吸血鬼は淫魔の夢を見るか? 作:マスター冬雪(ぬんぬん)※休止中
空条承太郎が東方仗助の元を訪れた事を、そして見事片桐安十郎───通称アンジェロ───を打ち倒した事を、京一郎は日本にある片田舎の街にも蔓延る目によって抜かりなく知っていた。依然変わりなく無造作に動き回る彼は会えても会えなくてもどちらでもなどと、運命、或いはスタンド使いの法則による導きに従って街を放浪している。演出は自分の仕事では無いと笑って。信じてもいない運命なんぞに身を任せるなど京一郎にとっては悪ふざけの一種でしかなく、本気ではない。
お蔭で京一郎はちゃんと杜王町の住人として近隣住民を含め他の住民に認められているし、その息子達も密やかではあるものの、存外しっかりと京一郎の子息として見られている。
スタンド使いはスタンド使いにやがて引かれ合う。
彼と出会ったのは、予想外と言えば予想外。けれど想定の範囲内だった。
切っ掛けなどありふれたもの。物語の導入とは時にチープで“ちゃち”なものだ。
「───あら」
夜も更けた頃。子供たちを寝かしつけて、眠らぬ淫魔は散歩に出た。
暗い夜道の傍らで、男が立っている。電灯に僅かに照らされたその後ろ姿は俯いているようで、……否、地面に倒れ伏す人影を見下ろしている。
血の匂い。明らかに致死に近い量の噎せ返る臭気に、京一郎は目を細めた。
漏れ出た声に男が振り返った。
きっちりと几帳面に髪を纏めたガタイのいい学生服の男。その手には古びた弓矢が握られている。
「……───見たな」
ざざざ。風の音では無い、ざわめき。或いは雑踏とも呼べる規則的な物音。男と京一郎の間に横たわる、不可視の小さな
くすくすと京一郎は笑う。
「ええそうね。
放たれた小さな弾丸の嵐は京一郎を穿つ事はなかった。
「ッ!?何処に、」
「此処」
気配無く、声と共にその腕が男の首に回される。
「手が早いのね。だけど不用心なこと……」
息が吹きかかる程に近い距離。甘く空気を震わせる暗幕の声音。
「貴様……スタンド使いかッ!」
「そういうキミは、この町でスタンド使いを量産してる犯人さんかしら」
するりと太い首筋を指で撫でると、男はびくりと身体を震わせた。流石に人体の急所を見知らぬ男に触れられれば危機感も湧くというものだろう、じとりと季節外れの汗が滲む。
「油断したでしょう?目の前にスタンドが現れたのに無反応だったから。目撃してしまった唯の不幸な一般人だって。標的を前にして瞬きしたでしょう。仕留める瞬間がいちばん油断してはいけないところなのに」
「……ッ」
甘やかに、夜を彷彿させるように囁かれる声にも頑なな男を息だけで嗤って、京一郎は腕を解く。同時、男は京一郎から跳び退った。
「……何をした。どうやって避けた」
「瞬きと同時にキミの背後に跳んだだけ」
瞬きの一瞬だけ、眠りの力を使ったけれど。それ以外は何も。
京一郎は眉根を下げて、仕方ない子でも見るようにくすくすと笑う。馬鹿正直に全て教える筈もなく。
「別に、通報しようだとか手を出そうとか探していたとか、そういう訳ではないのよ?見てしまったのは本当に偶然」
「信じるとでも思っているのか」
「信じずとも事実だもの。スタンド使いが増えようと、その過程で人がどれだけ死のうと、興味が無い。……ああでも、キミには興味があるかもしれないね」
小さな軍隊が目の前を、後ろを、取り囲むようにして配置されながらも。無防備に京一郎は微笑んでいる。
「どうしてそんな事をしているの?愉快犯には見えないし、欲しい能力者でもいるのかしらね」
うっとりと、しどけなく。夜に溶け込む美しく淫らに笑う様は、とても人間とは思えない。性別すらひと息に飛び越し、男の真意を無遠慮に穿った。
生かしてはおけないと男が腕に力を入れたところで、京一郎はくすくすと笑い、しぃ、と指を赤い唇に当てる。
「あまり派手には動けないの。でしょう?私も、キミも」
「……」
「家の人に黙って外に出てしまったし、見なかった事にしましょ?お互いの為に」
これ以上は分水嶺。戦うも抗うも人の目に付く。京一郎の一連の立ち回りは静かなものだったが、男が強行すればそれも無くなるだろう。まだ、事を荒立てる時期では無い。少なくとも今は。
「……おれの邪魔をしないと此処で明言出来るのならば」
「良いでしょう。“私は何も見なかった”。私の魂に誓いましょう……契約書にでも認めましょうか?」
「要らん。おれの邪魔をしたと判断したその瞬間に、貴様が穴だらけになるだけだ」
「ウフフ……キミはとても怖い人ね」
京一郎は男に見えるように自身の身体に重ねたスタンドを解く。
それを見た男も、潜めていた伏兵を影から戻した。
そのまま背を向けた男に、京一郎は風の音に掻き消される程に小さく囁く。
「キミの願い、叶うといいね」
★
───これは、走馬灯だ。
夜毎、男───虹村形兆は、妖しく嗤う悪夢のような男と会うようになる。形兆はその男の名を知らないし、男もまた形兆の名を知らないまま。
毎回という訳ではなく、形兆が“成功”した時は現れず、決まって“失敗”した時にのみ。まるで死の匂いを嗅ぎつけたかのように。
「キミに大切なモノはある?」
───突き飛ばす。次いで、身体を走る衝撃。致命的なソレを喰らうまでの、瞬き程の間隙。
通算n回目。最早正確な数など覚えていなかった。それは形兆の失敗の数だ。
男は無視をする形兆に構わず話し掛け続ける。応じなければだらだらとその後を着いてくるので、形兆は仕方なく男の言葉に言葉を返す。損にも得にもならない、戯言。
真っ当でなくなった父親を殺す為。覚悟はあった。やり遂げると決意した。だってもううんざりだったのだ。やり切れない。不死の醜い化け物と化した惨めな父を、どうにかして殺してやらなければならない。そうでなくては、自分はいつまで経っても縛られたままだ。
けれど、終わらない。求めるモノが見付からない。形兆の願いは叶わない。
それで諦められる程形兆は柔軟ではなかったし、それをするにはもう遅かった。彼はもう、多くを殺し過ぎている。
ヒトを殺す為に
「譲れないモノの為にキミはヒトのいのちを摘み取っているのでしょう?───キミに大切なモノはある?」
そこに目をつけない京一郎ではない。だって、彼は他者のいのちを啜る淫魔なので。
人を殺害した余韻を帯びた形兆に、男は恐れもせずに声をかける。
時に無垢な少女のように。
時に男に狂った女のように。
時に歳食って老いた男のように。
そのブルーを帯びた黒真珠は愉悦に弧を描いている。
また、突拍子のない事だった。男はいつもそうだ。
“いつも”、などと無意識にその言葉を選んでしまう程、形兆は男に付き纏われていた。男は形兆と遭遇してしまう事は偶然だと
どうであれ実際は趣味の悪い遊びに他ならない。
ちらりと薄汚れたコンクリートの建物を見遣り、男はその血のように赤い唇をにやりと歪める。いやらしい、と印象を受けるだろうその仕草には、普通に生きていれば身に付かない艶と、おぞましい程の色香が滲む。
「キミは今何を
男は問いに答えは求めていない。けれど、その思い浮かべて“しまった”それは、形兆の“願い”そのものではなく、その“願い”を決定づけた“理由”の方だ。けれどそれは理由のひとつでしかない。
満杯のグラスの水に、あと1滴を垂らした、その
怒声と、悲鳴。
泣き声。
物音。
何かが壊れる音。それは家の中から聞こえたのか、自分の中から聞こえたのか、覚えていないけれど。
何かが折れる音。足音。啜り泣き。
───形兆はかぶりを振る。もう、止まれないのだ。
惑わせる男の声を振り払うように。ギロリと男を睨む。内心の動揺を見せぬよう、無駄な事を話すなとでも言うように。
「嗚呼、そんな怖い顔をするなよ……男前が台無しよ」
「その薄汚ぇ口を閉じろ」
「うふふ!随分かわいい反応をくれるね」
舌打ちする。
「忘れさせてあげようか」
「……なんだと」
「苛む情も、煩わしい記憶も、疼く心も。そうしたらキミは自由になれる?」
侍るような言動で、愛らしく首を傾げて、無邪気に邪気のある提案を目の前に吊り下げる。
「貴様……おれを怒らせたいのか」
「ああ!そんなつもりはなくってよ。気に障った?許してちょうだい」
もし是と言っても冗談だと取り上げる癖に、よくも白々しく、踏み躙るような真似をしてくれる。
「譲れぬモノを持つ者は強いよ。キミはまだ若いけれど。それに振れぬ精神が……黄金のような魂があれば。キミはきっと、誰にも負けない」
黄金、などと。
血に濡れたおれに言うのか。
「私は囁くだけ。折れぬと知って、私は問いかけるだけ。私はヒトの心の弱さに付け入る悪夢そのもの」
「……」
「さっきの提案は冗談だけど。ほんのひとときだけ、忘れてしまってもいいとは思っているよ」
どうだろうか、と。悪夢は耳元で囁く。
切れ掛けの電灯の下で、冷たい熱が形兆の肌にひたりと触れる。
「希望はある。すぐ傍にね。けれど、それに気付く時には死神が鎌を振りかざしているから、気を付けて。運命はそれを運ぶのよ」
───走馬灯を見ていた。
★
「帰ったか」
「アラ、眠っていなかったの?」
もうこんなにも日が登っているのに。
京一郎は悪びれずに朗らかに、夜の1滴を滲ませて笑う。
「……臭う」
「ンフフ!犬みてぇ」
「シャワーを浴びてこい」
「上書きする、とは言ってくれねぇの」
「風呂の後だ。望み通り仕置してやる」
「きゃあ。素敵ね、どんな仕置をしてくれるのか……楽しみだ」
★
鈍い音が足元からした。珍しく彼と歩いていた昼間の事だ。
不愉快そうに眉根を寄せた彼の足元から少し先の道にかけて、赤が線を描いている。ズタボロの袋からはか細い鳴き声と、溢れ出る血が流れている。
「ム……」
「あら……子猫かな。あんな袋に詰められて道端に放置だなんて……」
気配がなくて気付かなかったのだろう。ちょうど、彼は俺に気を取られて意識を逸らしていた。俺も、勿論気付かなかった。
「ああ〜〜やっちまったなァ兄ちゃん」
ベンチに腰かける不良然とした青年が態とらしく眉根を下げて哀れんでいる。
「今のはしょうがねぇよ、事故だよ。あんな道のど真ん中に、罪のねぇ子ネコを袋に入れて捨てとく奴が悪ぃのさ」
「……」
「まあ……大変。無事かしら……」
そう言いながら袋に近寄る俺にもう死んじまってるさと声を掛ける青年……を、じっと見つめる彼。
それにタジタジしながらも引き攣る口元を引き締めるのを横目に拾い上げる。
「おや、」
「中は見ねぇ方がいい……あんな勢いだったんだ。きっと骨もバキバキで、目ん玉も飛び出してら。……おれのさぁ〜……ネコだったんだよ……捜してたんだ……声を聞きゃあわかるのさ。漸く見付けたと思ったんだ……それがよォ……見付けたと思ったら、お前さんが蹴り飛ばしてたとこだったんだよなァ〜……!」
「で?」
「?!い、慰謝料払えやコラ!!おめぇはおれの猫を殺した猫殺しだッ!この落とし前はゼニで払ってくれなきゃあなあッ?!」
「あのゴミが貴様のネコである確証はあるのか?」
「ごっ……ゴミだとォ?!こ、このおれが随分面倒見てた子ネコがゴミだと言ったんかテメェ?!」
聞くも涙語るも涙な子ネコと青年の青春話をしらっとした顔で聞き、だから?と目を弓形にして笑う彼に、青年は何も言えずに口をパクパクとさせて、身体中汗みずくにして、遂に沈黙した。
「ざ、罪悪感が……欠片もねぇ……だと……?と、とんだ人でなしじゃあねぇか……!」
そうして音が付く程にこちらを振り向くので、にっこりと微笑んで手を振る。片手に血の滴る袋を引っ提げて。
「ひィ……?!」
「“罪悪感”……それがキミのスタンドのトリガーか」
「な、なん……まさか、テメェもスタンド使いかよ?!」
この町に何人いるんだ!と堪らず叫ぶ青年には常習性を感じ取る。……まア、知っていたけれど。
「生きたモノが入っているならアレなら分かる。血の匂いもネコのものではないしな」
「血……?!」
「さて……キミのスタンド能力……詳しく聞かせてもらおうか……」
あは。帝王モードじゃん。
すっかり吐かされた小林玉美はほうぼうのていで逃げ出した。
「要らなかったのか?」
「あんな木っ端など要らん」
「そーお?」
「生温い町の生温いスタンドだ。罪悪感をトリガーに発動する重み如き。足元に置いておくだけ無駄、リスクにしかならん」
「フフ。そうねエ……たったあれだけで自分の事をペラペラと話してしまうのだから、きっとチョットの暴力で色んな事を吐いてしまうだろう。直ぐに足がつきそうだ」
袋の中から取り出したぬいぐるみに笑う。
「子猫いっぴきすら殺せない小物は、おまえには似合わないね」
「おまえが言えた事か」
「ンフフ」
人を
「散歩の続きをしようか」
この先、霊園の近くに新しく出来たイタリアンレストランがあるんだって。
★
トラサルディーという名のイタリアンレストランはテーブルが僅か2つしかない。しかも変わった事にメニュー表はなく、入口にある本日のメニューにはお客様次第、とある。
「此処はシェフ兼店長のトニオが1人で営んでいるトラットリアだから、席は2つしかない」
「来た事があるのか?」
「1度だけね」
含みのある笑みを乗せた京一郎を気味悪げに見たDIOはレストランのドアを開ける。
「……」
「どう?結構良さそうでしょう?」
品のある店内に調和の取れた調度品。けれど何処か暖かみもある。目の肥えた京一郎も満足のそれにDIOも口を閉じる。
「いらっしゃいマセ……おや、京一郎サン。また来ていただけたんデスね」
「ええ、この間ぶりね。とても楽しい時間だったから、是非彼とも来たくてね」
「左様でシタか。それはとても光栄デス」
イタリア訛りのある日本語に京一郎はにこにこと微笑む。
椅子を引いて2人を席に座らせたトニオに京一郎は両掌を差し出す。
「……?」
「見たでしょう?本日のメニューは“お客様次第”」
「おや、サプライズですカ?」
「そう。人生には時には
「はは!確かに、料理と一緒デスね」
初めと変わらず健康デスね、けれど少し栄養不足でしょうカ。そう続いた言葉にDIOは口を開く。
「手を見るだけで分かるのか?」
「はい。ワタシは両手をみれば肉体全てがわかりまス」
「……ほう」
「さ、アナタも手を」
その言葉にDIOも両手を差し出す。
「フゥーむ……アナタもとても健康でスね。けれど……眼精疲労ありマスか?」
「ア、また夜通し読書したでしょう」
「……」
「アナタも少し栄養不足ですネ。いや、珍しい……ここまで健康な肉体を維持しているお客様がお2人も」
良い事です、と人の良さの滲む笑みを浮かべたトニオは喜ばしいと微笑み、腕が鳴ると口にして厨房へ向かう。
「良い人だろ」
「……ふん」
そうして、DIOは手元の水を何口か飲んで、咄嗟に口を押さえる。がちゃん、とグラスが傾いたのを、京一郎のスタンドの腕が支えた。
「はっ……?!勝手に、……!」
「ああ、ホラ……ハンカチあげる」
自分の意思とは関係無しに眼球から溢れる涙を、身を乗り出した京一郎に拭われる。
「なん、だ、これは……」
「わあ。ちょっと眼球しぼんだ?涙目で可愛い」
「……煩いぞ」
少量且つ短時間で止まった落涙に京一郎はくすくすと声を潜ませて笑った。
「ウフフ」
「スタンドか……」
「多分ね?」
おまえはまだ少し人間のままだから、この水でも効果が出るのね。
濡れたハンカチを仕舞った京一郎も水を嚥下する。
「トニオはお客に快適な気持ちで帰ってもらえるように料理を出すんだ」
「その通りデス」
「こちら、サーモンと塩漬け肉とチーズの盛り合わせデス」
栄養たっぷりデスヨ!
トニオに促されるようにしてフォークを手に取る。
「ん〜……相変わらず良い腕してる♡」
「ありがとうございマス」
「彼とは少し違うのね?」
「ええ。お2人では必要な栄養素が異なりマスので……と言うよりも、吸収しやすいモノが異なる……と、申しマスか」
「因みにそれはどういったモノ?」
「それは、企業秘密というコトで……」
「アラ、そうね。不躾だったわ、これはトニオの努力の結晶だものね」
「フフ……ありがとうございマス」
それぞれでも美味しいが、適度に塩抜きされた肉はチーズにも最適だ。特に、掛けられたソースが。
「では、ワタシは
「ウン」
トニオを見送った京一郎もうひと口料理を口に入れる。
「知っているのか?」
「いいや。トニオは唯選んでいるだけ」
足りない栄養素を効率良く取れるように、よく似たものを選び取っている。
「スタンドで付与している……?いや、スタンドが料理に入っているのか」
「あは。あまり気難しく考えないで……料理を楽しもうぜ?」
「呑気な……」
続いて、パスタの皿がスープの器と共に来る。手打ち平麺のクリームパスタと野菜のミネストローネ。
「美味しい」
「……、はあ。……そうだな」
「お、諦めた?」
「おまえを見ていると馬鹿らしくなった」
「含みを感じるぞ?失礼だな」
トニオはただ、お客に料理を楽しんでもらって、快適になってもらいたいだけなのだ。料理人にとってそれ以外にはないと、それが彼にとっての生き甲斐なのだと。本当にただそれだけ。
「トニオは根っからの料理人だね」
「そうデスね……ワタシには料理しかありませんから」
それもぺろりと平らげ、ドルチェのチョコレートのタルトにフォークを刺し込んで。
「ああ、本当に美味しかった。身体の底から満たされるヒトの食事はあまりないから……」
口に出さずとも、DIOもそれに同意だ。
まさかこの世に───吸血鬼や淫魔の肉体を満たすものが、人間の食べる料理の形をしているものとしてあるとは。
「ワタシも修行が足りマセン。コースの品目、少し多かったデしょう?」
「いいのよ、これくらいが食いでがあって丁度いい」
京一郎もDIOも肌艶が違うのでわかりやすい。それこそ双方を喰らいあった夜明けの頃に近いのである。
「私の屋敷に雇いたいくらいだけど……キミは今のまま、この料理店で、多くの人に料理を食べてもらいたいのよね」
「嬉しいお誘いデスが……」
「ウフ。ご馳走様……また来るね。今度は彼と、私の子供たちも連れて」
人数が多いから、予約も忘れずに。
「ありがとうございマシタ。またのご来店をお待ちしておりマス」
「Bye♡」
「また来る」
満足して、満ち足りて、帰る道すがら。
「おっと、ごめんね」
「あっ……すンません。……おいコラ億泰ゥ!はしゃいでんじゃねーーー!!」
「アレが……東方仗助か」
「凄い偶然。……今日はスタンド使いに、本当によく会う日だったな」
「“偶然”、か?」
「“本当”だ。運命だね……」
「どの口が」
切
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