※この作品はR-18です。

その幼女、ギルマスにつき…   作:ふにふにした何か

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六日目 その幼女、魔王となる?

 オーガの拳が迫りつつある中、少女は目をつぶり覚悟を決めた。

 しかしオーガの拳がメリルに届くことはなかった。

 

「おい、デカブツ...貴様何をした?」

 

 メリルが目を開けると、黒い軍服ようなコートをまとった小さな怪物が、左手でオーガの拳を受け止め、右手でメリルに魔力でシールドを展開していた。

 

「レイ……チェル……さん?」

 

 館で見ていた、雰囲気とかけ離れており、事態を読み込めず混乱していると、怪物は振り返り

 

「遅くなったな、けがはないか?」

 

 と微笑みかけた。

 そして片手間に、オーガの拳をはねのけ、手を伸ばしそっとメリルの頭をなでながら

 

「よく頑張ったな。みんなと一緒に、逃げ遅れたものがいないかと、モンスターの残党がいないかを、確認して避難しておいてくれ」

 

 そういうとオーガに向かって歩き始めたその後ろ姿は、禍々しくもあり儚げにも見えた。

 オーガは再び拳を振り下ろして、レイチェルを叩き潰そうとするが、ゴキャっという異質な音ともにオーガの小指が明後日の方向に曲がる結果となり、オーガは声にならない悲鳴を上げ、小指のおかしな方向に曲がった左手を抱え、うずくまったその頭の横まで行くと

 

「何か最後に言い残しておくことはあるか?」

 

 ひどく静かに、しかし聞く者を全て凍り付かせるようなぞっとするような声色でささやくと。

 

 

「オレ、ゴブリン二オドサレテココニキタ、イモウト、トリカエシテホシイ...」

 

「ほう、わたくしの殺気を前に頼み事か、面白い、わたくしの下僕になるなら助けてやる、断ればこのまま戦うこととなる、そうなれば貴様の一族郎党根絶やしにさせてもらう、わたくしの家族に手を挙げたのが運の尽きだとあきらめたまえ」

 

「イモウトスクエルナラ、ナンデモスル、コノイノチササゲテ、チュウセイヲツクス...」

 

「契約は成立だな、やつらの巣穴へ案内しろ、八つ当たりはやつらで勘弁しておいてやる、ただし貴様のしでかしたことの尻拭いはそのあとでしてもらうからそのつもりでいろ?」

 

 少し驚いた後、ニヤリと笑うとオーガに回復魔法と何やら契約魔法をかけ、あたりを見回し侵入したモンスターたちが兵士や冒険者によって駆逐されているのを見ると、オーガに指示して吹き飛んだ城門でバリケードを作らせオーガの肩に乗り城門の外へ出て行った。

 

 このやり取りを近くで聞いてしまった冒険者の一人は、レイチェルの声と魔力にあてられ、半日うわごとのように魔王がいたなどと震えながらつぶやいていたり、魔王が現れて、オーガを配下にしてどこかへと去っていった。

 などという噂で町がしばらく混乱した件で、レイチェルがセシリアに怒られたのはまた後程のお話である。

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