※この作品はR-18です。

ジェノサイド・ストラトス   作:夢現図書館

4 / 97
現時点では

ジョブストーリー風が12票(『(/・ω・)/ウニー』と統合の為)

割と普通の説明文が11票(ネタ込み無しが優勢)

次回でそろそろ人数が出揃うのでどの様な形になるか決まります。


薄氷の平和

 平和とは薄氷の上に乗っているに過ぎない。それは事実なのかも知れない。薄い氷の上では何時、壊れてしまうか分からない……平和とは戦争と戦争の間の期間を指す言葉とも言われている。それは生命とは争わなければ生きていけない事を暗喩しているのかも知れない……。

 

 

 

 

 

 

◯

 

 

 

 

 

 

 

 

 換気扇がゆっくり回る音がこの独房に静かに響いている。他に聞こえて来る音と言えば、自身の胸元にて静かな寝息を立てているウィキッドと同じ牢獄内にいる他のAIS達の欷泣(ききゅう)程度。彼女達と周りの壁や床に凭れ寝転がっている少女達と余りにも温度差が違うと言われればそれまで。自分達は生を繋いで生きる。絶対に生き延びる……。オトゥールはそう決めていた。自身の手の届く範囲にいるのはウィキッドだけ……。

 

——この娘だけは絶対に手放さない。情けない私でも、この娘だけは守りたい。もう、失いたく無いから。

 

 オトゥールとウィキッド。その2人以外にも仲間と呼べる少女達はいた。しかし、もう彼女達の目の前から姿を消してしまっていた。生死不明の上に行方不明になってしまったからだ……こんな環境だ。行方不明となれば待っているのは『死』のみ。それは逃亡すれば生体ナノマシンの遠隔操作で殺されるから、生存は絶望的だと言う紛れも無い現実であったからだ。

 だからこそ、自身の守れる範囲に残っているウィキッドを守りたいのだ……。しかし、言葉にして言うのは簡単、現実は非情であり満足にその行動に移せない歯痒さを常に感じている。偶に2人一緒に任務に出れる時はあるのだが、そうでは無い時の方が多い。仲の良い者同士を組ませる事をコミュニティの人間達は良い顔をしない。恐らく、何らかの形で共謀する事を警戒しているからだろう。単独任務かつ孤独に至らせればその気も起きないと踏んでいるのかも知れない。

 

「……!」

 

 だからかも知れない。目を閉じ視覚を封じていた為に聴覚が研ぎ澄まされ遠くに聞こえて来る跫音(きょうおん)が自身の鼓膜に響くのを感じ取れたと言う事を。

 

——まさか、もう……?今日は感覚が早い日、なのね。何か、あったかしら?

 

 オトゥールが静かに目を開くその先に見据えたのは相変わらず威圧感を出している男性だった。牢獄の前に看守以外の人間が来る時は『任務』の命令か、拷問か私刑……或いは偶に食事か洗浄の何れかである。

 

「…………」

 

「コード:O13。コード:U31。仕事だ、出ろ。寝ている暇などあると思っているのか?」

 

「ついさっき帰ってきたばかりだと言うのに……‼︎」

 

 ウィキッドが牢獄に戻って来て僅か3分しか経過していない。つまり帰って来て直ぐに又、戦場に出ろと言うのだ。然も暴行の際に出来た傷も癒えぬままの状態で。

 

「貴様達の都合など知るか。貴様達は兵器だ、貴様達が散々崇めていたISに対する兵器、それ以上でもそれ以下でも無い。手間を取らせるな。雌豚共」

 

 オトゥールの意見を一蹴しつつ扉を開けて牢獄内へと立ち入る。反対意見などの異を認めない。

 

「……貴様、自分の役目を果たさずに居られると思うなよ?さっさと起こせ‼︎」

 

「……起きて、ウィキ姫ちゃん……‼︎」

 

 此処で起きなければ私刑が待っている。その後に無理矢理にでも戦場へと叩き出されるだろう。傷だらけな上に体調が優れない状態で生死を分ける様な場所に放り込まれる、それは余りにも危険な状態と言える。他に選択肢が無いこの状態で生き延びる方針に選択するのならば今、直ぐにでも起こさなければならない。

 

「ん、んん……」

 

——あ、ちょっとマズいかも。

 

 腕が使えない状態の為に身体を揺すって起こそうとするが疲れ果てていた所為なのか中々、起きそうに無い。他に手が無いか直ぐに考えた矢先に時間切れと言わんばかりにウィキッドの頭を掴む手が伸ばされ、オトゥールの胸元から引き離された直後。

 

「休憩は終わりだ」

 

 思いっきり地面に顔面から叩き付けられ砂利と柔肌を擦るかの様な音が響いた。

 

「まだ、起きないか。そんなに惰眠を貪りたいのか⁉︎」

 

「ッ‼︎ ハッ……⁉︎」

 

 実際には1回目の衝撃で目覚めたが男性はまだ寝ていると判断して何度も地面に叩き付ける、牢獄内の他のAIS達は目を逸らす、目を付けられては巻き添えを喰らう、だから目を逸らして視界に入らない様にして嵐が過ぎ去るのを待っている。オトゥールはその光景を目の前で見せ付けられては流石に黙れない。身を乗り出して止めようとするも顎付近を蹴られ倒される。

 

「……ッ‼︎」

 

「邪魔をするな。売春牛女。そもそも、さっさと起きないコイツが悪い」

 

「ぐっ、あぁ…………‼︎ ッ……‼︎」

 

 何度も顔面から叩き付けたウィキッドを仰向けに蹴り転がした後に腹を踏み躙り徐々に踏み付ける力が強くなる。腹を圧迫されて苦悶の声が溢れる。

 

「……まだ夢見がちか?サボりは厳禁だと、何度言わせれば気が済む⁉︎」

 

「……い、ぎぃ……あッ……‼︎ けほっ、ゲホッ……‼︎」

 

 そして腹を思いっきり踏み付けられ大きく咳き込んで噎(む)せ返り、吐いた。満足に何も食べていない為に唾液と少量の胃酸が混ざった嗚咽を地面に吐き溢した。

 

「ふん。汚い奴だ……貴様ら、ゴミにはお似合いだがな。汚いモノを車両に乗せる訳には行かないな……洗浄してから仕事をして貰う。余計な手間をかけさせるな、塵女」

 

「ゲホッ……エホッ……‼︎」

 

 未だに咳き込むウィキッドを男性は髪の毛を掴み上げて引き摺る形で牢獄の外への放り投げ捨てる。外に控えていた別の男性が同じ様に引き摺ってその場を後にする。

 

「さて、貴様もさっさと立て」

 

「わ、分かって……いるわ……‼︎」

 

 幸い一回蹴られただけ、怪我と言えばその程度の為に壁に凭れつつ立ち上がる。その目は伏せつつも心の中では忌避と私怨が湧いていた。いつの日か、この牢獄から抜け出すと言う思いを抱きつつ、急かされる形で歩かされる。

 

 移動は車両。AIS達は兵器故にトランク入り。行きも帰りもそれは同じであった。駐車場に到着する頃には洗浄が済まされたウィキッドも連れて来られた。顔付近の傷は其の儘であり、痛々しく見える。

 

——ごめんなさい。何も出来なくて……。

 

 その様子を見たオトゥールはその言葉をこの場では言えなかった。言えば、また暴力による私刑が始まるだろう。これ以上、怪我を増やしたくない。重傷が理由で任務が取り下げられる筈もない……重傷者は囮に使われて命を落とす。それがこのコミュニティの在り方だからだ。

 

「レーダー範囲内に多数のISが確認された。貴様達にはコレの殲滅を命じる。言っておくが一機足りとも逃すな。逃した場合……銃殺刑に処す」

 

「……ッ‼︎」

 

——IS……、しかも複数⁉︎ どうやら、本格的に殺しに来た、と言う事かしら。

 

 『IS』が相手。それは正直な所、無謀な作戦と言わざるを得ない。ISは言うまでもなく『絶対防御』や『シールドエネルギー』を有する為に生半可な攻撃では全て防がれてしまう。黎明期の頃であっても既存兵器の存在意義を悉く踏み躙って来た……それが明確な自我と知識を伴えば驚異的なる存在となる。かつてはISが1機有るか無いかで防衛力、戦力が変動するとまで言われていた。それは人間1人の能力でそれである……ともなれば……。

 

「『エインヘリヤル』共も確認されている。コレらも全て殲滅しろ。その上で確認された『IS』を破壊しろ」

 

 現状としてエインヘリヤルは歩兵。ISを将と考えるのが最も分かりやすいだろう。IS達はどう言う目的でエインヘリヤルを作り出すに至ったのかは未だに判明していない。

 

——無茶苦茶。ISが1機だけでも危険なのに、複数同時にだなんて……無謀過ぎる。それに加えてウィキ姫ちゃんは暴行を受けてボロボロの状態……満足に動けるかどうか……。ウィキ姫ちゃんだけでも逃がせればと思いたいけれど、ナノマシンの所為で逃亡を許さない……どうすれば良いの……?

 

 

 逃げて爆死するか、戦闘で戦死するか、或いは任務失敗の末による処刑と言う選択肢が無い3択。それが2人に突きつけられた現実だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

キャラ設定要素の件

  • ジョブストーリー風
  • 一般的(?)な説明文
  • メタ的な説明込みの説明文
  • 情報を画像変換機能搭載済頭脳なので不要
  • (/・ω・)/ ウニー(1と同じ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。