晴れたいい天気のある日の夕方、古ぼけた館に、いかにも仕事のできそうな役人といういでたちの女性と、駆け出しの冒険者といった感じの少女が訪れていた。
役人風の女性がドアをノックすると、ゴツンという鈍い音と「ふみゃ!」という可愛らしい悲鳴がひびきわたる。
役人風の女性がドアを開けると、金色の髪に赤い瞳の少女が寝間着姿で涙目になってうずくまっていた。
役人風の女性はやれやれというように頭を押さえ首を振り、涙目の少女に話しかける。
「レイチェル、また寝不足ですか?」
レイチェルと呼ばれた少女は、頭をさすりながら、気だるそうに起き上がり乱れて胸元が半開きになった寝間着を整えながら
「うみゅ~、まだ夕方じゃない、良い子は普通まだ寝てる時間だよぉ」
などと文句を言いつつ、恨めしそうに二人の入ってきた入り口から差し込む夕日をにらみつけ、そうしてセシリーと呼ばれた女性の傍らにいる少女に初めて気が付いた様子で
「ところでその子は?」
と首をかしげながら訪ねると駆け出し冒険者風の少女はおずおずと前に出て、
「わたしメリル・トルストイと申します。私を、このギルドに入れてください!」
というと深々と頭を下げた。
「あら、わたしは、レイチェル・シモンズ、気軽にレイチェルとでも呼んでくれ。歓迎するよメリル」
先ほどのけだるそうな表情はどこかへ消え、気品漂う雰囲気を醸し出す表情をしていた。
寝間着の姿の幼女が。
「はぁー...レイチェル、格好よく自己紹介されてもその服装では威厳も何もありませんよ? そもそも人が訪ねてきているのに何で寝間着なんですか? 早く着替えてきてください!」
どこかの母娘のようなやり取りを眺めていると、幼女はまたけだるそうにふわふわと浮遊しどこかえと飛び去ってゆき、セシリーと呼ばれた女性が振り返り声をかけてくる。
「改めて自己紹介をしておくわね。わたしはセシリア・マーゴット、このギルド『紅の黄昏』のサブマスターよ。書類の方を用意するわねから、この部屋で少し待っててもらえるかしら」
と言って通された客室は、外観と不釣り合いな貴族御用達の調度品でそろえられた、豪華な部屋であった。
そうして、セシリアが立ち去ったのちしばらくすると、書類を手に戻ってきて手続きをを終えると緊張が解けたためかトイレに行きたくなったため向かっていると、ふとこの屋敷には窓が見当たらないことに気が付いた。
トイレを終え客室に戻っている途中に、半開きのドアがあり、中から先ほどの幼女のあわてた声と何かが割れる物音が聞こえてきたので中を覗くと、そこで白いドレスを着た幼女が血だまりで横たわっている姿を見て、その衝撃的な光景にメリルは意識を手放した。
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レイチェルの頭大丈夫か?
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続編はよかけ