目を覚ますと真っ白な部屋にいた。
いや、俺も何が何だかさっぱり分からないので戸惑ってしまう。何とか情報を集めようと混乱した頭を動かし、キョロキョロと部屋の中を見渡す。
部屋の大きさは学園の教室ほどだろうか。見慣れた教室のような広さをしている……と思う。
更によく見ると俺の寝転んでいたのは布団の上のようで、教室の床に寝転んでいたと思っていたよりかは身体に疲労は残っていない。
少し大きめのスーパーであれば売っているような安物のペタンとした布団。
それが旅館のように二つ並んで教室に敷かれている。
「って二つ?」
隣に目をやるとスヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てる金髪の美少女がいた。
背丈と言い、髪の色と言い雰囲気と言い俺の記憶違いでなければクラスメイトのアーシア・アルジェントさんだ。
半年間ほど前に転入してきた娘で以前はイタリアで暮らしていたという。現在は変態として駒王町に名を轟かせる兵藤一誠の家で居候をしている。それぐらいしか只のクラスメイトである俺は知らない。
兎も角、そんなクラスメイトの少女が寝ている。状況と良い場所と言い非日常的すぎるが、取りあえずは起こす必要があるだろう。俺の知っている彼女であればこんな事をする娘じゃないし、彼女もまた被害者なのだろう。
「アルジェントさん……アルジェントさん」
あまり女子に触れるのは好かないが、緊急事態故に大目に見て欲しい。身体を揺さぶり声を掛ける。髪の毛が舞い、彼女の匂いかシャンプーの匂いか何方かも分からない甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
「んっ……んぅ?……貴方は確か……御手洗さん……ですよね?」
「そうそう。クラスメイトの御手洗。ちょっとピンチ何で起こさせてもらったよ」
「起こす……?ってここは何方でしょうか」
寝ぼけ目が一瞬で開き、俺と同じように周りをキョロキョロと見まわす。
大きなエメラルド色の瞳。何時までも覗いていたくなるような綺麗な瞳。
「分からない。ただ目を覚ましたら俺とアルジェントさんがこの部屋にいたんだ。直前の記憶ってある?」
「いいえ。直前と言えば学校でしたし、お昼を食べていたような……?」
「俺と同じか。俺も昼飯を友人と摂っていた覚えはあるんだけど、それ以降があいまいで」
まずは現状確認と尋ねてみるが何にも有益な情報は出てこない。彼女の困惑しているようで眉間に皺が寄っている。
美少女はどんな顔をしても似合うんだなと場違いな事を思ってしまう。
「俺は部屋の入り口を見てみるから、アルジェントさんは他に何があるか見てくれないか?」
「分かりました」
男の俺が率先して声を掛けた方が良いと思い彼女に適当なお願いをする。
教室であればある入り口には何故かドアノブが付いている扉がある。回して開けようにもガチャガチャとロックが掛かっているようで扉は開かない。
鍵穴から何か見れないだろうかと目を凝らしてみても見えるのは部屋と同じく真っ白な空間。
つまり俺と彼女は誰かによってこの部屋に監禁されたという事だろうか。それにしては物音が無い。監禁であれば隣の部屋?に人を置くのが普通だろうし……
「此方には水とか食べ物とか置いてありました。御手洗さんの方は?」
「さっぱり。鍵は空きそうにないし、向こう側に何があるんだか。食料ってどれぐらい持ちそう?」
「一リットルサイズのペットボトルの水が四本に、コンビニのおにぎりが複数ありました。あ、後トイレとお風呂もあるようです。蛇口も捻ったら水が出ましたし」
「はぁ……?」
一体誰が何のために俺たちを閉じ込めたんだ?
監禁にしては俺たちを自由にさせ過ぎだし、トイレやお風呂を用意するような監禁は聞いたことが無い。
となると俺たちは暫くの間この部屋で過ごさなければいけないのだろうか。そうすると飲食物はどうなるのだろうか。今日だけの分しかないと明日からは大変だし……
そう思っていると突如部屋の中に響く謎の声。
『お目覚めかなお二人さん。初めまして僕が君たちを閉じ込めたものだ。名前は無いから気軽に神様とでも呼んでくれ。多分それが正解に近いだろうからね』
「神様?なんで神様なんて存在が俺らを閉じ込めるんだよ」
『君たちは僕の実験動物に選ばれたんだよ。異性の二人を部屋に閉じ込めるとどうなるかってね。あぁ、君たちの自由だ。僕としては君たちにセックスをしてほしいが、君たちがしたくないのであればしなくても構わないよ。ただその場合はこの部屋に閉じ込められたままだけどね』
「な、なんで神様がそんなことするんですか?我らが主であればそのような意味のない試練など……」
『そこは神によって違うと思ってくれたまえ。戦いの神がいれば慈愛の神がいるように、僕のように人間に興味を持つ神もいるんだ。丁度よく君たちの学校に相性の良さそうな男女を選んだらそれが君たちだったってわけ。特に深い理由はないよ』
ノイズが混じっているのか神様と名乗る声の主の性別が判断できない。男のようにも聞こえれば女のようにも聞こえる。
声から感じ取れる感情は興味だけで、俺たちを排除しようなどの黒い感情はなさそうだ。
「それで何がどうして俺たちにセックスなんてさせようと」
『人間は僕たち神と違って、セックスをして増えるのだろう?だからこそ興味を持ったのさ。愛などなくても繁殖は出来るのだろうし、かと言って相性が悪い二人では望む結果が得られそうにないからね。安心したまえ、君たち二人は神である僕が相性ピッタリと断言するよ』
「んなもんはいらん。それよりもセックス以外にこの部屋からは出られないのか?あと食べ物とかどうなってるんだ?」
『もう……人間ってせっかちだなぁ。そうだよ、君の言う通りセックス以外ではこの部屋のロックが解除できないように僕がしている。神である僕がしたのだから君たちのような人間で解除できるなんて思わないでね、面倒だから。次に食べ物とかだけど毎朝8時に支給するように手配しているよ。お風呂とかで使うだろうタオルやシャンプー、服などは此方が置くようにしたからね』
「……はぁ。それで終わりか?」
『うん終わり。僕から声を掛けることはもうないかな。あ、でも直ぐにセックスをしないでくれよ?ボクが興味を持っているのはセックスだけでなく異性二人がこの状況でどういう思いを抱くかだから、毎朝少しだけミッションを出すよ。今日はそうだね……二人にはキスをしてもらおうか。ミッションをこなせば今のおにぎりだけのご飯からランクアップしてあげる。そこも君たちの自由だよ。じゃあね』
ぶつりと音が聞こえるとそれっきり音が無くなる。
アルジェントさんは俯いたままで、俺も頭の中が疑問符で一杯だ。神様という奴は人間で遊びたいのか?というかそもそも実在をするのか。
あの声の中には嘘の感情はなかったから、彼? 彼女? が神様なのは本当なのだろう。
「えっと……あの神とやらの言葉は無視しようか」
「……」
「お、俺はあっちで座ってるから」
いたたまれない空気に耐えられず、寝ていた布団を引っ張り部屋の端へと腰掛ける。
ど、どうしよう。女子とまともに話した経験がないというのに閉じ込められるとか……
彼女も考えたいのか、俺と同じように布団を引っ張り正反対の方向の端に座ったようだ。
いったい今は何時なのだろうか。神様という奴が拉致をしたのならば、救助は期待できないのだろうか。
私の下書きという名の設定では
セックスしないと出られない部屋に閉じ込められた御手洗とアーシア。本編時空とは違うので、互いに童貞と処女。
アーシアはイッセーに恋をしている状態なので寝取りになる。閉じ込めた下手人に名はなく、敢えて呼ぶのであれば神
だからこそアーシアは『好きでもない相手と』と思うが神の言葉であればと妄信的に。
閉じ込められている部屋の大きさは教室程度。一回でセックスまで行くのではなく。段階を経てセックスへと導かれる。何回かに分けられて神からの指示が来るのでソレに従う。
・初日:互いを抱きしめあったうえでのキス
・二日目:男女の身体の違いを実際に裸になって説明
・三日目:お互いのオナニーを見ながらオナニーをして相互理解
・四日目:セックス。身体の相性が良くて部屋のロックが外れても獣のように貪り合う
※御手洗の一人称
ってなってましたね。一日目でキスまでさせるのであれば、エロまで行けたのでは? なんか別の短編に転用できそうな設定ですね。供養だけでは勿体ないし、使おうかなぁ。