※この作品はR-18です。

ジェノサイド・ストラトス   作:夢現図書館

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売買契約成立

 

 

 

「……、……‼︎」

 

 山梨コミュニティ応接室。

 紫は二の句が継げない程に絶句していた。

 客人が通されて商談や対談が行われる部屋。山梨コミュニティへと来場し、売却予定の真耶達と別れた後、紫はその部屋に通された。暫く待つ事、数分後に……山梨コミュニティのオーナーその人が姿を現した、現したのは良かったのだが……‼︎

 

「山梨コミュニティへェェェェェェェェェェェェ‼︎ ようこそォォォォォォォォ‼︎ Mr.ムラサキィィィィィィィィィィィィ‼︎‼︎ 山梨コミュニティはユーの登場を心より歓迎しますヨォォォォォォォォォォォォ‼︎‼︎」

 

 開口一番。ハイテンション気味にそう告げられた。

 

——こ、コレは、また……凄いのが来たな……‼︎

 

 派手。ド派手。一言で言えばそう断言出来る程にド派手だった。この時代では廃れ切ったであろう、金髪のアフロ頭にド派手なサングラス。スター級だと主張するギラギラしたタイツスーツに身を包み詳細が分からない上に本人的にカッコいいと断言している(と思いたい)ポーズを決めている。

 もう、彼の存在其の物が強烈な存在感の塊だと主張し続けている。あの、貴方……生産コミュニティのオーナーですよね? エンターテイメント主催のコミュニティ・オーナーの間違いでしょうか?

 

「改めましてハジメマシテ。私、山梨コミュニティィィィィ‼︎ のオーナー……グリューゲル・デュノアと申しマス‼︎」

 

 机を挟んでズズイと顔を覗き込みながら自己紹介をするオーナー・グリューゲル。圧が凄い。

 

「あ、ど、どうも……‼︎ エストレヤ・コミュニティの崩宮 紫です」

 

 余りのインパクトの強さに思わず敬語になってしまった。この存在感の強さは思わず気圧されてしまう。巫山戯ているとは言え、完全に話の主導権を握られている状態は大変好ましくは無い。

 

——完全に想定外だ……‼︎ 予想外にも程がある……此処からどう巻き返すべきか。

 

 機先は制されたも同然と言えた。もうそれは認めるしかあるまい。此処から挽回する方向に意識を改める。

 

「ミーとユーはお互い多忙‼︎ 故に本題に入りマショウ‼︎ Mr.ムラサキはコード:E31とコード:T11とコード:V35をご所望、オーケィ?」

 

「ええ、間違いない。同時にリムドロップの4名のAISを貴コミュニティに売却したい」

 

「オーケーオーケィ‼︎ では、お互いのAISのスペックを確認しまショウ‼︎」

 

 お互いの眼前に小型の空間投影ウィンドウが展開され、取引内容のAISの顔写真と簡単なプロフィールが掲載された項目が表示される。

 

——さて、ガリューゲル氏がどのような値段を着けるか、其処に掛かっている。売却額が上回れば食糧関連に充てる事が出来、ある程度プラマイゼロに持ち込める。逆に購入額が上回る可能性もある。

 

「ホホウ? このマヤ ヤマダは中々の逸材……‼︎ 乳製品の加工に期待が出来そうですネェ」

 

 山田 真耶は幼さが残る顔立ちだが、オトゥール程では無いがかなりの巨乳だ。家畜型AISとしての運用が望ましく、売却の観点からも1番の期待値を見込んでいる。……流石に彼女1人でAIS3人分の価値があるとは考えてはいない。

 

「ふむ。……このAISは家畜型AISの餌にしましょうカ」

 

 オーナー・グリューゲルは熱心にその項目を見ている。かく言う自分も購入予定のAISの詳細を確認する。

 

——名前と、AISコードは一致しているな。

 

 オトゥールの話では三姉妹であるとの事。顔立ちは異なるが恐らく義姉妹と言った所であり、欠損が無ければ髪色は変わらない筈だ。最も、家畜型AISは疲労がより蓄積し易い為に現物を見るまで何とも言えないが。

 

「……最終的な値段は、こうなりマスね」

 

 売却額と購入額。その差引金額が提示された。提示された金額を見て安い買い物では無い事は覚悟はしていた。売却予定のAISの内、1人が家畜型AISとして使うには適さないと判断された為に安値になってしまった事が要因だった。

 

——値引交渉は……無理だな。

 

「オーナー・ムラサキ。貴方が納得するのでアレバ、もう少しお安く出来ますヨ?」

 

——ん? それはどう言う意味だ?

 

「オーナー・グリューゲル。それはどう言う意味ですか?」

 

「オーナー・ムラサキ。貴方の所有するAIS……コード:O49デスよ」

 

 確かにオトゥールはかなりの爆乳の持ち主。胸も大きいと言う事は家畜型AISとして運用も視野に入ると東京コミュニティでも勧められた事があった。

 

「生憎だが、そのAISは非売品でな。売るつもりは毛頭無いんだ」

 

「イエイエ、そう言う意味ではありまセェン。中央政府より期待が掛かっているエストレヤ・コミュニティの中核を担うAISを外しては戦力低下じゃ済みマセン。

 そのAISの搾り出した乳液を買い取る交渉ですヨ」

 

「……つまり、乳製品の加工に使いたいと仰る訳ですか?」

 

「イエス‼︎ アソコまで大きな爆乳は類を見ません‼︎ 価値があるの判断すれば定期購入も検討しまショウ‼︎ 如何ですカ?」

 

——費用が抑えられるだけに留まらず、予算も浮くかも知れない、か。

 

「即断は出来ない。その件は一旦、持ち帰らせて貰っても良いだろうか?」

 

「分かりマシタ。では、一先ずはこの提示金額で納得オーケィ?」

 

「ああ、同意しよう」

 

「お互い納得の行く商談になりマシタね‼︎ では、今から早速、該当AISの引き渡しに移りまショウ‼︎」

 

 グリューゲルが立ち上がると同時に紫も席を立つ。普通ならば、コミュニティのゲート前で引き渡す構図となるのだが、山梨コミュニティは家畜型AISを有する都合上、他とは売買の流れが異なるようだ。

 

——取り敢えず、後でオトゥールの意思を確認しようか。流石に負担が大きいだろうからな……。

 

 

 

 

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