吸血鬼は淫魔の夢を見るか? 作:マスター冬雪(ぬんぬん)※休止中
・異世界から現世へ
・裏切りの夜の魔女
・それは『』の似姿をしている
京一郎が肉体をこちら側で得た時、肉体と魂の齟齬は欠片としてなかった。異世界よりイギリス某所からエジプトへ。テレンスからスタンドとは何かという教えを受けながら、京一郎は不思議な力もあったものだと感心しきりであった。
1986年。京一郎が生きていた時代から約40年前。ともなれば、何かと周囲のものに見覚えがあまりなくとも仕方の無い事だった。携帯電話がショルダーバッグのように大きいものであったり、テレビはブラウン管で、カメラはフィルム式。ビデオやカセットテープだって現役だ。京一郎も幼少期に使った事はあるが、やはり馴染み深いのはスマホだの、薄型液晶だの、デジタルカメラだのである。前者の媒体を使う時は精々が数える程度の証拠作りくらいしかない。
とはいえ、不安はなかった。ゼロから繋がりを作る事など数年前に経験済みだ。道具だって無くても不都合はない。何せ今の京一郎は気楽で身軽な戸籍のない唯の人外なので。
にこにこと楽しそうにテレンスの話を聞く京一郎は膝に頭を乗せて目を閉じるDIOの髪を撫ぜている。
「どこから突っ込めばいいのか……」
「?何がかな」
「いや……その状況ですよ」
「彼、海に沈んでいた時は暇になっても夢の中で本を読むか寝るかしか出来なかったからね」
あとセックスとか。言わない代わりに含みのある笑みを向けると、察したような顔でスルーされた。
プライベートジェットは広いので、彼が横になるスペースは十分取れている。2m近い巨躯が膝に懐いてくるのは何処か愛らしくて癒される。win-winである。
「硬いって文句言う癖にね」
名目上京一郎がDIOに連れられたのは使えるスタンド使いである為、である。スタンド像の確認は出来たが能力の発動までは制御が出来るか分からないので、エジプトに戻ってから検証を始めるようにという事で、未検証のまま。
「俺は彼の
京一郎が屋敷に踏み入れる事を反対したのは、DIOの側近であるエンヤだった。
神を誘惑する悪魔め、裏切り者の夜の魔女め、この御方から繁栄を奪う淫売め、とまで言われて京一郎は面食らった。もっと酷い罵倒もされたが京一郎はいつもの茫洋とした目でDIOをちらりと見上げ、思わずくすりと笑ってしまう。
「な、な、なぁにが可笑しいんじゃあこのアバズレェェーーーッッ!!」
「つまり貴女はこう言いたいんだろう?お前の存在は彼の野望を阻む害にしかならぬと」
おかしな話だ。京一郎を悪魔だと喩え、リリスだと喩えた。嗚呼、本当におかしな話……。
「俺は既に彼の物だ。悪魔は契約に従順だ。楽園を出たリリスはアダムとイブに膝を折るなどすまい。……彼は神などという何もしない
「なんじゃとォ~~~?!い、言うに事欠いて、貴様ァ!!」
「私がそのような生き物であると知っていて彼は彼処から俺を
俺を理由に世界である事を辞めてくれるのか?
───否。断じて否である。
彼の手が京一郎の首を握る。
猫のように機嫌良さげに目を細めて、京一郎がその手を両手で握ると、DIOは京一郎を見下ろして鼻で笑う。
「たかが淫魔に何が出来る」
「おまえ
俺からは何もしない。おまえの行く末を眺めていたいだけなのだから。今はおまえに従う快楽を味わっていようとも。
「おまえの望む通りに動くさ……何でも命令してくれ。出来うる限り、おまえの望みを叶えて見せよう」
傍に控えるテレンスが首を左右に振る。
それに目を遣っていたエンヤが歯噛みして威嚇するように喉を鳴らす。
「おのれ……今は、今だけは目を逃してやろう……じゃが忘れるでないぞ!!DIO様に少しでも背反してみろ……このわしの『
去っていったエンヤを眺めながら、DIOは溜息と共に手を離す。
「信心深いね、彼女……アレじゃあ正しく魔女裁判のように拷問に掛けられて嬲り殺しにされそうだ」
「なんで楽しそうなんです……?」
「面白いからね。飽きそうにないというのは良い事だ……」
ここまで初対面で敵愾心を抱かれるのも珍しい。彼女は優れた占い師という話だし、私は彼女と仲良くなりたいんだけれどね。
★
京一郎が自身が得たスタンド能力の詳細を悟るのに時間は掛からなかった。何故ならその大本となる『ホール・ロッタ・ラブ』の能力の詳細を本体であるユリコ・テイラー自身に聞いていた事で、大凡の形が見えていたからだ。それに加え制御しきれていないスタンドの暴走。まるで
DIOや京一郎自身、教導していたダービー兄弟、たまたま側にいたケニーGやヌケサクと呼ばれている吸血鬼、スタンドを使えるハヤブサのペットショップ、屋敷に滞在していたンドゥールetc.....屋敷にいた者やDIOの側近ら多くを巻き込んでの暴走に流石の京一郎も頭を抱える。条件付けも人選も京一郎に不都合がない程度に収められていたのが更に頭が痛い点だ。殆どが呆れたり仕方ない事だと肩を竦めたり存外楽しかったと笑ってくれたりと反応もまだマシであったので。
「レディ」
くすくすと笑いながら現れた『ホワイト・ポニー』は京一郎に撓垂れ掛かるように触れ、うっとりとその身体に身を寄せる。
「楽しかったかい」
ベールが揺れる。
「そう。それはよかった」
まるで悪巧みをするように彼女は京一郎の耳元になんぞ囁きかける。それにあどけなく笑って頷いて、今度は京一郎が二、三彼女に呟くと、彼女は口元を抑えてころころと笑った。
「───ナミセ」
「ああ、少年」
ふと入口に現れた気配に京一郎は笑顔を向ける。壁に凭れるように腕を組む金色の偉丈夫の前で『ホワイト・ポニー』は恥ずかしげにしながらも美しくカーテシーをすると、ふわりとその身を空に溶かした。
「何を話していた」
「んー?そうだね。能力の事とか?もっと面白い使い方があると言うから、それに合わせて俺の考えを零したり」
『ホワイト・ポニー』はその性質上、部屋に収監した生命体の記憶を始めとする思考を読み取る。スタンドとの意思疎通、フィードバックがされ、空間に反映されるのだ。
無機質であった彼女が魂の一部を得たとはいえ、それ以前より京一郎が何くれと話し掛け、語り掛けた事が無意味だったとは言えない。水底でマメに映写機を通してスタンドと疎通していた名残でもあるが。
「彼女はシャイだから、憧れのキミに精一杯なんだ。多少の不躾は許してやって」
その憧れと本体を同じ部屋に閉じ込めてセックスさせるスタンドのどこがシャイだ。DIOは鼻で笑い飛ばす。
京一郎はうっそりと微笑んで小首を傾げる。
「スタンドが見える者はスタンド使いだと聞いた。……少年のスタンドはどんな姿をしているんだ?」
18話のDIO×京一郎、要る?
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要る。番外編として書いてほしい
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要らない。それより新章書いてほしい
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要る。あとキャラの設定集も書いて
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要らない。けどキャラの設定集は書いて