※この作品はR-18です。

ジェノサイド・ストラトス   作:夢現図書館

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学園探索

 

 

 

 

「うぅ〜、蜘蛛、嫌い‼︎」

 

 無事に救助はされはしたものの、ウィキッドの蜘蛛嫌いが悪化した模様。まとわりついていたISが小型であった為にAISスーツは破られずに済んだが、それでも多数の小型機に敏感な場所を弄られて居たのだから、仕方ない部分もあるだろう。

 

「取り敢えず、何処も怪我が無くて良かったわ……」

 

 紫の判断で一旦、エストレヤに帰還した一行。ソフィアは正式にエストレヤに所属する為、紫と一緒に手続きの作業に入りオトゥールとウィキッドは自室へと戻ってきて居た。

 そして、現在オトゥールは膨れ面のウィキッドを膝に乗せてあやしている所であった。試しに乳首付近を触ってみると飛び跳ねられた。やはり、敏感になっているのかも知れない。

 

「む〜……」

 

——それでも、多数の蜘蛛に身体を弄られるのは軽く忌避感を抱くわね。……ISは一体、何を考えていたのかしら?

 

 蜘蛛の巣に捕らえてその後、如何するつもりだったのだろうか? ISは知性を有したとは言え機械の塊。食事の必要性は皆無である。あの時、蜘蛛型ISに内部に格納されこそはしたが気付いた時には独房に幽閉されるに留まった。あのまま、放置して終わりと言うのは少し不自然に思える。

 

「……次は、絶対に壊す」

 

「あらら……」

 

 ウィキッドの中で蜘蛛は嫌いから不倶戴天の敵に昇華したようだ。もう見つけ次第、粉砕してやると言った心境と言えるだろう。確かにあんな目に遭わされたのなら、そう考えても仕方ない。

 今回は捕縛されて監禁されるだけに留まったが、次はどうなるか分からない。胸の乳首や秘所に刺激を与えて来た事から、女性の弱点を狙っているのは確かと言える。

 

「……探索は明日に持ち越し、今日はもう休みましょう」

 

「うに……‼︎」

 

 

 

 

 

◯

 

 

 

 翌日。

 IS学園跡地の探索2日目。

 

「……と言う訳で今日からは私も正式に参加する事になったわ、改めて宜しく」

 

 エストレヤから降り立った先で先に外に出て居たソフィアと合流した。昨日の内に手続きを進めたソフィアは正式にエストレヤ所属のAISとなった。昨日までは古びたIS学園の制服を羽織っては居たが、正式にAISとして所属した為にその身をAISスーツに身を包んでおり、その上に白衣を羽織っていた。

 

「ええ。無理はしないようにね」

 

「ふふ、貴方程では無いわ。それよりも、実に興味深い光景が多くて知的好奇心が掻き立てられるわ。私の為に研究関連の部屋を用意してくれるみたい……やはりオーナーも人手が欲しかったようね」

 

 紫としてはソフィアの賢さに目を付けたのか、本人が活躍出来そうな場所を用意する事に決めたらしい。

 

「……ごめんなさい。その手の話は私達には理解しかねるわ」

 

「うにー……」

 

「頭脳労働は私が担当するから、心配は必要ないわ。それよりも此処で何時迄も時間を潰す暇は必要無いでしょう?」

 

 此処でソフィアとの会話は打ち切りにした。目的はIS学園跡地の探索である。昨日は予期せぬトラブルに見舞われたからその再開である。

 

『あー、テステス。3人とも聞こえますか? スピカです‼︎』

 

「ええ、聞こえているわ」

 

『……昨日は災難でしたね。ご主人様が救助に行くと言いだした時は肝が冷えましたから』

 

「……本人も戦力にならないとは言っていたけれど」

 

『ええと、はい。実は過去にヴォルヴァ・リーリスにエストレヤが襲撃されたんです。当時の人員は大半が死亡しご主人様本人も大怪我を負ってしまったんです。その後遺症で、余り無茶出来ない身体になっているんです』

 

「そうなのね……」

 

『あ、この事はご主人様には内緒でお願いします。本人も結構、気にしているので』

 

「え、ええ。分かったわ、そうする」

 

『ありがとうございます。それでは、作戦趣旨の確認を行います。任務内容は昨日と同じくIS学園跡地の探索の続きとなります。

 不測の事態でしたが、ソフィア様の情報により学園内には蜘蛛型ISと自称IS学園の生徒が確認されています』

 

 紫の話は此処で終わりにし、話の内容を切り替えて作戦行動の確認に入る。

 

『自称IS学園の生徒に関しては今後の他コミュニティに所有されているオトゥール様達のご『家族』の交渉材料に使いたいので、発見した場合は捕獲をお願いします。……ソフィア様、交流があったそうですが、宜しいですね?』

 

「ええ、構わないわ。所詮は赤の他人止まり、使える物は全て使いましょう」

 

 ソフィアはドライな対応であっさりと見捨てた。交流があったが、擁護も弁護もする程の仲では無い。

 

『分かりました。それでは、作戦開始。呉々も注意して探索して下さい』

 

 其処で一旦、通信が切れる。

 

「地下区画にはめぼしいモノは無いでしょうね。そうでなくても、閉所では貴方達は戦い難いでしょう?」

 

「ええ……。身を持って思い知ったわ」

 

「地下区画よりも地上階を探索した方が良いでしょう。地下電源が生きている以上、道案内は出来るわ。行きましょうか」

 

「そうね、お願いするわ」

 

「むにー」

 

 ソフィアが元々、隠れ住んでいた事もあり跡地の案内は彼女に任せる事にした。地下区画を途中まで進み、ソフィアが入って来た通路や階段を通過して地上へと出た。

 

「此処は?」

 

 階段を上り切った先に広がって居たのは、近代的な内装の廊下であった。地下区画は幾許かは綺麗ではあったが、地上階の廊下は打って変わり、壁や天井に穴が開いており見るも無惨な程に荒れ果てていた。

 

「本校舎職員棟よ。案内板にはそう書かれていたわ。まぁ、今となっては無意味な光景でしょうけれど」

 

 地下区画と通じて居た場所はIS学園の教師陣が主に滞在している職員棟であった。

 

『テステス、聞こえますか?』

 

「ええ、聞こえるわ。電波は届くみたいね」

 

『はい。良かった、地上にも電波が届かないとなるのではと心配していました』

 

 スピカとの無線も良好。昨日みたいな状況にはならずに済んだ様である。

 

「オーナーはASEの改良に必要な情報が欲しいのでしょう? ならば先ずは学園内にあるアリーナと言う建物へ向かいましょう。其処になら、何かしら残っているかも知れないわ」

 

 先ずは当初の目的である学園内に残されているIS関連の技術の回収から当たる事にした。倒壊した壁から建物の外へと出る。

 空は相変わらず赤い雲に覆われており、その下に広がる風景もまた荒れ果てていた。庭園だと思われる場所は緑は枯れ果てて土が丸見えとなり、街灯は折れ倒れ、ベンチ等も砕けて散乱している。

 中には爆撃でもあったのかと言う痕跡も残っており、痛々しい戦闘の残滓が残されて居た。

 

「過去に大きな戦闘があったのでしょうね。……この学園内では彼方此方がこの様な状態となっているわ」

 

「……残って居たとしても、使い道が無いかも知れないわね」

 

 世界中、コミュニティ以外は荒れ果てて廃墟街が広がっている。それはIS学園も例外では無かった。女性の憧れと謳われたこの学園はその憎悪を体現するかの様に見るも無惨な姿へと変わり果てた。

 

「……アレよ。遠くからでも良く見えるでしょう?」

 

 ソフィアが指示す先には丸みを帯びた青色の屋根がある大きな建物が目に映る。だが、壁の一部が大きく抉れて倒壊しているのが見えた。

 玄関口と思われる場所も荒れ放題となっており、床には割れたガラス片が散乱しており、薄暗かった。風や雨が入り込み、酷く汚れ侵食がかなり進んでいる様だ。

 

「道なりに進めば整備室と呼ばれる部屋があるわ。其処に行きましょう」

 

 道なりに進めばソフィアの言う通り整備室と言う表札が下げられた部屋に辿り着いた。扉は閉まっては居たが、オトゥールとウィキッドが同時に得物を振るって無理矢理破壊した。

 

「ほわぁ〜……広」

 

 整備室の中は広々としていた。元々、ISの機体を整備、調整、改造を行う部屋であり尚且つ複数同時に並行して行える様にかなりのスペースが設けられていた。

 だが、地震が起きた後の様に棚は倒壊し大型のハンガーも転落してその骸は残骸と化して散乱している。

 

「……私も此処に立ち入るのは初めてよ。さ、何か無いか探して見ましょう」

 

 

 

 

 

 

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