しかし妥協はしたくないため反省はしていない!
「うわぁ……誰か冗談だって言ってくれないかな…」
レイチェルが洞窟の一番奥にたどり着いたとき、事態は既に起きてしまっていた。
テニスコートより広い空間の中心に何やら赤黒いもので魔方陣が書かれており、その回りに十数匹のゴブリンと共にローブ姿の男数名が、無惨な姿で横たわっており、あるものは首が背中の方を向いていたり、またあるものは上半身が下半身と決別していたり、力任せに何者かが暴れたような惨状が広がっている中、魔方陣の中心にうずくまって泣いている少女が居ると言う異常な光景に、レイチェルは軽く絶句した。
「来ないで!!」
レイチェルが部屋に足を踏み入れようとすると、拳ほどの大きさの石がレイチェルのすぐとなりの岩壁を粉砕しながら、砲弾のごとく飛び去って行った。
「助けに…にゃ!?…やめ…頼むから…話を…きい…かはっ…」
次々と音速軽く超えて飛んでくる石を避けながら説得しようとするが、崩れた岩壁の下敷きになり下半身が潰れ身動きがとれなくなってしまう。
「ぎゃははは、まんまと引っ掛かったなぁー冒険者ぁ~、さしずめあの木偶の坊に、「妹を助けてくれー」、とか頼まれてノコノコこんなところまで来たってところだろぉ?」
ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら少女は身動きの取れないレイチェルに歩みより、頭を踏みつけようとするが避けられてしまい頭に来たのか、サッカーボールを蹴飛ばすようにレイチェルのこめかみを蹴飛ばした。
ゴキャ…
鈍くなにかが折れた音がして先ほどまでもがいていた幼女は驚いたような表示を浮かべ、首がおかしな方向に曲がりピクピクと痙攣するだけで呼吸もしていなかった。
「あーあ、おとなしく踏まれてればもう少し長生きできたのにね~」
少女は呼吸も止まっていることを確認すると他人事のように呟きながら部屋の出口に向かい歩き始める。
「まったく…いきなり頭を蹴飛ばすなんて…酷いじゃないか…アスモデウス…」
「ひっ…」
アスモデウスと呼ばれて振り返ると、先ほど確実に岩壁の下敷きになり、首がおかしな方向に曲がり、呼吸も止まっていることを確認したはずの少女がソコに何事もなかったかのように立っていた。しかも手には光る刀を握りしめてぴったりと少女の喉元に突きつけながらニコニコと微笑んでいた。
「な、何で貴様のようなガキがわたくしの事を知っている!?」
「さぁ?何でだと思う?」
正体を言い当てられ慌てる悪魔に刀を突きつけながらニコニコと微笑む少女、ただしニコニコと微笑んでいるが目は笑っていなかった。
「ま…ま…まさか…金色の魔王…レイチェル…シモンズ…?」