「わたくしに何か用事でもあるのか?」
上から下まで黒い軍服のようなコートに身を包んだレイチェルは、軍人のようなびしっとした感じで、先ほどまでの寝間着で頭を押さえてうずくまっていた幼女とは思えないほど、雰囲気が変わっており、メリルは当惑しながらも
「レイェルちゃん、さっきはごめんなさい」
と謝罪すると
「うむ、わたくしも少しきつく言い過ぎた、すまぬ..」
少し照れ臭そうにそういうと、部屋の片隅におからたクローゼットに向かって歩き出した。
「このお部屋、レイチェルちゃんのお部屋って、もしかしてレイチェルちゃんって、吸血鬼?」
棺桶を見ながらそう言うと、ピタリと足を止め
「バンパイアだ、吸血鬼と一緒にしないでくれ、あのような下等な劣等種と一緒にされると虫唾が走る。二度とわたくしに吸血鬼などといわないでくれ」
そう言うと、再び歩みを進めクローゼットに入っていったのを確認して
「セシリアさん、バンパイアと吸血鬼の違いって?」
小声でそう尋ねると
「知性のあるか無いかよ、あの子が言うには、誇りをもって自分を律することができるものをバンパイア、欲望に任せて吸血を行ったりするものを吸血鬼というらしいわ、一般的には同じものって思われがちだから仕方ないんだけどレイチェルはとても気にしてるからもう言わないであげてね?」
などとやり取りをしているとレイチェルが魔術師が使うようなローブを羽織って出てきた。
「いつもの巡回ですか?」
「あぁ、すこしきな臭い魔力を感じるから少しついでに調べてくる、セシリー倉庫にある昔わたくしが使っていた装備あっただろう? どれか一式をメリルにやってくれ、メリルわたくしからの入団祝いだ、セシリーに案内してもらって受け取ってくれ」
そういうと部屋を後にしどこかへと出かけて行った。
「珍しいこともあるのね、あの子人見知りが激しくって、よほど気に入らないと入団祝いなんてあげたりしないのに」
そんなことを話しつつレイチェルの部屋を後にし、倉庫に向かうと中には剣や杖や銃のほかにローブや鎧などのほかにドレスや軍服のようなものなどもあり、コスプレショップのようになっており目を丸くしていると、西洋系の剣の傍らに見慣れない細身の薄く長い刀身の刀があるのに気が付いてみていると
「昔難破船が漂流してきたときに持ち込まれたものね、言葉が通じなくってどこの国かわからないままみんな航海病でみんな死んじゃったからだれも正しい使い方のわからない骨董品よ」
と言われ、ほかの武器を勧められたが、どうにも気になって仕方なかったので、その刀と赤いドレスローブにサークレットをもらうこととなった。