※この作品はR-18です。

彼と彼女の軌跡   作:Fiery

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もしも彼女と会わずにSAOを生き抜いていれば

というのを隠れ蓑にただ言わせたい台詞があっただけ。


あったかもしれない可能性
もしもの二人の結末  "朝田詩乃/同類"


「なら…貴方が私を一生守ってよ!! 何も知らないくせに! 何も出来ないくせにっ…!

 勝手なこと言わないで…コレは私の、私だけの戦いなのよ。

 たとえ負けて…死んでも…誰にも! 私を責める権利なんかない…!

 

 それとも…貴方が一緒に背負ってくれるの?

 

 この…このっ…ひ、人殺しの手を…貴方が握ってくれるの!?」

 

私の独白に、蒼(・)い(・)髪(・)の彼の瞳が揺れた気がした。

 

 

 

《ガンゲイル・オンライン》の世界に突然現れた二人の男。

一人はまるで女の子みたいな可愛い容姿の、黒髪の男・キリト。

もう一人は蒼い髪の、平凡な容姿の男・オーリ。

 

最初は、キリトに私が声を掛けた所から始まった二人との交流。

共に参加した第三回『バレット・オブ・バレッツ』…通称『BoB』で私は仮想現実に『本物の悪意』を持って人を殺すという存在に出会った。

《死銃》と呼ばれた存在に自分が狙われていると知り、恐慌状態に陥った私。

キリトは索敵に出ていて、彼と二人きりの時に、私は爆発してしまった。

 

自分の生い立ちから、その過去、今の状況に至るまで全てを彼に話した。

彼は決して目を逸らす事なく、真っ直ぐ私を見て聞いていたように思う。

 

全てを話し終えた後、彼は私の手をしっかりと握った。

 

「……俺で良いなら、シノンの手を握る。

 シノンが良いというなら、一緒に背負って生きていく。

 君が許してくれるなら、俺の一生をかけて、君を守ろう」

「……っ!?」

 

普段なら戯言と、出来るはずが無いと切って捨てる言葉。

けれど、彼の言葉には何処までも『本物の決意』があった。

本物だと確信できてしまうほどの重さが、彼の言葉にはあった。

 

「な、何でそんな簡単に、言えるのよ……っ」

「――…何でだろうな」

 

自分でもわからないと、彼は苦笑した。

つい先日初めて会った、リアルも何も知らない一プレイヤー相手に一生をかける理由。

『本物の決意』を持ってそうする理由が、この時の私にはわからなかった。

 

「君は納得できないと思うけど、個人的な理由だ。

 俺はあの時見た誰かを、追いかけてるだけなのかもしれない」

 

目を伏せた彼がコンソールを呼び出して、何かを操作する。

少しして私にメッセージが届いて、それを開けば内容は彼のリアルの住所の詳細だった。

セキュリティのしっかりした所だが、入る為の暗証番号まで記載されている。

更には彼の本名と、その連絡先まで。

 

「え、近……じゃなくて!?」

「今この時で、俺が示せる精一杯の誠意だ。

 俺が君を撃って君がリタイアした後、ここに来れば匿える」

「嫌よ! 私は逃げない。私は、強くなるために、これに参加したの」

 

だから、と私は彼に自分の住所と連絡先を送った。

貴方が来て、私を守ってと。

彼は驚いた顔で私を見て、仕方なさそうにため息を一つ。

 

「キリトを頼む。援護してやってくれ」

 

彼は自分の持っていたデザートイーグルを私に握らせて、その銃口を自分の胸に押し付ける。

 

「……な、何で、そんなに、簡単に私を信じるの? 信じられるの!?」

「君を信じると、俺が決めた。裏切られたなら……まぁ、それが普通だよな。

 潔く、馬鹿な道化でもやるだけだよ」

 

でも、と彼は続ける。

 

「俺がここから消えたら、あいつを助けられるのは君しかいない。

 だから頼む。 あいつは、裏切らないでくれ」

 

銃口を自分の胸から外さないまま、彼は頭を下げた。

自分の事など一切気にせず、何処までも他人を案じる彼に、私は何処か安心してしまった。

 

「……やってやるわよ、それくらい」

「恩に着る」

 

直後、私は引鉄を引いた。

 

 

 

その後の事は、私にとっては忘れられない記憶になる。

キリトと協力して《死銃》を撃破した私は彼と少し話をして、同時に互いを撃って同時優勝。

ログアウトした私の家に信用していた友人がやってきて私を殺そうとして、さっき住所を教えたばかりの赤の他人であるオーリに、私は救われた。

友人はオーリが呼んでいた警察に逮捕され、オーリは捕縛の際に揉みあいになって負傷。

私は結果的に無傷であり、一日検査入院となった彼に付き添った。

 

「ねぇ」

「ん?」

 

現実の彼は、GGOのアバターとは違って美形の類だった。

キリトとは違ってちゃんと男とわかる、精悍な顔つき。

 

「……住所が割れて不安だから、貴方の家に行ってもいいかしら?」

「それは構わないけど……誰かに送ってもらえよ?」

「今日はここに泊まるわ。明日、貴方が連れてって」

 

真っ直ぐ見つめれば、彼はやがて諦めたように溜息を一つ。

 

「……わかったよ、シノン」

「詩乃」

「へ?」

「朝田詩乃。 私の名前」

 

「あぁ、わかった。朝田さん」

「詩乃でいい。さんも、いらない。私は貴方の事、これから涼って呼ぶから」

「本名をいきなり呼び捨ては難易度高くないか……?」

 

渋る彼に、私は躊躇いなく札を切る。

 

「人殺しの私の手を取ってくれるんでしょ? 一緒に背負ってくれるんでしょ?

 一生、守ってくれるんでしょう? なら一生、私と一緒に居てよ」

 

思えばこの時から私は、彼に狂っていたのだろう。

絶対に誰にも渡さない。 彼の一生は自分の物だ。

だから対価として、自分の一生を彼に差し出す。

そんな私の言葉に、彼は少しの間呆然としていた。

 

「……本気か?」

「この手の冗談は、好きじゃないわ」

「俺が勝手にするだけで、そっちが縛られる必要は……」

「私が傍に居た方が、貴方も守りやすいでしょ?」

「……俺の家に居つく気か?」

「私さっき、貴方の家に行ってもいいって聞いて、了承したわよね?」

「そういう意味だと思わねぇだろぉぉ……」

 

彼が頭を抱えてしまったが、私の中ではもう決定事項である。

私が何と言われようと押し掛ける気である事を察したのか、彼はベッドに横になる。

 

「……わかったよ、詩乃」

「これからよろしくね、涼」

 

 

 

◇

 

 

 

「何で私を押し倒さないの?」

「お前は一体何を言っているんだ?」

 

押しかけ同棲を始めて、2カ月ほど経った。

その間に、私が過去を見つめ直す機会を彼とキリトがくれたり、キリトの彼女とも会った。

ある程度は知っていたが、涼もキリトも彼女もSAOの生還者だった。

 

そして驚いたのは、涼が私の学校に編入してきた事。

しかも、同じクラスだった時の私の驚愕は推して知るべし。

ただ、あくまでも自分が勝手にした事と言うスタンスを彼は崩さない。

 

そこまでしてくれる彼の事を、この2カ月で私は明確に好きになっていた。

彼に不満があるとすれば、一緒の部屋で寝ている私に手を出さない事だ。

最初は別の部屋でと彼が言っていたのを、それを強引に押し切った。

後は、一緒に住んでいるので無防備な姿も見せている。

何なら、お風呂上りにバスタオル一枚で彼の前に出た事もあるが、その時は流石に怒られた。

だから今、私はベッドに横になっている彼の上にのしかかっている。

 

「女の子と一つ屋根の下に居て、襲わないの?」

「もっと自分を大切にしてくれませんかねぇ?」

「大切にしてくれる相手を選んでるのだけど?」

「あのなぁ……」

 

うんざりしたように彼は言うが、無理に私を押しのけたりはしない。

まず間違いなく、彼は私の想いに気付いている。

GGOにも付き合ってくれるし、何なら休日にデートもする。

彼と一緒の家に住み始めてから長期間離れたのは、正月の三が日だけ。

彼が実家に行った時だけで、その時に私の事も説明したようだ。

両親の方は大らかなリアクションだったらしいが、二人の義理の妹が凄かったらしい。

それを説得するのに三が日を棒に振ったと、帰ってきた彼は言っていた。

 

まぁ後日、彼の両親と件の義妹二人には挨拶したのだけど。

 

「もう、手を出さない理由がないでしょ?」

「そこは俺の自制心を褒める所では?」

「あ、ちゃんとそういう対象としては見られているのね。安心したわ」

「君ちょっと無敵過ぎない? 俺、手を出さないって言ってるよね?」

「私はずっと、手を出してほしいと思ってるのだけど」

「マジかよ、こんなに一向に噛みあわない会話すんの初めてだぞ……!?」

 

彼が戦慄したように私を見ているが、私も引くつもりはない。

縛り付けて、縛り付けて、私だけを見るようにしなければ安心できない。

流石に、人間関係を壊すつもりは毛頭ないが……

 

「私の事、嫌い?」

「お前……その聞き方はダメだろ」

「私にばかり言わせて、貴方は『BoB』の時以来一度も言ってくれてないのよ?」

「まって、流石にあれは告白……に聞こえても仕方ない言葉だったなぁ……ッ!?」

 

自分が言った言葉を思い出したのか、彼は顔を手で覆ってしまった。

そう、あれはもう告白だ。 私はもう、そう思っている。

彼が告白して、私は受けた。 だったらもう、私達は恋人同士のはずだ。

 

「あー、くそ、もう……詩乃」

 

手を退けた彼が、まだ赤い顔で視線を私に向ける。

名前を呼ばれるのは、少し久しぶりだった。

 

「この体勢じゃ格好がつかないから、どいてくれ」

「逃げない?」

「ここで逃げたら、余計に事態が悪化するだろうが」

「わかってるじゃない」

 

私が涼の上から降りれば、彼はベッドから立ち上がって私の手を取って立ち上がらせる。

そして、私の両肩に手を置いて、私の目を真っ直ぐと見つめてきた。

 

「詩乃」

「ん」

 

「SAOで俺がやった事は全部知って、言ってるんだな?」

「……えぇ、キリトとアスナが話してくれたわ」

 

私の言葉に、彼は遣る瀬無いような顔で目を伏せた。

簡単に言えば、彼と私は同類。おなじ、ひとごろし。

 

だから彼は、私の手を取る事を戸惑わなかった。

なのに彼は、自分の業を私に背負わせず、私の業を半分背負うと言った。

そして彼は、一生かけて私を守ると言い切った。

 

「――…なら、俺が言うのはこれだけだ」

 

そして彼が説明したのは、SAOでの最後の戦いの話。

死にかけた自分を立ち上がらせた、知らない誰かの話。

脳裏に浮かんだだけのイメージは、泣いていたという。

自分を見て悲しんでいたその顔は誰だったか、彼は全く知らなかった。

 

「『BoB』の時のお前を見て、それを思い出した。

 それが繋がってしまったから、絶対に守らなきゃって思った。

 今まで会った事も無かった。 一日二日程度ゲームした相手を、だ。

 俺だってわけがわからなかったし、考える余裕はその時なかった」

 

伏せられていた彼の目が、再び私を見る。

 

「現実でお前を助けた時、助かったお前の顔を見た時。

 何でかわからないけど、俺はあの時浮かんだのが詩乃だと思ったんだ。

 俺はあの時からずっと、知らないはずの詩乃を探して生きてきたんだと思う。

 それから……探して、見つけて、一目惚れしたんだ」

 

だから、と彼は私へと照れくさそうに微笑む。

 

「……好きです。 桜川涼は、朝田詩乃の事が、好きです」

 

念願の言葉を聞いた私は、彼に口付けてそのままベッドへ一緒に倒れ込んだ。

 

 

 

◇

 

 

 

互いに生まれたままの姿になって、ベッドの上でまぐわう。

キスもそこそこに、私は彼の反り立った肉棒に奉仕していた。

手で扱く度、舌先を這わせる度、喉奥まで受け入れる度、彼はその身を震わせる。

彼が反応を示す度に、私の疼きが加速する。

口に含みながら自分のあそこに触れれば、今までに経験した事の無いくらいに濡れている。

 

「っ、くぁ、詩乃、っ」

 

彼の口からこぼれた私の名前に、更に疼く。

五感の全部で彼を感じれば、そこにあるのは圧倒的な幸福感。

自分の手で彼が快楽を得て、自分の名前を呼んでくれる。

これはダメだ。 もう彼無しでは生きられなくなってしまう。

そんな考えが過ったが、何の問題も無いと放棄した。

彼が居なくなったら、どうせ私は生きられない。 生きようとしない。

それが依存だなんてわかりきっている。 でも、私はもうその毒を受け入れた。

 

「詩乃、はなれ」

「ひーよ、ほのははらしれ」

 

更に膨らみ始めた肉棒と彼の声に、限界が近い事を悟る。

だから咥え込んだまま、刺激し続けた。

その瞬間はすぐに来た。 熱い塊が喉奥に叩き付けられて思わず咽そうになる。

それでも吐き出さないように全部受け止める。

 

「はぁ…はぁ…」

 

彼が息を整えながら私を見る。 出して、彼の肉棒も硬さを失った。

だから私はまた興奮してもらえるように、まだ彼の出した物が残る口の中を彼に見せつける。

舌でかき回し、ゆっくりと、何度も彼の精液を呑み込む。

味だけで言えば決して美味しい物ではないが、受け入れる以外の選択肢はない。

他の誰でもない彼が、他の誰でもない私で達した証。

呑み込めば、全身が熱い。 下腹部から灼熱が広がってくる。

 

「んっ、はぁ……ねぇ、涼……」

 

その熱に従うまま、私は大きく足を開いて彼を誘う。

洪水のように濡れに濡れたあそこを、淫乱な女の様に見せつける。

実際、私は淫乱なのだろう。 初めてなのに、彼が欲しくて欲しくてたまらない。

彼が私を抱いてくれるなら、どんなに恥ずかしい事でもやって見せるという思いがある。

 

「し、詩乃……」

 

そんな私を、彼が凝視している。

彼の肉棒は、射精する前以上に張り詰めていた。

初めての私が受け入れられるのか不安になるサイズだが、覚悟なんてもう決まっている。

 

「来て……私を奪ってよ、涼」

 

そう言えば、彼の手がゆっくりと伸ばされる。

……こんな時でも彼の意思は強靭さを発揮する。

決して私を傷つけまいとして、欲望に任せて襲い掛かる事をしない。

初めての相手が彼ならば、どう奪われようと関係ない。

これ以上ないほど、私を求めてくれればそれでいい。

だから、私は彼の手を引いてキスをする。 そのまま彼に押し倒されるように仰向けになる。

 

「詩乃……」

 

唇を離せば、限界が近いといった風に歯を食いしばる彼。

その目には理性の光と欲望の熱が混在しているように、私には見えた。

もう少しで彼は私に堕ちてくれると確信して、その反り立つ先端に自分のあそこを当てる。

 

「……もう、俺は自分で止められないぞ」

「だから、誘惑してるのよ?」

 

挑発するように、懇願するように私は微笑む。

その刹那に、彼は一気に私の膣内を蹂躙してきた。

 

「ひぐぅ、か、っ、はぁ……っ!?」

 

純潔を一気に突き破られ、自分の最奥まで一気に侵略される苦痛に息が漏れた。

しかし、苦痛以上に幸福感が胸にある。一つになっている満足感がある。

そんな私を見て目の前の彼は動きを止めて、自分に何か言おうとしていた。

それが自分を気遣う言葉だという事はわかりきっているから、キスして塞いだ。

止められないと言ったくせに止めたから、自分で腰を動かす。

 

「んっ、んっ、んっ」

 

私の動きに観念したように、彼から私を抱きしめてきた。

もっときつく抱きしめてという意思を込めて、私も彼を抱きしめる。

抱きしめる力が少しだけ強くなって、彼が中に入れたものを動かし始めた。

ゆっくりとして、それでいて大きく、私の膣内を抉っていく。

苦痛はもうない。あるのは快楽と、彼に求められているという現実。

 

「もっと、もっと、もっと…ぉ」

 

でも、まだだ。

彼はまだ箍を外していない。理性を宿している。

それを取り去る方法なんて、この時の私は見当もついていない。

出来るのは、ひたすらに懇願するだけ。

 

もっと愛して、と乙女の様に。

もっと動いて、と娼婦の様に。

もっと壊して、と私の本心を。

 

突然、強く奥を突かれた。

全身を電流が流れたように、私の身体は仰け反って震える。

 

「ぇ、ぁ、りょ、ぉ?」

「詩乃」

 

チカチカと明滅する視界の中で、彼は口元を歪めた。

怒っているのだろうか、判断がつかない。

そうとも思えるし、悲しんでいるようにも見えた。

 

「お前は俺の物だ。壊してなんてやらない。

 お前はお前のまま、俺に染まればいい」

 

その言葉を聞いて、私の背筋によくわからない快楽が走った。

名前を呼ばれた時とも、好きだと言われた時とも違う。

所有物だと言われて、それで良いと思ってしまった。

 

「壊れたお前を守り続けるなんて、俺はしたくない。

 もう二度とそんな事を言わないように、徹底的にやる」

 

彼が初めて見せた、私への強い執着心。

その独占欲が私には心地よくて、私の中のスイッチが入ってしまった。

 

「は、はい……私は貴方の物、だから……私にその証を、ください……」

 

胸が苦しくて切なくて、どうにかなってしまいそうなほどの幸せ。

彼がその箍を外して、私を貪り始める。

唇を吸われ、胸を揉みしだかれ、首筋に舌を這わされ、お尻を掴まれる。

下腹部は彼の肉棒の形に膨らんで、奥を突かれる度に盛り上がる。

それが全部、彼が私にくれる証だ。

 

「好き、涼、好きぃ、愛してる、愛してるのぉっ!」

「詩乃、詩乃、誰にも、渡さない、俺の、詩乃だ!」

 

彼に名前を呼ばれる事。彼に求められる事。これは、私にとっての麻薬。

絶対離さない。絶対誰にも渡さない。私のだ。彼は私だけのヒーローだ。

 

「詩乃ッ!」

「涼ォッ!」

 

だから、絶頂に向かう彼の身体を離さない。

両腕を、両足を使って彼を絡めとる。

その直後に、私の奥で灼熱が弾けた。

 

「し、の……」

「りょぉ、きて、る……すごいのぉ……とまらないぃぃ……」

 

私は子宮で彼の精液を受け止める。

口の中で出した時とは比較にならない程に長い時間、それは吐き出され続ける。

その吐き出す先端に、私の最奥が吸い付いて離れない。

それを感じている間、私の身体の痙攣が止まらない。

意識が一瞬途切れては戻るを、繰り返し続けている。

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

ようやく彼の射精が収まり、私の絶頂の波も引いていく。

彼も私も全身から汗が止まらないまま、それでも抱きしめ合う事は止めない。

 

「まだ、硬いの……?」

「あぁ、まだだよ」

 

私の中にあるそれはまだ硬さを失わず、彼もまだその気だ。

 

「あ、あの、私は、その」

「詩乃」

 

彼は、見た事が無いほど獰猛に笑う。

 

「俺を本気にさせたんだ。朝まで付き合ってもらうぞ」

 

彼に耳元で囁かれて、私は『はい』と答える以外に選択肢がない事を悟った。

 

 

 

◇

 

 

 

それから色んな事があったけど、私と彼の関係は続いている。

いや、続いているというのは少し違って……

 

「あ、蹴った」

「どれどれ」

 

膨らんだ私のお腹に、彼が耳を付ける。

私のお腹に宿った、彼と私の結晶の音は聞こえてるだろうか。

 

私達はあれから高校を卒業し大学に入学して、大学卒業と同時に結婚した。

彼は機械工学系の研究職で就職し、私は専業主婦をしている。

彼の両親は私の母も呼んでくれて、今は二世帯住宅となった彼の実家に暮らしている。

義妹の二人は今は大学四年で、実家を離れて二人暮らし。

まぁ実家の近くで就職すると言っているので、すぐに家族が増える事だろう。

 

あの時の《死銃》事件があって、出会った私達。トラウマだった銃ももう怖くはない。

GGOは辞めてしまったけど、未だにゲームで繋がった仲間と連絡は取っている。

というより、大学卒業前にはキリトとアスナの結婚式に出席しているし、卒業後の結婚式には彼ら夫婦や仲間達も呼んでいる。

披露宴での盛り上がりは凄くて、何故かキリトとクラインさんが決闘騒ぎになったりもした。

 

「ねぇ、涼」

「どうした、詩乃」

 

そんな思い出を振り返りながら、私は今の幸せをくれた人を見る。

彼はあの頃と変わらない微笑みを浮かべて、私を見た。

 

「最初のあの言葉、覚えてる?」

「最初……あぁ、GGOのか」

「貴方は私の手を握って、こんな幸せがある所まで連れて来てくれた。

 私の隣で一緒になって、新しい命も育んでくれた」

「……俺が一生かけて守るのは、詩乃だけじゃなくなったな」

「それは、まぁ……私も妥協しないと、ね?」

 

二人で笑いあう。

彼に対しての不安はもう存在しない。

彼の想いは素直に信じられるし、彼が私に嘘をつく事も無い。

付いた場合は、それは私を傷つけるつもりの一切ない、優しい物だろう。

 

昔は彼は自分の物だの、自分は彼の物だの言っていたが、その想いはまだある。

私達が互いが互いを幸せにするために、それは必要な想いだ。

だって私達は夫婦で、恋人で、同類だから。

 

「だからこれからも、私を幸せにしてね? 旦那様」

「あぁ、必ずするよ。詩乃」

 

私達は違えない。この幸せな結末を、永劫に続けていく事を。

 

 

 




幸せなIFだからと言って本編が悲惨になるとかそんな事は無いですよ?
ホントだよ?

冗談はさておき、冒頭の台詞は本編だと絶対使えないけど使いたかったからこんな事になりました。
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