※この作品はR-18です。

俺は、彼女達を護るために『雷霆皇帝』になる   作:リュウコウ

55 / 57
冬海 愛衣が登場

イズの装備の名前はライトノベルと違います

フレデリカの本名はオリジナル
フレア・麗華・シエルディア

カエデ【機械神】


54 火曜日【9】昼休み・放課後・夜・こころと小牟♥

~~~昼休み~~~

 

夜一との昼御飯は交代制なのである。

深桜と舞衣と雪衣と藍果は、夜一の教室へと向かう。

すると、

 

「あなたたち、たまには愛衣ちゃんと一緒にお昼ごはん食べよ」

「今日、私たちが夜一と一緒に昼御飯を食べられる日なの、だからごめんね」

「明日なら、大丈夫だから、ね」

「......わ....私も一緒...は....ダメかな?」

 

~~~屋上温室~~~

 

私たちは愛衣ちゃんを連れて、夜一の教室へと向かいその足で、そのまま屋上温室に向かう。

 

「それで、お兄ちゃんは愛衣ちゃんの事、知っているの?教室で愛衣ちゃんを見た時『あーちゃん』て言ってたし」

「知ってたというか、幼稚園の時、僕が年長さんで、あーちゃんが年中さんだったんだ」

「だから、お兄さんは愛衣ちゃんの顔を見た時に、.....あーちゃんって」

「お兄様は、愛衣ちゃんも助けていたの?」

「確かに助けたな」

「夜一先輩、どういう状況で。年長さんと年中さんで組が違いますよね」

「お遊びの時間だったんだ。あーちゃんは教室で大人しくポエムを書くのが好きで、楽しく書いていたのを同じ組の男の子にノートを取られ、それを読まれ泣いていたんだ。そこを僕がお外で遊んでいた時に見つけ助けた。それからあとは.....」

「よ.....やーちゃん。そこまででいいから、ねっねっ」

「じゃあ、愛衣ちゃんもお兄ちゃんの彼女なんだね」

「か....彼女って」

 

あーちゃんは、顔を紅くして。イヤンイヤンしている。

 

「お兄ちゃん、愛衣ちゃんもゲームをするの?」

「あーちゃんにも手伝って欲しいけど」

「みおちゃんとまいちゃんとゆいちゃんとあいかちゃんが休み時間に話しているゲームの事?やーちゃん」

「あーちゃんは、ゲームをしたことある?」

「やーちゃんの所に戻りたかったから、小学1年生の時からお勉強を大半。暇潰しにゲームとポエムを程々に」

「VRMMORPGの《NewWorld Online》を僕たちは、遊んでいるんだ。あーちゃんも出来るかな?」

「私、やーちゃんの為に頑張る!」

「帰りに、大型電器店に行って、買って帰ろう」

「...んぅぅぅ、愛衣ちゃん...大勝利っ」

 

~~~夜一の部屋~~~

 

他の彼女たちは、ログインをおえている。あとは、僕とあーちゃんの2人だけ。

 

「あーちゃん。初期設定が終わったら、第1層にある、噴水広場前で待っていてね」

「愛衣ちゃん、わかった」

 

~~~愛衣の初期設定~~~

 

「やーちゃんたちは、名前を本名で遊んでいるから、愛衣ちゃんも一緒。アイ♪」

 

次に現れたのは、装備を選ぶパネルが浮かぶ。

 

「剣...は怖いし、両手剣はもっての他、大盾&短剣は......カエデさんが選んでいるから、.......前衛はないね。.....すると後衛?弓.....杖.....?」

 

あーちゃんがあれないこれはないと、選択パネルの最後に現れた装備は、

 

「.....翼?......まぁ、翼も装備と言ったら装備だろうけど、翼の詳細を読んでから決めよう!」

 

【翼】

この装備は、STRとVITは0、DEXとINTは〈+50〉とAGI〈+100〉。

 

※注意事項

この装備を選ぶと、翼装備しか出来なくなります。選ぶ際は、1人で考えず、知り合いに相談するよう。

 

「何なのもぉー。やーちゃんどうしよう.....。でも、やーちゃんの彼女たち...みんな愛衣ちゃんよりも強いんだよね。......これに決めた」

 

アイの装備が決まると、光と共に、噴水広場前へ。

僕は、みんなと合流する前にアイのステータスを確認する為にいつもの宿屋へ向かう。

 

~~~第1層・宿屋の1室~~~

 

僕とアイが部屋へ向かい、ステータスを見せてもらう。

 

アイ Lv 1

【HP 40】

【MP 52】

【STR 10】

【VIT 0】

【AGI 10〈+100〉】

【DEX 20〈+50〉】

【INT 20〈+50〉】

装備

頭【空欄】

体【空欄】

背中【翼〈AGI+100・DEX+50・INT+50〉】

手【空欄】

足【空欄】

 

「あーちゃん。偏ってるね」

「やーちゃんの彼女たちって強いんだよね?」

「みんな、ユニークシリーズの装備だから強いよ」

「なら、守ってね♪ヤイチちゃん」

 

滅多(メッタ)にゲームをしないあーちゃんだったので、初期設定だけして、ログアウトした。

 

~~~第3層・ギルドホーム~~~

 

ヤイチとカエデは3層のギルドホームに着いて休憩していると、そこへ、みんなが集まってきた。

 

俺は、今日の予定をみんなに話して、カエデも探索したいところがあるらしい。各々(オノオノ)が第3層の探索に出掛け、イズは工房へ向かう。

 

アイは、大広間で僕を待っているという。

 

~~~第2層・大森林の深奥~~~

 

僕はココロを連れて、今、第2層にある大森林の深奥とを阻む(ハバム)結界の手前にたどり着き、ここからが試練の始まり。

 

「この結界を越えてからがココロの試練が始まる」

「ヤイチ様が仰る(オッシャル)、ユニークシリーズの装備が手に入るのですね♪」

「どうする?止めて(ヤメテ)、普通の装備にするか?」

「わたくしも。ユニークシリーズの装備が欲しいので、絶対に手に入れてきます」

「無理だけはしないでね」

 

ココロは頷き、深奥へと足を踏み入れた。

結界を越えて歩いていくと、語り掛ける声が。

 

『貴女が何故(ナゼ)ここを見つけられたのですか』

「ヤイチ様のおかげで、見つけられました」

『ヤイチ様....ね?その者...雷霆皇帝か?』

 

私は、頷く。

 

『そうかそうか。雷霆皇帝が復活したか♪試練を受ける許可を出そう。3つの試練を攻略してもらう』

「わかりました」

 

許可をもらったので、進んでいく。程なくして、1つ目と2つ目の試練は軽々クリアして、最後の試練へと向かい、わたくしがユニークシリーズを扱えるかを、心の強さを試された。

 

~~~2層・ギルドホーム~~~

 

僕は、ココロが手に入れたユニークシリーズを見せてもらっている。

 

ココロ Lv 20

【HP 40】

【MP 10】

【STR 30〈+100〉】

【VIT 0】

【AGI 20〈+100〉】

【DEX 50〈+100〉】

【INT 50〈+100〉】

装備

体【聖霊のローブ〈DEX+100〉】

【破壊不可】スキル『聖纏(セイテン)』

右手【聖霊のアミュレット〈INT+100〉】

【破壊不可】スキル『聖霊の風』

左手【聖霊弓(セイレイキュウ)〈STR+100〉】

【破壊不可】スキル『聖咆(セイホウ)』

足【聖霊のブーツ〈AGI+100〉】

【破壊不可】スキル『隠密』

スキル

スピリット ウォール

 

を、見たので、僕とココロは、第3層へと戻っていく。

 

~~~第3層・裏路地~~~

 

僕は、ココロがユニークシリーズの装備を手に入れてから、第3層のギルドホームに戻ってくる。

ココロは地下の鍛練場に消えていった。僕はログアウトまで第3層を探索することにした。すると、結界を通り抜けた違和感があったがそのまま進んでいると、1軒の武器屋へと誘われた(イザナワレタ)。

その武器屋の店主(ドワーフ)のカリバさんに案内されて、店の奥へ入っていく。

 

「お前さんは、俺が張っていた結界を通り抜けてきた。それであっているな?」

 

僕は、頷く。

 

「わしの最高傑作の武器。このユニークシリーズを授ける(サズケル)。使ってやってくれ」

 

僕は、カリバさんから、武器をもらいギルドホームへ帰り、ステータスを確認する。

 

『雷霆皇帝』ヤイチ Lv 40

【HP 70】

【MP 77〈+35〉】

【STR 50〈+20〉】

【VIT 0】

【AGI 50〈+100〉】

【DEX 10〈+100〉】

【INT 10〈+100〉】

装備

頭【焔灼の羽織〈AGI+10・MP+10〉】

【破壊不可】スキル『紅焔』

体

上部【焔灼の和服〈AGI+30・MP+15〉】

【破壊不可】スキル『灼火』

下部【焔灼の袴〈AGI+20・MP+20〉】

【破壊不可】スキル『毒焔』

焔灼の小太刀

右手【焔〈INT+20・DEX+20〉】

【破壊不可】スキル『炎焔』

左手【灼〈STR+20・DEX+20〉】

【破壊不可】スキル『灼熱』

足【焔灼の草履〈AGI+40・DEX+20〉】

【破壊不可】スキル『超神速・焔』

装飾品

【ロケット〈DEX+40・INT+80〉】

【破壊不可】スキル『メアリー』

【絆の架け橋】

 

を、確認して、ログアウトする。

 

~~~第3層・路地~~~

 

カエデは、目的地もなく歩いていると、裏路地へと続く路地の入り口で倒れている老人を見つけた。

 

「えっと....大丈夫です...か?」

 

カエデがポンポンと老人に呼び掛ける。

 

「水分と食料を分けてくれんかの」

 

コチラをどうぞ、インベントリからアイテムを差し出す。

老人はそれらを受け取ると食べ終え飲みきる。

 

「ふぅ.....ありがとう。どれ、お礼に1つ話をしてやろう」

「えっ?あ、はい」

 

カエデは老人の前に座ると話し始める。

 

「この町の中心に立派な建物があるじゃろう?あそこには【機械神】がおっての、空飛ぶ機械もその【機械神】が生み出しておるんじゃ」

「【機械神】.....ですか。ふむふむ」

「奴の作り出す機械は製造方法が全く分からん、叩き割って調べた者もおったが....,中にはなーんもなかったんだと。それこそ【ネジ】も【歯車】も【バネ】もじゃ」

「え!?な、何だか怖いですね,.....」

「まあ、この辺りは皆が知っていることじゃ。ここからじゃよ」

 

カエデが興味津々で続く言葉を待つ。

 

「実はな、あの機械神は【2代目】なんじゃよ」

「【2代目】.....ですか?」

「ああ、以前はこの町にも普通の機械といったものが溢れておった。【1代目】は機械を知らぬわしらに夢と希望を与え『真秀(マホ)ろば』を見せてくれた」

 

老人が言うように、機械の概念がない所に与えられた機械は全て夢と希望の塊だった。

 

「そして......ある日、わしが町から離れていた時のことじゃ。町の方で青白い光が弾けた!」

「そ、それで!?」

 

カエデが早く続きをと急かす。

 

「わしは慌てて戻った。何かあったと思っての。すると......町は新たな機械に溢れ、皆から【1代目】の記憶は消えておったんじゃ。それに、町から以前の機械は無くなってしもうた」

「その光を浴びたから記憶が?だから離れていたおじいさんは無事だった.....?」

「これで話は終わりじゃ。わしら2人しか【1代目】のことは知らんのじゃよ」

 

カエデがお礼を言う。老人は入り組んだ路地の奥へとゆっくり歩いていき、やがて見えなくなった。

 

「【2代目】は【1代目】のことが嫌いだったのかな?」

 

フィールドは高低差が大きく、崖や雲まで伸びる山があちこちにある。

カエデはイズさんに『樹亀(キキ)』もみじを貸しているので、カエデは町を散策し、色々見て回る。

カエデは1つのお店に引かれていった。そのお店は、何の変哲もない装飾品店。

 

「この⚙️(ハグルマ)のイヤリング、⚙️の髪止め(カミドメ)、⚙️の指輪(リング)に、⚙️のブレスレット。あと、用途が怪しい⚙️の首輪.....?ま....マニアック.....、でも、これを買って帰ったらヤイチ.....私に使ってくれるかな......キャハァァァッ。これは....一応買っておきましょう。ネジの簪(カンザシ)、ネジのイヤリング」

 

カエデは、⚙️のイヤリングと⚙️の髪止め⚙️の指輪、あと一応、⚙️の首輪を買い、装飾品店をあとにした。

 

お店から出て、私が、町の散策をしているところに『樹亀』もみじに乗ったイズさんが、帰って来た。

『樹亀』もみじが降りた場所は、この第3層に唯一の広がっているところだ。

そこで、イズさんから『樹亀』もみじを返してもらった。

 

「カエデちゃん。『樹亀』もみじちゃんを貸してくれてありがとう♪」

「どういたしまして、イズさん♪」

 

私は、イズさんと分かれて、『樹亀』もみじに跨がり、上昇して出発!

 

第3層の上空を進んでいると霧の立ち込める深い深い崖が現れたので、もみじを呼び出し、そびえる山を越えた先で、強風に煽られ体勢を崩して落ちていくカエデ。

 

「ううぅううあああぁぁっ!?も...もみじ!もみじ!?」

 

地面は見えない。いや、そもそも地面があるのかさえカエデには分からない。

流石にこの高さから落ちればカエデでも無事では済まない。もみじを必死に呼ぶものの追い付くはずもなかった。

 

「あ....【闇黒神】!」

 

カエデにとっての唯一の幸運は濃霧の濃さとそびえる山がどんな奇行をも隠し切ってくれる。

たとえどんな大ダメージを受けようとも本体のカエデには響かない。

 

~~~崖の下・夢の墓場~~~

 

遥か(ハルカ)下、濃霧の中でカエデが動き出す。その姿は物語に出てくる【魔王様】そのままだった。

 

「あ...あれ?ダメージを受けてない」

 

カエデの防御力が高かったからダメージを受けなかったのかな?....このVRMMO《NewWorld Online》のゲームをヤイチから薦められた時に、確か言ってたね。

 

~~~回想~~~

 

(楓、このVRMMO《NewWorld Online》のゲームでは、高所からの落下では、ダメージを受けないようにできているんだ)

(ダメージ判定があるのは、ゲーム内イベントか魔物さんと戦いになると、ダメージ判定がある)

 

~~~崖の下・夢の墓場~~~

 

って言っていた。

 

「ん?これ......」

 

カエデの足元にコツンと当たった何かを拾い上げる。

それは壊れた機械だった。

様々なパーツによって組み上げられていたであろうものの残骸(ザンガイ)である。

カエデが現在いるエリアの名前を青いパネルで確認する。

 

カエデはこの【夢の墓場】をもう一度触れてみると、発見難度の高いエリアと浮かび上がった。

第2層のどこかにある発見難度の高く、人が踏み入れぬ場所、淡い(アワイ)蒼光(ソウコウ)を放つ、新しい歯車。

 

「淡く蒼い光を放つ新しい歯車って、....あの山から転がり落ちていった先で見つけた、.....これのこと....だよね?」

 

第3層のどこに居られるか(オラレルカ)、古(イニシエ)の記憶を持つ者に施しをすると語ってくれる。

 

「この古の記憶....って言うのが、あのおじいさんがお話してくれた【1代目】のこと?....【2代目】に変わられ、追いやられた先、だから【夢の墓場】」

 

カエデは積み上がった残骸の隙間を縫うように、まともに歩ける場所をじりじりと進む。

 

「霧が....薄れてきている?」

 

カエデは霧が薄い方へと歩いていき、ついに最奥にたどり着いた。

町にあふれる機械が放つものと同じ青い光が蛍のように舞う残骸の山に囲まれた場所。

そして奥には1人の男が残骸にもたれるようにして座っている。

その体は無数の歯車やバネ、ネジによって組み上げられた機械だったが、機械にしては人に近すぎる。

また人にしては機械に近すぎる。

目に光はなく、片腕は半ばからなくなっており、胸には大きな穴が空いていた。淡く(アワク)消えかけている古びた歯車、1つ。

 

「うわっ!?」

 

カエデのインベントリに入れている「蒼光の新しい歯車」が蒼く光出すと、淡く消えかけていた古びた歯車が共鳴して、紅い光を放つ。

すると、機械にしては人に近く、人なしては機械に近い、その者が動き出す。

 

「グ....ガ......」

 

カエデの新しい歯車とその者の歯車の共鳴が強くなり、蒼と紅の光が更に、カエデの周りを照らす。

 

「我ハ王.....機械の王......偉大ナル知恵ト遥カナル(ハルカナル)夢ノ結晶......」

「......機械の王?.....」

「我ハ....王.....カツテノ王......淘汰(トウタ)サレタ者....」

 

カエデの予想通りなら、この機械の王は【1代目】。

 

「我ハ......何ダ.....我ハ.....」

 

機械の王の声はどんどん小さく途切れたものになり、蒼と紅の共鳴の光は次第に薄れていき、ついには、蒼と紅の光も消え、話せなくなってしまった。

 

「こ...壊れちゃったのかな.....?」

 

心配するカエデの目の前で、紅ではなく蒼の光に、機械の王が包まれていく。

それは胸に残って淡く紅を放っていた歯車に集まっていき、淡い蒼の光を放ち、胸の大きな穴を満たしていく。

 

「グ.....」

 

金属の軋む(キシム)音がしてゆっくりと機械の王が動き出す。先ほどの暖かい紅の光から冷たく輝く蒼い光を纏い(マトイ)ながら機械の王は静かに立ち上がった。蒼い光が強く光だす。

カエデが持っていた歯車。その蒼い光を吸収したかのようだった。

 

「よ....よかったー.....壊れてなかったんだね!」

 

喜ぶカエデだったが、すぐに機械の王の様子がおかしいことに気づいた。

 

「我ハ.....ガラクタノ王.....ゴミノ中デ眠ル王.....夢モ奇跡モ......ガラクタニ」

 

そう言うと機械の王の体が変形していく。

 

 

「オマエモ.....ガラクタニシテヤロウ」

 

 

やっぱり貴方が、【1代目】の機械神だったんだね。

しかし今は正気を失っている。

 

 

「.......正気に、戻すよっ!」

 

カエデは大盾を構え、短刀を抜く。

カエデはおかしくなった原因は、私が第2層で見つけた、新しい歯車と胸の大きな穴に残っていた古びた歯車が共鳴し、紅い光が薄れていき蒼い光を吸収していった。

あの蒼い光、【2代目】の機械の光。町に溢れ(アルレ)、今なお【1代目】の胸元に冷たく輝く光。

 

「あの部分だけを攻撃するっ!」

 

カエデが決意したその次の瞬間。

視界を蒼白い弾丸が覆い尽くした。

 

 

カエデの大盾がその力を発揮してしまったために、弾丸を飲み込んだ代わりな【悪食】を失い、その後カエデは壁へと弾き飛ばされる。

 

「うわっ.......!ノックバックがっ!?」

 

蒼白い弾丸は強力なノックバック性能を持っており、避けるスピードのないカエデを残骸の山に押し付ける。

しかし、カエデの装甲を貫くことはできておらず押し付けただけだった。

 

「あー....動けない.....」

 

体を撃つ弾丸は心地よい刺激を与えるだけだったが、ノックバック性能のお陰で動くことが出来なくなってしまった。

 

「【毒竜(ヒドラ)】!」

 

取り敢えずカエデが機械神に向けて毒竜を撃ち込むものの、機械に毒は効かない。わかってはいたけど一応ねっ♪ペロッ

 

「うげー......どうしよう.....」

 

残っている攻撃的な能力、【毒竜】と【悪食】の結晶と【邪悪なる者】と【滅ぼす者】くらいである。

 

「【聖天使の慈愛】!」

 

貫通攻撃に不安はあるものの、カエデはカエデは【邪悪なる者】ともみじの攻撃を頼りにするしかなかった。

【毒竜】の攻撃は薄いため、カエデは装備を変更する。

純白の大盾と短刀【聖天使】。

頭に聖天使のティアラ、手には聖天使の聖刀を装備してポーションでHPを回復させる。

これでカエデのHPは1500。

防御力は低下したものの、それでも弾丸はマッサージにしかなっていない。

 

「よし.....【邪悪なる者】!」

 

カエデは2体の闇人形(ダークドール)、続いてもみじを呼び出すと深呼吸して集中する。

 

「もみじ!【巨大化】【大自然】!」

 

カエデの声に応えた(コタエタ)もみじによって蔓(ツル)が地面から伸び、大地が盛り上がる。

突如現れた蔓によって弾丸がカエデに届かなくなる。

その瞬間にカエデは出来る限りの速度で機械神へと向かう。

もみじは役目を果たしたため、元の大きさに戻される。

カエデが辿り(タドリ)着く(ツク)よりも先に弾丸がカエデに襲いかかった。

 

「ふぅっ!」

 

【聖天使の慈愛】内のスキル。

消費HP800の大技。

 

「【イージス】!」

 

カエデ達を包み込む光のドームは10秒間全ての攻撃を問答無用で無効化する。

【大自然】で稼いだ距離とこのスキルで稼いだ距離、これらを足してもまだ届かない。

 

「【カバームーブ】!」

 

武装を壊させているうちに元の大きさに戻していたもみじを先行させておいたカエデは、そこに勢いよく追いつくだけでよかった。

 

「この光が悪いんだよっ!」

 

カエデは機械神に抱きつくようにして奥底まで手を入れていく。

出来る限りその体を破壊することなく、正気に戻すために。

 

「【滅ぼす者】!」

 

カエデの手から解き放たれる。漆黒(シッコク)の光が内部を破壊していく、漏れ出た黒。

その行動はある意味正解で、ある意味間違いだった、

そこを攻撃することで正気に戻すことはできない。ただ【弱点】であるその部分を攻撃することで大ダメージを与えることができ、その結果機械神の様子が変わった。胸元の穴の奥。散った蒼い光の向こう側に微かだが、確かな紅い光が灯ったのである。

紅い光は少しずつ強くなり、無機質ながら確かな意思を持った言葉が紡がれる。

 

「グ.....カハッ....我ハキエル....ダガ.....」

 

カエデは話し始めた機械神の声を一音も聞き逃さないように耳をすませる。

 

「.......僅(ワズ)カニ意識ノ戻ッタ今.....託ス....勇敢ナ......者......」

 

そう言うと機械神の胸の穴には再び蒼い光が溜まり始めていた。

 

「......我ノ....チカラデ.....我ダッタ....コイツ......ヲ......倒.......シテ.......クレ......」

 

そう言うと機械神はカエデに向けて、淡く紅い光を纏(マト)った古びた歯車を投げつけた。

意識を取り戻す際にそれをカエデに渡したのである。蒼い光を放つ新しい歯車と紅い光を放つ古びた歯車と元から【黒薔薇の鎧】に組み込まれていた歯車が黄金の光を放ち、今、カエデの中で光が1つに融合していく。

融合したて現れた歯車から放たれる黒い光。

 

「.....眠ラセテ.......クレ」

 

それと共にまた機械神の様子が変わる。

全身が蒼白い光に包まれ、ボロボロだった体は綺麗(キレイ)な白銀(ハクギン)のボディに変わっていく。腕や背中がまるで液体のように自在に変形し、パーツの存在しない砲や銃を作り出していく。蒼い光を吹き上げて、【2代目】としての兵器を身に纏い空へと舞い上がると、蒼い弾丸で攻撃してくる。

カエデは先程と同じように壁に向かって弾かれるしかなかった。

 

「チカラヲ託ス......無駄ナコト......」

 

無機質な声が上空から聞こえる。

1代目の体は2代目に乗り移られて無理やりに動かされている。

 

「........【機械神】.........」

 

カエデに託された力(スキル)、かつての神の力。

カエデは装備を変更。

念のためにとティアラと【絆(キズナ)の架け橋】を外し、短刀を元に戻す。

 

「【機械神】!」

 

カエデがそう叫ぶと頭の中にイメージが浮かび上がる。

カエデは【黒薔薇(クロバラ)の鎧(ヨロイ)】と【闇夜(ヤミヨ)ノ写(ウツシ)の大盾(オオタテ)】と【新月(シンゲツ)の短刀(タントウ)】を選択した。

【2代目】がどこからか機械を創り出すことができるのに対し、【1代目】は材料が必要だった。

即ち。

装備を破壊し、武器を生み出す力。当然、材料が良質であればあるほど武装は強力になる。その分、この初期に手に入れたユニークシリーズで【破壊成長】が付いているので、壊れても大丈夫♪

 

「【全武装展開】」

 

静かに呟いた(ツブヤイタ)カエデ。

3つの光が融合し、現れた歯車が黒い光を放ち、回転を始め、加速すると。空を覆う漆黒の光、夜空を切り取ったような黒い武装が次々と展開されていく。

大盾を持つ腕の部分からガシャガシャと音を立てて「漆黒(シッコク)の銃(ジュウ)」が現れ、背中かも木の枝が伸びるようにしてカエデの体と比較すると大きすぎる砲身が空に向けられている。

短刀を持つ方の腕からは同様の「漆黒(シッコク)の刃(ヤイバ)」が伸ばされ、それらを支える足腰は機械を纏い強靭(キョウジン)になった。

胸から腹部にかけては、紅い歯車と蒼い歯車と黄金の歯車が漆黒の歯車を中心に回転し、その周りには大小様々な歯車が連動していき、紅と蒼と黄金の歯車の光はなく、融合して新たにできた歯車の漆黒の光をカエデは纏(マト)っている。

端(ハタ)から見ていると、漆黒の武装を纏うカエデが悪で、白銀の武装を纏う【2代目】の機械神が正義。

 

「わ....わわっ!?な、なにこれっ!?あれを倒さないとね......【挑発】!」

 

カエデは【絆の架け橋】

付け直しもみじを呼び出すと【大自然】で伸ばした蔓と岩石によって【2代目】の攻撃を一旦(イッタン)遮った。そして、その隙にカエデを巻き込みながら蔦(ツタ)を伸ばして、カエデは空中の【2代目】に接近する。

 

「もみじ頑張って!」

 

カエデが引きつけている間にゆっくりと、蔦が中心へ迫るようにして2人を何重にも包み込む。

空中で蔦に包み込まれた【2代目】は、カエデと共に押しつぶされるようにして距離を詰めていく。

 

「.......これで、逃げられないね」

 

【1代目】の力を受け継いだカエデは【3代目】だ。

生まれたての機械神は【2代目】に対し静かに呟き、持てる武装全てを向けた。

同じように【2代目】も全ての武装を向ける。

 

「「【攻撃開始】」」

 

爆音と共に2人分の全ての武装が火を吹く。蒼と漆黒の光が。

 

 

そして、蔦の檻(オリ)が弾け飛ぶのと同時、【1代目】を包んでいた蒼い光と【2代目】の機械は消えた。カエデは力を失って倒れ込む機械神を抱き留めるとしっかりと庇って(カバッテ)地面に落下していく。

そうして【1代目】はカエデの機械に抱えられてついに眠りについた。

 

 

カエデがしんみりとして上へと戻っている頃。

とあるギルドの1室で4人のプレイヤーが話していた。

1人は第1回イベントで1位を取り、騎士のような白銀(ハクギン)の剣と純白(ジュンパク)の鎧が特徴的なペイン。1部のプレイヤーに【聖剣】と言われているのはスキルと見た目どちらにも由来していた。

1人は【神速】と呼ばれるドレッドである。第1回イベントでは2位になり、短剣使いの褐色肌(カッショクハダ)のプレイヤーである。

1人はフレデリカ。魔法職だとひと目で分かる木の杖には大きな宝石がはまっている。

1人は第1回イベント5位。

【地割り】ドラグ。装飾の少ない巨大な斧(オノ)と無骨な鎧。筋骨隆々でいかにもパワーファイターだった。

 

 

彼らは話し合っていた。引き入れることが出来なかった10位以内の者達について。

また気掛かりなとあるギルド、おふざけで決めたようなギルド名【皇帝の彼女達】について話し合っていたのだった。

 

 

 

~~~集う聖剣~~~

 

「さて、ギルド対抗イベントだが.....気掛かりなギルドは2つだ。1回イベントで3位、4位、6位、9位、10位が所属する【皇帝の彼女達】と7位、8位がメンバーのギルド【森の守護者】」

 

ペインは1人で戦局を変えられるようなプレイヤーがいるとすればこの2つのギルドだと考えた。

 

「【皇帝の彼女達】って、ふざけたギルド名を付けた所には第2回イベントで話題になっていた、確か『6日目(ムイカメ)の悪夢(アクム):雷(イカズチ)と共(トモ)に』だったか、黄色の和服を着ている子がいるんじゃなかったっけー?あれもやばそうだよねー」

 

フレデリカがそう言う。

 

どうやばいか明確に分かっていないのは巨大ギルド【皇帝の彼女達】の情報が圧倒的に少ないためである。ヨイチの情報が少ない。

 

「俺たちのギルドの方が【皇帝の彼女達】を人数で上回っているから物量で押し(オシ)潰せ(ツブセ)ばいいんじゃねー?最悪ペインがなんとかすればいいだろ......」

 

ドレッドの言うように彼らの所属するギルドと【皇帝の彼女達】では所属する人数が違いすぎる。

30人にも満たないギルドに何かしら優遇があるとしても上回るだろう物量があった。

 

「俺らのギルドは全体的に強い奴が集まってる、問題ねぇだろ。全員に毒耐性(ドクタイセイ)を付けさせ、余裕がある奴は麻痺耐性(マヒタイセイ)にも手を伸ばしてんだ。半分以上のプレイヤーの情報をどうやって探るんだ。こうなりゃ警戒するのは、少数精鋭(ショウスウセイエイ)【森の守護者】の方だろ?」

 

そうドラグは言うが、ペインは悩んでいる。

 

「それにー、私達のギルドは生産職さん達をダンジョンに行ってもらって、装備作ってるでしょー?」

 

フレデリカの言うダンジョンとは3層で見つかった2つ目のダンジョンで、生産職しか入れないものの、史上初め【スキルの付いた装備】を作ることの出来る素材が手に入るというものだった。

 

「カエデちゃんだっけ?攻撃手段は状態異常と盾でしょ?後は亀?信じられないけど極振りっぽいしー.....封じ込められると思うよ」

「ふむ.....取り敢えずフレデリカは情報収集を頼む。【森の守護者】を、あと【皇帝の彼女達】も」

「ペインは心配性だねー?まあいいけどさっ!」

 

そう言うとフレデリカは杖を片手に部屋を出ていった。

それに続くようにしてドレッドとドラグも部屋から出ていく。

1人になったペインが呟く。

 

「.....未知は何より恐ろしい。【皇帝の彼女達】の情報がなさ過ぎだ」

【皇帝の彼女達】全員がユニークシリーズを装備している事を。

マイとユイ、コオにヨアケにアイカ、ライカにヒヨリにミスミスにシスベルにレミアにココロ、シャオにトウカにショウにユウキ、最後に加入したアイ、【皇帝の彼女達】の大半(タイハン)の存在と情報が少ない。

そして何より。

ほぼ全てのメンバーがカエデは毒と盾により敵を倒すものだと思っている。

彼らは天使も悪魔も機械神ももみじが光線を吐くことも知らない。

唯一、ペインだけはそうではないのだはと直感していたが、それを裏付けるものはどこにもなかった。

 

~~~生産職限定・新ダンジョン~~~

 

ペインが【皇帝の彼女達】を警戒している頃。イズは、帰って来たカエデからもみじを借りて、今、空を移動中。そして、暫くすると新ダンジョンが見えてきた。ダンジョンに飛び込んだ。

イズは見つけた鉱石や結晶をガンガン採掘していく。

生産職は武器スキルやは火魔法などの魔法を一切覚えることが出来ないかわりに、専用のスキルを覚えられる。

それは【鍛冶(カジ)】だったり【調合】だったりする。

ただ、それらは工房でしか使えない。

例外として【調合】はLv Ⅴまでに作成出来るものはどこでも作ることが出来るが、当然素材が必要であり、ものによっては持てる数に制限がある。持てる数が5個。

ポーションは回復能力の低いものまでしか作れない。

また、武器攻撃でのダメージが軽減するという面倒臭いおまけつき。

その代わり、【鍛冶】などのスキルで装備を完成させた際に経験値が入る。

つまり生産職に戦闘は厳しいということ。生産にのめり込んでいるイズは生産界のトップである。

 

「こっちには釣りスポットもあるのね」

 

イズは釣竿(ツリザオ)を取り出すと釣りを始める。

釣れるのはこれまた見たことのない素材をドロップする魚達。

イズの目は無邪気な小学生並みにキラキラと輝いている。現実は大学生。

イズの釣竿は自作である。

ここでの素材は【スキル付き装備】を作ることを可能にしたが、それはあくまでも【装備】である。1部アイテムには以前からもスキルを付けることが出来ていた。

イズは釣りを終えると更に奥へと進んでいく。

 

「モンスターが全然出てこないわね。私としてはありがたいけど、カエデちゃんから「『樹亀(キキ)』もみじ」を借りたのに。ねっ♪」

 

イズがもみじに向かい喋ると、もみじが頷く。

生産職しか入れないがもみじの『絆の架け橋』は、今、私の装飾品なので入れている。このダンジョンには生産職では倒せない敵ばかりを配置するわけにもいかない。その延長線で、ここはモンスターが特定の場所でしか出なくなっていた。

ボスモンスターとしか戦わないことも可能である。

イズは途中の部屋で背中に結晶を生やしたモンスターた出会ったが、戦闘を避けた。

理由はボスの情報を既に持っていたからである。

ボス部屋には入った瞬間から脱出用の魔法陣が輝いており、ボスを倒さなくても脱出することが可能だということも、ボスが纏う(マトウ)結晶が目当ての素材であり、ピッケルで常に採取出来ることもしっていたのだ。

 

「背中の結晶.....もらうわね?行くわよ。もみじ」

 

そう言うと自分はピッケルを構えて、イズの言葉にもみじは【巨大化】して【大自然】を。

 

「よっ.....はいっ!」

 

もみじの【大自然】がボスをひっくり返し、蔓(ツル)や蔦(ツタ)で捕縛(ホバク)し、イズが結晶を頂いていく。

そしてついにトカゲが動けないまま倒れた。

 

「はぁ.....はぁ......!もみじちゃん.....ありがとうね♪」

 

そう言ってイズはインベントリを確認する。自慢のピッケルのお陰でかなり大量の結晶が手に入っていた。

魔法陣に乗ろうと振り返るとそこには1つの宝箱。

イズは恐る恐る近づくとしゃがみこみ見つめる。後ろから元の大きさに戻ったもみじが付いてくる。

 

「こんなの情報になかったと思うけど......取り敢えず開けて見ようか?」

 

イズがもみじに問いかけると、もみじが頷く。

もみじの了承を得たので宝箱を開けてみると、中には大きめのゴーグルとロングコートに服、そしてブーツが入っていた。

早速、装備してみる。

 

『錬術恵妃』イズ Lv 40

【HP 40〈+200〉】

【MP 12〈+200〉】

【STR 20】

【VIT 0】

【AGI 30〈+200〉】

【DEX 80〈+200〉】

【INT 80〈+200〉】

装備

頭【錬術のゴーグル〈DEX+100・INT+100〉】

【破壊不可】スキル〈天邪鬼(アマノジャク)の錬術妃(レンジュツヒ)〉

体

上部【錬術のロングコート〈HP+200・MP+200〉】

【破壊不可】スキル〈魔法工房〉

下部【錬術服〈DEX+100・INT+100〉】

【破壊不可】スキル〈付与術〉

足【錬術のブーツ〈AGI+200〉】

【破壊不可】スキル〈新境地〉

装飾品

なし

 

〈天邪鬼の錬術妃〉

ゴールドを1部の素材に変換することが可能になる。

〈魔法工房〉

あらゆる場所で工房を使用可能になる。

〈付与術〉

このダンジョン以外でも付与が可能になる。

〈新境地〉

新アイテムの製造が可能になる

 

「ヤイチちゃんの彼女達は、【破壊不可】が付いているから、私の所に来なかったのね」

 

~~~第3層・ギルドホーム~~~

 

イズがギルドホームに帰ってくると、何か相談をしていた。

ヤイチとカエデとユナとミィとミザリーの5人。

イズは借りていた【絆の架け橋】をカエデに返して、大学のレポートがあるらしくて、ログアウトしていった。

 

カエデの提案で空中散歩をすることになった。

4人とも承諾してくれたため5人で外へと向かう。

カエデを先頭にヤイチが続き、ユナにミィにミザリーがもみじの背中に乗ることに。

 

「皆乗ったー?いくよー!」

 

カエデは4人乗ったことを確認するともみじを浮かせて空へと舞い上がった。

 

「カエデは何処へ行っていたの?」

「んー.....神様の所」

「「「「えっ......?」」」」

 

カエデは4人の反応に首を傾げる。次に問いかけられたのは、ヤイチだった。

 

「ヤイチはどうなの?」

「俺は、隠しイベントに入り、新装備を手にいれたんだ」

「ヤイチさんそれはどのような?」

「焔灼(エンシャク)の小太刀なんだ」

 

 

「カエデは.....何を手にいれたんだ?」

「んー完全に使うと目立っちゃうから、ちょっとだけ。【展開・左手】」

 

カエデの左手からはいくつもの銃が展開された。

 

「もぉ...俺は驚かない」

「このゲームに、銃があるんだ」

「うっわ.....漆黒の銃器」

「凄い(スゴイ)ね」

「撃てるけど、秘密にしたいから撃たないよ」

 

カエデは他のプレイヤーに見られないうちに武装を解除する。

 

「ギルド対抗では頼りにしている」

「任せて!私たちのギルドはヤイチを筆頭にみんなの装備がユニークシリーズだから、大丈夫だよ」

 

レベリング後にはめっきり死ななくなったカエデもプレイすることが楽しいみたいだ。

周りを見ていると、下に湖が現れる。

 

「カエデ。この下に湖があるから降りようか」

「行ってみよう」

 

ユナとミィとミザリーも賛成のよう、高度を落として湖の側に降りる。4人は座り込んで湖の水をバチャバチャと触ったりする。静かに水面(ミナモ)の揺れる湖の畔(ホトリ)。

俺は周りを警戒している。

 

「対抗戦はどんな感じになるのかなぁ。ミィ」

「時間加速が、あるんだって。ねぇ、ミザリー」

「1日以上期間があるみたいだよ。カエデ」

「楽しみだね。ユナ」

「そうだね。カエデ」

 

4人が第3回イベントの話で盛り上がっている。

俺が木陰を凝視する。

 

「どうかしたの?ヤイチ」

「誰かがいるの?ヤイチ」

「つけられているの?ヤイチさん」

「勝てそう、ヤイチ?」

「俺たちを尾行しているプレイヤーがそこの木陰に1人いてるんだ」

 

そう言って歩いていったヨイチが木陰を覗き込む(コゾキコム)。そこには金髪(キンハツ)でサイドテールのプレイヤーが1人いた。フレデリカである。

 

「あー......バレてた.....」

「俺たちを尾行?何のために?」

 

カエデが首を傾げ、ユナとミィとミザリーは戦闘態勢にはいる。

 

「大方(オオカタ)、対抗戦のための情報収集だよね。俺たちのギルドメンバーは、他のプレイヤーとの交流はないから、情報の流出がない」

 

俺たちのギルドは30人近くいてるが、俺が情報を漏らさないようにしている。全員彼女だしね。

 

「それで、尾行している貴女に相談があるのだけれど」

「な....なーに?」

 

ヤイチは顔を近づけて小声で呟く。

 

「【集う聖剣】か.....【森の守護者】の情報を持っていたら渡してほしいんだが」

 

【集う聖剣】はペインのギルド。つまりフレデリカが所属するギルドである。

 

「な...何でそんなことしないといけないのかなー?」

「今、貴女に拒否権は存在しないんだが?この結界は、俺を倒すしかない。しかし、それを断るのなら仕方がない、殺られ(ヤラレ)てもらう」

「ま....まって、わかったわ。貴方が勝ったら情報を渡す。私は【森の守護者】の情報しか知らないから、それを話すね!」

 

フレデリカは知っている限りの情報を嘘偽りなくヤイチに話した。

そうすることできっちり潰し(ツブシ)あって貰わなければ(モラワナケレバ)ならないからだ。

その中に貴重な情報も混じっていた。

 

 

 

「....【罠師】。そのプレイヤーは知らなかった」

「じゃあ、約束通りお願いしまーす」

 

フレデリカはどうせ受けないだろうと思いつつそう言った。

ヤイチにとってはここで持ち逃げがベストだろうと考えたのだ。

 

「申請なら情報を貰う前からしていたんだが」

「え?...なんてことしてくれたの、それで、もし私が【決闘】を受けなかったら2人ともペナルティーを受けるのよ!」

「でも、貴女は【決闘】を逃げない」

「この話は別空間で」

 

~~~別空間~~~

 

俺とフレデリカが別空間に渡り、話の続きをする。

 

「さっきのは...な...何なのよ。貴方は、私の何をわかっているのよー」

「俺の記憶が正しければ、現実の貴女は俺のお祖父ちゃんの御屋敷の向かいに住んでいる麗華(リカ)ちゃんだよね」

「何で貴方が...私の名前を知っているのよー。ちょっと待って、私の家の向かいの御屋敷って、鳴神家だ...よ」

「そっ!俺、鳴神(ナルカミ) 夜一(ヤイチ)」

「あんた.....ちーちゃん...なの?」

「そうだよ。りーちゃん」

 

フレデリカはパニックになっていた。目の前に立っているのが、お向かいのちーちゃん、ということに。

 

「本当にちーちゃんなの?」

「フレデリカ、本名は、フレア(フレア)・麗華(リカ)・シエルディア(シエルディア)。だよね♪」

「本名を知っていると言うことは、確かにお向かいさんの鳴神君で、私を小さい頃助けてくれた、ちーちゃんだねー」

「それで、りーちゃんは俺たちの情報収集が任務なんだね」

「そうなのよー、ちーちゃん。私の所のギルドマスターが慎重でね~。任務中なんだよね~」

 

(フレデリカの所が、情報収集しに来たってことは、上位ランクのギルドなのかな?すると、巨大ギルド【集う聖剣】?それか少数精鋭のギルド【森の守護者】かな?)

 

「ちーちゃん......ねぇ~.....お~い、ちーちゃん。き...こ...え...て...る~...」

「あ....あぁ。聞こえているよ、りーちゃん」

「ちーちゃんの所のギルドって、彼女達って本当なのかな?ちー...ちゃん?」

「本当だよ」

「それなら、何で私を呼んでくれなかったの。寂しかったんだからね」

「りーちゃんもこのゲームをしてるなんて、知らなかったんだ。ごめん。でも、1度入ったギルドって抜けるの簡単なの?」

「ん~ん。今、【集う聖剣】を抜けるのは、ペインに迷惑が掛かるから、第4回イベントが終わってからなら、大丈夫だと...思うよ~」

「りーちゃんが所属するギルドは【集う聖剣】なんだ」

「...........あぁ~~~~~~。ちーちゃん聞こえていたよね」

 

俺は、頷く。

 

「ちーちゃんお願い。嘘(ウソ)のスキルでいいから教えてほしい」

「りーちゃんは、それでいいの?」

 

りーちゃんは、頷き。自分のスキルを教えてくれた。【多重】に魔法をかけられるということを。

俺は、『深海(シンカイ)』を装備し、【攻撃誘導】と【流水】を教える。

 

「ありがとうね、ちーちゃん。第4回イベントが終わったら、ちーちゃんのギルドに入るからねっ」

「待っているよ♪りーちゃん」

 

~~~第3層・ギルドホーム~~~

 

俺は、フレデリカの背中を見送り、みんなが待っている湖畔(コハン)へと帰ることに。

カエデにもみじを呼んでもらいギルドホームに帰るため、空に上がったその瞬間、メッセージが届いた。

それは運営からイベント内容が書かれたメッセージだ。

5人がメッセージに目を通す。

 

時間加速。途中参加や中断はなし。期間は5日間。

そして、ここからが大事だった。

書かれていたのはイベントの内容である。

ギルド規模について。20人以下を小規模、21人以上、50人以下を中規模。51人以上を大規模とする。

 

ギルドごとに配置された自軍オーブの防衛。また他軍のオーブの奪取。

自軍オーブが自軍にある場合、6時間ごとに1ポイント。

ギルド小規模の場合、2ポイント。

他軍オーブを自軍に持ち帰り、3時間防衛することで自軍に2ポイント、また奪われたギルドがマイナス1ポイント。

ギルド小規模に奪われた場合、オーブを奪われたギルドはマイナス3ポイント。

ギルド中規模に奪われた場合、オーブを奪われたギルドはマイナス2ポイント。

他軍オーブはポイント処理が終わり次第元の位置に戻される。

防衛時間3時間以内に奪取された場合、ポイントの増加や減少はなし。

同じギルドメンバーの位置と自軍のオーブの位置はステータスと同じく、パネルに表示されるのでマップで確認することが可能。

奪取したオーブはアイテム欄に入る。

ギルド規模が小さいほど防衛しやすい地形になる。

ギルドに所属していないプレイヤーは、参加申請をすることで複数作成される臨時ギルドのどれかに参加可能。

 

 

死亡回数について。

1回。ステータス5%減。

2回。さらにステータス10%減。

3回。さらにステータス15%減。

4回。さらにステータス20%減。

5回。リタイア。

プレイヤーが全滅したギルドからはオーブが発生しなくなる。

同じギルドから奪えるオーブは1日に1回。

 

ルールはこんなたころだった。

 

~~~~~~~~~

 

もちろん、イベントについて気にかけているのはカエデ達だけではない。多くのギルドで強力なプレイヤーについての情報が飛び交っていた。特に第1回イベントで上位に入ったプレイヤーが多いギルドについては要注意だとの声が上がっていた。

その中でも【集う聖剣】【森の守護者】のギルドマスターは警戒されていた。

 

「【森の守護者】はギルドマスター【罠師】マルクスの数多くの罠の数々は、苦戦必至」

「それに【崩剣】シンに【魔書】カナデも厄介」

「【集う聖剣】は高レベルプレイヤーも多いし。あれは避ける(サケル)しかない」

「カエデはギルドマスターではないけれど、【皇帝の彼女達】には第1回イベント上位だからな」

 

【皇帝の彼女達】別格なのは1人とは限らない。

 

~~~夜一の部屋~~~

 

夜一は、こころと部屋へ向かう。

 

「ちゅ....ちゅちゅ....ちゅちゅう....夜一....ちゅうちゅうっ...様....ちゅうちゅうっちゅぱ....大好き....ちゅちゅ....です.....ちゅちゅうちゅうちゅうっちゅぱ......」

 

こころはキスの後、おちんちんに目が移った。

 

「夜一様の.....おちんちんは.....雄々しい(オオシイ)....です♪ペロ....ペロッペロッ....ペロッペロッレロッ....ちゅるちゅるちゅる.....レロッレロッレロッ.....ちゅるちゅるぢゅるっぢゅるっぢゅるっ.....この.....ぢゅるっぢゅるっぢゅるぅぅぅぅぅ.....:匂い.....癖に......ぢゅるっぢゅるぅぅぅぅぅ.....なるね♪」

 

こころのおまんこは、ぐちゅぐちゅで準備が出来たいた。

 

「じゅぶ.....じゅぶじゅぶ.....じゅぶじゅぶじゅぶ.....んっ......じゅぶじゅぶじゅぶじゅぼっ.....はぁっ..,....じゅぼじゅぼ.....じゅぼじゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼ....んはっ......ぢゅぼぢゅぼ.....夜一様っ.....夜一様っ.......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼ......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼ......赤ちゃんの......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼ......子種......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼ......を.......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼ.......注いで......ぢゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼ......くださいっ.....ぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ.......どぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっ」

 

こころとのセックスが終わり、交代に小牟(シャオムゥ)が。

 

「ちゅ....ちゅちゅちゅう.....ちゅうちゅうちゅうっ.....ちゅちゅうっ.....ヤイチィ......ちゅちゅうちゅう.....ヤイチィ......ちゅうちゅう......大好き......ちゅちゅうちゅぱ....」

 

小牟はキスの後、愛おし(イトオシ)そうに眺めている先には、俺のおちんちんが起って(タッテ)いる。

 

「ちゅちゅちゅ......ちゅちゅうペロッペロッペロッ.....ペロペロ....ペロペロレロッ.....レロレロ.....ちゅちゅぢゅる.....ぢゅるぢゅる......ヤイチィ....ぢゅるぢゅるぢゅるぅぅぅぅ.......おいしい......ぢゅるぅぅぅぅぅ........ぢゅるぢゅるぢゅるぅぅぅぅぢゅるぅぅぅぅぅ......」

 

小牟のおまんこもぐちゅぐちゅで準備万端。

 

「じゅぶ.....じゅぶじゅぶじゅぶ......ん.......じゅぶじゅぶじゅぼっ.......んっはっ......じゅぼじゅぼじゅぼ.....あっ......じゅぼじゅぼぢゅぼぢゅぼぢゅぼっ.......ヤイチィ......ぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ......はっ......ぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ.......子種.......はあぁん......ぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ........どぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっどぴゅっ.......」

 

~~~第3層・ギルドホーム~~~

 

俺は、こころと小牟とのセックスが終わり、第4回イベントが始まるので、ログインする。

 

第4回イベント参加26人。

 

「目指すは上位!」

「異議なし!」

 

ギルドを立ち上げたヤイチとカエデとユナ、ゲーム初の団体戦。

26人揃って(ソロッテ)光に包まれてバトルフィールドへと転移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。