街から少し離れた森の中にある崖の下に、オーガと幼女という異様な組み合わせの二人組の姿があった。
その崖の下には人が一人入れるくらいの横穴が開いており、その洞窟の入り口には今しがた地面のシミとなった、ゴブリン数体の姿があった。
「コノナカニ、オレノイモウト、ツカマッテルケド、オレ、ハイレナイダカラタノミタイ」
「なるほどな、行ってくるからあまりうち漏らさないようにたのむぞ?」
ふわりとオーガの肩から飛び降りると、そういいつつ奥から出てきたゴブリンノ脇を何もいないかのようにするりとすり抜けるようにいて奥に進んでいった、ゴブリンがそうはさせまいと振りかえろうとするが、次の瞬間、ゴブリンは輪切りに切り分けられた肉塊として地面に転がっていた。
「クサイ...キタナイ...セマイ...ウジャウジャ鬱陶しい...」
うんざりした様子でゴブリンを、片手間にやっつけながら奥へと進んでいくと、少し開けた丁字路に出たので、どちらに進むか悩みながら足を踏み出すと足元に魔法陣が現れ、魔力で強化された鎖が現れ、レイチェルの四肢を拘束した。
「!? 、罠か...こざかしい!」
魔力と力で強引に両手の鎖を引きちぎると、チャンスといわんばかりに飛び掛かって来たゴブリンののど元をダガーで貫いた。
「くっ...」
しかし、そのゴブリンと反対側から射られた弓矢にが気が付かず、わき腹に深々と矢が食い込み幼女が痛みに顔をしかめできた隙を見逃さず、ここぞといわんばかりにゴブリンが襲い掛かり、脚元を拘束されたままの不利な状況では、先ほどまでの余裕もなく、何とか退けるも切り傷や刺し傷によりボロボロで、立っているのもやっとといった感じであり、肩で息をしていた。
「はぁ...はぁ...こんな姿...ほかのやつらには...見せられないな...」
足元の鎖をダガーで断ち切ると壁に寄りかかり、赤い液体の詰まった小さな小瓶を取り出し、少し躊躇するが蓋を開けると、一気に中身を飲み干しす、すると体中にあった傷は跡形もなく消え去った。
「うぅ...不味い...」
しかし、どうやら瓶の中身はとてつもなく不味いものだったらしく、今度はその味に顔をしかめることとなった。
顔をしかめながら魔法で、自分の血か返り血か判別できない液体でドロドロになった衣服を綺麗にしたり戦闘による損傷を修復しつつ、先程の戦闘を振りかえり違和感を覚えた。
先程の魔法陣による拘束魔法は、上位の魔法でありゴブリンが扱えるはずのないものであり、なおかつ連携の取れた動きをゴブリンがすることはあまりないはずなのである。
「めんどくさいことになってきた...」
この先で待ち構えているであろう展開を想像し、またもやうんざりとした様子でそうつぶやくと右の通路へと進んでいった。