※この作品はR-18です。

吸血鬼は淫魔の夢を見るか?   作:マスター冬雪(ぬんぬん)※休止中

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お品書き(R-18)
■おしおき (前編)


第26話★

 

押し倒して身体に触れ、DIOの身体から力が抜けた頃合いで、そういえばと京一郎は思い出したように口を開く。

 

「あの時の仕置が済んでなかったな」

「……は?」

 

呆気に取られたようにぽかんとした顔をするDIOは訝しげに眉根を寄せる。

 

「ほら、アレッシーの。俺を肉塊にしたろ」

「……根に持ってたのか」

「ケジメ付けとかなきゃ、おまえの事だからまたやるだろ?」

 

寧ろなんでお咎めなしだと?

不思議そうに首を傾げるとDIOが口端をひくつかせる。

 

「仕置って言ってもまだ犯しきれてない場所がある事だし……今日はそこだけで勘弁してやるからさ」

 

つ、と。スラリとした指が筋肉の陰影を作る下腹部からずっと上まで辿る。

至極嫌そうな顔で睨むDIOに京一郎はにっこりと笑いかけた。

 

「優しくする」

「……どうだかな」

 

 

 

 

正直なところ。興味がなかったとは言わない。散々犯されてそこに触れられた時は半狂乱になる程嫌がったが。あの京一郎があそこまで我を失ってしまう胎の奥を、怖いもの見たさではあるがこの身体で暴かれてみたいと思わなくもない。そしてそれに触れるのは京一郎がいいとDIOは漠然と思う。互いに快・不快はよく知っているので下手な事はしないだろう。何より京一郎は比較的自制のできる淫魔なので。

 

いつもよりじっくりと慣らされ、文句を言おうにも口付けで誤魔化されてやりながら、DIOは薄らと肌に汗が浮かぶまで焦らされている。

 

「ン……ちゅ、ふゥ……あ、ン……れ、ぇう」

「……んゥ、もうちょっと待って、ね」

「はぁ、ふ、……早くしろ、」

 

もどかしく腰を揺らして掌に押し付ければ、京一郎はくつくつと喉を鳴らす。惑わされることなく変わらぬ手付きのまま。

 

「急ぐと後が辛くなるからな」

「チッ……」

 

大口開けて食い合うように舌を絡め、DIOの腕が京一郎の頭を抱き寄せる。DIOは不服を示すように頬に齧り付き、それを宥めるように京一郎がDIOの耳朶を指でなぞる。

縁を辿り、柔いそこを摘んで、裏の方をすりすりと撫でるように。時折爪で刮ぐようにして。

 

「ン、ふぅ……ッ!耳、触るな、」

「フフ……すっかり性感帯だな」

「煩い、お前がしたんだろう……!」

「そうだな……俺がおまえを、そうしたんだ」

「……!───ッ」

 

京一郎が触れていた耳も、目尻も、カッと赤く染る。やけくそで言った言葉を肯定され、自分が京一郎に変えられたと認めた事に気付いてしまったのだ。

唇を噛み締めて戦慄くDIOに触発されたかのように、京一郎が笑みを深めて指をもう一本挿し入れる。ふるふると震えるDIOが愛らしいので、京一郎は直ぐにでも挿入れたくなるのを耐えるのが精一杯なのだ。

ぐずぐずに蕩けて解れるまでは、まだ。

 

「は、ぁ……っ、あ、っなみせ、も、もう、」

「もうちょっと」

「さっきも、ン、言ってッ」

「うんうん。ごめんな、」

 

京一郎の唇が湿った目尻に落とされる。それを首を振って払い除けながら、DIOは京一郎の指が蠢く下腹部を見下ろす。もう3本だ。もういいだろう、いつもなら2度は達しているのに。

昂り、反り返り、解放されたいと震える自身は哀れみすら浮かばせる。

これ以上焦らせば体勢を入れ替えて自分を犯しかねないなと京一郎は得心した。それは困る。だってこれは仕置への前段階でしかないのだから。

 

「俺は言ったからな」

 

……京一郎の指の間に糸を引く腸液とローションがいやにDIOの目を引いた。

 

 

ベッドが軋む。覆い被さるように手を付いた京一郎が未だ異物感の残る孔穴に男根を突き入れるのを、思わず喉を鳴らし、晒してしまうくらいにはDIOは待ち侘びていた。

ずぷ、ぬぷ、と解れた肉が薄ら赤を覗かせて屹立を呑み込んでいく。窮屈な襞を掻き分けながら、ずりずりぐいぐいと前後に肉輪を通る感覚にすら快楽を感じ取りながら。

 

「あ゙、は……っ!ン゙……ゥ゙ヴ、ッ、ッ〜〜ア゙、ぁああ゙あ゙ッッ!!」

 

挿入と同時に押し出されるようにDIOは吐精した。ごりごりと内壁を削り、体内から前立腺を押し潰されてしまえば、迫り上がっていた淫液が迸るのも無理はなかった。びゅくびゅくと鈴口から精液が飛び散る度に、じん、と脳裏が甘く痛む。

 

「早……」

「ッ、お前が、焦らすからだろ、」

「ウフフ。そうだね。ごめんね、」

 

いっぱい気持ちよくするから許して、と京一郎に耳打ちされ、未だ耳朶を嬲られた感覚の抜けないDIOは掌で京一郎の顔を押し退ける。

 

「御託はいいからさっさとやれ」

「ふふ!仰せのままに」

 

目下、やはりと言うべきか奥を慣らす事が優先らしく、京一郎は無理に押し込むような事はせずにゆるゆると腰を揺らす。まだ慣らすのかとウンザリしながらもDIOは京一郎からの口付けに応える。

 

ひどくもどかしい。ひと思いに犯せばいいのだ。吸血鬼の身体は頑強なので多少の傷は直ぐに治る。真綿で包むような仕草はかえって苛立つ。

 

「俺はおまえを犯しこそすれ、傷付けた事はなかっただろう?」

 

というかDIOが吸血鬼となって以降、京一郎では傷付けられないが正しいのだが。流血する程手荒な真似をするのはDIOばかりだ。舌打ちする。

DIOが手荒くされた方が興奮する事など京一郎は知っていたけれど、だからといってそのようにすれば最後まで堪えられないだろうなぁと思っているので聞き流す。

 

「ハ、ぁ……ッ、あ、ンン……っふ、」

 

暫くナカを嬲られ、漸くより深くにペニスが入り込む。微弱な快楽が身体を赤く火照らせ、酩酊するような感覚に陥らせる。この感覚はきらいじゃない。ずん、ずん、と規則的に突き上げられる事の心地好さは眠気すら誘う。

その間も身体は京一郎の手指に甘く蕩かされ、深い口付けに翻弄されていた。

 

骨と筋肉の凹凸のある腹、真白いシーツを掴む腕、時折悶えるように突っ張る爪先、頸をぐるりと囲む紅い継ぎ目、桃色に勃起した乳首。過敏に反応して腰を揺らす様を京一郎が笑い、DIOは屈辱に顔を歪める。

 

「寝るなよ」

「誰が、ッはァ、!あ゙、まぇ、押すな、ッッ!!」

「おまえがもう1回出したら奥に触れるね」

「〜〜〜っ!!」

 

はくり。空を食むように大きく口腔を晒して、走った快感に声なき悲鳴を上げる。掌に押さえ付けられたそこはぐずぐずに蕩けた肉を耕すようでごりごりと肉壁を荒らした。行ったり来たりする京一郎の自身が、狭く痙攣する襞を無遠慮に掻き乱すのだ。

仰け反り、ちいさく頭を振るDIOの突き出された舌を京一郎が指で摘む。口端からたらりと飲み下し損ねた唾液が垂れる。

 

「あ゙、お゙ッ♡!!ッ……ァ、め゙ッ、やめ、ェ゙♡!」

「気持ちイね。そろそろイこうか」

「は、……ァ♡♡!?ア゙ッ、ィ、ぐっ、イくっ〜〜〜ッァ゙ああ゙あ゙っっ♡♡!!」

 

がくんと下肢が跳ね上がる。

一定のラインで抑圧されていた快感が解放された時の衝撃たるや。ぎしぎしとベッドが軋む音がひどく耳に障る。自身の荒く引き攣った息遣いも、京一郎の小さく息を詰め、零した笑声も、何もかもDIOの気に障った。歯を食いしばる。

 

「ひ、ゥ♡は、ぁあ、……ン、ゥゥ♡ふ、ぅ、」

「落ち着いた?」

「……」

「奥、触るから。暴れるなよ」

 

……もう好きにしてくれ。力が抜けて、脳が痺れて、DIOは最早投げやりにそう思った。冗長な前戯から、2度の絶頂。それで尚京一郎は1度も出していないのだ。射精を堪えてでも“それ”がしたいというのは、京一郎のスタンドの白い部屋でも経験があった。酷い目に遭ったのは記憶にある……主に気持ち良くて苦しくなる方向で。多少なら良い。京一郎ならば、いい。猿でもあるまいし、本気で嫌がれば自身の欲を抑えて止まるだろうから。いざとなれば吸血鬼の膂力で手足でも捥ぐか。DIOはこの時そう思っていた。

 

ぐっと力が込められて窮屈なそこに入り込む。爪先でシーツを握り込み、敢えて呼吸を深くして。

ぐらりと頭が揺れるような重い快感が脳裏を焼く。

 

「っあ゙ッッ♡♡!!」

「っ……いつもはここまでだったけど、この先ね……」

「ァ゙、ま、て、ゥ゙ぐ……っ♡♡」

「腹、力入れて……上手だね、」

「は、ッち、がっ♡待てと、言って……ッッ」

 

拒むように力を入れるも京一郎はにこりと笑ってDIOを褒める。ごぼ、とまた京一郎の剛直がその奥を貫く。

 

「あがっっ♡♡?!ァ、?は……ッ♡♡!ァ、ちが、ちがう、止まれなみせ、ッッ♡♡」

「あと1回……」

「ひゃらっ、待て、待てッ!止まれ、ッ!」

「……なァに?俺もうギリギリなんだけど」

「はーーッ♡はーーッ♡そ、れ以上、はっ♡」

「ウン。トんじゃうだろうなァ……俺がそうだったろ?淫魔の俺がだぞ」

 

人間の頃より快楽の耐性が付いたという京一郎でさえ貫いた瞬間意識が吹っ飛んだのだ。頑健といえどDIOが耐えられる保証などない。

 

「大丈夫だって、おまえもきっと気に入るよ……今までのセックスが生温く感じるくらいにね」

「ッッ……」

 

淫蕩に甘く、包容に淡く微笑んだ京一郎は正しく淫魔としての顔で、獣性を剥き出しにしていた。

ぞくりと背筋に甘い寒気が登る。歯の根が合わないような恐怖、怯えのような、期待のような。瞳孔を細めたこの雄に、DIOは意志を貫けた試しがない。

額に、目尻に、そして唇に落ちる口付けに、DIOは静かに受け入れた。

 

「いくよ」

「……ッ♡」

 

ごぼん。

 

「─────ッッ♡♡♡?!」

 

天地が引っ繰り返った、かのような。

最後の砦を無理矢理喰い千切った京一郎にDIOは絶叫する。嬌声の甘さと、身体が千々に裂かれたような悲痛さが、まるで処女喪失かのように室内に響く。

 

喪失と、津波のような快楽の奔流。声すら無くして身体を突っ張らせ、最奥に迸る京一郎の精液を呑む感覚にばたばたと無意味にDIOの四肢が強ばる。びくびくと雷を浴びたかのように痙攣し瞬く間に絶頂に到った。

 

「ひ、ィ゙♡♡♡?!ァ゙、が、ア゙─────♡♡♡」

「ッッァは、締め過ぎ……♡」

 

萎えたペニスから精液が垂れ流しになる程には、あまりある甘い痛みだった。

悶える度に奥がぐりぐりと嬲られ絶頂から降りられずにいる。

 

「ひゃ゙、め゙、あ゙ッッ!?ャ゙、あ゙ぁぁあ゙あ゙ッッ♡♡♡!!」

「ゥ、ふふ……!自分で動いてる所為だろ、そんなに気に入った……?」

 

違う。苦しくて、辛くて、たまらないからだ。

呼吸が止まり、身体がのたうち回る。逃げ腰になろうにも京一郎の脚が絡み、伸し掛るように逃げ場を塞ぐので、京一郎の腕の中で腹の力を抜こうとするしか無くなる。力を入れなどすれば自分の首を絞める事になるから。

 

「ひ、ひぅ……ッ♡♡いぐ、いぐぅ……っ♡♡や、やだ、や、らァ゙……ッ♡♡」

「うんうん、気持ち良くてヤダね」

「は、ァン゙ッ!あ゙〜〜〜……ッ♡♡!!や、やめ、まっれ、ぇ♡♡」

 

身も蓋もなく喘ぎ、自分の呼吸と飛び出る声の震えにまた悶え、絶頂が重なる事に嫌な予兆が過ぎる。前もあった。前にもあったのだ。脳が白く焼け切れて、快楽の奴隷となって、理性が戻るまで泣き喚きながら京一郎に媚びて、与えられるそれを貪って。飼い慣らされた獣のように、……京一郎に屈して。

眼球の表面に張っていた涙が目尻を濡らす。

 

「〜〜〜ッッいや、だ、ァ゙、ッッ♡♡♡」

「……、そんなに嫌?屈辱的?」

 

DIOから立ち上るかのような馥郁たる感情の波を啜りながら、京一郎は前も言ったような気がするが、などと呟く。

 

「勝ち負けなんてないし、従順になる事の何が悪いの?俺に従うんじゃあない。───おまえは俺に酔うんだよ。快楽に浸るのが酒に酔うのと何が違う。振り回されると考えるから変に意固地になる……」

 

飼い慣らせよ。出来るだろう?

ちゃんと受け入れて。

荒く息を吐き出しながら、DIOはぐっと唇を噛む。

 

「……いいこ」

「〜〜〜か、はッッ♡♡!?」

 

同時に京一郎の意思で奥が突き上げられ、暴かれ慣れていないそこは堪らず頭を白くさせる。一時的な失神すら京一郎はDIOに許さない。

 

「っ……ちゃんと息して」

「ッ、ッ、♡♡ッ、ァ、ン、っは……♡♡」

「そう……しっかり覚えてね」

 

常人には耐えかねる快楽を飲み下し、多幸感で鈍る頭で京一郎からのキスに応える。京一郎の背中に加減の知らない力で幾筋もの赤い線を引きながら、その温もりに両足でもしがみつく。

DIOがここまで明確に縋り付いてくるような事はほぼなかったので京一郎は自分が単純だと自嘲しながらも疼きを抱え、DIOの前髪を掻き上げてやりながら目尻を撫でた。

 

滅茶苦茶に暴き立てたい、ドロドロに甘やかしてやりたい、焦らして虐めて懇願させてやりたい。京一郎は理性で全て捩じ伏せる。

 

「ア゙、やめ、ろ゙……っ♡」

「んふふ。こんなので感じちゃうんだ」

「ッッ〜〜は、ゃく、おわら、せ、ぇッ♡♡」

「あは……じゃアお言葉に甘えて」

「ッッ♡♡!っ、ァ゙〜〜〜ッッ♡♡♡!!っ、は、ァっ♡ン、ふ……ふぅ、ふぅ、ッ……!〜〜〜んんッ……♡あ、はぁ……っ♡」

 

ぐちゅ、くちゅ、ちゅぷ。気を遣っているのか息が詰まってしまわないような啄むような口付けに夢中になって、DIOは自分からも舌を伸ばして続きを強請る。ぼろぼろと快感に落ちる涙を舐め取り、京一郎はその舌をぱくりと食んだ。

 

「ァ〜〜〜……っ♡♡ンは、ァ……っ♡♡ァ、ッ〜〜〜♡♡!」

「とろとろになって……素直で可愛いね」

 

快楽の海から理性が浮き上がるようにして顔を覗かせる。

潤んだ紅茶色の目が揺らぐ理性を帯びながらもじろりと京一郎を睨んだ。

 

───ぶつり。

 

「ッッ……」

 

舌に丸い穴をふたつ開けた京一郎が身体を揺らす。DIOが京一郎の舌に噛み付いたのだ。

 

「……」

 

京一郎は手で口を覆い、目を怜悧に細める。ぽた、ぽた、とシーツに赤い斑点が落ちるのを見ながら。

血を顎先から滴らせ、眉根を寄せた京一郎が顔を寄せ、DIOの口腔に舌を入れた。薄く長い二股が、DIOの喉の奥にまで。

 

「ングッ?!ゥ♡ンンッッ♡ん゙、ん゙ーーーッ♡♡」

 

じっとりと頬の内側から舌の根元を。時折血液混じりの唾液を飲まされながら、ぞりぞりと削るように上顎を舐められる。今度は噛み千切られないように親指を歯列の間に挿し入れたまま。

 

「ンふぅ……っ♡ン゙ンッ……♡ッぐ、ゥゥ……♡♡!ンゥ……ッ♡♡ゔぅ゙〜〜〜ッ……♡♡!」

 

DIOが京一郎を押し遣るように肩を掴むも瞬く間に力が抜ける。何度となく性感帯となった場所を嬲られるので、DIOは為す術なく翻弄されるしかないのだ。その間にも奥が強弱あれど刺激を受け続けている。

京一郎の下でDIOの陰茎から薄まった淫液が何度かびゅくびゅくと勢いなく滴る。瞳が振れながら半分瞼の裏に隠れる。反射的に腰が跳ね、その所為で奥が更に抉られて、DIOの身体に甘く鋭い快楽が雪崩込むのだ。

 

「……ふ、は。おまえな、痛いだろうが」

 

……治り切るまで7分ほど。それまで散々口腔を嬲られ、DIOは何度か視界を白くさせた。吸血鬼に酸欠はないので、単に快感で白んでいた。

 

「ぁ、お゙……、っ♡」

「……、……まあいいや。折角おまえが意思表示してくれたんだ……たんと馳走してやろうな、」

 

極上の快楽を。

 

 

 

 

 

「ひ、ィぎッ♡?!ァ、ぐ、ゥ゙……ッッ♡♡!あン゙、ア゙、ぉ゙ぁ゙ぁ゙〜〜……ッッ♡♡!!」

 

腹をぐりぐりと掌で押さえられながら、後ろからガン突きされて脳が溶ける。奥で快楽の受容器官でも作られているかのような、意識を端から順に摺り潰される恐怖にも似た感覚。丹念に捏ね回されては自分から雄蕊をねっとりとしゃぶらされる。浮き出た血管すら、受け入れた最奥は美味そうに反芻しているのだ。みっちりとふわふわに蕩けて、いつもとは比べ物にならないくらいに火照り、京一郎の肉茎をぎゅうぎゅうに締め付ける。

皮膚を掠める髪の一筋や落ちる汗の感覚だけで、DIOは頭を振り乱す。

 

「ェぐッッ♡♡?!ァ、ャ゙……ッ♡♡」

「大分馴染んできたね」

「はぁ……ッッ♡♡ぁえ゙、?っ、お゙、あ゙♡♡!?〜〜〜ッヤ、ぁ゙……♡♡あ゙あ゙ああーーッッ♡♡♡!!!」

 

ぷしゅぷしゅと何度目かの潮吹き。最早DIOのペニスは勃起すら放棄して、身体を貪る雄に快楽を感じている事を知らせる器官に成り下がっていた。くったりとシーツの上に落ちて、透明な液体が滴り水溜まりのようになって、じわじわと染みていく。

 

「どれだけ出るかな……」

「?!……っひ、ィや゙、い゙、ァ゙あ……ッ♡♡!!」

「はは、まだ意識保ってるのか……吸血鬼も良いモンじゃあねェな」

「ひ、ぃグッ♡♡!!ァ゙、うぁ゙、あ゙あ゙〜〜〜ッッ♡♡!!」

 

譫言のような啜り泣く嬌声は濃艶とした室内に婀娜やかに沈む。

栓を失ったかのように滂沱と溢れる涙を抱え込んだクッションに染み込ませながら、好き勝手される腰を自らも振りたくり、打ち付けられて色付いた臀で京一郎の屹立を大きく口を開けて美味そうに呑み込んでいる。

 

「ァはッ♡♡ぁ゙ーーっ、あ゙ーーーッッ♡♡♡?!!」

「わかる?孔も奥もくぱくぱして、よォく俺を味わってるの」

「っら、ゃら、やら゙ッ♡♡!!ゃめ、ぉ゙っ♡♡!!いぐっ……♡♡」

「しっかり咀嚼して。おまえを今犯してるのは俺だよ」

「ッッ!!ッ……ぁ゙ーーーーー……っっ♡♡♡!!!」

 

DIOを言葉で犯す事も怠らない。嬲り、頭蓋の中の海馬に刷り込んでいく。京一郎はシャワー後のような滝汗を荒っぽく拭いながらゆらりと微笑んだ。

 

「気持ちイね」

「ン゙ぐ……ッ♡」

「かわい……今のおまえ、凄く綺麗だよ」

 

此処も、此処も、と京一郎の指が曲を描く臀をなぞり、尾骶骨を這い、背骨に乗る。京一郎の視線を示すかのように。その肉体美が蛇のようにくねる。

 

「あ、はァ……っ、は、ァんっ……♡」

「汗がね……流れる様がまた艶やかで。呼吸の度に肺が膨らんで肩が上下する様も愛らしい」

「っ……る、さ……ィみ、ァ、る……ッ」

 

うるさい、みみがくさる。

今にも途絶えそうな喘鳴が聞こえそうな程、息も絶え絶えにDIOは吐き捨てる。

それに反して腹の中をきゅうきゅうと締め付け、素直にその言葉に反応をするので、京一郎は腹の底でくつくつと笑った。

 

「存外俺が好きだよなァ、おまえ」

 

───“俺もおまえを愛してるよ”。

 

淫魔として意識されたどろどろに相手を蕩かす聲に、限界を超えていたDIOの脳はバグを起こした。

 

「ッ〜〜〜〜〜ッッあ゙ああ゙ぁ゙ぁ♡♡♡!!」

 

破裂、或いは発露。そのように京一郎は感じた。

DIOは愛など信じゃちゃあいない。特に今覆い被さっているこの男に関しては。けれど、その声が錯覚を齎す程に体の芯の方(魂)を揺らしたので。

それは淫魔として与えられた力に相違なかった。

あまりに満ちた絶頂感。理性が痺れて、本能をも麻痺する。

 

「ひ、ゃ、ちが、ぁあッ♡♡♡!!」

「ッ♡……すご、ァは、イく……っ!」

「あ゙おッ♡♡!!ほ、ぉお゙……っ♡♡!!」

 

まるで番を得た獣のような。

本能的に欲する他者を自身の物にしたかのような。

所有する充足と所有される悦楽。情動に理性が流れていく。

 

「ん、ふふっ……ふふ、ふ、ンン……ッ!流石に出しながら笑って噎せるのは阿呆過ぎる……」

 

何を思ったのと揶揄い交じりに問う京一郎にDIOは憤懣たる様子で顔を赤らめた。

 

「そこまで俺が欲しいとは思ってはいなかった」

 

ならなるか、番に。

酷い侮辱を受けたと言わんばかりに唸るDIOを見下ろして、京一郎は本気だと囁く。

 

……手に入れた犬を繋ぐ手段をこのDIOに使おうと言うのだ。嗚呼、この男の言動は酷く気に障る。DIOは覚えている。あの白い部屋の屑籠に、未練も葛藤もなく無造作に捨て去った銀の輪の事を。

京一郎が聞けば捨てたのはおまえだぞと笑うだろうか。

 

「まあいいけど。考えておいて、頭の隅にでも。───まだ、もう少し。刷り込んでやろうね、」

 

 

 

 

 

 

 

くったりと白いシーツに沈みながら、DIOは未だ残留する快感の余韻に小さく喉を痙攣させる。摩れるシーツの感覚も、撫でる空気の流れにすらも快楽を感じ、じんと脳が甘く蕩けるのだ。

今はもう入っていない筈なのに孔は収縮を繰り返し、意識は忘我から半ば戻れずにいる。

正しく極上、だった。吸血鬼の意識すら落とすとは流石は淫魔といったところか。房術に於いては何よりも優る。

 

「まだ寝てる?」

 

肩にシャツを引っ掛けて部屋に戻ってきた京一郎は緩く首を傾げる。さらりと髪が肩口を滑った。

 

───ぎしり、と。ベッドが京一郎の重さに沈む。

 

「ッッか、はっ……♡……ァ♡」

「……、もしかして今ので軽くイったの?」

 

少年の物覚えがいいのか淫魔の肉体が凄いのかもうよく分からんな。

手にしていたボトルの水を喉に流し込みながら京一郎は困ったように笑う。

 

「ぁ……?な、みせ、?」

「あは♡少年がそんなに喉枯らしてるの久しぶりに見た」

「……」

 

お前の所為だろうが。という目でDIOは京一郎を睨む。

京一郎は胸ポケットから取り出した煙草に火を付けながらそうだな、と肯定した。

 

「……、ああ、これ?貰ったんだ。おまえを崇拝する信奉者から、捧げ物代わりに。俺に媚を売っても何も無いのにね」

 

ぷかりと烟で遊びながら、京一郎は余所行きの蠱惑的な笑みを浮かべる。

 

「……」

「そういうのが悪いんだって?……ふふ、どうやら俺は少年のお気に入りらしいからね。どうにか他より気に入られたいんだよ」

 

うつ伏せに横になるDIOの顔を見る事無く彼の言いたい事を読む京一郎を、DIOは鬱陶しそうに鼻を鳴らした。

 

「あ、でもそういうのとは寝てないから」

「……」

「どうでもいいとか言うなよ、寂しいだろ」

 

愉しそうに笑みを浮かべた京一郎はDIOの頭部の横に手を付いて覆い被さるように見下ろす。柔く髪に触れた京一郎をちらと横目に見上げたDIOは触るなと睨んだ。

 

「……フフ、」

 

それを敢えて無視した京一郎は自身の掌越しに、DIOの額に唇を落とす。

 

「わかっているから」

「……」

「俺はおまえを愛している。おまえがそうでなくても」

 

閨事での事はそれとしてなかった事にしてもいい。

嗚呼、そういう所が、DIOは気に食わないのだ。さも自分は聞き分けの良いと言わんばかりに振舞う様が。選択肢を投げ渡して、どちらを選んでも愉しそうに笑っている余裕が。

 

DIOは身体に走る快感を堪えながら仰向けに転がる。

それだけで絶頂しそうになるのに熱い息を吐きながら、何も言わずに京一郎に視線をくれてやるのだ。

何も言わずとも分かるなら、今自分が何を欲しているのかくらい分かるだろう、と。

 

京一郎は幼げに破顔しながら、唇を合わせるだけのキスをDIOに捧げた。

 

「おまえはもっと俺を束縛すべきなんだよ」

 

 

 

 




イマイチ満足してないので書き直す可能性微レ存

20220830/訂正済
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