爛れたDOA 作:名無しの彼
彼にとって、外の世界と言うのは存外興味のない事でしかない。
*
「へぇ、DOAってのは結構いい女が出るんだな」
“椅子”に座り、彼はどこからか調達してきた新聞を流し読みしながらつぶやいた。
学がなさそうに見える彼だが、肉体のスペックで見れば凡そ大抵の生物を超越している手前、文字の読み書きなど片手間で出来る。
おそらく、この世で唯一権力と言う枷が意味をなさないのが彼だ。
全て暴力の元に好き勝手していた。そして、今も。
「なあ、どうだ
「はぁ……はぁ…………んっ」
「返事、は?」
「んっ!……ッ、はぁ……!」
部屋に響くスパンキング。
恍惚な吐息を漏らして椅子改め、かすみは赤くなるほどに何度となく叩かれた臀部より感じる熱さと痛みが快楽に変換されて火花の散る視界の中涎を垂らしていた。
彼女は全裸だ。全裸のまま四つん這いになり、その背の上に彼が座っている形。
最早人としての尊厳の欠片も感じられない様な有様だが、彼女は嬉々としてこの在り方を受け入れている節がある。
かすみが人として終わりただの牝となってから暫く、調教の日々は続いていた。
ある時は、媚薬を飲ませるだけ飲ませ、放置。貞操帯を付けた上で両手足を縛りあげる徹底っぷり。
ある時は、彼の屹立した肉棒数センチ前までしか進めない様に鎖で縛り、その上で彼はそこら辺の行きずりの女を抱き壊した。
ある時は、その前までの対応が嘘のようにかすみが泣いても喚いてもひたすら抱き続け、最終的には彼女が気絶と覚醒を絶頂によって繰り返す快楽地獄に堕とした。
そして今の彼女は完成した。肉椅子という形で。
彼は、新聞をたたむと徐に右手を動かした。
目指すは、
「あっ、あっ、はあっ、あっ……!」
「おいおい、返事はどうしたかすみ。俺が聞いてるだろう?」
「も、も、もうしわ、訳、あ、ありません……ッ!ご、ご主人、さまぁ……ッ!」
彼女の陰部。鍛えているからか、散々犯し尽くしても一向に緩くなる兆しのない膣の中を、彼の中指と薬指が引っ掻き回す。
最早パブロフの犬。彼女の膣は、壊れた蛇口の様に瞬く間に愛液を垂れ流すと、太ももを伝って床にシミを作っていった。
「で?誰か面白いやつは居ないか?」
「は、ぐっ……ッ!………はぁ…………ッ、あ―――――」
「あ?」
「あや、ねはどうです、か?」
「ほお?確か、紫色の髪をしたニンジャだったか?何でそいつを押す?」
「はぁ……はぁ……………ぬ、抜け忍になった私を狙って、ますから……ッ」
「なるほど……」
かすみの陰部より指を抜きながら彼は思考する。
正直なところを言ってしまえば、かすみ一人では彼の性欲を完全には受け止めきれていなかった。趣向を凝らす事にもそろそろ飽きてきたところというもの。
彼としては、かすみと同じ忍者であることを加味して頑丈であると睨んでいた。
「遊び甲斐がありそうだな。いや……」
そこではたと、彼は自分の尻の下へと視線を落とす。
ニヤリ、とチシャ猫のように彼の口角が吊り上がる。
*
夜陰に飲まれた街。狭い区画に密集するようにして建てられたマンションの屋根を影が過った。
降り注ぐ月光の中、宙を舞うその姿は妖精のよう。
「―――――探したわよ、抜け忍」
月光の下、あやねはその赤い瞳を細め目の前の怨敵を睨んだ。
彼女の視線の先に居るのは、青のシノビ装束に身を包んだかすみの姿が月光に照らされていた。
「アンタを始末させてもらうわ」
「……」
「ッ、その顔……歪ませてあげる!」
二振りの小太刀を抜き放ち、あやねは猛然と襲い掛かった。
彼女の戦術は、かすみと同じく手数とスピード。体格からか筋力では若干劣るものの彼女もまた幼いころから鍛錬に明け暮れた忍者である。むしろ、筋力のなさを逆手にとって小回りを重視し、遠心力などの外部の力を上手く取り入れ体重の軽さを生かした技の数々を誇っていた。
だが、
(ッ、どうなってるの!?)
月明かりに照らされたあやねの表情は、驚愕に染まっていた。
かすみは確かに強い。腰に差した一振りの刀で装甲を切り捨てる程度には。その事は、あやねも知っていたし、理解していた事だった。
だが、今目の前で戦うかすみはまるで別人のよう。
「……」
迷いがない。目に光も無く、今まで戦ってきたあやねへと向ける罪の意識の様な陰りの様な感情が完全に消え失せていたのだ。
迷いがないということは、躊躇が無いということ。剣の重みも増しており、交える打撃は相当な破壊力。
「がはっ!?」
火花散る剣戟の中で、一瞬のスキを突かれあやねの腹部に蹴りが捻じ込まれる。
つま先を丸め捻じ込むような蹴りだった。それこそ、思わず彼女の握力が鈍り刀を屋根の上に落としてしまうほどに。
「あ……が…………ッ!」
鳩尾に強い衝撃を受けると人は呼吸ができなくなる。これは、横隔膜の動きが衝撃によって一時的に止まってしまうから。
案の定、あやねは腹を抑えてその場に膝をついて蹲った。
骨が折れていないことと、内臓に傷がつかなかった事だけが唯一の手心。
「……」
相変わらず無言を貫いたかすみは、刀を収めると冷めた目で蹲る己の種違いの妹を見下ろす。
その目に浮かぶのは、無関心。彼女は、徐に帯に仕込んでいたあるものを取り出し膝を折った。
そして、
「あっ―――――」
一切の躊躇いもなく、蹲るあやねの首筋へと取り出した注射器の針を突き刺した。
痛みに耐えていたあやねは、首筋からの痛みと思ってもみなかったかすみの行動に目を見開いて僅かに横目で見上げる事しかできない。
それから一分と掛からずに、その蹲った体はコロリと横に倒れ動かなくなった。
直後、小さな電子音が響く。ここで初めて、かすみの表情に明確な色が差した。
「ご主人様……!」
『おう、かすみ。終わったな?』
「はい、滞りなく。それで―――――」
『ああ、そいつを連れて帰ってこい。―――――
「~~~~~ッ!」
耳から脳をそのまま犯すようなウィスパーボイス。たったそれだけの、電話越しの会話ではあるが彼女にとっては別。
下着は瞬く間に使い物にならなくなり、太ももをしとどに汚して屋根の上にシミを作っていた。
それから、右手では電話し左手では陰部をいじりながら行われた会話も終わりを迎え通話が切れる。
「はっ……はっ…………!」
直後に息を荒くしたかすみはその場に蹲り、迎えた絶頂の余韻に浸って空を見上げていた。
愛液に濡れた左手を持ち上げて舐めながら恍惚という言葉をそのまま仮面にしたような表情を浮かべた彼女は、既に人として終わっていた。
*
ギシギシと木目の軋む音がする。
深い深い気絶の末に、あやねが最初に感じたのは噎せ返るほどの濃密な獣臭だった。
「…………うっ…………?」
重い瞼をこじ開けて、彼女の眼に最初に飛び込んできたのは粗末な木目の床。
ぼんやりと赤い目が木目を見つめるが、徐々に頭が混沌から回復すれば様々な情報が彼女へと齎されてきた。
まず格好。オフショルダーのチューブトップの様な藤色の忍び装束はそのままに腕の袖や足元は素足。
体勢は両手を縛られて吊り下げられ、両足にもそれぞれロープが巻かれて部屋の隅にそれぞれ繋がれ無理矢理開かされていた。
何より、
「か、かすみ…………!?」
目の前の光景が彼女には信じられない。
「あっ、あっ、ッ、あっ、はぁ……!」
「おら、もっと締めろ。その程度じゃあ、いつまでたっても出ないぜ?」
見たことも無い仰向けで粗末なベッドに仰向けで横になる男と、その男の股間の上で蒼の忍び装束のまま跨り一心不乱に腰を打ち付け、快楽を貪るかすみの姿がそこにはあった。
その表情は、色情狂い。焦点の合わない眼は虚空を見つめ光が無く、半開きの口からは舌が始まり上下運動のたびに涎が線を引いていた。
下品な水音が彼女の股から途切れることは無い。むしろ、動きが激しくなるにつれてその音は増してさえいるようだった。
「ッ!っは……!あっ……!」
何度打ち付けただろうか。腰の動きが一際速くなり、そして一際強くなった瞬間、彼女は弾けた。
意識があるのかないのか、半開きになった口からは熱い呼吸だけがこぼれ、前髪に隠れた目は虚ろでどこを見ているのか分からない。
誰の目から見ても絶頂したのは明らか。かすみの体も力なく前に倒れこみそうになり、
「休むなよ?」
「ひぐっ!?あ、ぁぁぁああああ!?」
直後、有無を言わせぬ強制的な挿入によりその体はバネ仕掛けの様に跳ね上げられていた。
見れば、彼女の下腹部は傍目からも見えるように膨れているではないか。
「俺は、まだ、出して、ない、ぞッ!」
「あっ、ひっ、おっ、ごっ!?」
先程までのかすみの乱れ様が児戯に見えるほどに、彼女の体は跳ねまわる。
肉棒が突き込まれるたびに彼女の下腹部は膨らみ、収まりを繰り返しその視界には星が散っていた。
肉と肉がぶつかり合い。体液が迸る。
既にうめき声の様な、言葉にも聞こえない声を発して天井を見上げたまま仰け反って痙攣するかすみ。そして、彼女の情事を見ながら、あやねの太ももには幾筋もの体液が伝い始めていた。
「……ふっ……くっ…………」
足を無理矢理開かされた状態でつるされた彼女は、ジンジンと熱を伝えてくる下腹部に何度も体をよじらせ息を荒くさせていく。
彼女は知らないことだが、その体には既にかすみを堕落させた際に用いた薬をある程度希釈した代物が付与されていた。因みに、かすみには原液を用いている。
これは、彼の策略、ではなく戯れ。
これまでの遊びから、彼は薬は薄めて使うと程よく昂らせることを知っていた。同時に原液は使えば、常人ならば頭が壊れてしまうことも。それで何人も壊してきた過去がある。
あやねに投与されたのは、常人ならば発情しきってそこら辺の野良犬にも股を開きかねない量。それでも正気を保っているのは薬剤耐性のお陰か。
だが、だからこそこのやり方が意味を成す。
「―――――ッ、はぁ…………あー…………」
「あっ、かっ…………はぁ…………ッ!」
子宮口をこじ開けるような勢いで突っ込まれた肉棒より吐き出される白濁液は鼓動の様に音を立てて、かすみの中へと注がれる。
体を痙攣させ叫ぶようにして、しかしほとんど声は出ず天井を仰いだかすみは、そのまま後ろへと仰向けに倒れてしまった。
その反動で未だに萎える兆しを見せない肉棒が陰部から引き抜かれ、膣口からは溢れた精液が湯水のように溢れ零れ落ちてきた。
白目を剥いて痙攣するだけのかすみを一瞥し、彼はようやく起き上がりベッドから立ち上がる。そして、今の今まで放置されていたあやねの元へ。
「よう、悪かったな放置しちまってよ」
「あ、アンタ…………かすみに一体何したの!?」
「あん?特に、何も?強いてあげれば、俺はかすみの欲を、内面をさらけ出す為の手助けをしてるだけさ」
「なにを……何言ってんのよ、アンタ!」
「おかしなことか?人間誰だって苦しく辛い現実よりも、悦楽と快楽の為に生きて居たいだろ?」
ニヤニヤとした笑みを浮かべた彼は、そこであやねの顎を右手でつかんで上を向かせる。
「お前もそうじゃないか?なあ、あやね?」
「気安く呼ばないで―――――」
「気丈にふるまうのは勝手だがな。―――――ここは正直だ」
「ああっ!?」
目と目を至近距離で合わせ、挑発することで視界を狭め、認識外からの一撃。
元々丈の短い忍び装束の裾は一切障害にならず、既に濡れて使い物にならなくなった下着も意味をなさない。
何より、愛液を垂れ流す膣口は本人の意思や意識を一切に反映することなく異物を受け入れるではないか。
薬と目の前で仇敵の情事を見せられた結果、パンパンに膨れ上がっていたあやねの陰核が摘ままれ先程までとろ火で煮込むような快感から一転、落雷でも受けた様な衝撃を彼女の脳へと叩きつけてくる。
「ああああああああっっ!?」
突然、背筋どころか全身を駆け抜けた甘くも強い衝撃に、あやねの体はまるで別の生き物のように跳ねまわる。しかし、拘束するロープは軋むばかりで外れず、そのせいで体を指から逃がすことも出来ない。
彼は摘まんだ陰核を指三本でこすったり、しごいたり、と絶え間なく刺激を与え、時にはそのまま潰してしまうのではないか、と思えそうなほどに力を籠めたりする。
そのたびに、あやねの体は跳ねた。視界の先では火花が散って、絶えず体に流れ続ける電気信号は容易く許容限界を超えて、全身の眠れる感度を呼び起こしていった。
「…………よし」
「か、っはぁ…………!」
時間にすればどれだけ経っただろうか。不意に、彼の指があやねの陰核より外される。
そのころには、彼女の下には水たまりの様に愛液と小水が溜まっており前身は汗で光り輝いていた。
何より、体は痙攣し続けている。指が離れても刺激は残っており、その残響が体の中で木霊し続け高まり、達する。その繰り返しだ。
この間に、彼はあやねの手足の拘束を外した。それでも、彼女は立ち上がるどころかその場に俯せで倒れたまま陸に打ち上げられた魚の様に痙攣するしかない。
「ハッ、随分とまた敏感な体だな?」
「っ……ッ……!」
「まあいい。楽しめればな」
言って、彼は軽い足取りで倒れるあやねの足の方へと歩み寄る。
そうして彼女の開かれた股の間に屈むと、その細い腰を両手でつかみ立ち上がった。
いくら小柄で女性とはいえ、体格差があっても苦も無く持ち上げる彼はやはり規格外なのだろう。
腰を支点に両手両足をだらりと脱力したあやねは人形のよう。唯一、小刻みに震え続けるためか生きていることがわかるぐらいか。
「~♪」
彼は鼻歌を歌い、持ち上げたあやねの突き出した尻を眺める。
先程の前戯の際に下着はずらしたままだ。もの欲しそうに愛液を垂れ流す膣口は、充血しきっておりそれどころか触り心地の良さそうな尻は肛門まで引くつかせている始末。
彼は一度舌なめずりをした。そしてなぜ、今の今までこんなにも上物を逃していたのか、という若干の不満を覚え、
「よい、しょっと」
「―――――ッ!?」
腰を打ち付けると同時に尻を引き寄せるようにして、あやねの膣内へと挿入していた。
跳ね上がる彼女の上半身。しかし、空中にある彼女の体はそれしかできない。
腰と腰がぶつかり合い、そのたびにあやねの下腹部は形を変えた。
何度も何度も何度も何度も何度も―――――何度も。
「おっ、おっ、おっ、ごっ、―――――」
跳ねるたびに声とも分からない声が漏れる。乱暴に、おもちゃの様に、彼女の体は跳ね続けていた。
彼にしてみれば、今のあやねはダッチワイフでしかない。もしくはオナホ。
もう、彼女には凛とした雰囲気など欠片も残されていない。彼が絶頂するまでの間に、何度となく達して、そして降りられなくなり既に意識は殆どない。
それでも刷り込まれる快楽は彼女の体を作り替え、感度という感度を限界以上に引き上げ同時に彼女の中に楔を打ち込んでいった。
二度と抜ける事のない楔だ。そしてそれは、
「………ふぅ…………」
「かっ…………!」
射精によって完全となった。
一際大きく跳ねたあやねの上半身は、次の瞬間には項垂れた。先程まで以上の痙攣を体は起こし、目は白目を剥いて半開きの口からは涎がしずくの様に垂れてくる。
誰の目から見ても、彼女は既に限界だろう。だが、彼は満足していない。
それから、何時間と彼はあやねを犯し続けた。一度も、男根を抜くことなく、だ。
そして、彼女が何度目かの気絶と覚醒のループに落ちた時、そこにいたのは忍者でも何でもない、一匹の牝が卑しくも恍惚に浸る光景が広がるばかりであった。