※この作品はR-18です。

時をかける少年   作:パッパパスタ

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 バトルマンガしてる!
 
 



プロローグ

 『─────!!』

 

 「…うん、あとちょっとだけ───」

 

 少し離れた所からの声に返事をする一人の少年。

 

 彼に声をかけたのは彼自身の母親であり、それは昼御飯を食べるよう少年に催促するも

の。

 その声色からは少し怒りが垣間見えるが、それもそのはず。母親が呼びかけたのはこれで最早五回目だ。

 

 しかし当の少年はボーッとするように自分の部屋のテレビに熱中している。

 

 そのテレビには一人一人が米粒に見えるほどの人の数が映し出され、その場の誰もが歓声を挙げ画面中央に映る“何か”を楽しんでいる。

 

 『じゃれついてっ!オーロンゲ!!』

 『──避けろリザードンっ!カウンターからつなげてエアスラッシュだ!!』

 

 半分叫んでいるように“何か”に指示だす、画面にピンポイントで映し出される二人。

 

 その“何か”は人が介入することができないスピードで拳を交え、先程指示を出した『トレーナー』と呼ばれる人間に忠実に動く。

 

 それは、相撲でも野球でもサッカー、テニス、水泳でもない。ボクシングやプロレスでもない、今や全世界が熱中している一つのスポーツ。

 

 オーロンゲと呼ばれた“何か”───通称ポケモンはその長い毛を揺らしながら腕を大きく振りかぶり、相手のポケモンに重い一撃を喰らわせる。

 

 が、対するポケモン『リザードン』はニヤリと笑みを浮かべ、口元に生えた鋭い牙をオーロンゲに見せた。

 

 完全に入ったと思われたオーロンゲの技『じゃれつく』をものともせず、鉤爪のついた手でオーロンゲの腕を振り払うと残った片手でその身を切り裂いた。

 

 『おお───っとオーロンゲ!これは痛い一撃だっ──────!!!』

 

 解説が声を上げ、リザードンの重い一撃に身震いをした。

 

 観客も最高潮に盛り上がり、歓声も今まで以上に大きくなる。

 

 「──────」

 

 視聴者側の少年の口は半開きまま閉まらず、歓声が上がると共に少年自身の鼓動も早くなってゆく。

 

 これがトップ、“ガラル地方”全土の人が注目するポケモンバトルの頂上。

 

 生まれてから両手とほんの少しだけしか経っていないのにもかかわらず、目標が少年の心に出来上がりつつあった。

 

 『まだまだっ───!うちのオーロンゲはそんなヤワじゃない!』

 

 画面越しに少年の瞳に映るオーロンゲは一瞬倒れそうになるものの、トレーナーからの声で再び長い毛に隠れた目に光をともし、左手からの鋭いアッパーを喰らわせた。

 

 これにはさすがのリザードンも堪えたのか、大きな体が一瞬揺らぐ。

 

 『それはこっちのセリフだ!───リザードン、決めろ!!』

 

 鍛え上げられ丸太のように太くなったリザードンの尻尾がオーロンゲに巻き付く。

 

 『ゼロ距離だいもんじ───だ』

 

 同時に尻尾の先に灯る火が一際大きく輝くと、リザードンの開かれた口からとてつもない熱量の息が吐き出された。

 

 瞬間、光が画面を覆い尽くす。

 

 『ああ〜〜───っとォおおお!!!』

 「ああっ!」

 

 解説の声と少年が思わず出した声が重なる。

 

 まだか──、まだなのか───少年の心には昼御飯の事など一ミリも存在してなかった。

 

 少しずつと黒煙が晴れていき、まず最初に会場の草のグラウンドが見えた。

 草むらはだいもんじの余波でその身を揺らしている。

 

 続いてカメラに映し出されたのはオレンジ色の肌───青い翼をはためかせ漂っている残りの煙をすべて払い除けた。

 

 『おお───ぉお?』

 

 解説やその場にいる観客、視聴者さえもリザードンの勝利を確信し前で倒れ込むオーロンゲの姿を想像した。

 

しかし、画面が映し出したのは予想とはまったく別のものだった。

  

 『これは───一体何がどうなったんでしょう.....か....?』

 

 映るのはオーロンゲの姿どころかポケモンの姿ですらない。

 安っぽい布地で作られたかのような人形の姿をしている“モノ”

 

 それに一瞬で気づけたのはリザードンのトレーナー、現チャンプ“ダンデ”だけであった。

 

 『今の一瞬でっ──“身代わり”か!! リザードン、振り向きざまに───』

 

 ポケモントレーナーというピラミッドにおいて、チャンピオンというのは名だけではない。

 ポケモンとの信頼関係、試合の読み合い、技構成から持ち物に至るまですべてを考えた上で君臨できる確固たる地位。

 

 そうやすやすと踏み倒せるモノでは、地方全土で応援してくれている子供たちのためにもあってはならない。

 

 『オーロンゲ───ッ!』

 

 ───しかし、今回ばかりは挑戦者のほうが上手であった。

  

 巨体を持つリザードンを頭上から真っ黒な影が覆い尽くした。

  

 『リザードン上だ──────』

 『決めて──ッ!!!!』

 

 

 

 深い、深い一撃がリザードンの頭の突き刺さった。

 

 

 あれほど騒いでいた観客、解説者ですら喉から声がでない。

 

 ───無音。

 

 グラウンドの草むらの揺れる音が聞こえるほど、全員が見入っていた。

 

 

 それから辺りに静寂が訪れ数秒。

 

 目を回して倒れ伏したリザードン。満身創痍といった姿ながら、しっかりと二本足で立っているオーロンゲ。

 

 

 そうして、試合は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 『勝者は───挑戦者ユウリ!』

 

 

 

 

 




 
 次はエロします
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