくらいに広いベッド。内装は四角く簡素である程度広く、正しく寝るだけの部屋と言っていい程に出ている物は少ない。寝るだけの部屋……或いは。
ぼんやりと夢心地な頭を振り、現実逃避もそこそこに目の前を直視した。
「ぁ、う……は、ン……っ、ぅ、」
金髪に、意志の強そうな太い眉。鋭い目尻。ぷくりとした果実のような唇。その身体は元が白いのだろう、今は汗に濡れながら赤く染ってしまっていて。
苦しそうに身悶えするその美しい少年は一糸まとっておらず、擦り合わされたスラリと伸びる白い脚からは少年らしい“ソレ”の先が涙を零しながら覗いて─────
プロジェクターか何かで壁に投影された文字にはこうある。
【SEXしないと出られない部屋︰0】
ご丁寧に英訳まで書かれておりまして。
……そういうのが許されるのは創作物だけだろう。
記憶を辿るに、今日も平々凡々な1日であった筈だ。
早朝に出勤し。晩まで仕事して。無能上司の尻拭いの為に金にならない残業をし。クタクタになりながらコンビニ飯をカッ食らってベッドに倒れ込んで。
……これは夢か?なら間違いなく悪夢だろう。
夢は己の願望が表に出ると言うが、これが己の本性だとでもいうのか。覚えがあり過ぎて疑い切れないのが辛いところだ。過去がこんなにも俺を責め立てる。
しかも、なんだ?この文の最後の0とは。まさか回数制か?ノルマが目に見えないとか、この部屋の主はアホなのか。もっとマシな頭を持って生まれ直してはくれないだろうか。夢の中という事は俺の願望か。俺が生まれ直すべきか。
一般論的に言えば不思議な色気はあれどこんな子供を犯せとかちょっと倫理観に欠けていやしないだろうか。マア、それが俺の本性と言われればぐうの音も出ないが。人間刺激と暗示がありゃ勃つだろう。……普通勃たない?そう……他人の都合は知らないなァ。
懐かしいくらいの性の匂い。
潜められた甘美な嬌声。
「……」
……これは……つまるところ据え膳ッて事だよな……?
恐らく媚薬を盛られているだろう少年は耐えられず自身を慰め始めていた。ぐちぐちとその手からは生々しい水音が漏れ出し、淫靡な喘ぎと共に譫言には罵倒が混じる。
見た目通り、外国人なのだろう。少し古めの訛りが聞こえて何処の方だったかと頭を回すが思い出せない。彼処は此方には気付いていないようだが……時間の問題だろう。
───……明日も仕事だというのに……───
自分は何を見せられているのか。頭痛がする。身体が怠くぼんやりしている。
ふつふつと沸く理不尽な怒りが舌打ちとなって口から溢れ、それを聞き取ったらしい少年がバッ!と俺を見て硬直した。
「!?What、who's……a……whoa、……pervert?!」
「“誰が変態だ。こっちに気付かずナニおっぱじめやがって……”」
「“なっ……僕は好きでこんな事してる訳じゃ……っ”」
切れ切れに誘拐犯扱いされ、こんな悪趣味な事をするなんてと怒りと屈辱に震えている子供には俺も怒りを通り越して呆れるしか無かったが。こちらも被害者だと告げたが信じちゃいないだろう。
扉は蹴りつけてもビクともしない。……ここで少年が身体を震わせた。
戸棚にはズラりと並べ立てられたアダルトグッズ。……脱出に使えそうなものは無い。
ビンテージかアンティークもののようなプロジェクターは何故か操作する為のレバーもボタンも固定されたかのように動かない。飾りか。
「こちとら疲れてんだから大人しく寝かせろよ……」
がしがしと頭を掻き毟り、とっとと終わらせようとベッドに乗り上げてネクタイを解く。
手立てが無ければ指示に従う他あるまい。それが仕立人の意図通りであろうが、このまま何もせず留まって出られる確証はなく、……まアそれを言うなら彼を犯して外に出られるという確証もない事だが。ただ、早く外に出なければと。
「“な、なん……?!や、めろ、まさか……!あの壁の文字が事実だとは限らないじゃあないかっ!や、やだ、来るな……!”」
「あー……“ま、犬に噛まれたと思って諦めな、少年”」
……今思えば、あまりの疲労で思考が麻痺していたのだろう。
犯しゃあ終わる。終わらなければなんか別の手立てを考える。少年が何を思おうが関係はなかった。所詮は夢の住人だろう?彼も媚薬かドラッグか知らんが、その効果が解消されるか気絶によって解放されるなら願ったりだろう?自慰の手伝いッてな訳だ。
あと単純に背後で泣きながら喘がれているのが思考の邪魔。
……俺は“あの頃”とひとつも変わっちゃあいない。変わる必要性も見出せなかったから、俺は“あの頃”からずっと、停滞を選んでいる。
「さ、触るなッ!来るな、寄るなァ……っ!」
ぎしりとベッドに乗り上げて髪を掻き上げる。厚いレンズの伊達眼鏡を外して放り投げ、シャツの襟を緩める。
「怖いの?」
「ッだ、誰が……ッ!」
「経験は?今から俺が何をしようとしているか……わかってる?」
「ッ……」
嗚呼、理解っているのか。
彼の纏う空気というか、言葉や仕草とまだ日の経たない身体の傷から何というか、少年の生きる背景が見られる気がして、何だか面倒臭いしやっぱり頭痛がしたので思考を敢えて止める。
……というか俺、今勃つのか?疲労がピークにあると勝手に勃つか全く勃たないかだが。
いやそも、セックスの定義だが。挿入れないと駄目なんだろうか。俺にもほんの少しでも彼に対する同情とか罪悪感がない訳でもない。
……まアいいや。取り敢えず1個ずつやっていけば。
「経験があるなら早目に割り切っちまえよ。ガールフレンドか、気になる誰かを思って目ェ瞑ってな」
ペッティングとオーラルセックスで駄目なら挿入れるか。
抵抗されて力の抜けた拳が当たるが、その手を逆に拘束してベッドに押し付ける。そのまま膝を割るように身体を入れ、気怠げに彼を見下ろす。
「ひっ……」
「そう怯えてくれるなよ。気持ち良くなってりゃあ直ぐ終わる」
あー、煙草吸いてェ。
「ぁっ、う……ひゃ、め……んぁっ……!」
跳ねるその肢体を宥めるように触れながら様子を窺う。
セックスに必要なのは技術ではなく、反応を見る観察眼だと思っている。
少年を見るに、初めは恐怖、次に戸惑い、そしてまた恐怖を抱いている。
その身体は明らかに他者によるものであろうという傷が多い。恐らく虐待か、それに近しい何かを受けている。恐らく性的にも。
なら初めの恐怖は手荒な性的暴行を予想した反射、自己防衛と考えるべき。
だが俺の触れる手が思いの外優しげであったから戸惑ったのだ。拘束も早々に解いた為に、今彼の腕は所なさげに俺のシャツを握っている。
身体が媚薬の効果以上に反応を始めて、今は触れていない筈の性器から今にも精液を溢れさせかねないという状況に恐怖している。例え薬が盛られていたとしても、それは快楽に屈したという事の証左だから。
解放されたくて、けれど屈したくはない。それが拒絶となって表れている。
「や、らっ!やめ、ァはっ……ぃ、うゥ……!」
「イキたい?」
「っ!!だ、れがぁ……っ!あ、は、ァァ、!なん、でっ、からだ、触られてるだけ、なのにっ!」
「気持ちいいんだ」
「っっ、く、すり、の……せい、だ……!」
「そっか。じゃあ別に気持ち良くなってもおかしくないね」
髪に指を通し、頭皮からゆっくりと撫ぜる。
「ぁ、う……」
「辛いだろ?先にイっておこうぜ、な?」
「ひゃ、らぁ……!いや、ら、さわるなぁッ!ゃ、やだァっ……あ、ァ、あァーー……ッッ!!」
突如びくん!と身体を跳ねさせた少年は断続的に痙攣して、身体を弛緩させた。
「……あーあ、触らないで射精しちゃった」
「う、るさいっ!」
幼いながらも迫力のある目力にやんわりと嗜虐心が刺激される。目を下に下ろせば未だ少年のペニスは力を失ってはいなくて、どうやら媚薬の効果は継続中のようだ。随分強力なの盛られたな……3度達してこれか。しんどいだろうなァ、なんて他人事である。
「ぁ、ウ……もういやだ、!なんで、なんでぼくが、」
「……」
……めんどくさ。
誰にするでもないが弁明させて欲しい。俺はこの2、3ヶ月睡眠時間が毎日2時間あるかないか位の瀬戸際なのだ。漸く明日の午後から半休を頂けた頃合なので、万一にも朝起きられませんでした、では話にならない。早く終わらせたい一心なのだ。口に出してないのでノーカンで。
ちらりと映し出されたプロジェクターに目を移すが、やはりペッティング程度では反応はないらしい。
溜息を押し殺して、彼の顬と、額と、鼻先に唇を落とす。
「落ち着けよ。全部薬の所為だ、そうだろ?」
何もおかしい事はないさ、と。いや、何もかもおかしいんだが。こういうのは思い込みとかで何とか。
子供にしては頑なで、さぞ凄惨なトラウマがあるのだろうと察して余りあるが。
玉のような汗が身体から流れ落ちて、白人特有の白い肌が真っ赤に染まって、耐え難いくらいのもどかしさと快感に振り回されて尚。
「全部忘れちまえ」
首筋、鎖骨、薄い胸に傷の残る腹。順にリップ音を立てながらキスを落として、その肢体が跳ねるのをじっと見つめる。
はあはあと息を荒らげて、その様子を視線で追いかけていた彼は、膝を広げ、その白い内腿に唇を寄せた事で信じられないと見開く事になる。
「お、まえ……ッ」
「苦……そりゃあそうか、幼くとも精液は精液だもんなァ」
カッと耳が染る。まだ赤くなれるのか。何だか面白くなってきたな?
「や、めろ、そんなところ、ッ」
「うん?知らない?フェラチオ……そォか……まア、頑張れ」
まだ力を失わない幼いそれに舌を伸ばして、根元から先までひと息に舐め上げる。
「ひぃああ……ッッ?!」
びくんと直接的な快感に少年の腰が浮く。
閉じそうになる身体を無理矢理開かせて、ちぅちぅと未成熟な陰茎に唇を落としていく。
「は、アッ、あ、ゃ、やぁぁ……ッ!」
「はァ……ちゅぅ、」
「ッや、やだっ!跡付けるな、」
「甘噛みで付くかよ」
キュンキュンと迫り上がってきている陰嚢に舌を這わせて会陰を舌で押し上げれば、彼は一際強く嬌声を上げる。ウーン、才能を感じる。
そのまま口を開けて、彼の股に顔を埋めた。
「なっ、は……ァ゙あっ?!や、め、やめてぇっ……!た、べないで、」
空気を含ませるようにかぽかぽと音を立てながら、また映写機の方を見る。……カウントは無い。ドアが開いてもいない。最悪だ。マジで?経験はあるようだがほぼほぼ処女とセックスするの?準備は出来てそうなのがチョット嫌。
根元を指でちゅこちゅこ扱きながら、口を窄めて顔を動かす。
それにしても、彼が子供で良かったというか。何処とは言わないが小さくて。
「ひゃぁあっ?!ぁ゙、あ、や、出る、出ちゃうから゙ァッ!離せ、離して、もうやだァ……っ!!」
「らひていいろ」
「んぐっ!?ふぅ、ふぅ、や、だ、ッあ、ぁ、あ゙……ッ!!」
口を離したと同時に、随分薄くなった白い淫液が顔に散った。
「ン……これでも駄目みたいだな」
「はあ、はあ……、ぁ、え……?」
「本当に残念な事だが、まだ終われんらしい」
「ッ……!」
舌打ちしそうになって直ぐに喉の奥に飲み下す。やはり最後までやれという事だろう。ンなもんさせて誰が得するというのだろうか。夢の癖に、勝手がよくないな。どうせなら思うようになってはくれないか。
イヤに鮮明な夢の中。
匂い。音。味。感触。
顔を拭う。
荒れた内心を悟られる事のないよう、柔く目尻に唇を落とし、滑らかな太腿を掠める程度に指先で触れた。強張りが解け出していく。
「良い子だ」
「ッ!!……うるさい。もう、さっさと終わらせろ……っ」
良い傾向だ。嘔吐するくらい嫌な訳じゃなくて本当に良かった。寧ろ無理矢理にしろ何にしろ慣れてるなら要らぬ手間を掛けなくて良い。素人もいいところだろうが欲は言うまい。
大人しくしておけばいいのだというように、慣れたように身体から力を抜いて目を瞑った少年の額にキスを落として、横腹あたりに手の平を乗せ、するりと撫ぜた。
性を匂わせる露骨な感触に身を強ばらせるも抵抗はない。
……よし、早く終わらせよう。前戯にしては冗長過ぎた。正直眠気でしんどい。
こんな精神的に疲れの取れなさそうな夢から醒めて、泥のように眠りたいのだ。
─────と、まあ。
この少年にとって俺は“怖い大人”、なのだろうけど。もしくはそういう“設定”なのだろうけど。
見た事も会った事もない、次に会うかも分からない(暫定)夢の中の住人に配慮なんてものは欠片程も無く。なのに真綿に包むように優しくしてやるのは、泣き叫ばれても萎えるからという至極爛れて冷えた理由で。……だってスるのなら、お互いタノシくてキモチイイ方が良い。と、そう思う訳だ。
相手は未成年極まりない子供だが人間穴がありゃできない事ァないんだよなァ。因みに俺は初めに犯された時はしこたま嘔吐したものだがね。
浅く上下する華奢で薄い胸。心臓の真上に手を置いて、見下ろさぬようにしながら、そっと耳に囁いて許しを乞う。
「触れてもいいかな」
「……」
緊張したようにおずおずと頷いた少年にそっと口付ける。
それじゃあまあ、遠慮無く。
サイドテーブルにあった潤滑油を手に取り、散々吐き出した少年の未成熟な陰茎に柔く触れる。
「ン……ひ……っ、」
こめかみにキスを落としながら、ただ少年に尽くすように。
同時に準備も進めていく。なるべく刺激にならないよう、ゆっくりと焦らず。幸い前の刺激に翻弄されているようで、ちらりと此方を見たきり、声を殺すのに必死になっているらしい。
「んん……ふうっ、ァ……」
「んー……こういう風にされるの初めて?」
随分劣悪な所で育ったんだなあだなんて、酷く他人事のように思いつつ。
くすんだ金髪から覗く耳に口付けて少しだけ歯を立てると、少年は腕の中でびくりと震えた。
経験もそこまで多くはないのだろう。強姦……というか、金銭目的の売春か。少し古めの癖のある……確か、イギリス英語。
丁寧な抱き方も他人を誘う抱かれ方も知らない、かわいそうな子供。まア子供がそんな事知ってたら殊更酷い環境だと思うのだが。
結局のところ、そんな事情はどうだっていい。目的はただ抱くだけ。そこに挟まるものは快楽だっておまけ程度……なのだが。
うん。なんかこう、ショタコンの気持ちが分かった気がする。こういう無知な子に本当のセックスを教えてやりたいという欲が起きたのも確かだ。
そもそも、最近の俺は自慰もまともに出来ないくらいに草臥れていた。寧ろ性欲が今まで残っていたかと心配してしまうくらいには、そういう事に興味を失っていた訳だ。それは男としてどうなんだと今は思うが……やはり現実の俺は社会の闇とやらに洗脳されていたのだろう。もっと自分を労わろうそうしよう。
ぢぅ、と白く骨張ったうなじを吸い、赤い痕をつける。
「ゥあんっ!?ぁ、なに、する……、!?」
「感じた?」
「そんなんじゃ、ッゥ、あ……!」
付けた痕の上からべろりと舌で舐って甘く噛むと少年はくしゃりと顔を歪めて身体を跳ねさせた。
同時、ナカを拡げていた指を追加してぐりりと指の腹でそこを押し込む。
「ァ、は、ぁ゙ぁ……ッ?!ァ、〜〜〜ッあ、っ!」
甘い声。
遂にその潤んだ瞳が雫を零す。ああ、泣いてしまった。とは言っても嗜虐心が疼く顔をしているのが悪いよなァ。
「あぁ、ャ……っ!ン、ひぅうっ、!ぅ、あ……」
「ここか」
ぶるりと身体を震わせ、恐れと期待の目で俺を見るのでそれに応えてやる事にする。
「ゥ……っ!ふ、ああっ、あ、は……っ、あぁ、そこ、っん、ンっあ、つよ、ぃぃ……っ!だ、め、イクっ!で、るから、っん、」
「いいぜ」
「ふ、ンン!!ァ、イ、クっ、い、あぁぁぁっ!!」
一拍。
ぴゅくぴゅくと腹に白が飛ぶ。
大きく声を上げた少年は身悶えしながら快感に振り回されているように見えた。
「ァ、ァ、ん、ああっ!や、だっ、!今、指ぃ……っ、」
「気持ちいいな」
「んッ、あぅ……!っふ、だから、嫌なんだ……っ、んッも、いいっ!早く突っ込めよ……っ!」
「だめだよ、ちゃんと拡げてからじゃあないと」
痛いのは嫌だろ、と聞けば慣れてるのだと返って来る。
「俺がヤなの。痛がってるの見たら萎えそう。付き合ってて」
「こ、の……ッ!ゥ、やああァ……っ!」
ゆっくりと、ゆっくりと。嬲るように。
譫言を零す唇を塞いで、跳ねてむずがる身体を余すこと無く触れて。
指の感覚だけで身体が極まるくらいに敏感にさせて、ナカを抉り。
甘く蕩かしながらも意識をトばさぬように。だって反応がなくなってしまったら愉しくないだろう?
ちゅ、ちゅ、と身体全体にキスを落としながら拡張する事数十分。
そろそろいいかと指を抜く頃には少年はもうすっかり出来上がってるというか、イッちゃったというか。
やり過ぎ?まさか。
「ァ、……ひ、ぅ……ァふ……っ、ぅう……」
寄せられていた眉は白痴みたいに八の字に下がり、もう声を取り繕う事も考えられないという風に完全に快楽に屈している。びくりびくりと細い手足を痙攣させて、滂沱と泪を零し、下肢は潤滑油と精液に塗れている。紛れもなくやり過ぎ。知ってた。
「朦朧としてるとこ悪いけどまだ挿入れてないから終わろうにも終われねぇよ?」
「ぁ、……?な、に……、」
そっと上から覗き込むとやはり身体を強ばらせるので、掌で目を覆う。
……ああ、そうか。そうだった。この子供は俺とは違う、ただの子供か。
心做しか声がゆるく、宥めるように穏やかになる。
「見なくていい。ただ、気持ちいいのを感じてればいいよ」
柔く頭を撫で、頬に唇を落とす。ただ、慈愛だけを感じるように。
肩口に凭れさせるようにしてそっと脚を広げさせる。
まあ、触ってないから勃ってないんだけどな。俺も少年の首筋に顔を埋めて自身を扱く。
「挿入れるよ」
「ん……ん……、っ、ぅ、ふ、ゥア……?!ッ、あ゙あぁぁあ゙ああーーッッ!!」
痛みはなかったのだろう。圧迫感に僅かに眉を顰めたが、前立腺を掠めたあたりで背中が弓形に反れた。ぴん、と足の爪先が空を掻いて引き攣る。ぶわりと、少年の見開かれた目に涙が浮かんだ。
「やっ!やァ、ゥ、あガ……ッ!?あぁ、やら、ァ……は……っ!大きっ、大き、過ぎるぅ……っ!ゥ、あ、そんな、いきなり……っうああ゙っ!」
「ぐ……せっま……」
痛いくらいの締め付けに喉の奥から声が出るのを抑えつつ。
灼熱に蕩けたナカは俺を離すまいと絡み付いて、それと相反してぎゅうぎゅうと外へ押し出そうとしてくる。それを少しだけ強引に引き剥がし、ぐいぐいと奥へ押し込んだ。
突き上げる度に少年は顔を真っ赤にしながら頭を振り乱す。汗がしっとりと彼の薄い身体を濡らす。
「ウゥッ、ああ、や、ッ!は、ぁんッ?!ぁ、なんで、なんでぇ!?こんな、今までのとちが……っ!ヤ、もうやぁっ!きもちい、の、もういやぁぁ……っ!」
「あ、気持ちいいんだな。よかった」
「も、いやって、言って……!」
「よしよし、もうちょっとだからな」
「アゥッ?!ぅ、あ……あっ、あっ、あんっ!きゃんっ!や゙、あ゙あっ、やら゙あっ!ゃ、ゃ゙っ!きもちいの、きもちぃよぉ、ぉ゙!は、ああっ、いいっ、イ、ゥ!こんなの知らない、しらないぃ〜……ッ!」
あまりの未知の感覚に泣きが入っているようだ。焦らし、感度が増した状態での挿入は初めてか。
それをあやしながらある程度奥まで入ったのでゆっくりと抜き差しを始める。
スローセックスってこっちからするとかなり辛いんだが。散々煽られて溜まってるし。まあそこは少年に対してできる最大限の配慮という訳で耐える。
「あっ、あっ、!も、だめ、それだめぇ!」
「イク?」
「んッ!ん、イクっ、イクゥ……っ!いや、ンああぁぁーー……っ!!」
締め付けが更に激しくなって俺は思わずシーツを握り締めて悶える。流石にイってる時に突くのは子供の身には辛いだろうしなぁ。
にしてもこの子供……ヤベェくらい滅茶苦茶気持ちいいな。初めの時の高飛車というか強気な所といい、そういう性格が出ている綺麗な顔立ちといい、悪い大人を引き寄せそう。その子が治安の悪い場所で売春擬きしていたらホイホイ引っ掛かるだろうな。なんて所感がぽつり。
「ぁー……っ、は、うぁ……!は、ぁ……っ、」
「……少年、もう動いていいかな」
「んッ……!ァ、待ってた、のか……?」
「そりゃあイキっぱなしは辛いだろ……え、まさか極め続けたかったとか?」
「っ!!」
必死に顔を横に振る少年の頭を撫ぜる。
「ならしねぇよ」
「……、……襲ってきた癖に」
「そいつァ、俺にも事情があるんでね。とっととこの夢から覚めねぇと……仕事があるんだよ」
俺の事情という言葉にムッとしたのか、顔を歪めた少年は細足を俺の腰に絡めてグッと引き寄せた。おおう、良くやる。
「ッ……うっ、!ふ、お、前も、早く、」
「おいおい無理すんなよ……」
「うるさいっ!僕に命令するなっ!」
はいはいわかったわかった。騒ぐな泣かすぞ。……もう泣いてたな。
「あっ、んっ!ん、んッ!ふ、ゥゥっ!」
「くふ……あー、気持ちい。……なあ少年、キスしてい?」
「はぁっ、ゥ、……勝手に、しろ、」
ちぅ、とバードキスを落とし、開いた口元に舌先を入れる。
歯列をなぞり、舌を絡めさせ、上顎を舐める。
じゅる、と滑る舌を吸えば少年はこれもまた初めての感覚だったのか、目を見開いて身体全体を跳ねさせた。
まるで蜂蜜のような瞳をしている。
顔を離してじっとその目を見れば、少年は顔を欲情に赤くしながらもキスを強請った。
「んぅ、……ふ、ゥア、んむ、ん……」
「ちゅ……ン、」
「ンはっ!ふ、……ん、ッ、ァ、まって……ンンンっ!ぁ、っ!!」
「……、今軽くイった?」
「……うるさい」
怖がったと思えばキスに気を取られて薄ら目を開くんだもんな……。子供は生意気でも何処か素直だ。
「もっと……」
「はいはい」
舌の表面を合わせ、角度を変えて舌に吸い付く。少年も拙いながらそれを手本になぞるので尚更優しくなるというもの。
その間も緩く腰を動かしながら。
「そろそろイク……いい?」
「はっ……ン、ァっ、」
こくこくと、少年が分かっているのか分かっていないのか素直に頷いた。
浅く、それでも少し逸る気持ちを抑え切れずその小さな尻に肌を打ち付ける。
ぱちゅぱちゅと音を立てて揺さぶられ、少年は再び眉根を寄せて、それでも幾分素直に嬌声を吐いた。
「あ……あっ、あんっ、ふ、ぁ、!ぁ、あ、ああっ、」
「ン、……出す、っ、」
「あっ……!ゥ、アア……っ!」
ぶるりと腰が震える。
ああ、この快感も久しぶりか。ぞわぞわと背筋から上ってくる快楽を押し流し。……どうやら少年も前立腺の刺激で達したらしく必死にシーツを掴んでいた。
「はあ、はぁ……っ、んぅ、」
「ふ……ン、」
自然とキスを交わして舌を吸い、目を合わせて余韻に酔いしれる。少年は無意識か否か俺の首に腕を回し、より深くを望んで舌を挿し入れて。
ふつりと銀の糸が切れる。
「……」
「……」
「お前、は……淫魔か?」
「おま、言うに事欠いて……」
視界の端でプロジェクターが奇怪な音を立てて動き出し、あれだけ強固だった壁が軋みを上げて、至極あっさりと扉の鍵が開いた。
「……開いたな」
「ん、……んぁっ……!」
ゆっくりと自身をナカから抜く。
漸くこのおかしな夢も終わるのか。……終わるんだろうな?
ヤリ損とは言わんがくたびれもうけは御免だぞ俺ァ。
「やれやれ……眠気がピークだ。夢の中なら眠気くらい無くして欲しいもんだぜ」
「ァ……、っ、おい、お前ッ!」
「何だ?」
「……っお前の名前は?」
……さて、名乗るべきか名乗るまいか。
面倒くさいのは特定された時だ。こんな子供に何をとは思うが、それでも偽名を名乗ったとして此方に損は無いので。
「ナミセ」
「ナミ、セ……」
「じゃあな」
「まっ……、!」
かち、かち、かち。
聞き慣れた時計が針を刻む音。
ちらりとそちらに目を向ければ、短針は2時を示していた。
なんと、ベッドに倒れ込んで未だ30分と経っていなかったのだ。
ぼうっとする頭で起き上がり、もそもそと皺の寄ったスーツを脱ぐ。
「……溜まってんのかな」
頭はこれ以上ないくらいスッキリしていて。腰の重みも無く。かと言って夢精してる訳でも流石にない。……勃ってないのか。
明かりをつけてぐるりと部屋を見渡す。
コンビニ弁当のゴミが散らかった汚ぇ部屋だ。ベッドの周りは脱ぎ散らかした服やらで足の踏み場もない。
「頭おかしくなってたんだろうな……」
漸く、正気に戻れたとでも言うのか。
随分長い時間を無意味に掛けてしまったものだ。
ベッドサイドに腰掛けながら、頭を抱えて深ーい溜息を零す。
掠れた声に眉根を寄せ、のそのそと浴室へ。
鏡に映る爪痕と赤い痕に気付くまで後─────、
***
母が、亡くなった。
父はツキに見放されて母が死んだだの店が潰れただのと言っていたが、全てはこの父が母に何もかも押し付けては暴力を振るい、毎日毎日働きもせずに酔い潰れていたからだ。父が、母を殺したのだ。気紛れに殴られない事が愛だ情だなんて思っていた自分を殺してやりたかった。そんなもの、母と同じ思考停止だ。現実逃避だ。
悪態を吐くばかりの父は嘗ての生活と同じ量の酒を求めた。この僕に稼いで来いと怒鳴りつけ手を上げたのだ。
母を亡くした、父への失望に小さくないショックが残ったままだった、僕は─────
汚れた身体を川で必死に洗い流す。
立ち直らざるを得なかった。殴られた痛みは怒りとなり、喪失の痛みは憎悪となって。
汚い、汚い、汚い!!この身体を巡るアイツの血が憎い!!!気が狂いそうになる程に─────!!!
掻き毟り過ぎて川に流れ出した血を無意味に拳で殴り付ける。
ああ……帰ろう。あのクズを地獄に落とすまでは、僕は“死んでいられない”。
脱ぎ捨てていた服を纏い、ふらふらとあの家に戻る。
鼾を掻いて寝る父親を腐ったものでも見るような目で見下ろして自分も寝床に潜り込み─────
目を覚ましたのは身体を襲う未知の快楽によるもので。
明るくて綺麗な白い部屋。肌触りのいいシーツの上、僕は何一つ服を纏っていなくて。
疼き。耐え切れず自慰を始めてしまってしまう程に、身体が嫌に火照っていた。
……自身に触れた時の快感と言ったら。思考も記憶も霞んでしまうくらいの快楽に酔い、夢中になってしまう……その前。
そう、その時に、あの男が。
顔を隠すように覆うくすんだブルネットの髪に、日に焼けていない象牙色の肌。コーカソイド系の顔立ちをした、恐らく東洋人のハーフだろうという男─────
自分も閉じ込められたのだと扉や壁を蹴り付ける男は整った顔立ちも霞むくらいに濃い隈が充血した目の周りを黒く染めていたし、若干頬も痩けていたと思う。
壁に映し出されていた文字に意識を向けさせられた僕の思考は止まり。その間に持て余した身体を遠慮も容赦もなく触るものだから、混乱窮まってパニックを起こしかけた。
何故自分ばかり、だなんて。……口にする気はなかったのに。
存外優しい声音が頭頂部から掛けられ、その指は鳥の羽のように繊細に僕に触れて。
あのスラムでされた行為と同じにはとても思えないくらいに、その仕草は優しくて。
甘くてどこか苦い口付けは脳が痺れるような感覚を僕に刻み付けた。
アイツ、は。淫魔だ。間違いなく。
甘く、優しく、蕩けてしまいそうになるくらいのオーガズム。
あのキスの感覚が脳を刺激して止まない。
そっと唇に触れて、感じた事の無い甘い疼きを腰に感じて身体を抱き締める。
ああ、アレは一体何だったんだ。
「……ナミセ、」
ぽつりとその名を呟いて首の後ろを手で覆う。
曇った鏡越しに、赤い印を見付けてしまった。途端に気恥ずかしくなってしまったのはやはりアイツが淫魔だからなのだろう。……今更、たかがキスマークくらいで。
***
─────ああ、あの頃の俺は紛れも無く人生の絶頂だったのだ。
バカをやって、遊び回って。女は嗜好品か何かのように扱って。そういう風に見られていた事もそれが事実であった事も理解している。それを望まれていたから、俺はそのように振舞っていた。
倫理観も道徳も何もかもを放り投げていた。そもそも、そんなもの備わっていなかったし、教わりもしなかった。
どいつもこいつも色慾と愛と性欲に狂って、俺という人間の外側しか見るつもりのない空虚な人間性しか持てない者ばかり。
俺の味方は俺しかいないと、客観的な事実を胸の内に落とし込んだのはいつ頃だろうか。
……いや、心のどこかでは、誰かが。俺の事を理解してくれる誰かが、この広い世界にいるのではないかと。幼い俺は切望していたのだ。
……それが“あいつ”だった。少なくとも、俺はその時そう思っていた。
小学生来の親友と思ってたそいつが俺を本当は嫌っていたのだと、ただ利用していただけだったと聞いてしまった。俺とつるむ事でお零れに与るのが目的だったらしく、俺を利用していた。まあ確かに、そいつに唆されなければサークルなんて作らなかっただろう。いやぁ参った。本当に。
俺はあいつの為になんだってしたのだ。利用されたって構わなかった。だけど、俺なりに彼に友愛を持って接していたのだ。あいつも、それと同等かそれなりのものを俺に向けていたと思っていたのに。
恍惚に冷水を掛けられたようだった。
らしくもなく混乱したし、呆然としたし、それでも夢の中のようにふわふわとしていて、その所為で怒りすら湧かなかった。
……裏切られた事よりも、利用されていた事よりも、なによりも。
あいつ如きに欺かれていた事に欠片も気付かなかった自分にショックだったのだ。
別に今まで他人を食い物にしてきたという自覚はあったんで、利用されるのはよかったんだ。利害関係を否定する程純粋でもない。ただ、友情なんかで目を曇らせて、無条件に人間を信じた腑抜けた己を縊り殺してやりたいくらいだった。
大学を卒業してからは自罰も兼ねて絵に描いたような真面目になった訳だ。食傷気味になっていたし、あいつに求められていた娯楽の殆どに正直飽きていた。
なので当初所帯持ち男性陣多めの所を職場に選んだのだが、まさか安全圏だと思われた筈の男達が誘蛾灯に誘われた虫の如く寄ってきて誘ってくるとは。女なんて山程いるのになんで俺を選ぶのか?……要するに自分に自信を失っていたというか、自分という存在を見失っていたというか。俺は俺を客観視出来なくなっていた。その時も未だ夢の中、揺らぐ足元を歩いているようにぼうっとしていた。
無意識の内の自己防衛だった。職場を辞めた。他人の全てが自分の理解出来ないものだった。それはまるで、幼年期の頃に戻ったような心地だった。誰も俺を知らない場所に行きたいと思った。何だか、全てに疲れていたのだ。息を吸って吐くのすら億劫で。
未成熟な身体を這い回る
俺に侮蔑を向ける
“不倫相手になるのはいけないことだ”。
いけないことはしちゃダメだ。
間男扱いなんて冗談じゃない、なんて。
で、逃げた先が物理的にも息苦しくなるこのブラック企業であったと。
顔を隠し、姿を誤魔化し。徹底的に。
そうして性的に見られない代わりに人権を失った者の末路が此方であった。
嗚呼、本当に、馬鹿ばっかだ。
半休をもぎ取った俺は何とはなしに眠る気になれず、……というのも昨日が非常に安眠出来た為なのだが……ともあれ、散らかりに散らかった部屋の掃除を始めた。
溜まった洗濯物を洗濯機にぶち込み、ゴミは分別してゴミ袋に纏めてゴミ捨て場へ。埃を拭き取り、掃除機を掛け、洗濯物を干し、床の拭き掃除まで終わらせてしまった。
そこで草臥れてしまった俺はやはりと言うべきか、体力も筋力もかなり落ちてしまっていたようで。……まあ、思うところはある。鍛え直そう。
テレビを付けてぼんやりと番組を見るも直ぐに飽き、昼飯にと買ったサンドイッチを口にしながら思うのは、あのブロンドの少年の事。
「……、……エロかったな……」
我ながら知能指数の死んだ感想だ。
テーブルに置きっぱなしだった煙草に火をつけて口に咥え、烟を吐き出す。
そういう事が御無沙汰だったのもある。だがそれ以上に、前に手篭めにした女達の中でもとびきりの上玉……になるだろうという少年だった。……うん、流石に幼過ぎたわ。ホント良く勃ったな俺?
夢と呼ぶには非現実的な事が起きたので断定には難しい。
首の裏と首元に爪痕と下手くそなキスマーク。
アレは果たして、本当に夢だったのか。
「なんてな。我ながら胡散くせェ……」
さて、アレから3日後の事である。
何の心境の変化か……いつもやっていた仕事が非常に苦痛で、何度あの上司の頭を張り倒してやろうかと思った事だろう。そのお蔭で今日も絶好調に煙草が減っていく。
が、帰ったと同時にベッドに倒れ込むなんて事は無くなった。今日は帰りに24時間営業のジムに寄る余裕すらあった。
帰って、飯を適当に作って食い、シャワーを浴び、そのまま就寝。
と同時にやって来た既視感のある白い部屋。
【SEXしないと出られない部屋︰1】
……うっっそだろおい。
前の投稿時より性的になりましたかね……