※この作品はR-18です。

吸血鬼は淫魔の夢を見るか?   作:マスター冬雪(ぬんぬん)※休止中

6 / 45
ワンクッション

♡喘ぎ/吸血/独自設定・捏造


第6話★

ぐーっと背を伸ばす。バキバキと骨が鳴ってじわりと血液が通うような感覚が抜け、漸く強張りが解けた。

 

「お疲れ様です」

「ン……ああ、お疲れ様です」

 

この仕事で気に入っているのはデスクワークさえしていれば文句を言われない所だろう。ノルマの量は主に部長の所為で半端ないんだが。終わるまで帰れないのはこの部署の常識である。労働基準法は果たしてどこにいったんだろうな。

差し出された珈琲は給湯室で淹れたもののようで、白いカップの中で波紋を作っている。ソーサーを手にしている白い手を辿れば女は人好きのする笑顔でそれを差し出した。

 

……ああ、そういえばこの女、確か部長の─────

 

「ありがとう。イイ匂いだ……ん、インスタントじゃあ無さそうだケド、」

「ふふ、あのヒトにはナイショですよ?」

 

……もしかしなくてもチョットお高めの物でも使ったのか。露骨な特別扱いは普通の男なら喜ぶやつだ。単純だからな。そういう生き物だ。まして清純そうな女がすれば尚更の事。実質は清純の欠片もねぇけどな。

ま、あの太鼓腹部長は味の差なんて分かんねぇから少し減っても気にしねぇだろうしよ。

飲み会の時の安酒でイッキをやらされた光景を芋蔓式で思い出して内心舌打ちした。前座ならてめぇでやれ。

 

「あの、今晩何か予定あります?」

「無いですよ」

「ならこの後私とご飯行きましょ」

「……自分と、ですか」

「あら、私とじゃ不満かしら?」

「そういう訳じゃあないですよ。ただ、良いのかな、と」

「……ああ、部長の事気にしてるんですか?良いんですよ、同僚とご飯くらいで目くじら立てられても困っちゃいます」

 

あの無能上司の愛人。オフィスにあるとある一室は専らこの女と部長のヤリ部屋である。

部長は言わずもがな、この女も相当だ。顔の良い、もしくは地位や金のある人間には簡単に股を開くと陰で良く噂されている。

 

「この前早川さんと“食事”に行ってたのナイショにしてあげますから、ね?」

 

……決定事項という訳か。1度や2度抱いてやった女の事を盾に迫られても痛痒にもならないというのが本音、だが。

自信有り余る様子に期待に沿ってやっていいですよと応えてやる。

最近漸く同僚や先輩ら全員の弱味やら貸しやらが手に入ったので、自分の仕事以上のものを押し付けられる事もなくなった。それが出来るのはこの部署ではもう部長くらいだろう。その部長も今日明日は休みだ。それを見越しての誘いなのだろう……。

 

それにしても定時退社できるとは素晴らしい。書類の塔が出来るなら建設する原因を排除すればよかったのだと何故気付かなかった?

とはいえそれはそれで面倒な事になっていただろうが……現状のように。

 

「(……まあ、“コレ”を利用してあの太鼓腹部長にちょっとしたイヤガラセが出来れば……多少、面白い事になるかもしれない)」

 

興味で、好奇心だ。

それで誰かがどんな不幸な目に遭ったとしても、自分に降り掛からなければどうでもいい……なんて考える俺は、どう見ても外道の類いなのだった。フフ、知ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

体調は良好だ。酔いもない。そもそも親しくもない人間の前では酔う事が出来ない体質だ。しこたま飲まされて悪酔いするのは除く。

あの後ちょっとしたバーで料理なり酒なりを奢ってやって、何事も無く家まで送り届けて自宅に帰ってきた。ああいうのは焦らせばボロを出す。思い描くシチュエーションとしては、あくまであちらが手を出してきたという名目が望ましいのだ。

帰り際頬にキスをされたが挨拶程度に赤面する程純粋じゃあない。掠める程度に頬に返して睦言じみた言葉を囁いてやった時の顔は見物だった。まだ少年の方が一筋縄ではいかなくて愉しい。

 

ネクタイを解いてワイシャツを脱ぐ。脱衣場にそれを放り投げながら何気なく鏡映る背中に目をやった。

首の後ろから僧帽筋全体にかけて伝う、十を優に超える蚯蚓脹れ。血が滲んだ跡が瘡蓋になっていた。他にも腰やら二の腕やらにもそれは残っている。

 

「これが残ってる間は他とセックス出来ねぇかもな」

 

あんまりにも深くエグい傷痕だ。セフレだろうが絶対引く。

ああ、だが何だかんだ言って別に困ってはいないのだ。3日毎に例の部屋に呼ばれる事であるし、少年に対し欠片も飽きがこないからだ。

初めが自分ではないとはいえ少年の身体をソウイウ風に躾けたのはこの俺だ。

涎が出るくらいにエロいしなやかな身体。教えれば素直に学ぶ癖に生意気で不遜な態度。美しく勝気に整った顔。

傲慢な程の強気を無理矢理組み伏せて啼かせた時の悦楽は麻薬に並ぶ。

会う度会う度に成長し、今では俺との身長差は無いに等しい。あの小さく薄い身体が懐かしいくらいだが、実を言えば少年と会ってからまだ2ヶ月も経っていない。

 

俺は今では、あの部屋の出来事は唯の夢ではないと確信していた。

あの傷の残る滑らかな肌も。意志の強い顔立ちも。プライドの高い猫のような性格も。下衆な策をポンポンと思い付く汚泥のような精神性も。感度も。声も。減らず口も。

あの頃の俺では考え付かないくらいに唆られる存在が、唯の夢であっていい筈がない。

 

「……ハマりそうだ」

 

上擦って震え、明らかな興奮と愉悦を孕んだ己の声。口を掌で覆う。

人の心を転がせる智謀を持っているのに何処か純粋なあの少年に、人間の壊し方を1から教えてやりたい。文字通りその身に実践してやって教え込ませるのも愉しいだろう。壊れてしまうならばそれはそれで。成り果ててしまうのも悪くない。あの子供はまだ、人間というものの底無しの穢れを知らない。澱みを知らない。

 

だが……未完成だからこそ美しいのかもしれない、とも思う。

純粋な意志。黒にしろ、白にしろ、悪にしろ、善にしろ。純粋な物ほど汚したくなる。この感情を愛おしさというのだろう。その少年もゴミを処分するように躊躇いなく棄てられるのだが。少なくとも、今は。

壊すにはまだ勿体無いと思っているのも事実なのだが。

 

エデンの園でイヴに果実を食べさせた蛇のように、甘く誘いを掛け続けよう。いつか彼が、自ら狂いたいと願うまで。

 

ああ、待てるさ。待てるとも。

だって俺は、悪い大人だからな。

 

 

「そんないつかは来ないだろうけど」

 

 

俺の勘は当たるのだ。

だが、望んだっていいだろう?夢に閉じ込めてしまいたくなるくらいには彼を愛してるんだから。

 

……ンフフ、我ながら白々しい!

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「どうした少年?今日はやけに上の空だな」

 

思い詰めたような翳りの晴れない顔だ。柔く笑いかけながら自身を抜き、浅く息を吐く彼に腕を貸してやる。1度しか出してないが生憎無理に欲を押す程飢えてもいない。鍵は開いた。今日はもう終わりでいい。

 

「は……、別に」

「別にという事はないだろ。手口のバレた詐欺師のような面をして」

「……」

 

微妙な顔をした。当たらずも遠からず、というところか。同時に何やら野望のような、欲望のような、ぎらぎらした何かが垣間見えるが。目の前に蜘蛛の糸を垂らされた極悪人のよう、とも。

こういう飢えた獣のような目は大変好ましい。あくなき向上心というやつだ。停滞を唾棄する思考はどれだけ欲しい物を掻き集めても満たされぬ不毛を想起させて実にイイ。

まあ何だっていいんだけどなとニッコリ笑えば彼は胡散臭いものでも見たかのような顔で鼻を鳴らす。詳細は聞くなという事だろうか。

 

「……もう行く」

「おー。いってらっしゃーい」

 

と、別れたのが3日前。

 

 

 

 

 

 

まさか子猫と思っていた遊び相手に、文字通り噛み付かれる事になるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

息荒く部屋に現れて早々、俺の胸倉を掴み上げて押し倒し。

馬乗りになってその五指を俺の首に突き立てたのである。

 

……驚いた。いや本当に。

何の変哲もない人間の指がずぶりと人体に食い込んだのだ。信じられるものじゃあない。だが事実だ。夢の中ではある。だが、このままだと俺は死ぬ。確実に。危機感がそう囁いた。それだけは確信を持てた。

ぐぶりと吐血する。

 

「おいおい……お前、俺の血を吸っているのか」

「……KUAAaaa……」

「よく見なくとも随分と大怪我をしている。全身火傷に……ああ、喉も爛れてしまって。それに、この傷。刺されでもしたか?」

 

焼け焦げた匂い。服はあまりの火の勢いに燃え尽きたのだろう。笑みを崩さぬまま剥き出しになった少年の身体を指先で撫ぜる。

全身に赤黒いケロイドと剥き出しの肉と骨。端麗な容姿は見る影もなく。右脚に到っては殆ど肉が焦げ付いてしまっている。

……こと酷いのは腹の傷だろうか。両手が収まるくらいにどデカい風穴の痕。肉で埋められ塞がって尚血が溢れ流れていた。うーんグロい。ほぼほぼゾンビ。ホラーかな?

 

ただ、まるでカタツムリの這うような速さではあったが、ジワジワと逆再生でも見るように傷が小さくなっていっているのには目を細めた。

 

「……吸血鬼か。セオリーでいけば、それ程の怪我……1人の人間の血では癒える事は無いだろう」

 

その手がぴくりと反応した。

 

「お前が俺を殺してもイイと思うなら全て吸い尽くせばいい。人は容易く死ぬ」

 

それは害だ。

殺す気ならば、お前は俺の敵だ。

 

鈍い刃物のような、冴え冴えとした殺意のいろ。

少年は目を見開く。なあ、慣れていない訳では無いが、そこらのゴロツキのようなものとは一緒には出来ないだろう?この俺からの殺意なのだから。

殺してもいいと思っても、お前はその手を引く。恐れていないのに気圧されるだろう?只人ならば諾々と従ってしまうような強さを孕んだ傲慢が、俺のそれにはあるのだから。

 

……ま、多分通じるのはそれだけの情を積み重ねたという自負があるとはいえ今回だけだろうけど。今はそれで十分であって、後々の事を考えるのは後々の俺である。

 

「フフ……良い子だ、少年」

 

快楽の末に死ぬのは良い。死は恐れるものでは無い。

だが“コレ”は頂けない。それは愉しくない。その原因に対し何もせずにいられる程、俺はなまっちょろい存在じゃあない。

 

「互いに愉しいと思える事をしよう。一瞬で終わっちゃあつまらない」

 

そっとその頭を抱き、首を晒す。

ごくりと唾液を呑む音がこちらにも聞こえた。

 

 

「少年。セックスしよう」

 

 

 

 

 

 

俺にとってセックスとは。

 

相手を堕すためのツールであり、手軽に快楽を摂取出来る行為であり、情動を発散させる道具。

まさかそれを文字通り自分の命の保身の為に使う事になるとは、人生分からぬものだ。それだからこそ面白い。

 

伸し掛る少年に欲を擦り付ければびくりとその肢体が跳ねる。

人間の生存本能か。死の危機があると子孫を残そうと性欲が高まるとはよく聞くが、自分が経験するとは思ってもみなかった。

余裕はない。興じさせねば俺は彼に殺されるだろう。彼は文字通り上位種となったのだ。生きる為には媚びねばならないという訳で。

誇り?矜恃?ンなもん犬にでも食わせとけ。怪我人といえど多少は頑丈な筈だ。なら、この俺が本気で堕とそうとしても、大丈夫だろう。多分。

……ああ、少年には俺を殺せば等と脅したが。俺は今から、殺し殺されるよりも残酷な事をする。

もう既に侵されているその身体に、致死量のドラッグを注ぎ込むのだ。

 

─────セックスをしよう、少年。

首に少年の顔を押し付け、逆の手で少年の孔穴を慣らす。

 

「ァウ……」

「怪我が原因か人間から吸血鬼になりたてだからこうなったのか……本能に呑まれたのかな。理性はあるみたいだが。吸血鬼も難儀なようだ」

 

血の出が悪くなったのかがぶがぶとその鋭い牙が膚を削った。

指で顎を擽って上を向かせ、俺の口を指差す。

少年は先程吐血した分の血を舌で辿り、新たに口の中を噛み切った為に溢れる血を追い掛けて口付けする。

 

「ン……ン……」

「挿入れるぞ」

「ん、……ふ、?ゥあ……っ!?ァ、ヤ、んあぁんっ!!」

 

ぶるりと身震いをしたもののいつものように身体が弛緩し、俺の自身を受け入れた。教え込まれた身体は無意識に緩む。

 

「良い子」

「ん、ぁ、あ、ゥ……?うっ、あ、」

 

何をされているのか理解していないというようなキョトンとした顔が、少しずつ快楽に染まって蕩けていく。

力が強い。爪を立てられたそこは再びずぶりと埋まるが、血を吸われているような感覚はない。もう一度良い子だと口にして耳を舐れば少年はイヤイヤと首を振りながら腰を浮かせた。明らかに快感を拾い上げている。

 

「優しく突き落としてやるからな……お前は唯々感じていればいい」

「ゃ、あ……っ!ぁあ……」

 

柔く強く突き上げれば内壁全体をぐじゅりと抉る。入れ過ぎたローションが結合部からぶじゅぶじゅと溢れ、歯を食いしばる少年はとろりとした目で恍惚に浸りながら腰を波打たせている。少年の腹から滲む血が俺の腹にべたりと擦り付いた。

 

「ぁーー……ゥ、んあー……、ぁ、あ……ひゃぁん……っ!あぁ、」

 

陶酔と、陶然と。とろりとその目の色が霞がかる。

その恍惚が冷めないようにゆっくりと。確実に。潜め切れない捕食者の気配を覚えさせる。喰われる事に忌避を抱かぬように。

 

「気持ちイイな。もっとヨくなろうな……」

「ォ、おぅゥ……!ゥ、あぁーー……!ん、あ、ぁ、あ、!あぅ、は、ぁぁ、!ぁ、う、はぁ、はぁ、んん……!ぁ……!ゃ、やっ……!あああっ!!や、やぁんっ!あぁんっ!ぁンっ!ァン……ッ、」

 

ごちゅごちゅと掻き回され突き上げられる音が響く。規則的な律動の水音は至極卑猥だ。奏でられる声も併せればまさに演奏と言ってもいい。素直に声を出す少年はとても愛らしい。

 

「ハ、ハ、ぁ!ぁ!ャ、やあっ……!や、あんっ!あん、んん、ッ!んーーーっ……!んんう、んあ、やあ゙……!や゙、あ゙ーーーー……っ!」

「ん……そろそろイきそう?イク?」

「ァ、ぁ、ア、アッ!ひ、ぃい、い、くっ!イク、イクぅ!あっ、あっ、もうらめ、いく、ぁぁ、!ッッいっぐぅ、ーーーー!!」

 

焦点の合わない目を見開いて体を波打たせて達した。彼も命の危機に身体が興奮しているのだろうか。

浮いて跳ねる腰を押さえてぐりぐりと抉ればヒンヒンと甘い声を出しながら、快楽の頂きから降りられず苦悶する。

ぎゅう、と寄せられた眉は八の字に下がり、その鋭い歯が唇に食い込んでぶつりと切れた。

 

「ンッフフ……やっと喋ったかと思ったらイクぅ!か……」

「フー……!フー……!ゥ、あ……」

「ん。そんなに腰を揺らして……もっと欲しい?」

「ん、ん……」

「じゃ、やるよ」

「ゥ……くひんっ!?んっ、ふ、ゥア……」

 

ぎゅう、と逞しい脚が俺の腹を挟んで締め付ける。……いてて、このままだと肋が折れそうだ。

 

膝裏を掬い上げて今度は俺が上から伸し掛るように少年を押し倒した。

 

「次は俺も、な。お前のナカでイかせてくれよ……しょーねん」

「ゥあ……」

 

ジワジワと、傷が癒えていく。

 

 

 

 

 

 

少年が自らも積極的になり始めたのは、俺が最初に中出ししてからだ。

心臓あたりの傷がじゅう、と音を立てて目に見える形で薄くなったのだ。ぞわぞわと肌を荒立たせ、見開いた目が再び快楽に溶けてしまうまで、時間はそう掛からなかった。

 

「お前……本当はサキュバスだったりする?」

 

人間の精気を吸収して傷を癒す、なんて。

背後から硬い尻を揉みながらずぶずぶと責め立ててやりつつ。

確かに硬い。筋肉質で硬い骨ばったゴムボールのようだが、それはそれ。目下かなりの絶景である。俺の自身を咥えて口を大きく広げ、尻を揉まれる事で形をぐにぐにと変えるアナル。シーツに擦り付けられながら精液混じりのカウパーを垂れ流すペニス。律動の度にたぷたぷとゆれる陰囊。

無防備で非常に良い。

全身火傷で痛々しいが中の具合は極上のままだ。一突き毎に体全体が快楽にのたうつ。肉棒を扱き上げるようにきゅうきゅうと締め付けて尻を跳ね上げるのだ。反射だろうがなんだろうがそれは紛れも無く雄に媚びる動きだ。精を強請る行為だ。それをとうの少年は知る由もない。

 

「ぉお゙っ……!ゥ、お゙、ご……あぉ、っ!お、ぉっ!ゥ、……ぁあ、は、はぁ……っ!あ゙あ゙ッッ!!」

「ンン……、あは。フフフ、お前ほぼほぼ死にかけだしなぁ。何だかんだ素直に吸血を止めたのはこっちのが効率が良いと本能が察したからじゃあないか?」

「……!」

 

睨まれた。

大分人としての理性が戻ってきているらしい。いつもとは目の色は違うが、いつもと同じ目をしている。それでも、生存本能には逆らえないようだが。

 

「フ、フフフフフっ!嘘だよ。殺さないでいてくれたのは有難いと思ってるんだ。お蔭で俺も、こうしてイイ思いが出来てる」

 

出すぞ、と本日通算3度目の射精。少年が1番感じる奥の方、すぼまったどん詰まりの手前、刺激すれば亀頭を覆って吸い付くそこ肉の壁に向けて吐き出した。

 

「や、やぁっ、ゥグぅぅ……っ!!ぅ、ん゙ッ!ぅ、あああ゙あ゙〜〜っ!!あ、あ、あ゙!や゙、あぁ……っ!!」

 

搾り取るようなナカの動きにぶるりと腰が震え目を瞑る。薄く深く息を吐く。押し拓いたそこは入口から奥にかけてキツく締め付けてくる。

激しい快楽に耐える為に少年の肩に噛み付いた。滴る汗の塩味が低い体温には不釣り合いで、それが少し可笑しく感じて口角を吊り上げて笑った。

 

「ゥ、ゥ、あっ、ああ゙っ……ァ、んは、!ァ゙ーー……!」

「少年、分かる?ココ……この先がS状結腸。ここの周辺は刺激されただけで頭がおかしくなりそうだろ?人体って面白いよなァ……?」

「オ゙、ゥゥ、!や、め゙……っ!ぅ、うぅっ!ぅ、ぅ゙……!」

「限界までイかせてやるよ……完全に堕としきってやるつもりだから」

 

再び枕に顔を埋めた少年に腰を上げさせ、叩き付けるように責め立てる。見開いた目からはぼろりと生理的な涙が零れ、その白い背中は限界まで反らされてびくびくと跳ねた。

覗き込んだ顔はまるで白痴といった様相で、何も考えられない程の快楽のスパークに目を白黒させていた。

 

「────ッ!?っ!!〜〜〜〜っカ、はッ!っあグ、!ぅ、うああ……っ!ァ……あ、あああっ……!」

「足りないか?足りないよな。安心しろよ、直ぐにでも次をくれてやる。動く気力になる程度には注いでやる。後は夢から醒めた後で頑張るんだな」

 

後ろから風穴の縁を辿り、幼少の頃の傷の殆どが癒えている事に気付いて残念に思った。齧りついて付けた歯型も癒えてしまう。

白い肌は白さを増し。肌は死人の肌のように冷たいのに柔いまま。鮮やかな紅茶色の目は鋭く。

 

「どんなに突き落とされても、報いに遭っても、こびり付いて落ちない油汚れのような邪悪さが俺ァ愛おしいよ」

 

何を知っている、とも言いたげな震える目ににっこりと嗤って涙の筋をべろりと舐め上げる。

何も知らねぇけどな。

ぶちゅりと前立腺を磨り潰した。くひん、と鼻にかかったような声を上げて三度枕に顔を沈めた少年の様子がとても哀れで愛らしい。

 

「……何度犯せばお前はイかれるかな」

 

愉しみだよ、ディオ。

 

 

 

 

 

 

「ん……ふ、フフ。フフフフフ……少年、見ろよ。ココの傷。骨まで見えていたのにもう肉が覆い、薄皮まで出来てるぞ」

 

頭がぐらぐらと揺れ、瞳孔は定まらず。それでも腰から下は貪欲に精を求めてゆらゆら揺れている。

正常位は顔が良く見えていい。痴態を余す所なく視姦できる。

 

「あっ、あぅ゙♡あぁん゙っ……!ぁ゙……♡」

「何回目だっけ。お前は覚えてる?お互い頭がイかれるくらい続けてるもんな……」

「ァゔ……あっ♡ぁんっ、あん、ん゙ん、あぁっ……♡や゙、ァ……っあ、あ、ひ、〜〜〜〜っひ、ぅぅ、♡!」

 

あつい。

額から何から滝のような汗が噴き出して、視界の邪魔だと手の甲で拭い髪を搔き上げる。同時に少年の顔も同じように汗を拭ってやる。

 

「!……フフ……すげぇ顔。色んな液体が全部出てる」

 

涙も唾液も鼻水も。痴呆になったかのようなだらしない顔だ。開いた口からは喘ぎ声と共にひたひたと舌が浮いては力なく垂れて。

非常に唆られる。

 

「ッ?!ァ……くぁンッ♡♡!!あゥ゙、ウヴぁ゙ぁ゙……っ♡♡!!」

「おっと。悪い悪い。敏感になってるとこなのに……フフ、ついデカくしてしまった。あんまりにも可愛いから」

 

出す物も無くなったのに勃起する彼のペニスを指先で撫ぜる。

力の抜けた腕で嫌だと押し退けようとするのを抑え、指を絡めてシーツに縫い付ける。

 

「ゥ、も……ゃ、だ、!」

「お」

「もう、いらない゙ぃ……!」

 

流血が止まったからか、疲弊しきったからか。

未だぼんやりとしていたが少年は‪涙で濡れた顔を歪めながらゆるゆると首を横に振る。まるで子供のようだ。少年は声を潜めて泣く子供だった。

 

「気持ち良くなかった?」

「そ、じゃ、な……」

「少年の身体だってまだこんなに酷い怪我だ。まだ痛むだろう?」

「でも、も……無理、」

「腰、揺れてるぜ」

「んぁぁ……ッ♡!ぁ゙、あぁ、やめ……!」

 

揺れる腰に合わせて動かせば小さくしゃくりあげながら震えた声を上げる。普段ならデカイ図体だとしても哀れに思うところだろう。……まあ、今は唯劣情を煽るだけだったのだが。

 

「しょーねん。ちゅー」

「ン、む……っ!んむ、ん……ん、ちゅ、ちゅう……ぁふ、ん……」

「ちゅ、ちゅ……、……少年、あと1回。な?」

「ん、ん……」

 

快楽ではなく血、つまり精気のみが欲しいのだ。知っている。

だがこちらとしては、ここまで煽られれば途中で抜く訳にもいかない訳で。

どろりと少年の理性が再び呑まれた。手をシーツに縫い付けたまま、より密着させた状態でピストンさせる。

 

「ァ……っは、ぁ!あァ、ンンッ、あ゙ん♡!ァ゙、」

「気持ちイイ?」

「い、ィ……っ、あ、もっと、ン……精気、ほしいィ……っ、」

「いいぜ。ちゃんと飲み干して元気になれよ」

「ァ、い、いい……っ!もっとぉ……♡♡」

 

大きく口を開いた少年は唾液を滴らせながら牙を突き立てた。

首元に再び齧り付かれ、加減無く血が吸われていく。

あ、ちょ、それ死ぬからストップストップ。……ってさっきからそう言ってんだけどな。お蔭で全身噛み跡血塗れである。

止められて不満そうに口を離し名残惜しげに首筋を舐める少年の頬に軽くキスをして、より強く打ち付ける。

 

「ンはあ゙ぁっ!あ゙、ァ……しぇ、き、ィっ♡、ふ、ぅああっ!あ、ガ、ゥ……!ぅ、あ、ぁ……ぁぁっ♡♡!は、やぐっ!はやぐぅぅ〜〜〜……ッ!」

「くふ……っ、ああ、出すぞ、ディオ……っ!」

「あ゙、あ゙♡、ァギ、ィ……っ!!ぁ、あ゙、ら゙しでぇ、はやぐら゙しでぇ゙ぇ〜〜〜っっ!!ッッオ゙ご……─────ッッ!!」

 

ぐぢゅぢゅ、ごちゅり。

入口から前立腺をごりごりと抉りながら1番奥を穿いて押し上げれば、喉を晒して喘いでいた少年が突如形容し難い呻きを上げて白目を剥く。

……ぷしゅり。少年のペニスから透明な液体が飛び散った。

精液ではなく、尿でもない。……潮吹きだ。

ぷしゅぷしゅ、びちゃびちゃと連続して潮が噴き出てはがくんがくんと腰が跳ね上がった。

 

「っ〜〜〜♡♡♡!!?っ〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡!!!」

 

……いや、まさか潮を吹くとは。ホント飽きねぇなァ……。

あ、やっべ手ェ折れる。握り締められた手がギチギチと不穏な音を立てて軋むのに眉を顰めて深く抉る。いってぇなゴリラかよ。

射精しながらもそのままぐりぐりと少年の弱い所を抉ると血管が浮くくらい込められていた力が抜けて、少年は大人しく身体を跳ねさせた。

 

「♡♡、ッッ?!?!ぐぅうっっ?!?!や゙あッ?!やぇ……それ、やめ゙、でぇ……!ぇ、ゥ!ぅ、ああ゙、あーーーーっ♡♡!!あ、ァ、アァ〜〜〜……っっ♡♡!!ぁ〜〜〜……っっ♡♡♡!!!」

「ふは……あー……久しぶりにこんだけ出したわ……ごちそーさま」

「ッッ……ん、ぁ゙ー……♡ぅ゙ぁーー……っ♡」

 

がくん、がくん、と何かの玩具のように身体を跳ねさせては背中やら腰やらを反らす少年は意識がトんでいるようだ。白目を剥きかけて尚見苦しくないのは少年の容姿が並外れて優れているからか。

 

存分に中出ししてずるりと萎えたペニスを抜けば、ぐするようにその腕が俺の首に回る。

 

「ゥ……あ、ェ……ふ、ゥゥ……っ、」

「おー、よしよし。喰うなよ。喰うなら現実で別の人間を喰え。な?」

「ひ……っ、ひ……っく、ゥ、」

 

……ホントにぐずってるとは思わねぇわ。

くすんくすんと鼻をすする少年が珍しくて思わず肩口に顔を埋める少年の頭を撫でていた。

 

「おお……泣くなよ……よしよし。気持ち良かったな……初めての潮吹きだもんな。よく頑張ったな、」

「ひぅ、ひっく……っ、くすん、ふ、ぅぅ……!ぁう、うっ……う〜……っ!」

「驚いちゃったのかな?フフ、かわいいかわいい。……けど血は勘弁しろ?」

 

大分貧血でやべーくらいなのでマジで勘弁しろ。

まだまだケロイドの残る身体を労わるように抱く。……傍から見れば重症人にオイタするクソ外道なんだよなぁ。実際クソ外道なんだけどなぁ。俺に捕まってしまった少年は今日も今日とて可哀想である。

痛み、グラグラと揺れる頭。歪む視界、目眩。完全なる貧血の症状である。ああ、めんどくせぇな……夢の癖に。舌打ちする。

 

「ひぅ……ァぅ……、……ナミ、セ……」

「おー……どうした」

「……まだ、足りない、たりない、精液じゃなくて血がいい、気持ちいの、もうイヤ……」

「いやだからお前……残りは外でな」

「……」

「向こうで女の血でも飲んどけよ、な?処女でも何でもお前なら老若男女選び放題だろうが」

 

吸い過ぎ、ダメ絶対。なんちゃって。

起き上がってふらりと立ち上がり扉に手を掛ける。

 

「……、ナミセ」

「なんだよ」

「……何でもない」

「おー……?そうか」

 

 

 

 

 

起きたと同時にベッドから跳ね起き、トイレに駆け込んで胃の中の物全部吐いた。

 

「おぇ……ちょ、マジで血ィ足りねぇ、」

 

この後必死こいて病院行って輸血してもらった。

事故るかと思った。

 

 

 

「……キミは吸血鬼でも飼ってるのかね」

「え〜?ははは、まさか、そんな訳ないじゃあナイデスカー」

 

 

 

 

***

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。