爛れたDOA 作:名無しの彼
誰よりも強ければ、何でもできる。
*
彼は、生まれたときから強かった。
虎がなぜ強いのか、という問答があるが彼はまさにソレ。
強靭な肉体、不屈すぎる精神etc。チートがそのまま人の皮を被った様な存在が彼だった。
「……暇だ」
とある裏路地。そこが彼の拠点でもあり、稼ぎ場でもあり、趣味を発散する場でもあった。
両親の顔も知らない彼は、物心ついた時にはすでに人から金を搾取する側だった。
全て暴力で解決し、その上で金銭をむしり取る。相応の独占欲も持ち合わせており、自分が気に入らなければ権力者の顔面すら平気で殴ってきた。
警察の厄介になった事も少なくないが、そもそも彼をぶち込めるだけの監獄が無い。
ここ最近では触らぬ神に祟りなし、と言わんばかりの腫物扱い。暴力で権力を従えるのが彼である。
そんな彼だが、ここ最近は暇を弄んでいた。
うわさ話や、これまでの行いから粗暴で粗雑、凶悪な人格を想像されることがあるがその実、好き好んで暴れない彼は、時折行う喧嘩ぐらいしかやる事が無い。
暴力で全てを解決してきたというが、両親のいない彼にしてみれば恵まれた生まれながらの体しか使えるものは無かったとも言える。
学力に関しては、肉体スペックに引っ張り上げられるように高水準を叩き出していたが、活かされることは殆どない。
そんな日常の中、その日彼は運命の転機を迎える。
「ああ?なんだ、お前?」
「貴方は……」
彼が住処に使う裏路地は基本的に人は来ない。彼が引きずり込むか、命知らずの馬鹿ぐらいなもの。
今日も今日とて、ごみ箱に腰掛けて空を見上げていたそんな彼は、不意に視界の端に蒼が翻った事に気づき、そちらへと目を向けたのだ。
見れば、茶髪の挑発をポニーテールに髪紐で纏めた妙な格好の女がそこにいた。
青い衣装だ。上は半そでに布製の小手を着け、豊かな胸元は谷間が露出。何より、下はすごい。前垂れと後垂れだけで尻の左右が足の付け根からがっつり露出していた。
足元は太ももの中ほどまで包むロングソックスに、脛を守る脚絆とサンダルを組み合わせたようなもの。
「ここに来るってことは、死にに来たのか?」
「ッ、貴方には関係ないわ」
「ハッ!人様の住処にそんな恰好で来るとは、誘ってやがるのか?」
ゴミ箱から降りた彼は、にやにやと笑みを浮かべて頭の先からつま先まで、女の体を舐めるように流し見る。
純粋に強い彼だが、強者の本能からかそれ相応の性欲があった。それも、そこら辺のチンピラ女や家出娘が
全力で楽しむためか、彼の体はその辺が少しおかしく。彼の精子は基本的に彼が望まなければ妊娠させない。
種なしというわけではなく、何と言うべきか生物としておかしいが好きなように孕ませたり孕ませなかったりを操作できたのだ。
誰かを育てる気など欠片も無い彼は、基本的に自分の趣味のままに相手を汚し尽くしてきた。訴えようとする者が居たにはいたのだが、果てには女性の検察官や弁護士、警察官や看守まで慰み者にされた為に頓挫。
何より、彼に抱かれた者は例外なく、彼のテクニックに堕とされてしまい、他の男ではイケなくなるのだからたちが悪いというもの。
対して女、かすみはというと冷めた目で彼を見返すばかり。
彼女は、現代に生きる忍者であり霧幻天神流を扱う凄腕の格闘家でもあった。
デッドオアアライブ。通称DOAとも呼称される世界規模の格闘大会でも優勝したほどの強者。
そんな彼女にしてみれば、一路地裏に居るようなチンピラ一人敵ですらない。路傍の石とでも言ったところか。
無視しても良いのだが、治安確保に協力するのも悪くは無い。何より彼女は、この路地に少し調べ物できたのだ。邪魔が入るぐらいならば伸した方がいい。そう考えた。
そう考えてしまった。
(先手必勝……!)
「お?」
かすみの武器は、その速度。手数を重ねて相手に反撃の隙を与えることなく封殺する。
事実、彼女の貫手から始まったコンボは、吸い込まれるようにして彼の体に叩き込まれ、締めに打ち込まれた片足を軸にした回転蹴りはクリーンヒット。その体を大きく吹き飛ばして路地裏の壁の一つにたたきつけ、めり込ませるほどの破壊力だった。
彼が暴れるせいでゴーストタウン擬きとなっているここら一帯で家の一つや二つ壊れたところで文句を言う者など居ない。
粉塵の向こう側、沈黙したと判断したかすみは踵を返し―――――
「―――――あー、効いた効いた」
ありえない言葉に振り返る事となった。
見れば、粉塵をかき分けて彼は現れる。
白いシャツにジーンズ、裸足にサンダルというラフな出で立ちは舞い上がった粉塵による汚れはあれども、先程の打撃などによるダメージは一切見受けられない。
それどころか、顔面に直撃したはずの掌底なども痣にもなってはいなかった。
にやにやと笑みを浮かべた彼は拳を握る。
「良い蹴りだったぜ?ちょうど、体が固まってた所なんだ。程よく解れた」
「あ、貴方はいったい……!」
「俺が何なのか、そんな事に意味なんてないだろ?俺が男でお前が女。そして―――――」
瞬きの間、かすみの目の前に彼は居た。
「速―――――ッ!?」
「俺が勝者で、お前が敗者。それだけさ」
固く握られた拳が、振り抜かれかすみの腹部に突き刺さる。
「おごっ……!?」
体がくの字に折れ曲がり、普段の彼女からは聞くことが無いであろう声が漏れる。
「はい、しゅーりょー」
それが最後に彼女の聞いた言葉であり、その意識は闇に飲まれていった。
*
「~♪」
寂れた廃マンションの一室。機嫌のいい鼻唄がこだまする。
鼻唄の主である彼は、躍るような足取りで今にも崩れそうな、しかし意外にしっかりとした階段を上ってとある一室の前へ。
木製の扉が開かれ、独特なニオイがそのスキマより、流れ出てきた。
「よぉ、元気か?」
「……ッ」
「ハッ、良いだろソレ?ボールギャグなんだが、中に媚薬効果のある香を仕込んである。原液でな」
にやにやと嫌な笑みを浮かべる彼の前では股を大きく開き丸見えにしたまま縛られたかすみが椅子に座らされていた。
天井に通したリングに縄を通して足首に括り付け、そのまま釣り上げた格好だ。女としての尊厳など欠片も考慮しない。
彼は、気丈にも潤んだ瞳で睨んでくるかすみに機嫌をよくすると無造作に近寄って行った。
そして、
「~~~~~ッ!?」
「よぉく、濡れてるな。裏で流れてる薬だったんだが、ボコった奴らが献上してきてな?いい玩具だろ」
「フーッ……!フーッ……!」
無造作に濡れそぼった膣は容易く、二本の指を飲み込んだ。
下着越しですらも濡れ切ったことが明らかな又坐で手を動かしながら、彼はかすみに笑みを向ける。
「お前の事を、少し調べた。というか、新聞にも載る程度には有名なのな」
「ッ!……ッ!」
「DOAの優勝者?だったか。ニンジャなんて初めて見たぜ?」
「~~~~~ッ!」
話しながらも止まる事のなかった指により、かすみはアッサリと昇り詰めていた。
全身が痙攣し、潮が溢れる。同時に、男を誘ってやまないニオイがより濃密に室内に籠り始める。
かすみの膣より指を抜いた彼は、一度喉を鳴らした。
「良いな、凄く……良い。ここまで具合のいい女ってのは初めてだ。格闘家だからか?ああ、そうだな。格闘家のそれもトップクラスの女をヤルのは初めてか」
言って、彼はジーンズのホックを外しジッパーを下した。
出されるのは、巨大な陰茎。黒々としており、あまりにも、そうあまりにも大きい一物であった。
目の前で出されたソレに、さしものかすみも目を見開く。
(お、大きい……!)
媚薬の香のニオイと一緒に生唾を知らず飲み込む。
体は既に出来上がっていた。裏社会に回る媚薬は、彼女の体にあった薬品への耐性すらも容易く凌駕し既に全身に回っている。
それこそ、先程軽く指を差し込まれただけで絶頂してしまうほどに。
「良いな、その顔。純粋に驚いてるってところは好感持てるぜ?」
「ッ!」
言いながら、彼は自身の肉棒をかすみの濡れた股間へと擦り付けなじませる。
前戯とも言えないような動きでありながら、充血し男根の様にそそり立ち自己主張する陰核が少しの刺激で猛烈な快感を彼女の脳内にもたらし痺れさせていった。
再び、潮を吹いた彼女を見下ろした彼は、ますます笑みを深めるばかりだ。
「ハッ、まだ入れてもないんだが?そのままだと、挿入するだけで狂っちまうんじゃないか?」
嘲る彼だが、当の本人であるかすみには反応する余裕も無い。
(イ、く…!また、イく……!と、止まらな―――――ッ!)「ん~~~~~ッ!」
ボールギャグに阻まれたくぐもった悲鳴が部屋の中に木霊する。
どれだけ達しても波は引かず、彼女の体は快楽の荒波の中で揺れる小舟の様に落ち着かなかった。
だが、彼女の試練は始まったばかり。
「よっと」
「―――――ッ!?」
軽い言葉と同時に、かすみの膣は至極あっさりと彼の肉棒を受け入れた。
濡れに濡れていたからか一切の抵抗も無く、それどころか、
「あん?血?へぇー…………てっきり、経験済みだと思ってたんだが?」
潮に混じって流れ落ちる血に、彼は笑みを深めた。
彼は別段、相手が経験者だろうとなかろうと興味は無い。ただ、面白いとは考えているが。
一方、挿入されたかすみは、一瞬目の前が真っ白になっていた。
何が起きたのか頭が働かない為に理解が出来ず、しかし直後に襲ってきた僅かな痛みは直ぐに極上にして、強烈すぎた快楽の波の向こうへと飲まれて消えていた。
痙攣し続ける体。荒くなった呼吸は、より一層ボールギャグより媚薬の効果を体の中へと取り込む一方なのだが、敏感になりすぎた体にとっては最早誤差の範囲でしかなかった。
絶頂し続ける体。しかし忘れるなかれ、まだ
「ほら、動かすぞ。死ぬなよ?」
彼が腰を引き、そして突き出す。
そんな一動作の中で、かすみは四度絶頂していた。
挿入されただけでも、既に限界であったのだ。容易く、器は崩壊し彼女の体は絶頂の波間に飲まれて沈んでいくばかり。
「良い、締め付けだ!動かすたびにイってるな!?良いぜ、良いぜ!最ッ高だ!お前みたいな奴を待ってたんだ!」
「ッ!んっ!?ッッ!」
「ああ、もういいか?これ、外すぜ?」
子宮口を叩くたびに背骨が折れそうなほどにのけぞり痙攣するかすみの口から、彼はようやくボールギャグを取り払う。
涎が橋の様に粗末な明かりの下で輝くが、行為に夢中である二人には詮無き事。
「あっ、がっ、はっ……!」
「ハハッ、良いぜ。その面、もっとみせろ……!」
もはや上を向いて帰ってこない、白目をむきそうなかすみを抱き潰すようにして両腕で包んで、彼は一心不乱に腰を振る。
絶え間なく水音が響き続け―――――
「―――――ッ、ああああ……良いな、おい……」
「あ、かっ……………………!」
一際大きく体を仰け反らせて跳ねるかすみ。そんな彼女の胸に顔を埋めるようにして、彼は一つ息を吐きだした。
完全に脱力しきった体を左手で抱え、彼は彼女の両足にあったロープを片手で一本ずつ指をすり合わせて毟り千切って解放する。
そして立ち上がると、彼が今度は椅子に座ったかすみを膝の上に乗せる形となった。
なお、一連のこの動作、未だに繋がったまま行われたことで、彼の男根は欠片たりとも萎えておらず、その存在をガッツリとかすみの陰部に刻み込んだままである。
「起き、ろ!」
「……ぶっ!?か、っはっ……!」
仰け反って脱力していたかすみの腰を両手で挟み込むようにして掴み、彼は一度彼女の体を持ち上げて、勢いよく下した。
腹が一瞬膨らむほどの衝撃。そして、そそり立つ男根の強靭さを前に一瞬の逃避に成功していたかすみは現実へと無理矢理引き戻されていた。
「
「おいおい、呂律が回ってないぜ?たった一回ヤッた程度で満足すると本気で思ってたのか?あー、みなまで言うな?お前がどれだけ絶頂しようが関係ない。俺が満足するまで、ヤルに決まってるだろ?」
「ひっ……!」
ニタァ、と嗤う彼の顔を見て、かすみは生まれて初めて、心の底から恐怖した。
既に快楽が心の奥底にまで刷り込まれている。それも、気絶するほどの快感だった。
呼吸が苦しくなり、視界では何度も何度も火花が弾けて、脳内では思考の一つも出来なくなる。
一分が一時間、いやそれ以上にも感じられる天国の様な地獄の様な時間がこれから先まだまだ続くという現実は彼女の精神に亀裂を刻むには十分すぎるものだった。
「や、やめへ……!も、もう、いやぁ…………!」
「おいおい、泣くなよ。―――――ああ、そうだ」
幼児の様に体を震わせて涙を流すかすみに対して、彼は行動に移る。
先程までの笑みとは違い、まるで道に迷った子供に親切心の塊の様な青年が歩み寄り、声を掛けるときに浮かべるような笑みを浮かべて彼女の顔に近づいた。
「ッ…………!」
「…………かすみ」
耳元で囁かれる優しい声。
それは、かすみの鼓膜を経由し快感によって麻痺しきった脳内に染み込み溶け込んでくる。
「かすみ、怖がることは無いんだ。気持ちが良かっただろう?それで良い、それでいいんだ。お前は快楽を知った、それで良いじゃないか。戦うよりも何をするよりも圧倒的に気持ちの良いだろう?身を任せて何が悪いんだ?誰もお前を責めたりしない。俺はお前を称賛しよう。俺だけが、お前を受け入れる。ああ、そうだ。この行為は愛を深める行為でもある。お前が感じた快感は全て、俺の愛の大きさなのさ」
「あ、い…………」
「そう、愛だ。お前は愛されるんだ、かすみ」
それは、甘言だった。だが、精神的に亀裂の入っていたかすみにとってはあまりにも甘美であり、同時に楔と独となって彼女を蝕んでいった。
「これからもっと、お前を
「ああ…………」
「ほしいか?ほしいな?ほしいだろう?お前が一つ頷けば、愛をくれてやる。だが―――――」
そこで彼は言葉を切り、かすみの腰に添えた両手に力を込めて僅かに上へと動かした。
こうなれば自然、繋がっている二人の繋がった部分は浅くなる。
虚ろな目をしたかすみの顔を正面に見据え、彼は再度言葉を紡いだ。
「終わってほしいなら、そうしよう。二度とお前を抱かないし、犯さない、触れない。代わりに、二度と
「…………ッ」
「そら、そろそろ抜け―――――」
「ま、待って!待ってください!」
徐々に徐々に肉棒が引き抜かれていく中、かすみは彼の両手を抑えるようにして手を当てた。
力勝負で、彼に勝てる見込みなど彼女にはない。なにより、先程まで気絶するほどの快楽に押し流され潰されていたかすみの抵抗など蚊ほども感じないだろう。
だが、止まった。彼は爽やかな笑みのまま、かすみの言葉を待つ。
少しの間を置いて、彼女は口を開いた。
「…………い」
「あ?」
「………い……」
「もっとハッキリと、心の底から言ってみな?」
「…………愛してください……!」
促されるままにその言葉を口にし、かすみの中に残っていた最後の何かが切れた。
目の前の彼の顔がどうしようもなく愛しくなり、その他の全てがどうでもよくなった。そして、精神的な支柱が折れて悦楽と快楽にすげ変わったことにより、彼女はある意味で生まれ変わる。
「愛して……!愛してください!もっと、もっと!私の事を……!」
「ああ、良いぜ。来いよ、かすみ。
その言葉が止めになった。
最早かすみの中に快楽に対する恐怖も、彼に対する嫌悪感も何もかもが存在しない。
ただ、愛おしい。それだけだ。
貪るようなキスをする。搦め合う舌は互いの口内を互いに蹂躙していき、それだけで敏感になっていたかすみの体は悦び跳ねた。
男の上で腰を振り、貪るようなキスをする。
最早彼女は霧幻天神流の忍者でもなく、DOA優勝者でもない。
ただの快楽に狂った牝がそこにいるだけだ
どれだけの時間が経ったのか、部屋に性のニオイが染みついて取れなくなったのでは、と思えるほどにむせ返る室内。
「……」
自分の上で俯せの状態でぐったりと目を閉じるかすみを、見て彼は笑む。
かすみを壊した手法は、彼の常套手段だった。
猛烈な快楽で気絶させ、甘言で誑し込む。そこから、再び快楽地獄へと叩き込みながら、耳元では愛を囁き続けるのだ。
完全に精神を壊して、快楽と言う楔を打った彼はかすみを抱きかかえて身を起こす。
「DOA、か」
ニヤリ、と笑みを浮かべた彼は一つ呟き考える。
面白くなりそうだ、と。