※この作品はR-18です。

彼と彼女の軌跡   作:Fiery

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その軌跡の裏側で
貴方に捧げる"はじめて"


半年ほど一緒に過ごした藍子と木綿季が、引っ越してきた涼の両親の家に移動した。

両親の家はマンションからそんなに遠くは無いし、学校も一緒だから直に会う事も出来る。

 

「静かに、なったな」

「……そうね」

 

住む人間が半分になるだけで、こんなにも静かになるとは知らなかった。

ソファに座って詩乃と寄り添いながら、涼はそんな事を考えた。

二人との同居は確定事項だったし、会えなくなったわけでもない。

なのに寂しいと思ってしまうのは、家族だったからだろう。

 

そして、今は最愛の人と自分だけしかここにはいない。

 

「……ねぇ、涼」

「……何? 詩乃」

 

詩乃は顔を真っ赤にして、これからの事を言おうとしている。

涼にはそんな予感があり、それは正しいだろう。

 

「いや、違うな……詩乃」

 

でも、彼女に行動させるのは違うとも思った。

流されたと思えるような態度はもう、慎むべきなのだ。

彼女に疑念を与えるのは彼にとっても本意ではないのだから。

 

「な、なに…?」

 

潤んだ目で見上げた詩乃の唇を優しく奪う。

一瞬だけ強張った体はすぐに弛緩して、詩乃は涼の身体にしがみついた。

 

「んっ、ちゅっ、はぁっ……」

 

相手の全てを貪るような、貪欲なキス。

互いが互いの全てを求めるための、求愛行動。

 

お前が欲しい。 貴方が欲しい。

 

ただそれだけを相手に伝えるためだけの物。

数分に及んだであろう行為の後で唇を離せば、互いの舌先を繋ぐ透明な線がある。

 

「はぁ、はぁ…」

「詩乃、詩乃……」

 

名前を呼びながら、その首元に口付けを落とす。

その度に震える体が、とても愛おしい。

 

「んっ、まって、りょ、ぉ…まだ、おふ、ろ」

「詩乃……」

「うん……全部捧げる。貴方に全部、あげる。

 だから、待ってて」

 

彼女の言葉に、軽くキスをしてその身を離す。

 

「……先に、部屋にいる」

「ありがと…」

 

そう言葉を交わして、彼は先に浴室でシャワーを浴びる。

元より汗を流すだけであるなら、数分で済む。

彼女は数分では済まないだろうが――…それでも待つのが、先走った自分への罰とも言える。

際限なく高まる熱が自分の中から溢れるのを感じながら、彼はベッドに腰かけた。

深い深い深呼吸を何度も、何度も行うが、決して熱は消えない。

しかしこうしなければ今度こそ、自分は彼女を襲うだろうという嫌な確信があった。

 

『涼。 入る、よ……』

 

時間としては十分程度。 控えめなノックの後で、詩乃が寝室へと入ってくる。

 

「あ、ぁ…」

 

入ってきた彼女の出で立ちに、彼は言葉を失う。

下着姿の彼女は、それを隠さないように恥ずかしさを堪えながらドアの前に立っている。

水色のレース地で作られたシンプルなデザインのそれは、彼女にとっては冒険の塊だ。

まずは隠すべき所が薄く――…その先の秘すべき所が淡く透けている。

そして、使っている布地の面積が、明らかに少ない。

扇情的であり、それでも確かな恥じらいを抱えながら、愛する人に全てを晒す。

 

「……何か、言ってよ」

「……綺麗、だ」

 

嘘偽りなど一切ない、本心のままの言葉。

ベッドから立ち上がった彼は、自分だけの女神にその手を差し出した。

彼女がゆっくりとその手を取れば、彼の身体がソファでのまぐわいの時よりも熱を持っているのを感じた。

自分が彼の欲情を掻き立てていると思うと、自分の下腹部も熱くなってくると彼女は思う。

 

「詩乃、綺麗だ」

「りょ、ぉ……」

 

何処までも真摯な彼の言葉に、耐えきれなくなって顔を手で覆ってしまう。

その手を強引に取って、その身体をベッドに横たえた。

 

「電気…消してよ……」

「俺だけが知ってる詩乃を隅々まで見たら消すよ」

「ば、ばかぁ……!」

「そのバカに捕まったのは詩乃だから、諦めてくれ」

 

その肢体を隠せないように指を絡ませて手を握れば、詩乃は体から力を抜いた。

そのまま彼女の足の間から覆いかぶさり、口づけを落とす。

飽きもせず舌を絡ませて、首筋に吸い付き、耳元で愛を囁く。

 

『好きだ』『愛してる』『可愛い』『綺麗だ』

 

陳腐にも思える言葉の数々を、ありったけの本心を込めて囁けば、その度に彼女の身体が跳ねる。

 

詩乃にとって、最愛の人の言葉は麻薬よりも性質が悪い。

耳から忍び込んだ言葉、隠されない本心に、幸福感が止まらない。

五感の全て、指先に至るまでの全身が、彼に与えられる刺激を求めている。

そして、与えられてしまえば、瞬時に全身を電気の様に快感が駆け巡る。

 

「脱がせるぞ」

「ぇ……ぁ……」

 

彼女が付けていたのは、フロントホックのタイプ。

彼に脱がせてもらう事を前提として、彼女がそれを望んでいる証。

それを外して、彼女の秘された双丘を曝け出す。

慎ましいとも言えるそれの中央には、痛いくらいに主張する突起。

ただ、それが全て彼女であるという事だけで彼を滾らせる燃料になる。

 

「そ、そんなに見ないで……」

「何で?」

「わ、私の胸、小さい、っ、からぁ」

「関係ない」

 

自分の身体を横へと動かして、彼女の身体を抱き上げてキスをする。

彼女の背を自分の身体に預けさせれば、空いた両の手で彼女の胸を愛撫する。

乳房に優しく手の平を這わせて、自己主張の激しい突起には触れることなく。

 

「何で、そんなに、いやらしい、触り方……っ」

「嫌か?」

「そうじゃ、なくてぇ……っ」

 

ほんの少しだけ、指先で突起に触れれば詩乃の身体がびくりと震えた。

下唇を噛んで恨めしそうに見る目は、それでも期待の光がある。

指の腹で優しく転がしてみれば、また快楽に震えだす。

 

「詩乃」

「っ、なに、よ…っ」

「愛してる」

「っ~~~~!?」

 

その囁きで、彼女の身体が仰け反るほどに跳ね上がった。

一気に全身から汗が吹き出し、声にならない声を上げて開いた口から舌を突き出して、天井を仰ぎ見るように目を見開いた。

その状態で数回びくりと震えて、弛緩した身体が彼へと預けられる。

 

「大丈夫か…?」

「貴方の、声は、ずるいの、よ……」

 

息も絶え絶えに、詩乃は彼を非難する。

まさか、囁きで絶頂するとは思っていなかった。

腰砕けになっていて、体を起こすのがとても億劫に感じる。

 

「……あら?」

 

視線を動かせば、下着の中でギチギチに張り詰めた彼の怒張が居た。

布を押し上げるほどに主張するソレに、彼女は釘付けになる。

彼が辛そうだから、解放しなければいけないと、自分の本能が囁いた。

 

「し、詩乃?」

「私で、こんなに?」

 

下着の上から、それに手を這わせただけで彼の身体が震えた。

それだけの事で、どうしようもなく彼が愛おしくなってくる。

手の平に伝わる熱さは、布越しでも火傷をしてしまいそうなほど。

彼の下着に手をかけて、下へと降ろしていけば天に向かってそそり立つソレが現れた。

 

「す、ごい……」

 

ごくり、とつばを飲み込んだ。

彼がこうなるくらいに自分で興奮している事が、彼女の性感を刺激する。

愛おしそうに両手を優しく添えて、おずおずと舌を這わせる。

 

「っ、くぅ…」

 

鼓動と共に脈打つソレが、舌を這わせるたびに震える。

彼の顔を見れば切なそうな、堪えるような表情を浮かべている。

それがたまらなく可愛く見えて、愛おしいと感じる。

根元から先端までを舐めあげれば、彼はまた切なそうに息を吐いた。

 

「気持ち、いいんだ……」

 

それが嬉しい。先端からにじみ出ているそれも証拠なのだろう。

それ毎先端を口に咥えれば、少し変な味がしたが彼のだと思えば全く苦にはならなかった。

 

「詩乃、すご、っ」

「んっ、んっ」

 

頭を上下に振って、口の中で彼のそれを扱く。

多少無理をしても全部は飲み込めない大きさのそれは、彼女が動く度に張り詰めていくのが分かる。知識としては知っている行動の予兆に、扱く速度を上げた。

 

「まっ、詩乃、離れて」

 

彼の制止を聞かずに動かし続ければ、さらに膨らむ。

そして程なくして彼女の喉を熱い飛沫が叩いた。

 

「んん゛っ!? んっ、んっ」

「あっ、あっ、しの、ごめ、まだ」

 

脈打つ度に吐き出される物を、詩乃は懸命に口の中で受け止める。

それを射精だと、詩乃は知っているがこんなに長い物なのかと思う。

やがて吐き出す物が無くなったのを感じて、彼女は肉棒から口を離す。

彼に見せつけるように少し口を開けば、そこには彼が吐き出した白い欲望が溜まっていた。

 

「詩乃……」

「んっ……」

 

口を閉じて、こくん、と喉を鳴らす。

一度では飲み切れない粘度と量を、それでも懸命に彼女は飲み干した。

 

「んっ…美味しくは、ないわね」

「無理、するなよ」

「でも、凄く興奮する。お腹が凄く、切なくなる」

 

詩乃が自分の指で下腹部をなぞれば、その中にあるものが今飲み込んだものを求めている。

そして、受け入れるための準備を彼女の身体は既に終えていた。

詩乃が仰向けになり、その足を大きく広げる。

そこにあるのは、彼女の秘裂から溢れ出た愛液で濡れたショーツ。

秘部に張り付いてその形も、息遣いも細部まで理解できるくらいに透けている。

目の前の淫猥な光景に、欲望を吐き出した怒張は先程以上に張り詰めていた。

 

「もう、私の準備は出来てるよ、涼」

 

抱きしめてほしいというように、こっちに来てというように、詩乃が両腕を伸ばす。

それが女神の求愛でも、魔女の誘惑でも、詩乃であるという事で彼は拒否しない。

その誘惑に抗わないままに、彼は彼女の腕の中に納まり、口づけを交わす。

既に下着としての機能を失ったショーツを脱がして、互いに生まれたままの姿を晒す。

 

「……全部、貰うぞ」

「うん、全部貰って」

「もう絶対、離さなくなるけど、いいんだな」

「私も絶対、離さないから、問題なんてない」

 

詩乃の秘裂に肉棒の先端があてがわれる。

十全に濡れていたそこは先端を容易く呑み込んだ後で、確かにある純潔の証を示す。

処女の証明。 朝田詩乃がずっと彼に捧げる事を願った"はじめて"

 

「……詩乃」

 

彼女を気遣う優しさに溢れた声で、彼は名前を呼ぶ。

その優しさへの返答として、彼女は強く強く、彼に抱き着いた。

 

「来て、いいよ」

 

耳元で懇願するように、縋るように、誘惑するように告げられた一言。

それを引き金として、加えられる力が増していく。

 

ぷつん

 

「ひっ、ぐぅぅ――」

「っ…」

 

捧げた痛みを堪えるように、たまらず詩乃は彼の首筋に噛みついた。

彼に自分の純潔を捧げたのだと、彼自身に刻み付けるように。

痛みを伴うそれを彼は黙って受け入れながら、彼女の最奥を目指す。

十全に濡れていても限界まで押し広げられる苦痛で、詩乃の目に涙が浮かぶ。

それでも、胸の中に去来するのは歓喜で、全身を幸福感が包んでいる。

 

自分の中に彼の全てを収めれば、限界まで押し広げられ、突き上げられる苦痛も愛おしい。

 

「ぜん、ぶ入ったぞ、詩乃」

「わかる、よ、りょ、ぉ。 私、たち、一つ、だよ」

 

痛いくらいに締め付けてくる彼女の膣内が、貪欲に蠢き出す。

全身の神経を焼くような快楽を、今二人は共有しているようだった。

ある程度まで苦痛が静まれば、濡れた瞳が彼を見た。

 

「いいよ、涼。貴方の好きに、私を感じて」

 

目の端に涙を光らせて、詩乃が微笑んだ。

それを合図にするように、ゆっくりと腰が引かれる。

反り返った肉棒が膣内を強烈にこすり上げ、貪欲に蠢く膣内が肉棒を扱く。

それだけで、目の奥に光が瞬くほどの快楽だった。

二人が感じる快楽はその瞬間に苦痛を超え、二人をそれを貪るただの獣へと変える。

力強い抽送によって肉を打つ音に、粘り気のある水に空気が混ざる音。

二人が互いを求めあう行為によって紡がれる音が、室内に響く。

 

「しの、しの、しの」

「りょお、りょお、りょお」

 

どちらも相手を離さないというように抱きしめて、口づけを交わす。

舌を絡ませて、相手に自分の存在を刻み続ける。

 

あいしてる。すき。はなさない。ずっといっしょ。

 

言葉にせずに、口づけだけでそれを伝え合う。

高まり続ける快楽が、より深い絶頂の為に二人に蓄積され続け、それでも二人は止まらない。

 

「しの、でる、よっ」

「きて、りょお、ぜんぶ、わたしにっ」

 

二人の目の奥の光が、一気に弾ける。

一度目の射精よりも熱く、濃く、大量に吐き出されたそれを受け入れて、詩乃が痙攣する。

絶頂によって消失していく意識が、かろうじて互いが繋がっている部分を認識していた。

長い長い射精が終わるまで、詩乃の身体は絶頂による痙攣から戻ってこれない。

自分の最奥が、吐き出されるそれを呑み続ける限り、彼女は快楽に焼かれ続ける。

 

「うあぁぁ、しのが、すいついて……っ」

「りょおのが、まだ、わたしの、なかに、ぃっ」

 

お互いの長い長い絶頂が終わる頃、全てを吐き出した肉棒が詩乃の中から抜ける。

信じられない量が吐き出されて、僅かに膨らんだ自分の下腹部を見て、詩乃は満足そうにそこを撫でる。

 

「……凄かったね、涼」

「詩乃も、かな……」

 

息を整えながらベッドに横たわる二人。

心身ともに満たされたように、お互いの声はとても穏やかな物。

 

「中に、出しちゃったね」

「出来てたら、学校辞めて働くさ。

 父さんに頭下げてでも、詩乃には絶対不自由なんてさせない」

「ふふっ、この日の為にピルは飲んでるから、大丈夫よ」

「……やっぱ、この日を狙ってたか」

「勿論♪」

 

互いに、今日そういう関係になると分かっていた。

タイミングも、日付も、何もかもがその方向に動いている気さえしていた。しかし、二人はそれを良しとした。

 

「ねぇ、涼」

「どうした?」

「愛してる」

「俺も、愛してるよ」

 

最後に軽く口付けをして、二人の意識は闇へと落ちていった。

 

 

 




作者的には満足してます。
やっと書けたから!
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